「金田一少年の事件簿R」第5弾は「蟻地獄壕殺人事件」!!
心理実験を舞台に事件が……
【「蟻地獄壕殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。
馬江田準樹:西東大学心理学部教授。実験の主催者。
巳月七生:高校2年生。赤色
祝木桐彦:大学4年生。オレンジ色
彩世泉:大学3年生。ベージュ
華形拓人:大学2年生。黄色
舞谷かえで:大学2年生。エメラルドグリーン
蜂倉柊太:大学3年生。灰色
司吉里子:高校3年生。黒色
草薙蓮:1年前に溺死体で発見された人物。
いつき陽介:フリーライター、何かと金田一と繋がりのある人物。
高遠遙一:「地獄の傀儡師」として知られる金田一少年の宿敵。
マスター:カフェふくろうのマスター。
ホー之介:マスターが飼っているふくろう。
<あらすじ>
・前回はこちら。
【動機判明】「蟻地獄壕殺人事件」第10話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
取り敢えず「蟻地獄壕殺人事件」の部屋割りは次の順となっている。
東ブロック(東から西の順):空室、馬江田、空室、蜂倉(金田一と交代)、巳月、空室、彩世、美雪。
西ブロック(東から西の順):いつき、華形、金田一(蜂倉と交代)祝木、空室、司、空室、舞谷。
以上の16室があり、2部屋ずつが合流する点には小広間が存在。
その小広間同士が合流する点にも別の小広間がある。
これを繰り返しつつ中央にある大広間へと続いている。
いわば、トーナメント表のような作りなのだ。
此の点を踏まえて本編スタート!!
犯人は舞谷かえでであった。
かえでは自身の生い立ちについて語り出す。
かえでの父は工場の経営者であったが、取引先とトラブルとなり殺人事件を起こしてしまった。
かえでの母はこれを聞くや倒れて帰らぬ人に。
残されたかえでは周囲の軽蔑に曝され続けた。
耐え切れなくなったかえでは入水自殺を図る。
これを救ったのが草凪であった。
やがて、かえでと草凪は恋に落ちた。
しかし、かえでには過去の引け目がある。
一線を越えることは無かったのだが……草凪はかえでの過去を知るや逆に彼女に愛を誓った。
これにかえでも同様の愛を誓う。
こうして2人は結ばれ、かえでは草凪の子供を妊娠した。
その矢先、泉や祝木、華形の悪戯により草凪が死亡してしまった。
このショックでかえでは子供を流産してしまう。
愛する者を2人も失ったかえでは放心状態に。
其処に近付く者が居た……高遠だ。
高遠は草凪の死の真相を教え、彼女に復讐を唆したのだ。
かえではこの申し出に乗り、復讐の鬼となったのである。
事情を聞かされた金田一はかえでもまた高遠に利用された被害者だと主張。
さらに、蟻地獄壕内に変装した高遠が潜り込んでいると指摘する。
金田一が名指しした相手は巳月であった。
巳月はトリック中では特に貢献していなかった。
だからこそ、プランナーを気取る高遠に相応しいと金田一は考えたのだ。
この指摘を受けた高遠は変装を解き正体を現す。
しかも、隙を突き金田一たちを祝木の部屋に閉じ込めると悠々と蟻地獄壕から逃げ去ってしまうのであった。
こうして事件は解決した。
だが、金田一の心は晴れない。
高遠は金田一にトリックを看破されることも含めて全てを用意していたようなのだ。
だとすれば、高遠には何かの目的が存在していることになる。
近く対決することになるだろう……そう呟く金田一であった―――「蟻地獄壕殺人事件」了。
<感想&推理>
「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第5弾は「蟻地獄城殺人事件」……ではなく「蟻地獄壕殺人事件」です!!
どうやらタイトルが「蟻地獄城」から「蟻地獄壕」へと変更になった様子。
「城」ではなく「壕」であることに深い意味があるのだろうか。
だとすれば「蟻の巣」状の連結構造(トーナメント表)に何かありそうだが……。
そんな「蟻地獄壕殺人事件」の最終話(第11話)。
今回は舞谷かえでの生い立ちと潜伏していた高遠が登場しました。
巳月の正体こそが高遠だったんですね。
そして、金田一の口から発せられた「高遠の狙い」。
どうも、「蟻地獄壕」での殺人は高遠にとって消化試合だった様子。
すなわち、金田一にトリックを看破させる必要があったことになる。
これはもしかして……高遠父を誘き出そうとしているのか?
此処からは完全な仮説ですが、「金田一少年の事件簿R」での高遠は「亡霊校舎」と「蟻地獄壕」に登場。
いずれも戦前からある物とのことで、高遠父の関与が疑われる場所でした。
当然、其処で使われたトリックも高遠父考案の可能性が高い。
高遠は敢えて高遠父のトリックを金田一に看破させることで、高遠父のプライドを傷つけ何処かに潜んでいる高遠父を表舞台に登場させるつもりなのかも。
ちなみに、高遠父が現在も健在だと考える理由もある。
何と言ってもトリックが近現代に考案された、あるいは用意された物だからだ。
例えば「亡霊校舎」の「脱出路」表示。
例えば「蟻地獄壕」で「バイタルサイン」を用いたこと(「蟻地獄壕」のトリックは「バイタルサイン」が無ければ成立しない)。
これらを用意出来るからには、今も高遠父は健在なのではなかろうか。
高遠は自身のルーツを探るべく金田一を利用して高遠父を誘き出そうとしている……この可能性は如何でしょうか!?
ただ、高遠としては高遠父が犯罪プランナーだった場合には運命に従うのを拒否して犯罪プランナーを辞めそうな気がする。
何度、逮捕しても脱走する高遠を止めるには精神的に決着が求められるだろうから、この辺りが決着となるのではないか。
でもって、高遠とカフェふくろうのマスターに何らかの関係があるのではないかとの謎。
新シリーズ「金田一少年の事件簿R」になって以来、カフェふくろうのマスターが登場するエピソードには高遠も必ず登場している(「亡霊校舎の殺人」「蟻地獄壕殺人事件」)。
例として挙げるには2作と些か心許なくはあるが、これは新シリーズになってからの高遠の登場自体が上記2作に限られている為。
つまり、今のところ100%となっている。
どうも、この登場には何か意味があるのではなかろうか。
マスター自身が高遠の変装なのか……それとも高遠のルーツがマスターに関わって来るのか。
今後もこの法則が守られるのかどうかに注目したい。
ちなみに、此処で大ニュース。
「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作「ファイアーエムブレムif」開発に「金田一少年の事件簿」原作者である樹林伸先生が参加されるとのこと。
そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!
・綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?
◆「蟻地獄壕殺人事件」関連過去記事
・「蟻地獄壕殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「蟻地獄壕殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「蟻地獄壕殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第2の殺人発生】「蟻地獄壕殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【容疑者絞り込みました】「蟻地獄壕殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【あの人が参戦!!】「蟻地獄壕殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【急転直下】「蟻地獄壕殺人事件」第7話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【犯人判明】「蟻地獄壕殺人事件」第8話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【トリック解明】「蟻地獄壕殺人事件」第9話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【動機判明】「蟻地獄壕殺人事件」第10話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
「亡霊校舎の殺人」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
【ドラマ版】
・ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件 マレーシアのジャングルで合宿中の生徒達が次々と消えた…太陽と月が交わる時暴かれる驚愕のトリック!謎はすべて解けた!」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ
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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。
◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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