2015年01月25日

「実は私は」第96話「前言撤回しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第96話「前言撤回しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「シャー」
唸るような威嚇の声を上げるのは近所の猫……ではなく葉子であった。
その前には「望むところだ!!」とばかり身構えた渚が立っている。

そう、葉子と渚は朝陽を巡る恋敵。
特に90話「お別れしよう!」にて渚が「これからも隙あらば朝陽を狙う」と宣言したことで友人でありながらも牽制し合う仲になっていた。

「実は私は」第90話「お別れしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

とはいえ、ソレはソレ。
葉子と手を振り別れ、ファミレスに入った渚はコーヒー片手に席に着くなりどっと溜息を吐く。

(なんで、あんなことを言ってしまったのだ私は〜〜〜)
頭を抱える渚。
そう、90話では勢いでああ言ってしまっただけで渚は朝陽を諦めようとしていたのである。
それなのに、それなのに……葉子に未だに誤解されっぱなしなのだ。

このままではイケナイ。
何とか誤解を解かねばならない。
そう拳を握りしめる渚。
しかし、その脳裏を過るのは朝陽の姿だ。

(まぁ、確かに今でも未練たらたらではあるけどさ……)
頬を赤らめつつも思い出す渚。
その前にはジュースを手にした朝陽が立っていて……。

(そうそう、こんな感じ……って、え!?)
目の前の朝陽は「やぁ、委員長」と気さくに手を振っている。
本物である。

(まさか、こんなときに!?)
動揺した渚は口にしていたコーヒーを吹き出してしまう。
こうして、渚のドキドキタイムがスタートしたのだ!!

挙動不審な渚の様子を気にかけつつ、その向かい合わせの席に着く朝陽。
渚は「これぞチャンス」とばかりに、まずは朝陽に諦めたことを伝えようと思いつく。

「あの、実は……伝えたいことがあって」
おそるおそる口を開く渚に朝陽は「ああ、それのこと……」何やら気まずそうに頷く。
どうやら「またも告白」と勘違いされたようだ。

(私はそんな女じゃな〜〜〜い!!)
憤った渚は混乱し、朝陽に触覚が光っていないだろと主張しようとする。
すなわち、本体を露出しようとしたのである。
しかも、渚の意志に反し触覚は煌々と輝き続けて居た。

周囲を照らす強い光に、客たちにざわめきが広がる。
続いて行われるのは光源の探索だ。

「ちょっ、ちょっ、委員長!!」
朝陽は慌てて渚の本体を隠そうと手で覆う。
これに余計にドギマギした渚はさらに光を強くしてしまう。

数分後―――

「ちょっと、頼むよ委員長。言いたかないけど、こんなところを葉子さんに見られたらどんな誤解を招くか……」
何とか冷静さを取り戻した渚にぼやく朝陽。

ところが、そんな朝陽の危惧は的中。
葉子が一部始終を目撃していたのである。

さらに数分後―――

「シャー」
先程よりもより強固に渚を警戒する葉子が朝陽の隣に座っていた。

「だ〜〜〜か〜〜〜ら〜〜〜」
必死に説明しようとする渚だが……。

「シャー、負けはせんぞ〜〜〜」
「ああ、言いたいことは分かってるよ委員長」
葉子も朝陽も聞く耳を持たないのであった。

「だ・か・ら、違うんだって!!そもそも君(葉子)は勝ってるだろ!!」
渚の声が虚しく周囲に木霊する―――97話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、10巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!

その96話。

サブタイは「前言撤回しよう!」。

「前言撤回する」べきは渚。
しかし、相手である朝陽と葉子にこれは届かず。
それもその筈、そもそも当の本人が未だに割り切れていないのだから。
そんな96話は90話の後日談的な物語でした。

「実は私は」第90話「お別れしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

さて、新キャラ3人のうち2人は既存の登場人物に。
まず、緑苑坂弓は源二郎の変身。
そして、黒峰鳴は以前にも登場済み。
残る忍者っ娘が不明か……もしかして、彼女も既存キャラなのか!?
まさか、渚の後輩か涼だったりして。
いや、武器繋がりで黄龍丸の変身の可能性も捨て難い。
これは新章からも目が離せそうにない。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス10巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ。
そして10巻は―――1周回って葉子が単独で表紙に!!
うむむ、11巻は誰になるのか……まさか、緑苑坂弓ではなかろうな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第90話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第91話「お花見をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「実は私は」第94話「言い張ろう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第95話「家族と話そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
忍者少女:92話から登場、詳細不明。

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