2015年01月14日

「相棒season13」第11話「米沢守、最後の挨拶」(1月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season13」第11話「米沢守、最後の挨拶」(1月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season13」第11話「米沢守、最後の挨拶」(1月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

<ネタバレあらすじ>

右京(水谷豊)と甲斐(成宮寛貴)がニュースを食い入るように眺めている。

其処では女性リポーターがマイクを片手に何やら捲し立てていた。
些か興奮気味とも思えるリポーターが視聴者に伝えていたのは「不可思議な連続殺人事件」についてであった。

まず、練馬区で女性の遺体が発見された。 
現場を調べたところ、第3者のDNAが発見され殺人事件と判断された。

その一週間後 多摩川河川敷にて男性の遺体が発見された。
これまた、第3者のDNAが発見され殺人事件と判断された。

4日前、中野区歩道橋下にて男性の遺体が発見された。
そして、この現場でも第3者のDNAが発見され殺人事件と判断されたのである。

すなわち、同一犯による連続殺人。
さらに、現場からはDNA以外にも煙草の吸殻が発見されていたのである。

これを聞きながら、興味深そうにふむふむと頷く右京と甲斐。

と、其処へ角田が慌てた様子で割って入る。
何時に無く真剣な表情の角田が口にしたのは驚くべき事態であった。

なんと、検出されたDNAが米沢(六角精児)のソレを一致したのだ。

とはいえ、米沢が犯人ではない。
DNA採取用綿棒に誤って米沢のDNAが付着していたらしい。
此の為に無関係な3件に奇妙なミッシングリンクが生じてしまったのだ。
あってはならないミスである。

そもそも、3件が殺人事件と判断された理由が第3者のDNAにある。
これがミスだとなれば殺人事件では無い可能性も浮上する。
なおさら罪深いミスと言えた。

しかも、角田によれば発表されていないものの、同様のミスがもう1件存在しているらしい。
都合4件、米沢はクビを免れえない。

だが、米沢の仕事への真摯な態度を知る右京としてはこれが信じられない。
事情を確認するべく米沢のもとへ。

米沢はと言えば、鑑識の仕事に誇りを抱いていただけにショックを隠せない様子であった。
長谷川課長と山崎係長(池田政典)の前で「風邪を引いていたとはいえ、信じられない」とぼやき続けて居た。
そんな米沢に長谷川と山崎は退職を迫る。

山崎によれば、3件目の鑑定が行われた際に科捜研から「綿棒が汚染されているのではないか」と問い合わせが来たことで事態が発覚したらしい。

これに右京は疑問を抱く。
3件に共通していた物は米沢のDNAだけではない。
現場付近に落ちていた煙草もそうなのだ。
仮にDNAについてはミスとしても、煙草はどう説明するのか。
こうして、窮地の米沢を救うべく右京と甲斐が乗り出した。

まず、米沢の鑑識道具を調べた右京。
道具箱から「カイヅカイブキの葉」を見つけ目を光らせる。
続いて、右京は米沢の同僚・早乙女に協力を依頼する。

向かった先は第一の遺体発見現場である。
其処はマンションの一室であった。
被害者は1人暮らしの女性・安藤雅美。
浴槽で手首を切り死亡していたらしい。

当初、自殺と思われたが、現場に残されていたビール缶から第3者のDNAが検出された為に他殺とされていた。
もちろん、これが米沢のDNAだったのだが……。

そして煙草は部屋に繋がるベランダの真下に落ちていた。
とはいえ、其処ならば偶然で落ちていても不思議ではない。
しかし、右京は傍にカイヅカイブキが生えていることに気付く。

もしも、此処でカイヅカイブキの葉が米沢の道具箱に混入したのだとすれば……。
誰かが隙を見て鑑識車に置かれていた米沢の道具箱を物色した可能性が出て来る。
右京は問題の綿棒が何者かにより摩り替えられたのでは……と推測。
さらに、早乙女に周囲の下足痕の調査を依頼したところ、不審な足跡が検出される。

その頃、米沢の退職願が上層部に届いていた。
もはや、米沢に残された時間は少ない。

一方、右京たちは2件目の現場である多摩川河川敷へ。
死亡者は男性、死因は打撲によるものとされていた。
ただ、打撲痕については事故の可能性も高いらしい。
これも第3者のDNAが検出されたことで他殺とされたのだ。

そして、煙草の吸殻は少し離れたところに落ちていた。
この煙草も偶然と言えば通用しそうなほどである。
しかし、またも下足痕が検出された。

続いて3件目の現場である歩道橋の真下。
此処での被害者は西原一郎78歳。
当初、足を滑らせた事故死と思われていたが、これも第3者のDNAにより他殺と判断されていた。
煙草の位置はこれまた少し距離が空いている。
さらに、早乙女によればここでも下足痕が検出されているらしい。
しかも、3件の現場で検出された下足痕が同一の物であると断定された。

そして伏せられていた第4の現場へ。
此処では山崎も立ち会った。
なんでも、この現場に限っては山崎も鑑識作業に参加していたのだそうだ。
早乙女によれば山崎は「鑑識の神様」と呼ばれるほとの名人らしい。

第4の現場は物置である。
被害者は経営者の藤田雄二。
物置内に置かれていたボイラーによる焼死と思われた。
ただ、藤田の腕には何かで斬りつけられた痕跡が残っており、他殺の可能性も早期に疑われていたらしい。

だが、右京は現場を一目するなり「被害者がバックドラフトにより焼死したのではないか」と仮定する。
すなわち被害者が窓を開けたことにより起きた事故だ。
ところが、山崎は「窓は閉められていた」と主張し右京の仮説を一蹴する。

不思議なことに、この現場からは例の煙草も下足痕も見つかっていなかった。
しかも並行して、例の下足痕の靴が全国で5万足も売れた量産品と判明。
これにより、下足痕が煙草と同じく偶然の可能性も否定出来なくなってしまった。

加えて早乙女によれば、この現場に限っては消防員や救急隊員など人の往来が激しく摩り替えなど出来る環境では無かったらしい。
これまた右京の「同一犯による綿棒摩り替え説」に反する点である。
これを聞いた米沢は僅かな希望も断たれ肩を落としてしまう。

その夜、落ち込む米沢を励まそうと彼の自宅を訪れた右京と甲斐。
米沢が住むマンションンの管理人の男性によれば、米沢は荷物を抱えて何処かへ出かけたと言う。

これに感じるところのあった右京は2件目の現場へ向かう。
右京の推測通り、其処に米沢が居た。
米沢は自身でも鑑識道具を抱え4件の現場を巡り調べていたのだ。
しかし、これといった発見は無かったらしい。

合流した右京たちは「花の里」へ。
気落ちする米沢は先と同じく「風邪さえ引かなければ……」と繰り返す。
どうも、自宅から直行し鑑識車で着替えたことが原因らしい。

これを聞いていた右京は、煙草、下足痕、もう1つの共通項に気付く。
4件とも米沢が自宅から直行していたのだ。

右京は綿棒摩り替えの犯人が米沢宅から尾行していたのでは……と推測。
それならば、米沢が関わった事件のみをピンポイントで狙えたのも説明出来る。

翌日、右京たちが米沢宅を訪問。
だが、米沢はこれをにべもなく追い払う。
数分後、疲れ果てた様子の米沢がマンションから出かけた。

と、これを見ていたマンション管理人が動いた。
マスターキーを用いて米沢の部屋に侵入すると、何やらコンセントを持ち去ろうとしている。
それはコンセント型の盗聴器だったのだ!!

盗聴器を手にニヤリと笑うマンション管理人。
しかし、その表情が凍り付く。
振り返れば、右京、甲斐、米沢たちが居たのである。
すべては右京の罠であった。

綿棒摩り替えの犯人はマンションの管理人であった。

マンション管理人は盗聴器により、米沢の行動を把握。
これを尾行すると、隙を見て仕掛けた綿棒と摩り替えた。
米沢のDNAはゴミから入手したらしい。
煙草の吸殻は連続殺人犯が居ると思い込ませる為だ。

マンション管理人の名は内田健一。
過去に満員電車の中で女性の身体に触れたとして強制わいせつ罪に問われていた。
この罪により内田は大手理学研究所をクビになっていた。
この際、鑑識の繊維鑑定により立証されており、内田は鑑識を強く恨んでいたのだ。

今回の復讐も「ハイルブロンの怪人」にヒントを得たらしい。
「ハイルブロンの怪人」はヨーロッパ各地で起きた40件以上の事件に関与したとされる怪人。
ところが、実際は綿棒製造工場の女性のDNAが誤って混入したことによるミスで、これにより「存在しない架空の犯人」を作り出してしまった事件であった。
その名はDNAが最初に検出された地名に由来している。

内田は「俺が仕事をクビになったのはお前らの所為だ」と叫ぶ。
これに右京は「やり直す機会があった筈です!!」と断じるのであった。

こうして米沢の無実が判明した……かに思われた。
ところが、逮捕された内田は4件目についてのみ犯行を否認。
これにより、米沢の退職の流れは止まらない。

未だ続く米沢の危機。
しかし、4件目だけは米沢にも心覚えがあった。
窓から冷たい風が吹き込んで来てクシャミをしてしまったのだそうだ。
これを聞いた右京は「なるほど」と大きく頷く。
どうやら真相に辿り着いたようだが……。

翌朝、右京たちは4件目の現場に山崎を呼び出していた。
「現場の窓が閉まっていた」と語っていた山崎。
ところが、米沢が語っていたように現場の窓は開いていたのだ。

右京は「鑑識の神様」とまで呼ばれる山崎がこれに気付かない筈がないと指摘。
もしも、あるとすれば「山崎が何かに激しく動揺していたのではないか」と断ずる。
だからこそ、窓の状態が目に入らなかったのだ。

此処で右京が注目したのは現場周辺の草むら。
其処には一箇所だけ何故か枯れた場所があった。
それは塩素系の洗浄剤が撒かれた跡である。
つまり、血痕を消し去ったのだ。

事件発生の報を受けて、4件目の現場にやって来た山崎。
ところが、物置へと向かう途中で草むらにあった血痕を踏んでしまった。
それは余りにも初歩的なミスであった。

周囲から尊敬され目標とされる山崎にとってそんなミスはどうしても許せなかった。
山崎は「どうせ事故だろう」と洗浄剤で血痕を消し去った。

ところが、腕の傷から殺人事件の疑惑が生じた。
もしも自分の行為が知られればミス……どころか証拠隠滅の罪に問われかねない。

山崎は顔色を変えた。
そんな折に米沢のミスが指摘され始めた。
山崎はこれを利用することを考えた。
米沢のミスに注目が集まれば、山崎のミスには誰も気付かない。
其処で係長の権限を利用し科捜研提出用の綿棒に工作を施したのだ。

山崎は「どうせ米沢がクビになるのなら……」と自身のミスを上乗せしたのである。
さらに、山崎は自身のミスで犯人を逃がしてしまうことを何より恐れていた。
その責任から逃れようとしたのだ。

これを右京は「杞憂だった」と笑う。
窓が開いていたことが判明したことで、右京の以前の仮説通り「バックドラフト」であると確定したのだ。

藤田の腕の傷は物置近くのゴミ捨て場で手を切ったものだった。
手当の為に戻ったところを火災に巻き込まれたらしい。
もちろん、山崎が踏んだ血痕は被害者がゴミ捨て場から戻る際のものであった。
其処に事件性は無い。

普段の山崎ならば気付けたのだろうが、動揺していた為に見落としたのだ。

「たった1つの物証が善悪を決め、人の人生を決めてしまう」
米沢は山崎に言い放つ。
それは山崎が米沢に教えた言葉であった。
米沢にとっても山崎は尊敬し目指すべき先輩だったのだ。
ところが、山崎は彼が口にしていた何より重要なことを見失ってしまっていた。

数日後、別の事件現場に右京と甲斐の姿があった。
山崎の行動が明らかになったことで米沢の退職は無事に回避された。

「目標を失った米沢さん、辛いですね」
甲斐が呟く。
だが、右京は静かに微笑むと口を開いた。
「いいえ、今度は米沢さんが山崎さんに代わる手本となるのでしょう」と―――第11話了。

<感想>

シーズン13第11話。
脚本は徳永富彦さん。

サブタイトルは「米沢守、最後の挨拶」。
おそらく『シャーロック・ホームズ 最後の挨拶』をもじったものか。

テーマ的には「誰にでも間違いはある」か。
大事なことは間違いを犯さないことはもちろんだが、犯してしまった際にそれを認めること。
また如何にして間違いを償うかだ―――的なメッセージも聞こえて来ました。

まず、内田。
彼の間違いは「罪を犯した(強制わいせつ)」こと。
そして「罪を犯したにも関わらず、それを反省せずに新たな罪(米沢を陥れる)を犯した」こと。
さらに「逆恨み」と、かなり罪深いです。
どうにも、言語道断なところが……。

続いて、山崎。
こちらの間違いは文字通り「ミスを犯した(血痕を踏んだ)」こと。
そして「そのミスを認めようとせず隠蔽しようとした(血痕の削除)」こと。
さらに「ミスを他人に押し付けようとした(米沢に罪を着せた)」こと。
こちらも、かなり罪深いです。
他者の手本であろうとする心意気は良しですが、その方法が間違っていました。
ミスを犯した際にどう責任を取るかについても手本となるべきでしたね。

ちなみに「ハイルブロンの怪人」は実在の出来事。
右京さんの説明通りとなっています。

それにしても、サブタイから「米沢さん、これで最後なのか……!?」と緊張しましたが見事に裏切られましたね。
とはいえ、こういった形での裏切りはむしろ望むところと言えるか。

そして、後ろめたいところが無い限り味方にすると此処まで心強い者は居ないのが「特命係」。
そんな点が満遍なく発揮されていた回でしたね。
良かったです。

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posted by 俺 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 相棒 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
米沢さん卒業でなくてよかった。
亀山さん卒業の事件以来の本気ぎれの演技もみれたし、なかなか面白かったです。

反面内村さんの「できるだけ早く首にしたい」という台詞はちょっと違和感がありました。保身に尽力するとはいっても刑事部で活躍してきた仲間をあんなに忌々しげには扱うキャラでしたっけ?

次回脚本の藤井清美さんは映画「るろうに剣心」を書いた人みたいでどんな話になるか楽しみです。
Posted by ヒカル at 2015年01月16日 15:18
Re:ヒカルさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

米沢さん退職しないで良かった!!
やっぱり、米沢さんも含めての「相棒」です。

そして、今回の内村は敵役としての本分を全うしていたのかもしれません。

次回(12話)は映画版「るろうに剣心」の脚本家さんなんですね。
期待大です!!
Posted by 俺 at 2015年01月19日 22:03
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