ネタバレあります、注意!!
第6話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。
ところが、その矢先に見場創太により蛍があらぬ罪に落とされてしまう。
蛍はりかと塞田の助力を得て見場に対抗しようとするが……。
・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第5話「恐喝王2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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担任教師・塞田とりかの助力を得て見場創太と対抗する手筈を整えた蛍。
見場が自身の弱者としての立場を逆手に取り強者として君臨することを実現したように、蛍もまた自身が女性であることを利用し見場の本性を明らかにするつもりなのだ。
見場に屈したと見せホテルまで従い、その一部始終を撮影するのである。
待ち合わせ場所に現れた見場はそんな蛍の目論見に全く気付いていないかに思われたが。
一方、蛍を見守る圭一の不安は晴れない。
それどころか、どんどんと増して行くばかり。
そんな中、圭一は見場と蛍を覗き込む例の目玉の怪物を発見し追跡することに。
ようやく捕まえた圭一だが、目玉の怪物は特に抵抗を示さない。
容貌こそ怪異であるが、むしろ敵意は無いようだ。
それどころか、圭一に何かを訴えているかのようである。
興味を持った圭一は目玉の怪物に促されるまま、怪物の精神世界へと足を踏み入れて行く。
其処は見場の過去の記憶であった。
見場は身体が病弱な事で周囲からイジメを受け続けた。
しかし、それを両親に知られ心配をかけることを怖れひた隠しにしていた。
到底、現状からは想像出来ない性格である。
だが、見場はそんな生活に疲れ果ててしまった。
両親は見場に似ず前向きで明るい性格の持ち主で笑いが絶えない。
見場の同級生たちも常に笑いを浮かべており、とても満たされていそうだ。
自分1人だけが辛い……孤独を感じた見場は首吊り自殺を決行した。
ところが、此処で不思議なことが起こった。
偶然なのだろうか、紐が切れ見場は一命を取り留めた。
そのとき、見場の良心と悪心が分離したのだ。
良心は魂となり、目玉の怪物として彷徨うことに。
悪心が見場の身体に居座り、恐喝王として君臨したのだ。
すべてを察した圭一に、見場の良心は助けを求める。
圭一はソレに誘われ、その中へと飛び込んで行く。
その頃、蛍は思いも寄らぬ展開に驚愕していた。
なんと、見場が蛍を連れて来たのはホテルではなく無人の空き地だったのだ。
しかも、隙を突かれて手には手錠をかけられている。
見場は蛍の狙いを看破し、りかの尾行を撒いていたのだ。
おそらく自宅に張り込んでいる塞田もこれなら無意味だと嘯く。
すべて予見されていたのである。
さらに、見場は肉欲以外の別の欲望を満たすと宣言。
手にしたのは鉄パイプであった。
見場は蛍を殺すと告げているのである。
躊躇なく鉄パイプを振り下ろす見場。
これに蛍は蹴りを合わせる。
実は蛍は見場にそれほどの恐怖を抱いていなかった。
蛍は自宅の工場で見場よりも強面の男たちと接している。
この経験が活きていたのだ。
見場が恐喝王として精神的強者であるように、蛍もまた精神的強者だったのである―――次話に続く。
いよいよ始まった蛍と圭一の奇妙な相棒物語。
ちなみに、ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!
<感想>
「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
さて、その6話。
サブタイトルからもお分かりの通り、今回は「恐喝王」。
すなわち「シャーロック・ホームズ」でもお馴染み「恐喝王 ミルヴァートン」がテーマ。
そして5話により、この「恐喝王」が「ミルヴァートン」をもじった見場であることも明かされました。
併せて4話に登場した「目の怪物」が「見場の切り離された良心」であることも判明。
「目の怪物」は「隠しカメラ」ではなかった模様。
つまり、見場は「悪の心しか持たない人間」であることになりますね。
道理で躊躇が無いワケだ。
そんな見場の次の狙いは「蛍の命」。
蛍の仕掛けた計画は既に看破されており目的を達することは不可能。
となれば、此処は蛍自身の力で切り開くしかない。
確かに、蛍も精神的強者。
とはいえ、尋常ならざる見場が相手ではかなり厳しいか。
そもそも、精神的に強いといえど其処は年頃の少女。その負担は相当大きい筈。
となると、圭一の活躍が鍵を握りそう。
何しろ、見場が良心を取り戻せば事件は解決するのだから。
そして、こうなると気になるのは緑川楓の存在。
4話にて登場した彼女、何かがある筈……。
少しずつ物語が加速している印象です。
次回も見逃すなかれ!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第1話「再会とはじまり」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第2話「もう1つの兄妹」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第3話「もう1つの兄妹2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第4話「恐喝王」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第5話「恐喝王2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
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