2015年01月21日

「実は私は」第95話「家族と話そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第95話「家族と話そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その日、朝陽の前に落ち込んだ様子の緑苑坂弓(正体は源二郎)が座り込んでいた。
弓に急に呼び出され緊張していた朝陽だが、今では拍子抜けを隠せない。

なんと、弓は朝陽に家庭について相談を持ちかけたのだ。
弓として教鞭を取るべく自宅に不在がちとなった源二郎に桐子が疑念を抱いているらしい。
もはや、バレるのは時間の問題となっていた。

「とりあえず、副担任を辞めたら……」と奨める朝陽。
だが、これに弓は首を横に振る。
途中で職務を放棄することは源二郎のプライドが許さないらしい。
割と真面目である。

「おのれ、あの悪魔め……」
屈辱に震えつつ茜への呪詛を口にする弓。
刺客として赴くことを相談したが、まさか性別を変えられ副担任にされるとは思っても居なかったそうだ。

「葉子に事情を打ち明け相談してみたら」と提案する朝陽。
これに弓は「とんでもない」と頭を抱える。

弓は朝陽に「おどれの父親が女装していることを知らされたらどう思う?」と問う。
なるほど、確かにキツイ―――父の女装姿を思い浮かべた朝陽は深く納得した。

と、其処へ噂をすれば影。
当の葉子がやって来た。

源二郎とも知らず気さくに弓へと話しかける葉子。

(よ、葉子ぉぉぉぉぉ……)
正体がバレないように内心で慌て怯える弓。
だが、そんな内心とは裏腹に満面の笑顔で応じてしまう。
普段、源二郎は葉子から声をかけられたことがない。
それだけに物凄く嬉しかったのだ。
哀しきは父親の性か……。

一方、葉子は弓に憧れているようである。
「どうすれば、そんなクールビューティーになれるんですか?」
真剣に問う。

これに……。
(く、くーるびゅーてぃーだと)
これまた戸惑う弓。
しかし、先程同様に「あなたも十分にクールビューティーよ」と応じてしまう。
子煩悩な源二郎はどうしても葉子に甘くなってしまうのだ。

これを傍から眺める朝陽は「駄目だ〜〜〜」と天を仰ぐ。
その間にも、葉子は笑顔で弓へと話しかけ続けた。

此処で弓はふと気付いた。
葉子の笑顔がこれまでになく輝いていることに。

(ありがとう、黒峰君。君のお蔭だ)
今更ながら、朝陽が葉子を守っていることを思い出した弓。
「お友達」として今後も葉子を宜しくと心の中で呟くのだが……。

その目の前で葉子が朝陽を「黒峰君」ではなく「朝陽君」と呼んでいることに違和感を覚えた。
何故、そんなに親しげに……まさか!!

無理矢理に冷静さを装った弓はそれとなく2人の関係を葉子に問う。
これに顔を赤らめる葉子。

事情を察した弓こと源二郎は激怒しようとして……殺意に凍り付いた。
振り返れば其処には桐子が。
桐子の表情は笑顔だが……。

(落ち着け、今のワシは緑苑坂弓、大丈夫!!)
必死に言い聞かせる源二郎に桐子は「何をしているのかと源二郎にお伝え願いますか?」とニコヤカに告げる。
その手には「バールのようなもの」が握られていた。
源二郎は死を覚悟した……。

翌日、生きて学校に現れた弓。
朝陽に「桐子が夕食もずっと笑顔だった……」とさながら針のむしろであったことを語る。
これに同情を禁じ得ない朝陽であった―――96話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、10巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!

その95話。

サブタイは「家族と話そう!」。

「家族と話す」べきは弓こと源二郎。
「葉子や桐子相手に事情を明かしておくべきでは?」とのテーマでストーリーが展開しました。

この95話により、桐子には弓の正体が源二郎であることは露見したと見て良さそう。
ある意味、黙認状態か。

そして、朝陽はそんな源二郎の前で葉子を守ることにより彼に認めて貰うことになりそう。

それにしても源二郎の破壊力は凄いなぁ……。
ある種、茜に弄ばれる「実は私は」の3本柱の1人だな(残る2人は明里と華恋)。

さて、新キャラ3人のうち2人は既存の登場人物に。
まず、緑苑坂弓は源二郎の変身。
そして、黒峰鳴は以前にも登場済み。
残る忍者っ娘が不明か……もしかして、彼女も既存キャラなのか!?
まさか、渚の後輩か涼だったりして。
いや、武器繋がりで黄龍丸の変身の可能性も捨て難い。
これは新章からも目が離せそうにない。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス10巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ。
そして10巻は―――1周回って葉子が単独で表紙に!!
うむむ、11巻は誰になるのか……まさか、緑苑坂弓ではなかろうな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第90話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第91話「お花見をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「実は私は」第94話「言い張ろう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
忍者少女:92話から登場、詳細不明。

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