ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
ある日、真島家の主婦・真美(ちはる)のもとに娘の“マヤ”を誘拐したという電話が入る。連絡を受けて現場に向かった不二子(吉田羊)は、犯人が提示した10万円という身代金は捜査をかく乱するためのものと判断。しかしマヤ(多部未華子)は、誘拐された“マヤ”(鈴木梨央)のアルバムから不自然にはがされた写真の跡があることと身代金の金額の少なさが気になる。
通常、子どもの誘拐事件では体力的な問題で事件発生から丸1日が身代金受け渡しまでのリミットとなるため、不二子を中心に捜査は急ピッチで展開。目撃情報から不審者が絞り込まれていく中、代官山(大倉忠義)は真島家で飼っている犬の“マヤ”に誘拐された少女“マヤ”を探させようとするが…。
捜査の中で近所の犬が行方不明になっていたことを知ったマヤは、身代金要求の電話での犯人の不自然な様子から、娘の“マヤ”の秘密を両親が隠していることを確信する。なんと、娘の“マヤ”は、親やクラスメイトを従える“超ドS”キャラ=リトルマヤだったのだ!!
リトルマヤにとっては、誘拐犯を意のままに転がすのもお手の物。実はこの誘拐事件も途中からリトルマヤの思い通りに進んでいたのだった!果たしてリトルマヤの目的は?
そして、ドS刑事 VS ドS少女の直接対決の果てに待っているのは?
(公式HPより)
では、続きから……(一部、重複アリ)。
ある日、川崎青空警察署刑事一課強行班捜査係に一本の電話が入った。
内容は「寿司の出前」についてで、電話の主によれば「もう耐えられない」とのことだが。
この電話を受けた代官山は寿司屋の番号を調べてかけ直すよう依頼。
ところが、これを傍で聞いていたマヤはやおら立ち上がるや、電話の主から住所を聞き出すと現場へ向かう。
何が何やら分からずマヤに同行する代官山。
すると、向かった先では電話の主が虐待を受けていた。
電話の主は虐待者に悟られないようにSOSを発しており、これにマヤが気付いたのだ。
こうして1つの事件を解決したマヤ。
一方、川崎青空警察署管内では別の事件が発生していた。
真島家の主婦・真美のもとに「お宅のマヤを誘拐した。10万円を支払え」との身代金要求の電話と手紙が届いたのだ。
真島家には主人の真島と真美の間にマヤという名の娘が居たのだ。
そして、現にマヤの姿が消えて居たのである。
こうして、真美から川崎青空警察署に通報が入ることに。
捜査に乗り出した不二子は身代金が10万円であることを誘拐犯の攪乱工作と判断し、相手を警戒する。
マヤはと言えば同名の少女が誘拐されたことに困惑気味。
しかも、真島家のアルバムから写真が剥がされた形跡を発見。
さらに、真島夫妻の様子から何かを隠していると確信する。
そんな中、ペットホテルに預けられていた犬のマヤが真島家に帰って来た。
真島家には娘以外にも別のマヤが居たのだ。
第3のマヤ登場に困惑する主人公のマヤ。
こうして、あらすじにするだけで何が何やら混乱して来た。
後半、2人と1匹のマヤが同時に登場するシーンが出て来たらどうしよう……あらすじできちんと区分出来るのだろうかと些か不安に思う管理人。
だが、それでも本編は軽快に進んで行く。
その間に、不二子は怪しい人物をリストアップし容疑者を絞り込む。
対象となったのは神崎学である。
同じ頃、マヤがアルバムの写真の重要性に気付き、真島夫妻を問い詰めていた。
マヤの剣幕におずおずと真島夫妻が差し出したのは幼いマヤの写真である。
其処には主人公のマヤを髣髴とさせる黒い鞭を構えた幼いマヤの姿が。
そう、真島マヤもまた本家マヤ同様「ドS」だったのだ。
「犯人が危ない!!」
マヤとの経験から確信を抱いた代官山は犬のマヤの嗅覚を用いて消えたマヤを探すことに。
だが、訓練されていない犬のマヤでは効果は出ない。
ところが、同行していた主人公のマヤは途中で興味深い物を発見する。
マヤが興味を抱いたのは街の掲示板、其処には迷子犬についてのポスターが多数貼られていた。
どうやら、犬の迷子が頻発しているようだ。
今も飼い主らしき女性が見つかった犬を抱えてポスターを剥がしている。
剥がした形跡を見たところ、この掲示板だけでも相当なポスターの出入りが行われたようだ。
つまり、それだけ多くの飼い犬が行方不明になり、また飼い主のもとに戻ったことになるが……。
そんな中、誘拐犯から真島家に再度、身代金要求の電話が。
しかし、今度は10万円ではなく1000万円を要求する。
いや、言った傍から100万円に値下げした。
その奥からは「もっと値上げしなさいよ!!」と怒鳴る声も聞こえる。
どうも、犯人サイドで意思統一が為されていないようだ。
その頃、当の犯人サイドではボスに誘拐犯2人が平伏していた。
誘拐犯の名は犬塚と猫田。
そして、そのボスは……これこそ幼いマヤだったのだ。
犬塚と猫田は犬専門の誘拐犯。
付近で頻発している犬の行方不明と飼い主のもとへの生還は彼らの犯行であった。
今回も真島家に飼われている犬のマヤを狙ったのだが、手違いで幼いマヤを誘拐してしまったのだ。
だからこそ、当初の身代金額は10万円だったのだ。
ところが、今回に限っては相手が悪かった。
幼いマヤはドSぶりを存分に発揮し、あっと言う間に犬塚たちを支配してしまった。
誘拐犯が労働で得た報酬の尊さを説くが、それすら幼いマヤに論破されてしまう始末。
こうして、誘拐犯のボスに収まったマヤはある理由により父に復讐するべく狂言誘拐を目論んだのだ。
そして、情報屋の由良から犬の連続誘拐事件が発生しているとの情報を得たマヤ。
これまでの情報と身代金額の変遷から何が起こっているのかを察しつつあった。
此処でグルグルタ〜〜〜イム!!
マヤと代官山はグルグルすることで上記の真相に辿り着く。
後はマヤたちの根城を突き止めるだけだ。
此処でマヤは犬のマヤに誘拐犯人たちの臭いを追跡させる。
犬は犬好きを嗅ぎ分けるらしい。
これが成功し、マヤたちは犯人の居場所を突き止めた。
神崎が無罪と知った不二子や真島夫妻も駆け付け根城を取り囲むマヤたち。
マヤは真島と幼いマヤを直接対決させる。
幼いマヤは狂言誘拐を仕組んだ理由を明かす。
それは真島が犬にマヤと同じ名前を付けたことにあった。
さらに、幼いマヤは「パパが何を考えているか分からない!!」と叫ぶ。
「だって、お前が少し怖いんだもん」
マヤに本音を打ち明ける真島。
これまでマヤは「真島秘蔵のウイスキーを麦茶に摩り替え」たり、「これまた真島秘蔵のレコードコレクションをフリスビーにしてしまった」らしい。
「幾らなんでもお前の年であの行動力はそりゃビビるだろ……」
父として飾ることなく正直に自身の心情を伝える真島。
さらに、主人公のマヤが「私、あなたとよく似たタイプの娘を知ってるわ。好きだからいじめるのよね」と幼いマヤの心情を代弁する。
互いに打ち明けたことで親娘は和解出来た。
その隙に逃げ出そうとする犬塚たち。
だが、主人公であるマヤの鞭が唸りを上げ、彼らを逮捕する。
こうして事件も解決することに。
真島が犬にマヤという名を付けたのは娘の名を大切にしており、少しでも多くその名を呼ぶ為だったらしい。
そして、幼いマヤは犬塚と猫田を部下にペットショップを開業するのが今の夢なのだそうだ。
代官山は自身の境遇を棚に上げ呟く。
「可哀想に……」と。
その夜、自宅に戻った代官山は啓子に今回の事件について語る。
何故か啓子はマヤの幼い時分を知っているらしいようだが―――5話に続く。
<感想>
原作は七尾与志先生「ドS刑事シリーズ」。
2015年4月時点でのシリーズは既刊4冊、それぞれ第1弾『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』、第2弾『ドS刑事 朱に交われば赤くなる殺人事件』、第3弾『ドS刑事 三つ子の魂百まで殺人事件』、第4弾『ドS刑事 桃栗三年柿八年殺人事件』となっている。
過去には第1弾『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』をネタバレ書評(レビュー)してますね。
・『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』(七尾与志著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)
そのドラマ版。
今回は「ビッグマヤ(主人公)」、「リトルマヤ(幼いマヤ)」、「ドッグマヤ(犬のマヤ)」と「2人と1匹のマヤ」が登場することに。
そして「マヤ違い」が発端となった事件でした。
誘拐事件の被害者と加害者が主客転倒する点では、天藤真先生『大誘拐』(東京創元社刊)が名作であるようにやっぱり面白いですね。
さらに、マヤが終盤にて「私、あなたとよく似たタイプの娘を知ってるわ。好きだからいじめるのよね」と幼いマヤの心情を代弁していましたが、マヤが良く知る幼いマヤに似た娘とは「マヤ自身」のことでしょう。
と言うことは、マヤの代官山への態度の意味も……なるほど、なるほど。
犬塚や猫田ら誘拐犯が労働について熱く語った点もポイント。
さらに犬塚、猫田にプリンの監修をしていた猿渡シェフと犬、猫、猿も登場。
こうなると、雉も欲しかったなぁ。
でもって、啓子はやはりマヤの過去を知っている様子。
だとすると、代官山とマヤは幼馴染の可能性もありそうですね。
◆「七尾与史先生」関連過去記事
【ドS刑事ドラマ版】
・「ドS刑事」第1話「攻撃系女子とピュア巡査バディの痛快ポリス・コメディー!潜入捜査で女装しなさい」(4月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「ドS刑事」第2話「連続放火殺人!だけど合コンに潜入しなさい!?爆走ポリス・コメディ!」(4月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「ドS刑事」第3話「恐怖の連続放火にマヤの怒り爆発!恨みの連鎖の謎を解く涙のドS攻撃!」(4月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)
【著作関連】
・『ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件』(七尾与志著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『死亡フラグが立ちました!』(七尾与史著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『キルキルカンパニー』(七尾与史著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』掲載)ネタバレ書評(レビュー)
【ドラマ関連】
・「超再現!ミステリー」(日本テレビ系、2012年)まとめ
・「超再現!ミステリー」第5回「“大人気…死亡フラグが立ちました”超天才バナナを使った殺人犯IQ手口&興奮ラスト」(5月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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