2015年02月15日

「実は私は」第99話「いつも通り話そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第99話「いつも通り話そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

朝陽の目の前で嶋がパトカーに乗り連行されていた。
その傍らでは涼が放心状態で空を見上げている。
何が起こったかは一目瞭然であった。
アレが起こったのだ……朝陽は嶋を止められなかった自身の無力に涙していた。
そんな朝陽の肩に手を置き励ましたのはサクラである。
2人は連れて行かれる嶋をそれぞれの表情でじっと見送っている。
ちなみに「アレ」の正体は81話「止めよう!」に詳しい。

「実は私は」第81話「止めよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

さて、話は少し遡る。
実はこの日、朝陽、岡、嶋、サクラ、みかんの5人は明里のメイド喫茶に出向く予定であった。
ところが、その途中で嶋が涼に出会い暴走。
朝陽とサクラがその場に残り善処しようとしたが仕切れず、この悲しい結末に至ったのだ。

というワケで、去って行った嶋は置いといて。
今、朝陽たちは明里が勤務するメイド喫茶に足を向けている。
このメイド喫茶については73話「メイド喫茶に行こう!」が詳しいだろう。

「実は私は」第73話「メイド喫茶に行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

さて、朝陽とサクラの話題はサクラの恋愛について進む。
どうやら、明里のバイト先に出向くのも少しでも明里との距離を縮めさせようとの周囲の配慮らしい。

「実は私は」第98話「ドッジボールをしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

朝陽としては葉子とのカップル成立に力を貸してくれた面々への恩返しの意味合いもあるようだ。
其処でふと、岡とみかんの関係について話題に上った。
そう言えば、あの2人はいつもどんな会話を行っているのか……朝陽たちはそんなことを語り合うが。

一方、当の岡とみかんはメイド喫茶のテーブルを挟み座り合っていた。
しかし、一言も会話が無い。
互いに携帯画面を眺めるのに必死だ……いや、読者は彼らが如何なる関係か既にご存知だろう。
これについては68話「友達の恋愛事情を知ろう!」が詳しい。

「実は私は」第68話「友達の恋愛事情を知ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

それ故に醸し出される空気なのだ。
その空気は何人たりとも寄せ付けない。

「おい、何しに来た!!」

それは、あの明里が怒鳴っても不動である。

「きゃるる〜〜〜ん!!」

それは、あの明里がメイドバージョンで接客しても不動である。

「今なら、このサービスが……」

それは、明里とメイド先輩の2人がかりでも不動である。
終始、互いに意識していない素振りを見せつつ無言を貫いている。
かと言って、全く無視し合っているワケではない。

「惚れた女が別の男に惚れてるくらいで諦めがつくワケないよなぁ……」
岡が自身の心情を呟けば。

「それ逆。惚れた男が別の女に惚れて、でしょ」
即座にみかんが自身の心情に置き換える。

密かに岡がみかんに宛てて「実は俺はお前の事が……」とメールを打とうとしていてもみかんは無言である。
だが、みかんは朝陽からの電話には嬉々として応対している。
岡は静かにメールを削除した。

そうこうしている内に、電話で告げた通り朝陽とサクラが到着。
明里が彼らの来店に「何しに来た〜〜〜」と怒り出す。
そっと席を立つみかんと岡。
彼らは今の時間に何があったかを意識の外に消すと、朝陽たちに合流する。

その夜、フクちゃんは呟く。
「ああ……ハードだった」と―――100話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、10巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!

ちなみに遂に「実は私は」がアニメ化されるとのこと。
詳細は「週刊少年チャンピオン」の続報を待つべし!!

【朗報】あの「実は私は」が2015年にアニメ化予定とのこと!!

その99話。

サブタイは「いつも通り話そう!」。
68話「友達の恋愛事情を知ろう!」の続編的な位置づけかな。

「実は私は」第68話「友達の恋愛事情を知ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

そんな99話は嶋の連行からスタートと、普段のオチがまさかの序盤から行われました。

内容的には岡とみかんの微妙な関係が描かれましたね。
先の73話では明里のメイド姿だけで大爆笑していた岡も、みかんの前では全く動じず。
それだけ、みかんのことしか目に入らない感じなのか。

フクちゃんの台詞はまさに読者の感想。
岡とみかんの微妙な関係は緊迫感を伴うシリアステイスト。
フクちゃんならずとも零してしまいそうになる。
とはいえ、それだけ2人の関係は真剣なもので、茶々を入れられる類のものではないのでしょう。

これにて、以前に予想した関係がほぼ成立。

サクラと明里、岡とみかんはほぼ確定。
残るは嶋と涼ですが、おそらく涼から妹である渚へとシフトするものと予想されます。
渚的には涼と嶋は似たタイプ、いつしか惹かれて的な展開と予想します。
これにより、朝陽と葉子を含め4組の同級生カップルが生まれることになるのではないでしょうか。

そして、今回もメインヒロインはほぼ不在。
とはいえ「不在の在」とでも言うべき存在感で各所に出没しています。
葉子さん、恐るべし……。

明里が未だにあのメイド喫茶でバイトしているのも驚きだなぁ。
そして、以前に比べるとそれなりに順応しているのが怖い。

「実は私は」第73話「メイド喫茶に行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

でもって次回は遂に連載100回だそうです。
祝うべし!!

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス10巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ。
そして10巻は―――1周回って葉子が単独で表紙に!!
うむむ、11巻は誰になるのか……まさか、緑苑坂弓ではなかろうな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
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「実は私は」第98話「ドッジボールをしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
忍者少女:92話から登場、詳細不明。

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