<あらすじ>
8代将軍・徳川吉宗の治世下、東北の小藩・湯長谷藩は幕府から突然、通常でも8日かかり、さらに莫大(ばくだい)な費用を要する参勤交代をわずか5日で行うよう命じられる。それは藩にある金山を狙う老中・松平信祝(陣内孝則)の謀略で、弱小貧乏藩には無茶苦茶な話だった。藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は困惑しつつも、知恵を絞って参勤交代を完遂させようと作戦を練る。
(公式HPより)
<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
【湯長谷藩】
内藤政醇:湯長谷藩の藩主。腕も立つし人情もある。閉所恐怖症が玉に瑕。
相馬兼嗣:湯長谷藩家老。
荒木源八郎:湯長谷藩士。
秋山平吾:湯長谷藩士、「何事も冷静に対処する」が信条。
鈴木吉之丞:湯長谷藩士。
増田弘忠:湯長谷藩士。
今村清右衛門:湯長谷藩士。
【幕府】
松平輝貞:時の老中首座。
松平信祝:時の老中。湯長谷藩に眠る金山を狙う。
夜叉丸:隠密頭、松平信祝の部下。
【その他】
雲隠段蔵:御庭番にも知られる戸隠流の凄腕忍者。
内藤政醇は湯長谷藩の藩主である。
湯長谷藩は田舎の小藩なりとも武門に優れ、藩主たる内藤もこれは同様であった。
また、内藤は気さくな人柄で篤く情を解し民の為の政を良くしたことから領民からの人気は高く、名君と称されていた。
そんな内藤が参勤交代を終え、所領に戻って来た。
付き従うは家老の相馬ら藩士一同である。
やっと故郷に戻った安心感から口も軽くなる一同。
ところが、そんな口を重くする出来事が起こる。
なんと、戻ったばかりだと言うのに早くも「次なる参勤をせよ」との命が下ったのだ。
しかも、最短でも8日の道のりを5日で駆け上がれとの難題付きである。
これに戸惑う内藤たち。
それもその筈、当時の常識では到底不可能だったからだ。
だが、内藤たちに「否や」はない。
拒否すれば取り潰しは必定であった。
そもそも、時の老中・松平信祝が湯長谷藩に眠る金山を己の物にしようと藩取り潰しを画策し無理難題を命じたものだったのである。
もしも、参勤を断れば敵の思うつぼだ。
無理でも果たすしかない。
こうして、内藤たちは知恵を絞り方策を考えた。
まず、人員を絞った。
その数、内藤や相馬、荒木、鈴木、秋山らわずかに7人である。
これにより、1日当たりの進行速度を上げると共に必要とされる費用を削減した。
問題は途中で参勤行列を確認される高萩宿と取手宿だが、日雇い人足により行列を誤魔化すことにした。
また、街道ではなく獣道を行くことで距離を短縮することにしたのである。
相馬の計算上、これならばギリギリ可能と出た。
内藤たちはイチかバチか勝負に出ることに。
その夜、内藤の前に雲隠段蔵を名乗る戸隠流忍者が現れた。
段蔵は何処から聞き付けたのか、湯長谷藩の窮状を知っており多額の報酬と引き換えに道案内を申し出る。
これに内藤は疑うこともなく依頼する。
実は、段蔵は報酬さえ貰えば途中で逃げ出すつもりであったのだが……。
こうして始まった珍道中。
ところが、この動きを知った信祝は御庭番の夜叉丸に内藤一行の暗殺を命じる。
そうとは知らない内藤たちは高萩宿を当初の計画通り雇い入れた人足たちで切り抜けた。
此処で内藤は敵襲を予測し2手に分かれることを提案。
単身で牛久宿へ向かい、其処で飯盛り女中のお咲と出会う。
彼女の優しさに心惹かれた内藤は折檻を受けていた彼女を救い、旅の仲間に加える。
同じ頃、相馬たちは夜叉丸の襲撃を受けていた。
段蔵が報酬を手に入れ逃げ出していたこともあり、一行は必死に逃亡する羽目に。
その頃、当の段蔵は報酬が金額は言い値通りであったにも関わらず、大判小判ではなく汗に汚れた小銭で賄われていたことから湯長谷藩の状況を思い出し良心の呵責を覚えることに。
お咲と共に取手宿を目指す内藤。
ところが、其処に夜叉丸たちが襲撃を仕掛けて来た。
類稀なる居合の腕で刺客を返り討ちにする内藤であったが、お咲を人質に取られ万事休す。
しかし、戻って来た段蔵により事無きを得る。
こうして、段蔵と合流した内藤たち。
取手宿にて生きていた相馬たちと落ち合うことに。
ところが、此処で問題が発生。
予定がずれた為に人足が集まらなかったのだ。
困り果てる内藤たちであったが、偶然に行き違った内藤本家である内藤政樹の行列を借りて切り抜けた。
いよいよ江戸に入った内藤ら一行、目の前には江戸城へ続く橋がある。
此処さえ乗り越えれば江戸城はもう目と鼻の先であった。
ところが、そんな内藤たちの前に広がっていたのは決死の夜叉丸が籠る最終防衛線だったのだ。
夜叉丸は江戸へ通じる唯一の橋を塞ぎ、2重、3重の馬防柵で堅めたのであった。
そして、多数の御庭番がこれを囲い込む。
もはや時間が無い。
焦った荒木と今村が槍を手に突撃。
しかし、敵の厚い層に阻まれ突破できない。
そんな中、普段の冷静さをかなぐり捨てて、血路を切り開くべく秋山が果断に斬り込む。
当たるを幸いに薙ぎ払う秋山の活躍もあり、遂に道が開いた。
だが、代わりに秋山は討死を遂げてしまう。
この心意気に段蔵が燃えた。
殿を引き受けると、内藤たちを先に逃がしたのである。
さらに、追い縋る敵をバッサ、バッサと切り捨てる。
今度は逆に夜叉丸たちが足止めを喰らうこととなったのだ。
一方、江戸城では老中首座・松平輝貞が内藤たちの到着を今や遅しと待ち構えていた。
その傍らでは、信祝が勝利を確信していたのだが……。
ギリギリではあるが、内藤たちが到着する。
内藤たちは信祝が金山を狙い湯長谷藩取り潰しを図ったと輝貞に申し出る。
さらに、当の金山が「不純物が多い為に有用では無いこと」を主張。
こうして、実は信祝の狙いを悟っていた輝貞により信祝はその場で罷免されることに。
同じ頃、段蔵により夜叉丸たちはほぼ壊滅していた。
残された夜叉丸は段蔵を道連れにすべく特攻をかける。
だが、これさえも段蔵に躱され死亡する。
生き残った段蔵はニヒルに微笑みを浮かべると姿を消した。
内藤はお咲を正室に迎え、湯長谷藩への帰路に就いた。
後日、段蔵が報酬をこっそりと返却していたことが分かる。
段蔵は利益ではなく、内藤や湯長谷藩の面々の心に惚れて助けたのであった。
これにニッコリと微笑みを浮かべる内藤であった。
湯長谷藩は今日も日本晴れである―――エンド。
<感想>
個人的には、まさに「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」に続く「国民的映画」に相応しいポテンシャルを秘めた作品だと思います。
それほど「痛快!!」でした。
そんな本作ですが、鑑賞前は「数々の難題を知恵と勇気で乗り越えるか……」と思いきや、割と力技で切り抜けたのが逆に面白かった。
これが胸をすくほど爽快なのです!!
そして、何と言っても段蔵の存在が良い。
内藤たちだけでは果たせぬ難題を彼が加わることで乗り越えて行く。
とはいえ、これは段蔵に依存しているワケではない。
それもこれも、内藤が「人事を尽くして天命を待った」からこその助太刀なのだ。
もしも、内藤が途中で諦めていれば得られなかった助力だろう。
それが良い!!
それ以外にも「見て、ドキドキして、笑って、泣いて、ホッとして、スッキリ」する。
王道のエンタメ作品としての要素を全て兼ね備えています。
日々に鬱々としている人、何か辛いことを抱えている人。
そんな人は是非、本作を視て少し気を楽にして欲しい。
それこそ、あなたの努力は何時か報われるかもしれないのだから。
そんな信じる気持ちを呼び起こしてくれる映画です。
ちなみに、本作には原作が存在。
それが土橋章宏先生による同名タイトル『超高速!参勤交代』(講談社刊)。
そんな原作のシリーズ続編が刊行予定とのこと。
その名も『超高速!参勤交代 老中の逆襲』(講談社刊)。
なんでも、今度は「湯長谷藩の面々に江戸城天守閣の再建命令が下る」とか。
『超高速!参勤交代 老中の逆襲』は2015年9月24日発売予定。
また、映画版「超高速!参勤交代」も続編製作が決定とのこと。
こちらは2016年予定だそうです。
期待すべし!!
ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変を加えているので、興味を持たれた方は是非、本作をご覧頂きたい。
「【チラシ2種付映画パンフレット】 『超高速!参勤交代』 出演:佐々木蔵之介.深田恭子.知念侑李」です!!
【チラシ2種付映画パンフレット】 『超高速!参勤交代』 出演:佐々木蔵之介.深田恭子.知念侑李
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