2015年02月02日

【第2の殺人発生】「蟻地獄壕殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【第2の殺人発生】「蟻地獄壕殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

「金田一少年の事件簿R」第5弾は「蟻地獄壕殺人事件」!!
心理実験を舞台に事件が……


【「蟻地獄壕殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。

馬江田準樹:西東大学心理学部教授。実験の主催者。
巳月七生:高校2年生。赤色
祝木桐彦:大学4年生。オレンジ色
彩世泉:大学3年生。ベージュ
華形拓人:大学2年生。黄色
舞谷かえで:大学2年生。エメラルドグリーン
蜂倉柊太:大学3年生。灰色
司吉里子:高校3年生。黒色

草薙蓮:1年前に溺死体で発見された人物。

いつき陽介:フリーライター、何かと金田一と繋がりのある人物。

マスター:カフェふくろうのマスター。
ホー之介:マスターが飼っているふくろう。

<あらすじ>

・前回はこちら。
「蟻地獄壕殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

彩世泉が何者かに殺害された。
蟻地獄壕周辺は流砂に囲まれており、馬江田たちが到着して以降は外部からの侵入不可能。
残された可能性は内部犯行説、あるいは最初から外部犯が侵入していた場合だ。

とりあえず、最初から外部犯が侵入していた可能性を排除すべく金田一たちは空き部屋を調べ始めることに。

「蟻地獄壕」を巡回する金田一。
大広間から各個人の部屋へは枝分かれして行く道を進む必要がある。

まず、大広間から2択の岐路。
これは蟻地獄壕を東ブロックと西ブロックとに大別している。

少し進むとそれぞれの道がさらに2分されている。
此の時点で道は4本になった。

この4本の道は4つの広間に繋がる。
さらに広間からそれぞれ2本ずつの道が伸びる。
此の時点で道は8本になった。

8本の道は8つの広間に連結。
8つの広間から、それぞれにまたも2本ずつの道。
此の時点で道が16本となった。
その16本が実験参加者の各個室に繋がっているのだ。

そう、「蟻地獄壕」はさながらトーナメント表のような作りになっているのだ。
そして、16の個室は東から西へ順に次のようになっている。

東ブロック(東から西の順):空室、馬江田、空室、金田一、巳月、空室、彩世、美雪。
西ブロック(東から西の順):いつき、華形、蜂倉、祝木、空室、司、空室、舞谷。

金田一は空室となっている部屋を確認して行く。
しかし、特に不審な点はない。
気になったのは司の東側の空室が外から封鎖されており出入りが不可能と思われること。
さらに、司と空室へと続く広間が外から施錠可能な事ぐらいか。

いずれにしろ、これにより外部侵入者説は不可能となった。
残されたのは内部犯行説のみ。
すなわち、実験参加メンバーの中に犯人が居るのだ。

犯人を絞り込む情報を求めた金田一。
こうして泉殺害時刻の確認が行われることに。
馬江田がバイタルブレスで異常を感知したのは22時30分のことらしい。
バイタルブレスは5分毎にデータ採取が行われるので、犯行時刻は22時25分から30分の間と思われるようだ。

此処で「その時間の各人のバイタル数値を確認すれば犯人が分かるのでは?」との提案が飛び出す。
犯行前後には通常値よりも何らかの異常が出ている筈との論理だ。
ところが、馬江田が確認したところ特に怪しい点は出て来ない。
それどころか、実験に参加したメンバーならば精神安定剤を服用するなどの対処法を取るのではないかとの声まで上がる。
これではあまり参考にならないようだ。

そうこうしている内に、各人が自室に戻ってしまった。
金田一は馬江田が何かを隠していると呟くが……。

そんな中、自室に戻った華形は過去に自身と泉、祝木が行った「草薙への仕打ち」を思い出す。
「まさか、あのときの……」
怯えた華形は「絶対に眠らない」と覚悟を決めるのだが、その直後に寝入ってしまう。
どうやら、何らかの薬を盛られたようだ。

そして現れたのは黒い影。
影はベッドの華形にナイフを突き立てる―――5話に続く。

<感想&推理>

「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第5弾は「蟻地獄城殺人事件」……ではなく「蟻地獄壕殺人事件」です!!

どうやらタイトルが「蟻地獄城」から「蟻地獄壕」へと変更になった様子。
「城」ではなく「壕」であることに深い意味があるのだろうか。
だとすれば「蟻の巣」状の連結構造に何かありそうだが……。

そんな「蟻地獄壕殺人事件」の第4話。
幾つか気になる点が出て来ましたね。

まず、気になるのは馬江田の隠し事の正体。
これはおそらく「草薙の死の真相」を追っているものと思われます。
つまり、馬江田自身が草薙の死について不審を抱いているものか。

続いて、強調された司の東隣の空室。
何故か、外から封鎖されている描写は「薔薇十字館殺人事件」のアレを思い起こさせます。
司の部屋へ続く広間が施錠可能な件も含めて、トリックで使われそうです。

で、此処からは今回になって気が付いた点。

まず、あらすじにも盛り込んだけど「蟻地獄壕」は「蟻の巣状」よりは「トーナメント表」みたいだね。
これにも何か意味がありそう。

そして、彩世泉殺害について。
読者視点だと実際の犯行は「22時2分」と判明しています。
ところが、馬江田によればバイタルブレスの反応から「22時25分から30分の間」とされています。
この差が生まれた理由は何か。

それは犯人がトリックを弄したからに他ならない。
おそらく、犯人は彩世泉を殺害後にバイタルブレスを自身で着用し泉生存を偽装したと思われる。
どうやら、泉の部屋が暑かったのも偽装前後の数値が不自然にならないよう予めバイタル数値を上げて置く為か?
だとすると、通常値が高い人物が犯人?

しかも、その後に泉の部屋から西側区画にまで運び入れている。
いずれにしても、此処までしなければならないほどのメリットが泉殺害にはあったことになるが……。

それにしても、泉殺害の時には訪問してたのに華形殺害時には眠らせてからの不意討ち。
そもそも、どうやって華形を眠らせたのか?
また、その室内にあっさりと侵入出来たのは何故か?
此の点も気になります。

次回以降に注目!!

なお、泉殺害トリックについては2話で主張したトリックを引き続き推す。

「蟻地獄壕殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

ちなみに、此処で大ニュース。
「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作「ファイアーエムブレムif」開発に「金田一少年の事件簿」原作者である樹林伸先生が参加されるとのこと。

そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!

綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?

◆「蟻地獄壕殺人事件」関連過去記事
「蟻地獄壕殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「蟻地獄壕殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「蟻地獄壕殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
「亡霊校舎の殺人」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)

【ドラマ版】
ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件 マレーシアのジャングルで合宿中の生徒達が次々と消えた…太陽と月が交わる時暴かれる驚愕のトリック!謎はすべて解けた!」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ

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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。


◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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