2015年05月27日

『どこかでベートーヴェン 第四話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.9』掲載)

『どこかでベートーヴェン 第四話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.9』掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家による書き下ろしミステリー集!海堂尊の人気ミステリーの続編がついに登場!加納&玉村シリーズ最新作「修行のタイムリミット」、『さよならドビュッシー』の中山七里が描く大人気・音楽シリーズ「どこかでベートーヴェン 第4話」、上甲宣之「JC科学捜査官」シリーズ最新短編「雛菊こまりと“きさらぎ駅”事件」、塔山郁「重大事案対策班 橘川七海 ラブ・アブダクション」、乾緑郎の鍼灸院ミステリー「鷹野鍼灸院」シリーズ&友井羊「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズの最新作と、話題作家競演の一冊。
(宝島社公式HPより)


<感想>

中山七里先生「岬洋介シリーズ」の最新作『どこかでベートーヴェン』の第4話が発表されました。
長編第3作である『いつまでもショパン』と同様に『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』に掲載されています。
これにより、何時か来るシリーズ第4作『どこかでベートーヴェン』の発売が明らかに。

そんな「岬洋介シリーズ」は「難聴を抱える天才ピアニスト岬洋介が関わった事件を描く」シリーズ作品。
あくまで関わった事件なので、中心視点人物は各作品ごとに別の人物となっており、岬は事態解決やアドバイスなどを行う探偵役の立場となっています。
いつか岬自身が視点人物となる日がやって来るのでしょうか。

なお、今回の『どこかでベートーヴェン』は『いつまでもショパン』の後から始まる物語。
ただし、ある事柄(『いつまでもショパン』での出来事)により一躍有名になった岬を見かけた高校時代の同級生が当時(高校時代)に起こった事件について振り返るとの内容になっています。
この為、実際は回想が主になりそうかな。

そして、いよいよ4話で物語が動きました。
どうやら、本作は事件は事件でも殺人などと言った犯罪事件ではなく、災害に対しての岬の活躍を描くストイーリーになるのかも。
さらに本作はタイトルが『どこかでベートーヴェン』とされている通り、岬の難聴も大きく絡んで来るのかもしれません。

ちなみに、「岬洋介シリーズ」には長編が『さよならドビュッシー』、『おやすみラフマニノフ』、『いつまでもショパン』の3作(刊行順、作中時系列順)と短編が短編集『さよならドビュッシー前奏曲(文庫化に際し『要介護探偵の事件簿』を改題)』(『さよならドビュッシー』の前日譚を描いたスピンオフ)、『間奏曲(インテルメッツォ)』(『いつまでもショパン』と同時期に起こっていた事件を描くスピンオフ)の2作が存在しています。
記念すべきシリーズ第1作『さよならドビュッシー』は映画化もされています。
書籍版については、すべてネタバレ書評(レビュー)していますね。
興味のある方はネタバレあらすじ後の関連過去記事へどうぞ!!

ちなみに、ネタバレあらすじについては管理人によりかなり改変されています。
本作を楽しんで頂くには直接お読み頂くことをオススメします!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
岬洋介:シリーズ主人公、今回は高校時代が描かれる。
鷹村亮:『どこかでベートーヴェン』の視点人物。音楽科の学生。
岩倉:音楽科の学生の1人。
板台:音楽科の学生の1人、バンドを組んでいる。
春菜:鷹村が憧れる同級生。
棚橋:音楽教師。
佐久間:数学教師。

・3話はこちら。
『どこかでベートーヴェン 第三話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.8』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

「破壊神・岬」の降臨により、鷹村のクラスは変わった。
いや、変化を余儀なくされたのだ。
そして、その変化をもたらした当の岬にその自覚は無い。
鷹村は自身も変化を促された身として恨めしく思いながらも、岬を庇うことに奔走していた。

そんなある日、高台にある彼らの学校で土砂崩れが発生。
道路が寸断され街との連絡を絶たれてしまうことに。
この事実に逸早く気付いたのは、外に出ていた岬と鷹村の2人だけ。

「何とか麓に連絡を取らなければ」と主張する岬に対し「其処までしなくても誰かがやってくれるだろうに」と及び腰の鷹村。
だが、岬は鷹村の言葉を聞くことも無く「此処で何とかしないと大変なことになる」と譲らない。

結局、岬が倒れた電柱を簡易の橋に仕立てて寸断された道路を渡り助けを呼ぶことになった。
残された鷹村は比較的安全と思われる学校への連絡役を買って出た。

とはいえ、内心で何処かほっとしている鷹村。
そんな自分に気付いた鷹村は自己嫌悪に陥ることに―――『どこかでベートーヴェン』5話(あるいは本編)に続く。

◆「中山七里先生」関連過去記事
【岬洋介シリーズ】
『さよならドビュッシー』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『おやすみラフマニノフ』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いつまでもショパン』第1回(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第一話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.6』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第二話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.7』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『どこかでベートーヴェン 第三話』(中山七里著、宝島社刊『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK vol.8』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『間奏曲(インテルメッツォ)』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい!2013年版』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『要介護探偵の事件簿』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【刑事犬養隼人シリーズ】
『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』(中山七里著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

【その他】
『連続殺人鬼カエル男』(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『静おばあちゃんにおまかせ』(中山七里著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『残されたセンリツ』(中山七里著、宝島社刊『このミステリーがすごい! 四つの謎』収録)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ版】
土曜ワイド劇場「切り裂きジャックの告白 〜刑事 犬養隼人〜 嘘を見抜く刑事VS甦る連続殺人鬼!?テレビ局を巻き込む劇場型犯罪!どんでん返しの帝王が挑む衝撃のラストとは!?」(4月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「このミステリーがすごい!〜ベストセラー作家からの挑戦状〜 天才小説家×一流映画監督がコラボした、一夜限りの豪華オムニバスドラマ!味わいの異なる4つの謎=各25分の濃密ミステリー!又吉×希林の他では見られないコントも!」(12月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「どこかでベートーヴェン 第四話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.9」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.9





「どこかでベートーヴェン 第三話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.8」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.8





「どこかでベートーヴェン 第二話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.7」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.7





「どこかでベートーヴェン 第一話」が掲載された「『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.6」です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家 書き下ろしBOOK vol.6





「いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)





『いつまでもショパン』第1回が掲載された『『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK』です!!
『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK





「さよならドビュッシー (宝島社文庫)」です!!
さよならドビュッシー (宝島社文庫)





「おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)」です!!
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)





「さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)」です!!
さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード)~要介護探偵の事件簿 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)





『間奏曲(インテルメッツォ)』が収録された「このミステリーがすごい! 2013年版」です!!
このミステリーがすごい! 2013年版



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