2015年01月24日

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第8話「兄の死のナゾ」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第8話「兄の死のナゾ」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第8話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第7話「恐喝王4」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

見場を改心させた蛍と圭一。
その際に見た圭一の後頭部の傷が蛍を不安にさせていた。
後頭部に陥没骨折があるということは、圭一の死は他殺の疑いが強いのだ。
圭一は誰かに殺されたことになる。

死亡時の手掛かりを求めて圭一に記憶を問う蛍。
圭一によれば死の前後に「11人の男が居た」らしい。
しかも「中の1匹は獣だった」と言う。

困惑する蛍だが、忙しない日常はそんな彼女にも容赦しない。
何しろ、赤木家は大家族なのだ。
蛍が切り盛りしなければ回らないのである。

末の兄弟が泣けば、これを世話する。
弟である和也の為に弁当を用意しなければならない。
妹の節の世話も焼かねばならないし、掃除に洗濯も待っている。
もちろん、工場の仲間たちにも食事を用意する必要がある。
そして、特待生で居る為の聖マルス学園の授業の復習だ。

これを並行してこなして行く蛍。
レコーダーに録音していた授業をイヤホンで確認しつつ、掃除洗濯をテキパキとこなす。
一方で、隙を見て和也と工場の仲間たちへ食事を渡し送り出す。
それはもう、獅子奮迅の大活躍である。

だが、まだこれで終わりではない。
末っ子が寝入ったところを見計らって蛍は買い出しに出かける。
これに同行する節。
蛍にキャンディーを買って貰ってご機嫌だ。

とはいえ、この間も蛍の脳裏を占めるのは圭一の言葉である。
「11人の男の中に1匹の獣」その意味は何なのか!?

と、蛍と歩く節の足元に見慣れない猫が近寄った。
ところが、節は全く気付かない様子である。
蛍が確認してみるとそれは一つ目の奇怪な猫であった。
蛍にしか見えない「悪意」だったのである。

途端、節が呻き声を上げ苦しみ出した。
キャンディーが咽喉に詰まったのだ。
これを放置すれば窒息してしまう!!

だが、圭一が傍に居ない状態で蛍に出来ることは無い。
蛍は感知することは出来るが、退治は出来ないのだ。

慌てふためく蛍の前に、りかが通りかかった。

「あれ〜〜〜?」
事態に気付いていない様子のりか。
その背後にはりかの悪意の塊であったクラゲが浮かんでいる。

(こんな時に、アレまで!?)
焦りを募らせる蛍だが、りかの背中に浮かぶクラゲには以前ほどの悪意は感じ取れない。

すると、りかの背中のクラゲが動いた。
うようよと触手を伸ばすと節の足元の猫を喰らい始めたのだ。
やがて、一つ目猫はクラゲに食べられてしまった。

同時に節が激しく咳き込むと共に口からキャンディーを吐き出した。
間一髪、助かったのだ。

「ありがとう、ありがとう志田ちゃん」
妹の恩人であるりかに感謝する蛍。
とはいえ、事情を知らないりかは困惑気味である。

このとき、ふと蛍が気付いた。
節が助かったのは原因である一つ目猫がクラゲに食べられた為だ。
これと同じようなことが街中でも人の生死の数だけ常に起こっているとしたら。
ただ、それが他の人には見えていないだけだとしたら。

圭一が語った言葉―――11人の男とその中に居た1匹の獣。
その意味が10人の男の中に圭一への殺意を募らせていた人物が居り、その人物が抱えていた悪意こそが獣に見えたのだとしたら。
蛍は圭一の為にも犯人を突き止める必要性を痛感するのであった。

さて、騒動を乗り越え帰宅した蛍。
ところが、待っていたのは浮かない表情の圭一。
見れば工場の機械も動いていないようである。
何かがあったのか!?
そんな蛍の目の前で、蛍の父が叫ぶ。
「ええっ、それじゃあ詐欺じゃないですか!!」

どうやら、新たなる事件が勃発したようだ―――次話に続く。

いよいよ始まった蛍と圭一の奇妙な相棒物語。
ちなみに、ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。

さて、その8話。
サブタイトルからもお分かりの通り、今回は「兄の死のナゾ」。
どうやら今後メインとなるストーリーは「圭一の死の直前にこれと関わったと思われる容疑者10人」を順に調査し、圭一を殺害した犯人を突き止める流れになるのかな。
その過程では容疑者たちがそれぞれ悩みを抱えており、これを蛍と圭一が解決し次の容疑者に繋がるヒントを貰い追って行くことになりそう。
だとすると、少なくとも最後の1人以外は圭一殺害の犯人ではないことになるのかな。

此処で気になるのは圭一失踪とほぼ同時期に起こっていた「お金持ちの事件(4話参照)」。
圭一個人が恨まれていたとは考えにくく、その正義感から何かに巻き込まれたと見るべき!?
あるいは正義感から何か上層部の不正が関わって来るのか……注目です。
それと、気になるのは緑川楓の存在。
4話にて登場した彼女、何かがある筈……。

とはいえ、その前に赤木家に起こった事件が先か。
蛍父が経営する工場を襲った詐欺騒動、果たしてその結末は!?
次回も見逃すなかれ!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第1話「再会とはじまり」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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◆関連過去記事
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これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

【赤木家】
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。

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