2015年06月13日

『カンタンZ〜完全探偵・勘太、最初で最後の事件〜』(鈴木央作、講談社刊『ヤングマガジン サード』掲載)ネタバレ批評(レビュー)

『カンタンZ〜完全探偵・勘太、最初で最後の事件〜』(鈴木央作、講談社刊『ヤングマガジン サード』掲載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
勘太:完全探偵。学ラン姿で腰には「腹切丸」という刀を提げている。
道明ヶ辻:勘太の相棒、ヒロイン。
山本:村長。
“夜空にきらめきし古の魔術師”ポンジュラス仮面:たぶん、犯人。


99話に跨り村人45人が“夜空にきらめきし古の魔術師”こと「ポンジュラス仮面」を名乗る怪人の手で殺害されてしまった事件。
既に残るは勘太、道明ヶ辻、村長・山本の3人きりとなってしまった。

此処に勘太は犯人が山本であると指摘。
抗弁しようとする村長だが、その暇もなく勘太が手にする名刀・腹切丸の一閃で首を撥ねられてしまう。

恨めしそうに床を転がる村長の首。
これを眺めながら本当に村長が犯人なのかと悩み出す道明ヶ辻。
勘太はそんな道明ヶ辻に幾つか彼が犯人である論拠を述べようとし……その都度「時間が無いから」と省略してしまう。

さらに「山本は実は何度となく復活出来る」と主張するが、その根拠も明かさない。
もちろん、その間も山本の首は微動だにしない。

遂に勘太は「これが完全探偵による推理だ!!」と開き直るのであった―――エンド。

<感想>

『ヤングマガジン サード』で行われている架空の漫画の100話目を読切で描く企画「俺の100話目!!」。
その「俺の100話目!!」に「ライジング・インパクト」や「七つの大罪」で知られる鈴木央先生が挑むことに。

そんな本作は明らかに「金田一少年の事件簿」をモチーフとしたパスティーシュ作品ですね。

冒頭からしてスゴイ!!
「金田一少年の事件簿」でもお馴染みの容疑者リストがあるんだけど、これが48人分ある。
しかも、本家同様に見事に45人分が暗く染められてる。

他にも、怪人名が「“夜空にきらめきし古の魔術師”ポンジュラス仮面」。
これにはツボった。

と、此処まではモチーフ作品に敬意を表しているのだけど、此処からが鈴木央先生の本領発揮。
ミステリから、まさかのアクションに持ち込むとは……。
そして、意図的に行われた曖昧な解決で締め。

ちなみに、これの真犯人は勘太なんだろうなぁ……。
本編前のこれまでのあらすじによれば、勘太はこれまでにも難事件を解決して来たとの設定らしい。
きっと、これまでに彼が解決して来たとされる事件も同様だったに違いない。
よく名探偵が足を運んだ土地で殺人が起こることを「名探偵こそが事件を運んでる」と揶揄するけれど、本作はきっとそれも踏まえているのだろう。
だから、実際に名探偵が殺人を犯すことに。

……と思っていたところ、そうでもないらしい。

鈴木先生のあとがきによると「どうやら風呂敷を広げ過ぎて畳めなくなった作品をどうまとめるか」をテーマにしたものとのこと。
言わばあの有名な「ソードマスターヤマト」(増田こうすけ先生「ギャグマンガ日和」のアレ)と似た取り組みのようだ。
犯人候補で山本が残されたのも、意外性を追求し過ぎた結果、他の候補を被害者にしてしまった為との設定らしい。
でも、読者の立場からするといろいろ深読み出来そうな作品でもある。

ちなみに、全4ページながら本作のテンポも面白かった。
具体的に例示すると……。

1ページ目で村長が告発される。
2ページ目で村長が勘太に殺害される。
3ページ目で勘太が村長が犯人である論拠を挙げるようで挙げない。
4ページ目で1ページまるまるアップで勘太が開き直り。

まさに、これが勘太の犯行履歴だ。

そもそも名前が勘太なのも意味深長だなぁ。
「勘が太い」ワケだし。

いろいろ考えられそうな本作。
これは本作それ自体を是非、ご覧頂きたい!!

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