2015年06月06日

【第3の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【第3の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

「金田一少年の事件簿R」第6弾は「吸血桜殺人事件」!!
舞台は「夜桜亭」、其処には吸血桜があるとのことだが……


【「吸血桜殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。

藍染吉乃:「夜桜亭」のオーナー。
葉崎栞:「夜桜亭」のアルバイト。
敷島大悟:「夜桜亭」のアルバイト。
北屋敷剛三:「夜桜亭」の料理人。
絵東ちなつ:客の1人、医師。
冬部蒼介:客の1人、弁護士。
斧田鏡一郎:客の1人、社長。
虎元勝男:客の1人、マスクをしている。
三夜沢渉子:客の1人、画家。

鬼方桜柳:30年前の連続猟奇殺人犯人とされる人物。

青桐岳人:15年前にちなつ、冬部、斧田に突き落とされ殺害された少年。
青桐岳彦:岳人の父。墓石には早苗、夏美と同日に死亡したと刻まれている。
青桐早苗:岳人の母。墓石には岳彦、夏美と同日に死亡したと刻まれている。
青桐夏美:岳人の妹。墓石には岳彦、早苗と同日に死亡したと刻まれている。

剣持:美雪と並ぶ金田一の偉大なる相棒。
佐木竜二:久しぶりの登場。金田一の後輩。
真壁:金田一たちの先輩。

<あらすじ>

・前回はこちら。
【謎また謎!?】「吸血桜殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

斧田に続き、ちなつが殺害された。
金田一は「夜桜亭」の宿泊客の中に犯人が居ると考えていた。
だが、あまりにも容疑者を絞り込む手掛かりがない。

困っていたところ、思わぬ機会が訪れた。
夕食の席で皆で会談することになったのだ。
佐木に様子を撮影させつつ、それぞれと会話して行く金田一。

まず、佐木が口火を切って学生時代の座席について話題に上った。
金田一は五十音順であったにも関わらず美雪と隣の席であったことを語り出す。

「へぇ!?」と歓心を抱く一同。
「き」の金田一と「な」の美雪が隣り合うことは考えづらいからだ。
ところが、これには裏話が存在していた。
金田一が美雪の隣席の生徒に頼み込んで席を替わって貰っていたのだ。

蓋を開けて見れば何のことは無いが、これに興をそそられたのか従業員や宿泊客たちが話に喰いついて来た。

敷島によれば、彼の学校は男女一列交互に席が決まっており隣席は柴田なる女子だったそうだ。
さらに教師の目の前の席だったらしい。

渉子は出席番号不明も後ろの方だったとのこと。

栞は出席番号21番。
さらに栞が静岡県出身、敷島が千葉県出身だそうだ。

そんな中、冬部は斧田とちなつが隣同士だったことをポツリと洩らす。

藍染と虎元は歳が近いことも判明。
北屋敷の妻子が事故で死亡していることも分かる。

夕食を終えた金田一は、この情報の中に強い違和感を覚えることに。
だが、それが何かまでは未だに判然としなかった。

取り敢えず、現状で金田一がもっとも警戒しているのは冬部。
金田一は冬部が何かを隠していると確信していた。

その夜、自室に置かれたベッドに横たわった金田一は斧田殺害時の密室トリックについて「あれしかあり得ない」と仮説を立てていた。

一方、冬部は自室の電話から「じゃあ、よろしく」と何者かに連絡を入れていた。

その数時間後―――突如、ブザー音が夜桜亭に響き渡る。
驚いた金田一たち、途中で出会った藍染によれば別室が音源らしい。
だが、部屋には鍵が架けられているのだそうだ。
藍染が先頭となり、マスターキーで鍵を開けてみたところ……。

其処には冬部の死体が!!
その腹部には斧田のときと同様に血吸桜が刺さっていた。
そして、またも同様に室内は内側から施錠されており、唯一の鍵は遺体に突き立てられた血吸桜に結び付けられていた。
完全なる密室である―――7話に続く。

<感想&推理>

「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第6弾は「吸血桜殺人事件」です!!

そんな「吸血桜殺人事件」の第6話。

此処で1つだけ言っておきたい。
まず、第一に調べるべきは冬部の電話の通話履歴だね。
これで通話相手が分かれば真相がほぼ分かるし。

でもって、美雪。
50音順の座席で金田一が隣に座った時点で不自然なのに気付いていなかったんだなぁ……。
と言うか、何か特別の事情が無い限りはすぐに周囲に気付かれるし、勝手な席替えは教師が許さないと思うのだが……どんな手を使ったのだ金田一よ!!
あれか「目が悪いので……」なのか、でも金田一は眼鏡架けてないしなぁ。
いや、美雪が後部に座っていて目が悪い人物が美雪の隣席だったので前の方の席だった金田一が交代したパターンか。
これなら、なんとかなる……のか!?

まぁ、それは置いておいて。
今回起こったことは次の通り。

1.金田一が夕食時の会話に違和感を抱く。
2.冬部が斧田殺害時とほぼ同様の密室で死亡。

では、1から。
金田一が抱いた違和感の正体について。
まず、各人が述べた内容についてまとめてみる。

敷島「隣席が柴田、教師の目の前の席、千葉県出身」
栞「21番、静岡県出身」
冬部「ちなつと斧田が隣同士」
藍染「虎元が少し年上」
渉子「後ろの方だった」
北屋敷「妻子は事故で死亡」

……と発言している。

まずは敷島の発言。
わざわざ出身県を挙げている以上は意味がある筈……と思って調べてみたところ、千葉県では席順が50音順ではなく誕生日順の学校があるらしい。
ネット上でもかなり話題になったようで検索したらすぐに出て来た。
ただ、すべての学校がそうじゃないらしいので断定出来そうにない。

むしろ、こうなると怪しいのは栞。
年代が異なりこそすれ「み」の三夜沢渉子が後ろの方だったのに「は」の葉崎栞が21番なのは不自然……とも思ったが、言い切れないよなぁ。
だって、生徒の苗字に偏りがあるかもしれないし、そもそもクラスの人数が分からないし。
もちろん、渉子についても否定しようがない。

だったら、冬部の発言。
とはいえ、これも「え」の江東ちなつと「お」の斧田だから特に不自然でも無い。
と言うか、そもそも冬部の学校が50音順なのかランダムなのかもどんな並び順を採用していたのかがそもそも分からないから判断しようがない。

え〜〜〜い、藍染の発言。
「まぁ、虎元が年上なんだろうねぇ」としか言いようがない。

となれば、北屋敷か。
しかし、これも事実を語っているに過ぎず違和感を抱きようがない。

正直、お手上げです。
テヘッ(^O^)/!!

なので、これも置いといて。

2.冬部の死について。

金田一は冬部が何かを隠していることを回を跨いでなお強調していた。
さらに冬部は死亡直前に何者かに連絡を入れている。
しかも、冬部の死は金田一が斧田殺害の密室トリックに仮説を立てた直後のもの。

これは……冬部殺害時の密室は「冬部自身による工作」の可能性が高いなぁ。
冬部が自分で内側から締めたんだね、コレ。

だとすると、冬部の死が自殺か……となるところだけど、これは違う気がする。
どちらかと言えば「もう1人が冬部を刺した後に瀕死の冬部が内側から施錠して密室にした」が正解だと思うけど。

何故なら、あのタイミングで冬部から電話を受けた人物が居るし、その人物が冬部の部屋の前を確認しているし、その必要があったのは冬部を殺す為でしょう。
密室作成は冬部1人で事足りるワケだし、その人物が必要な仕事が他にあった。
それがその人物が冬部を殺害すること。

また、今回にて冬部が密室を作ったのは斧田殺害時の密室も同様の物と錯誤させることで過去の密室が鉄壁だったと誤認させる目的だろうし。
冬部が犯人の協力者となれば、斧田殺害時の密室トリックは簡単になる。
「冬部が窓の鍵が施錠されているか確認する振りをして開いていた窓を施錠した」ことになるから。

さらにメタ的になるけど、その人物が存在する傍証もある。
そもそも、金田一の違和感自体がその人物を炙り出す為のものになりそうだから。
だとすると、冬部とその人物による2人での犯行となるのかな。

さて、此処で問題になるのが「それが誰か」ということ。
それこそ「金田一の違和感の主がそうだ」となるのだろうけど、敢えて候補を挙げれば敷島と栞のいずれか。
ただ、気にかけたいのは「ちなつ殺害時のアリバイの有無」。

冬部が自身の命を用いてまで犯人を庇っているとなると、ちなつ殺害時にもアリバイを用意していた筈。
此処でアリバイを用意させないのは、むしろ不審。
となると、アリバイの無い栞は除外され北屋敷と互いにアリバイを主張していた敷島が残る。

というワケで、現状の犯人候補は敷島。

敷島が冬部と仲間だったとすれば、一連の犯行はこんな感じ。

敷島が斧田殺害。冬部が密室工作を行う。
冬部がちなつ殺害。敷島が北屋敷とアリバイを作る。
敷島が冬部殺害。冬部が密室工作を行う。

こんなところかな。
ただ、現状だと「敷島が犯人でないとダメ!!」と言った点が傍証以外に無いんだよなぁ。
別にアリバイ関係なしに栞の犯行でも可能だし。

いずれにしても未だ情報不足の感が拭えません。
次回以降に注目です!!

ちなみに、高遠とカフェふくろうのマスターに何らかの関係があるのではないかとの謎。
新シリーズ「金田一少年の事件簿R」になって以来、カフェふくろうのマスターが登場するエピソードには高遠も必ず登場している(「亡霊校舎の殺人」「蟻地獄壕殺人事件」)。
例として挙げるには2作と些か心許なくはあるが、これは新シリーズになってからの高遠の登場自体が上記2作に限られている為。
つまり、今のところ100%となっている。
どうも、この登場には何か意味があるのではなかろうか。
マスター自身が高遠の変装なのか……それとも高遠のルーツがマスターに関わって来るのか。
今後もこの法則が守られるのかどうかに注目したい。

ちなみに、此処で大ニュース。
「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作「ファイアーエムブレムif」開発に「金田一少年の事件簿」原作者である樹林伸先生が参加されるとのこと。

そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!

綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?

◆「吸血桜殺人事件」関連過去記事
【新エピソード開幕】「吸血桜殺人事件」1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【第1の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【密室殺人!?】「吸血桜殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【第二の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【謎また謎!?】「吸血桜殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「蟻地獄壕殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
「亡霊校舎の殺人」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)

【ドラマ版】
ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件 マレーシアのジャングルで合宿中の生徒達が次々と消えた…太陽と月が交わる時暴かれる驚愕のトリック!謎はすべて解けた!」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ

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◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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