2015年02月16日

『月は囁く』第13話「月と婚活狂想曲」(宮崎克原作、青木朋画、小学館刊『ビッグコミックオリジナル3月増刊号』掲載)ネタバレ批評(レビュー)

『月は囁く』第13話「月と婚活狂想曲」(宮崎克原作、青木朋画、小学館刊『ビッグコミックオリジナル3月増刊号』掲載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
藤村月:陽一の父が再婚したことで、陽一の義妹となった。犯罪心理学と観相学を駆使する天才少女。
藤村陽一:警視庁捜査一課勤務、35歳。
陽一の父:犯罪心理学者。多くの事件解決に寄与した。

三井美鈴:陽一が告白された女性。ある秘密が……。
松尾:恋愛セミナーの講師。


「付き合って下さい!!」
陽一の目の前の女性はそう言って頭を下げる。
彼女の名は三井美鈴。
今、陽一は美鈴から交際を申し込まれているのだ。

戸惑う陽一の脳裏に月の言葉が過る……。
「あの人は本気よ……」
月は美鈴が嘘を吐いていないと判断した。
だとすれば、純粋に交際を申し込まれていることになる。
この事態に陽一は激しく動揺していた。

物語は数日前に遡る。
その夜、陽一は友人からある詐欺被害について相談を受けていた。

何でも友人は独身男性を対象とする恋愛セミナーに通っていたらしい。
すると、講師から婚活パーティーを勧められた。
早速、参加したところ、出会った女性からとんとん拍子で交際を申し込まれることに。
有頂天になりつつ応じたところ、「記念に」とその場で販売していたダイヤモンドをねだられた。
その様子があまりに可愛らしかったのでついついこれにも応じたところ、以降全く音沙汰が無くなったのだと言う。
女性とは連絡が取れなくなり、友人の元に残ったのはダイヤモンド代の請求のみであった。

これを聞いていた月は「典型的な恋人商法ね」と断ずる。
義憤に駆られた陽一は個人的に捜査を開始することに。

友人が通っていた恋愛セミナーに自身も参加し、講師の松尾から信頼を勝ち取った。
その直後、松尾は陽一に「ある婚活パーティー」のチケットを渡して来る。
どうやら、陽一の潜入捜査に引っかかったようだ。

陽一は他にも被害届が出ていないかと確認。
すると、同様の被害が複数件存在していることが判明。
陽一は詐欺を立件すべく捜査員たちと月を連れた万全の体制で「婚活パーティー」に臨むことに。

其処で近付いて来たのが冒頭の三井美鈴だったのだ。
友人に確認したところ彼を騙した女性は美鈴で間違いない。
普通に考えれば彼女こそが詐欺師である。
だが、月は「彼女は嘘を吐いていない」と断定してしまう。

一方で、月は婚活パーティーに参加していた他のキャストたちを詐欺のメンバーだと看破する。
だとすれば、三井美鈴は本当に無関係なのか?

(もしかして、本当に告白された!?)
ドギマギする陽一に、何故か苛立つ月。
焦る月の耳にマイクが拾う音声が飛び込んで来る。

「本当に陽一さんみたいな人に会えて良かった。私、こういったパーティーは初めてで」
これを聞いた途端に月の顔色が変わった。
月は叫ぶ―――三井美鈴も詐欺グループのメンバーだ、と。

こうして、詐欺に加担していたメンバーは次々と逮捕された。
もちろん、美鈴も同様である。

月は陽一に真相を教える。
確かに美鈴は嘘を吐いていなかった。
彼女は自身の吐いた嘘を本物だと信じ込むことが出来る天性の嘘吐き、いや詐欺師だったのである。

その証拠に、美鈴は婚活パーティーの参加が初めてだと述べた。
だが、陽一の友人とパーティーで出会っている以上、彼女が参加したのはこれが初めてではない。
それは嘘なのだが、月は美鈴の表情からは嘘を吐いていることが見抜けなかった。
つまり、美鈴は嘘を本当のように語るのだ。

後日、松尾もグループの1人であったことが明らかになり逮捕された。

それにしても……と自身が見抜けなかった美鈴の恐ろしさに肩を竦める月。
そんな月に、それでもお前が居たから……と信頼を寄せる陽一であった。
2人は寄り添うように並んで歩いて行く―――14話に続く。

<感想>

「幇間探偵しゃろく」でお馴染みの青木朋先生が宮崎克先生とタッグを組み、新たなミステリコミックの連載を「ビッグコミックオリジナル 増刊号」で開始されました。
タイトルは「月は囁く」。
捜査官・藤村陽一と、顔相学を修めたその義妹・藤村月が犯罪事件を解決する物語。

まさに陽一(太陽)と月(月)の物語です。

では、13話を読んだ感想を。

通常は表の中にある1点の裏を見抜く月。
今回は「すべてが表に見える中、実はすべてが裏だった為に表裏が判別出来なかった」的な回でした。

これは月の顔相学が通じない相手であることを示しています。
相手は息をするように嘘を吐く「天性の嘘吐き」、これにどう対するのか……。
これに対し、美鈴がすべてを嘘で固めていた為に「裏の反応が出るべき点で表の反応が出たこと」で月は真相に気付いた。
事前情報との相違を以て看破せしめた月、見事です。

ある意味、変化球だったのかな。
かなり面白かったです!!

そして、陽一と月が順調に距離を縮めていますね。
どうも、それは兄妹よりも異性のソレのようです。
これは……もしかして、もしかするのか。

ちなみに、ルナは父親に対しトラウマがある様子。
その天才的な力により、父に虐待されていたのかな。
結局、父と母はこれが原因で離婚。
そして、母が陽一の父と再婚といった流れか。

ルナとしては離婚の原因が自身にあると考えて、以来、人と距離を置くようになったか。
ところが、無邪気な陽一に癒されていく展開か。
イイですね。
最終的にはルナがトラウマとなった父と和解する(乗り越える)展開もありそうかな。

興味を抱かれた方は是非、『ビッグコミックオリジナル 増刊号』にて本作を確認されたし。

◆関連過去記事
『月は囁く』第1話「月は囁き、花は語る」(宮崎克原作、青木朋画、小学館刊『ビッグコミックオリジナル3月増刊号』掲載)ネタバレ批評(レビュー)

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