<あらすじ>
東京都内の警察署の目の前で、臓器をすべて抜き取られた若い女性の無惨な遺体が発見される。捜査一課の刑事、犬養隼人は、埼玉県警から研修で一課にきたばかりの新人刑事、古手川和也とともに捜査を始めるが…。
そんな中、戸惑う捜査本部を嘲笑うかのように、「切り裂きジャック」と名乗る犯人からの声明文がテレビ局に送りつけられ、同様の手口による第二、第三の事件が発生。劇場型犯罪の様相を呈していく。やがて被害者は同じドナーから臓器提供を受けていたという共通点が明らかになる。自身も臓器移植を待つ娘がいる犬養は、刑事と父親の狭間で揺れながら犯人を追いつめていくが…。はたして「切り裂きジャック」は誰なのか?そしてその狙いとは!?
(公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。
東京・春日野警察署の目の前にある公園。
其処で臓器を全て抜き取られた若い女性の遺体が発見された。
この捜査に乗り出したのは検挙率トップを誇る捜査一課の刑事・犬養隼人。
犬養は新人刑事・古手川和也とコンビを組むことに。
犬養には沙耶香という娘が居るが、彼女は重い腎臓病を患っており移植手術が必要な身体であった。
沙耶香の主治医・真境名孝彦とその妻で麻酔医の陽子らは少しでも早く手術を行うべきと主張していた。
此処で移植コーディネーターとして現れたのが高野千春である。
沙耶香の手術が具体的に進み始めた。
そんな中、関東中央テレビに犯人から犯行声明が届く。
その名は「ジャック」、稀代の切り裂き魔として知られるあの「切り裂きジャック」だ。
さらに犯人は次の犯行を予告することに。
犯人の予告通り、第二、第三の被害者が出てしまう。
無差別殺人が疑われる中で、犬養は被害者が移植手術のレシピエントであることを突き止めた。
続く被害者に意を決した千春は、被害者たちに共通のドナーが居ることを犬養に教える。
しかも、このすべてのレシピエントを知るのは千春ともう1人だけ、ドナーの母しか居ないらしい。
そのドナーの名は鬼子母志郎。
そして、千春が容疑者と疑うドナーの母こそ涼子であった。
涼子は千春からレシピエントの名を聞き出すと、遠巻きにその様子を眺めていたらしい。
さらに、千春から最後のレシピエントの名も明かされた。
その名は三田村敬介である。
犬養たちは三田村が狙われると見て、網を張ることに。
その網にかかったのは涼子……ではなく真境名であった。
こうして真境名が逮捕されることに。
鬼子母の臓器摘出を担当したのが真境名だったのだ。
その当日、真境名は体調不良に襲われており後に結核だと判明したらしい。
真境名は臓器摘出時に結核が感染したかもしれないと危惧したのだ。
これが露見すれば明らかな医療ミスとなり、真境名の名声に傷が付く。
其処で、真境名はレシピエントたちが発症し事が露見する前に先手を打って臓器を破棄したと主張する。
だが、これに犬養は異議を唱える。
三田村敬介を襲撃した際の真境名の行動はどうにも矛盾している。
意図的に捕まろうとしていたようにしか思えなかったのだ。
犬養は真境名が誰かを庇っているとして、ある人物に疑いの目を向ける。
犬養が目を向けたのは陽子であった。
その夜、陽子は薬剤管理データベースに工作しようとしたところを逮捕された。
医療ミスを犯したのは真境名ではなく、陽子であったのだ。
陽子は実験用の筋弛緩剤を誤って鬼子母志郎の臓器摘出の際に用いてしまった。
これを隠蔽すべくレシピエントの臓器を廃棄していたのだ。
こうして事件は解決した。
数日後、鬼子母志郎のレシピエント最後の1人になった三田村敬介のもとを涼子が訪れる。
涼子は三田村の心臓に我が子の面影を見出すのであった―――エンド。
<感想>
ドラマ原作は中山七里先生『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』(角川書店刊)。
過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。
・『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』(中山七里著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)
本作は「刑事犬養隼人シリーズ」の1作。
2015年3月時点で同シリーズには第2弾『七色の毒』が書籍化、第3弾『ハーメルンの誘拐魔』が『小説野性時代』(角川書店刊)にて連載中。
ちなみに『七色の毒』は連作短編集、あらすじは次の通り。
<あらすじ>
捜査一課の犬養隼人が高速バス事故現場でみた真相とは?(「赤い水」)。話題作『切り裂きジャックの告白』の犬養隼人が「色」にまつわる難事件に挑む、どんでん返し満載の全7編からなる連作短編集!
善人は、たちまち悪人になりえる−−。次々と襲いかかるどんでん返しの嵐!話題作『切り裂きジャックの告白』の犬養隼人刑事が、“色”にまつわる7つの怪事件に挑む連作短編集!
(角川書店公式HPより)
興味のある方は本記事下部のアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!
では、ドラマ版の感想を!!
原作に割と忠実ながらも、原作に比較すると事前に想像していたものとは違う感じかなぁ。
ハードルを高くし過ぎたか。
そう言えば、幾つかアレンジありましたね。
犬養と古手川の設定変更とか、鬼子母涼子をギリギリまで引っ張ってたりとか。
あの辺りが違和感だったのかなぁ。
それと、音楽もあってか犬養が「DOCTORS 最強の名医」の相良に見えたりしたかな。
ただ、ラストの涼子と三田村のシーンは素晴らしい再現度でした。
此処は評価すべき点でしょう。
原作にはシリーズ続編がありますし、ドラマ版も続編に期待ですね!!
<キャスト>
犬養隼人(沢村一樹)
古手川和也(瀬戸康史)
麻生警部(渡辺いっけい)
御厨検視官(温水洋一)
鶴崎管理官(堀部圭亮)
津村一課長(五代高之)
真境名陽子(山下容莉枝)
豊崎沙耶香(桜田ひより)
三田村敬介(阿久津愼太郎)
鬼子母涼子(床嶋佳子)
真境名孝彦(竜雷太)特別出演
高野千春(ミムラ) ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)
◆「中山七里先生」関連過去記事
【岬洋介シリーズ】
・『さよならドビュッシー』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『おやすみラフマニノフ』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『いつまでもショパン』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『いつまでもショパン』第1回(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』連載)ネタバレ書評(レビュー)
・『どこかでベートーヴェン 第一話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.6』掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『どこかでベートーヴェン 第二話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.7』掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『どこかでベートーヴェン 第三話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.8』掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『間奏曲(インテルメッツォ)』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい!2013年版』収録)ネタバレ書評(レビュー)
・『要介護探偵の事件簿』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【刑事犬養隼人シリーズ】
・『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』(中山七里著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)
【その他】
・『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『静おばあちゃんにおまかせ』(中山七里著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『残されたセンリツ』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 四つの謎』収録)ネタバレ書評(レビュー)
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さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
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