ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧は本記事下部に移動しました。
<あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
みかんが慌ただしく渚の家に駆け込んで来た。
その様子に只ならぬものを感じ取った渚に、みかんは問う。
「家出したアイツを見なかった!?」と。
みかんには弟が2人居る。
そのどちらかが家出したとなれば、それは大変だ……と慌てる渚。
だが、みかんはその割に妙に冷静であった。
そして告げたのだ……家出したのは弟ではなく眼鏡だ、と。
そう家出したのはフクちゃんだったのだ。
みかんが渚に助けを求めたのはフクちゃんの事情を知るのが彼女だったからであった。
此の辺りの経緯は24話と25話に詳しい。
・「実は私は」第24話「メガネを探そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第25話「素直になろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
とはいえ、あまりにも想定外過ぎた。
「最近の眼鏡は家出もするのか……」
何処か遠くを眺めつつ呆然と口にする渚。
そんな渚にみかんはフクちゃんの家出の理由を明かす。
なんでも、良かれと思って4つ葉のクローバーを部屋いっぱいに量産したことが原因でもめたらしい。
なるほど、確かにそれは……と頷く渚だが。
その頃、とあるバーではフクちゃんが尊敬する先輩であるフクの介相手に相談を持ちかけていた。
その向かい側にはバーテンに扮した手崎、さらにフクちゃんの隣には「何、コイツら?」と言った表情の茜が座っている。
ちなみに、フクの介先輩については59話「願いを叶えよう!」が詳しい。
・「実は私は」第59話「願いを叶えよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
茜の奇異の視線を無視しつつ、フクちゃんはフクの介にみかんともめたことを打ち明ける。
これに「お前に涙は似合わないよ、笑え」と奨めるフクの介。
「先輩……!!」励まされたフクちゃんは感動の涙を浮かべる。
とはいえ、傍目には眼鏡同士の会話である。
眺めていた茜は「何シリアスしてんの?プクク……」と笑い続ける。
一方、バーテンの手崎は我関せずを貫きつつシェイカーを振り続けていた。
さて、そんな外野の様子を歯牙にもかけず、先輩後輩の絆を確認し合ったフクの介とフクちゃんは互いに連れ立ち、自信を取り戻すべく実技練習へ。
その練習台となったのはオープンカフェで座っていた2人の女性だ。
1人は何やら笑顔の下に怒りを押し隠し、もう1人はそれに戦々恐々といった風情である。
これこそ、桐子と緑苑坂弓に変じている源二郎であった。
源二郎は正体を桐子に悟られないように必死である。
此処でフクちゃんが力を使うべく光った!!
すると……。
弓が勢い余って「自身が源二郎だ」と告白してしまう。
だが、桐子は「もう知っている」とこれを許した。
源二郎はこれに感激、桐子は正直に打ち明けたことを評価しつつ「でも、よりにもよって緑苑坂を名乗るなんて」と感想を口にし始めた。
と、此処でもう1度フクちゃんが力を使おうとして……横合いから何者かが割り込んだ。
途端、路上を歩いていた女性のコートが風で捲り上がった。
すると、その下には全裸の姿が!!
そう、獅穂の母であるカリスマ痴女が通りかかったのだ。
これに動揺した源二郎は目の前の桐子にコーヒーをぶちまけてしまう。
これに桐子は怒った。
何より、自分以外の女性に源二郎が心を惹かれたことを許せなかったのだ。
こうして、カフェに血の雨が降った。
フクちゃんは乱入者を見据える。
案の定、其処にはもはや裏切り者とも言えるフク太郎の姿が。
実はフク太郎はラッキースケベしか起こせないのだ。
「お前はすっこんでろ」
本来は先輩であるにも関わらず、もはや敬う気持ちを失ったフクの介がフク太郎を責める。
そんな中、すっかり自信を無くしてしまったフクちゃんがその場を逃げ出してしまった。
ふと気付けば、迷い込んだのは何処かの寂れた路地裏。
其処に現れたのは「2009」や「2010」、「2011」と形作られたフレームの眼鏡たち。
そう、此処は既に忘れ去られた眼鏡たちの世界。
彼らはパーティー用のフレームとして消費されてしまった眼鏡たちだ。
フクちゃんは「此処で埋もれて行くんだ」と呟くのだが……。
其処に大先輩・フク蔵が舞い降りた。
フク蔵は「フクちゃんが生まれたのは持ち主であるみかんの愛情を眼鏡が感じ取ったからだ」と語り「今も愛されているだろうから」とみかんのもとに戻るよう説得する。
さらに、その言葉を証明するかのようにフクちゃんを探すみかんが通りかかった。
まさに奇跡である。
フクちゃんは大喜びでみかんの顔に飛び込んで行く……。
「みかんさぁぁぁぁぁぁぁん」
「イタッ!!」
みかんの顔に収まろうとしていたフクちゃん。
だが、フレームが真正面から顔にぶつかったみかんは悲鳴を上げつつ、これを放り捨てる。
「あんたなんてねぇ、朝陽がくれた物じゃなかったら大切にしないわよ」と全力で叫びつつ。
そんなみかんとフクちゃんの様子を見ていたフク蔵、フク太郎、フクの介。
「今も愛されているだろうから……我々としてはそう思いたい、よねぇ」
「「ええ」」
その声はフクちゃんに届いたのだろうか―――109話に続く。
充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、11巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!
ちなみに遂に「実は私は」がアニメ化されるとのこと。
これについては制作会社や監督さん、キャストなどが少しだけ判明。
登場人物に黄龍院凛らの名前が無いことを見ると、序盤をアニメ化する予定なのかな。
・【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!
その108話。
サブタイは「家出しよう!」。
フクちゃん&先輩たち回でしたね。
あらすじ中にも記載しましたが、冒頭でみかんが渚を頼るのはフクちゃんのことを知るのが面々のうちでは彼女だけだからでしょう。
・「実は私は」第24話「メガネを探そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第25話「素直になろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
そして、茜と手崎も登場。
今回の手崎は華麗なるバーテンダーに変身していました。
でもって、フクちゃんたちの様子を隣で窺う茜の挙動が……。
オチも秀逸でした。
とはいえ、みかんはフクちゃんを、フクちゃんはみかんを互いに大切に想っているんだろうなぁ。
そもそも、みかんは面倒見の良い性格のようだし。
さらに、忘れ去られた眼鏡たちとしてパーティー用の2009、2010、2011フレームが登場したのもかなり諧謔的でしたね。
そんな今回で気になったのは桐子が源二郎が緑苑坂を名乗っていることに反応を示したこと。
どうやら、緑苑坂なる苗字に源二郎も桐子も共通の知人が居るものか。
しかも、桐子の様子ではあまり好意を抱いているようには見えない。
もしかして……その人物こそが源二郎が学園生活を最後まで送れなかった理由に繋がるのかも。
此の点、今後も注目ポイントかもしれません。
うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス11巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子。
そして11巻は―――獅穂と凛がコンビで表紙に!!
緑苑坂弓は選ばれませんでした……源二郎涙。
今後はヒロイン2人のコンビで表紙になるのかな!?
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から第100話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第101話「デートしよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第102話「相談を受けよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第103話「特訓しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第104話「取材を受けよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第105話「恋をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第106話「物騒娘に絡まれよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第107話「歯医者に行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。
緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。
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