ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
宋代末期の中国。偽金事件を捜査する首都警察に、皇帝直属の特務機関“神侯府”が協力することに。オオカミの血を引く剣の扱いにたける冷血(ドン・チャオ)、超能力が使える車いすの美女・無情(リウ・イーフェイ)ら神侯府の4人の秘密捜査官は、神侯府を率いる諸葛正我(アンソニー・ウォン)と共に捜査を開始。そして、事件の首謀者が豪商だと確信するが……。
(公式HPより)
<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
【神候府(皇帝直属の特務機関)】
諸葛正我:神候府の頭目、メンバーを集めた。
冷血:後に神候府が誇る「四大名捕」の1人。この時点では六扇門の幹部でもあった。
無情:後に神候府が誇る「四大名捕」の1人。車椅子の女性。
鉄手:後に神候府が誇る「四大名捕」の1人。筋肉隆々の大男。
追命:後に神候府が誇る「四大名捕」の1人。賞金稼ぎ。
【六扇門(首都警察)】
柳:六扇門の総帥「捕神」と呼ばれる。諸葛正我を敵視する。
姫遥花:六扇門の新参幹部、実は安世耿の情婦にして部下。
【その他】
安世耿:豪商にして事件の黒幕、魔術を使う。
時は宋王朝末期。
人々が平和に暮らす中で、ある大きな事件が発生していた。
都に贋金が横行していたのだ。
首都警察である「六扇門」では、総帥にして「捕神」と称された柳の指揮のもと必死の捜査が行われていた。
そんなある夜、酒場で贋金の鋳型の取引が行われるとの情報を掴んだ柳は自身が育て腹心と頼む幹部・冷血と連れ、多くの部下を連れ酒場へ向かう。
一方、酒場には怪しげな3人組の姿があった。
1人は好々爺然とした男、1人は車椅子に座り何やら探っている女性、残る1人は筋肉隆々な力自慢の男である。
彼らの視線の先には鋳型とそれを所持する官吏の姿があった。
どうやら、官吏は鋳型を何者かに売るつもりのようだ。
これこそ「六扇門」が掴んだ情報だったのである。
果たして、「六扇門」に先んじてこの場を見張る彼らは何者なのか!?
そんな中、官吏に颯爽と近付く男が1人。
男の名は追命、名うての賞金稼ぎである。
彼の足は「神足」と呼ばれ、一蹴りで800メートルを移動する。
また、これを人に向ければその破壊力たるや絶大だ。
追命は官吏の借金を取り立てにやって来たのであった。
と、其処に冷血が遅れてやって来た。
実は冷血は狼の血を引き、鼻が利く。
また、そのスピードと破壊力も大したものであった。
追命と官吏の姿を見咎めるや、冷血は2人を逮捕しようと挑みかかる。
これに驚いたのは追命だ。
彼は自身が逮捕されるいわれがないと主張するが、冷血は聞く耳を持たない。
2人の達人同士の対決はその場を混乱の極みに陥れた。
この隙に逃げ出す官吏。
だが、その前に先程の3人組が立ちはだかる。
官吏は車椅子の女性に飛び掛かって行くのだが……空中で身体が静止し身動きとれず捕まることに。
その間にも、追命と冷血の戦いは激しくなる一方である。
やがて、酒場を飛び出した2人は路上に移動し、なおも戦いを続ける。
この戦いを止めたのは柳であった。
柳の命で大勢の兵士により拘束されることとなった追命。
ところが、此処に先の好々爺が割って入る。
官吏と引き換えに追命を引き渡せと言うのだ。
反発する柳であったが、突如やって来た皇太子から事情を説明され譲歩することに。
好々爺の正体は「諸葛正我」、皇帝直属の特務機関である「神候府」の頭目だったのだ。
先の車椅子の女性は「無情」、サイコメトリーやテレキネシスを得意とする超能力者。
さらに、筋肉隆々の大男は「鉄手」、圧倒的な腕力の持ち主である。
こうして、追命は神候府に引き取られた。
追命は諸葛正我からのスカウトを受け、名酒と引き換えにその傘下に加わることに。
だが、これで済まないのは柳である。
柳は神候府を危険視し「苦肉の策」により冷血を六扇門から追い出したと偽装し、スパイとして神候府に送り込む。
同じ頃、六扇門に新たな幹部が参加することに。
その名は姫遥花、彼女は忍びの技を得意としており部下の女性たちも特異な技を誇る。
柳は姫を加えたことで、六扇門の勢力が増強されたと喜ぶが……。
実は姫遥花は豪商で知られる安世耿から送り込まれたスパイであった。
姫は安世耿の情人だったのだ。
さらに、安世耿は姫に柳暗殺を命じていた。
そう、贋金事件の黒幕は安世耿だったのだ。
ところが、安世耿も想定していない事態があった。
姫は安世耿との関係に飽いていたのだ。
其処で安世耿に味方すると見せつつも、彼のもとから独立し六扇門を牛耳ろうと目論んでいたのである。
しかし、そんな姫にも想定外の事態が。
なんと、噂に聞いた冷血に一目惚れしてしまったのだ。
ところが、当の冷血は神候府に潜入捜査の真っ最中。
姫はなんとかアプローチを図ろうとあの手この手で奮闘することに。
一方、潜入捜査中の冷血にも想定外の事態が起こっていた。
儚げな影を持つ無情に心を奪われてしまったのだ。
しかも、当の無情もまた冷血に好意を抱いていた。
いつしか、2人は惹かれ合う。
冷血は神候府に居心地の良さを覚えるように。
だが、柳はそんな冷血を許さなかった。
六扇門の総力を挙げて、神候府の排除に乗り出したのだ。
血が流れることを怖れた諸葛正我は敢えて神候府を閉鎖する。
行き場を失くしたかに思われた冷血、無情、追命、鉄手らメンバー。
だが、彼らはこの数日の間に仲間の絆を育んでいた。
組織としての後ろ盾は無いが、独自捜査を開始し安世耿が黒幕であることを突き止めた。
どうやら、安世耿は贋金だけではなくもっと大掛かりな何かを計画しているようだが……。
そんな間にも、姫は冷血に接近し彼を自身の物にしようとアプローチ。
これを敵視した無情はサイコメトリーにより彼女が安世耿の手の者だと知ることに。
だが、誰も無情の言葉を信じようとしない。
それは冷血さえも同じであった。
その頃、皇太子と柳が夜分に密会することに。
これを安世耿が狙っていることが分かる。
冷血たちからこの情報を聞いた諸葛正我は彼らを連れて皇太子のもとへ。
すると、大量のゾンビの群れを率いた安世耿が襲撃を仕掛けて来た。
安世耿は魔術師であり、皇太子と柳の暗殺を計画していたのだ。
冷血たちは安世耿と対決することに。
これに姫遥花も力を貸す。
ゾンビたちは次々と討たれ数を減らして行く。
一方、姫はどさくさ紛れに無情暗殺を謀るのだが……車椅子をパワードスーツ化した無情には通じず一蹴される。
姫の裏切りを知った安世耿は激怒し、その命を奪おうとする。
しかし、姫の本性を知らない冷血、鉄手、追命はこれを阻もうと安世耿に挑む。
だが、安世耿は強かった。
炎を氷を自在に用い、3人がかりでも全く寄せ付けない。
これを見かねた無情と姫が加わり5対1の戦いに。
それでも好勝負を見せる安世耿。
だが、冷血たちが死ぬ気で挑み始めると形勢が逆転し始めた。
やがて、一撃を喰らい吹き飛ぶ安世耿。
とはいえ、安世耿は息絶えていなかった。
隙を突き、姫を連れ無理心中を図るのだが……姫に懐剣で止めを刺されてしまう。
安世耿は空中で爆発し、事件は終わりを告げた。
冷血へ六扇門に戻るよう誘う姫。
だが、冷血は無情の居る神候府を選ぶ―――エンド。
<感想>
人気武侠小説の映画化で、原題は「四大名捕 The Four」。
そんな「ドラゴン・フォー 秘密の特殊捜査官/隠密」は「ドラゴン・フォー」三部作の一作目。
シリーズには二作目「ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官/陰謀」と三作目「ドラゴン・フォー3 秘密の特殊捜査官/最後の戦い」がある。
本作を簡潔にまとめると「武侠モノ」と「Xメン」と「ファンタスティック・フォー」を足して3で割った感じの作品。
「Xメン」的要素は次の通り。
狼の血を引く「冷血」が「ウルヴァリン」のポジション。
サイコメトラーでテレキネシス能力もある「無情」が「プロフェッサーX」であり「ジーン・グレイ」のポジション。
そして「安世耿」が「マグニートー」的なポジションかな。
同時に多対一的な対決シーンなどは「ファンタスティック・フォー」のソレだと思う。
なので、両作のファンは楽しめる筈。
とはいえ、それだけでなく「武侠モノ」がこれに加わっているのが面白い。
この三者を兼ねたあの独特なテイストは本作それ自体を目にしないと伝わらないと思う。
ある種、癖になりそうなほど。
そう言えば、終盤で無情の車椅子が変形しパワードスーツ化するのも見所だろう。
あれは予想だにしなかった。
さらに、主人公たちよりも敵役の安世耿の方が魅力的なのが印象的。
ラストの空中に浮かんで花火になるのもスゴイし。
それだけに、安世耿が今回だけで終わりは勿体ないと思ったら第二作目で復活していました。
ちなみに第二作、第三作のあらすじは次の通り。
<あらすじ>
・「ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官/陰謀」
皇帝直属の特務機関“神侯府”の秘密捜査官、“四大名捕”の冷血(ドン・チャオ)らは偽金事件を解決。しかし、事件の黒幕・安世耿(ウー・ショウポー)の父親である安雲山(ユー・チェンフイ)の絶大な超能力により、安世耿は樹木と同化し復活していた。さらに安雲山は、神侯府を率いる諸葛正我(アンソニー・ウォン)に変身し、首都警察“六扇門”の隊長・柳(チェン・タイシェン)を亡き者にし……。
・「ドラゴン・フォー3 秘密の特殊捜査官/最後の戦い」
車椅子の超能力者無情(リウ・イーフェイ)、鍛冶屋の鉄手(コリン・チョウ)、脚力自慢の追命(ロナルド・チェン)、剣の使い手の冷血(ダン・チャオ)らは、皇帝直々の特務機関である神候府の秘密捜査官だった。彼らは四大名捕として活躍していたが、ある理由により無情が抜けてしまう。そんな折、皇帝(アレック・スー)はひそかに城下を訪れる。
(公式HPより)
このあらすじを見ると分かるのですが、どうやら第2作目の時点で柳が殺害されている様子。
一方、あらすじにこそ登場しませんが姫遥花は三部作最後まで登場する模様。
冷血、無情、姫遥花の三角関係も見所と言えるだろう。
興味を持たれた方は是非、本作にチャレンジされたし!!
ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変を加えているので、詳しくは本作をご覧頂きたい。
◆関連過去記事
・「ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官/陰謀」(2013年、中国)ネタバレ批評(レビュー)
・「ドラゴン・フォー3 秘密の特殊捜査官/最後の戦い」(2014年、中国)ネタバレ批評(レビュー)
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