2015年08月05日

『王とサーカス』(米澤穂信著、東京創元社刊)

『王とサーカス』(米澤穂信著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

『さよなら妖精』から十年のときを経て、高校生だった太刀洗万智は、異邦でふたたび大事件に遭遇する。絶賛を浴びた『満願』をも超える、現在最注目の著者の最新最高傑作!
(東京創元社公式HPより)


<感想>

遂に発売された「ベルーフシリーズ」最新作です。
「ベルーフシリーズ」は『さよなら妖精』(東京創元社刊)に登場した太刀洗万智を主人公とするシリーズ作品のこと。

これまでに発表されている作品は、長編が『さよなら妖精』の1作、短編が『失礼、お見苦しいところを』、『恋累心中』、『ナイフを失われた思い出の中に』、『名を刻む死』の4作品となっています。
またシリーズ最新短編『真実の10メートル手前』が2015年8月12日発売予定の『ミステリーズ!』に掲載予定だそうです。
短編が5作となったことで連作短編集発売の可能性も高くなったか!?

ちなみに、作品内の時系列は『さよなら妖精(1991年)』→『王とサーカス(2001年)』→『ナイフを失われた思い出の中に(2006年)』となっています。
『ナイフを失われた思い出の中に』にはマーヤの兄も登場しており必読。
また、『王とサーカス』以降の短編に『王とサーカス』の登場人物が再登場する可能性もあったりするのかなぁ……。

そんな本作『王とサーカス』ですが「人の多面性」を描いた作品です。

ラジェスワルは高貴な軍人と思いきや薬物取引に関係していた。
八津田は世俗を離れた僧侶と思いきや薬物取引に関係していた。
サガルは逞しく微笑ましい少年かと思いきや悪意を隠していた。
そして、万智もまた少年の安否よりも先に記事を優先した。

このように人が複数の顔を持っていることを表現しています。

また、タイトル『王とサーカス』の意味ですが、個人的には次のように感じられました。

「サーカス」についてはサガルが終盤で口にした通り「見世物」の意味でしょう。
そして「王」が今回の王宮事件を指し示すのだとすれば、それについて取材した万智のスタンスこそが該当する筈。
すなわち「王とサーカス」の意味は、ルポライターの報道における姿勢を表現し「真実(王)と見世物(サーカス)」という相反する結果を示しているのではないでしょうか。
言わば「単なる見世物に終わってはならない、真実の報道たれ」と。

例えば、万智のようなスタンスこそ真実であり、過去にサガルの兄を殺したソレが見世物なのではないでしょうか。
おそらく、過去のソレは全体像を伝えず断片的な情報をセンセーショナルに伝えたのでしょう。

もちろん、サガルの兄を間接的に死に追いやったとはいえ、彼の報道が「悪」とは言い切れないところがあります。
なにしろ、報道とは「あくまで(報道する側にとっての)真実を伝えるもの」なので。
まず、断片的ではなく全体像を伝えるには膨大な情報量が必要となります。
これを実行するには限りない誠実さが求められます。
また、限りなく誠実であったとしても真実を伝えたことで如何なる状況に陥るかまでは予期できないのですから。

とはいえ、サガルの叫びは切実です。
「予期できないから」で看過すべきでは到底ない。

だとすれば、報道が目指すところは何処か?
その1つの結果が万智のスタンスなのでしょう。

では、それ以外には存在しないのか?
例えば「(報道により生ずる)より良い結果」を求めるべきだとの声があるかもしれません。

だが、この「より良い結果」とは自然に生ずるもので意図して狙う物ではない。
何故なら、これを望むことで報道の中立性が損なわれる。
また、「誰にとってのより良い結果」かで結果自体も左右されるワケで。
例えば、ある事実が報じられたことがAにとっては良い結果でも、Bにとっては悪い結果に繋がることも起こり得る。
では、報道する者はどちらの立場に立てば良いのか?
それは恣意的な問題となり、公正が失われる。

こうして人の身の限界が見えて来ることに。

だからこそ、ラストにて万智がルポライターを続けることを決意した点が大きい意味を持つワケです。
万智は報道者として誠実であり公正であることを選んだ。
それは、彼女にとって大きく重い荷を背負うことを決断したに他ならない。
これが後の『ナイフを失われた思い出の中に』と『名を刻む死』での取材姿勢に繋がったのだと思えば、本作『王とサーカス』はまさに「太刀洗ビギンズ」とでも言うべきポジションの作品なのです。

ちなみに、本作を読んで梓崎優先生の作品群(『嘘吐き鼠』『リバーサイド・チルドレン』など)を思い出しました。
こちらも管理人オススメです。
興味を持たれた方は是非チェックされたし!!

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さて、そんな本作のあらすじですが、登場人物もカットしてますし「チーフスペシャルの件」とか「殺害場所の件」とか「僧衣の件」とか伏線もかなり端折っています。
これらが織り成す妙を楽しむのが本作の魅力。
故に本作の真価を味わうには、やはり本作それ自体をご覧頂きたい。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
太刀洗万智:『さよなら妖精』から10年が経過した主人公。
サガル:万智がネパールで出会った少年。
八津田:万智と同宿の僧侶。
ラジェスワル:王宮警備を担当していた軍人。


『さよなら妖精』から10年が経過した2001年―――太刀洗万智は新聞社勤務をしていた。
だが、ある日のこと異性の同僚が自殺してしまう。
彼とは普通に同僚としてのみの関係であった万智だが、その死に関わりがあるのではないかとあらぬ疑いをかけられてしまった。
周囲の視線に耐え兼ねた万智は退社しフリールポライターへと転身することになった。
その初仕事の舞台はネパール、こうして万智は彼の地へ飛んだ。

「トーキョー・ロッジ」なる名の宿を取った万智。
其処には宿の女将の他に、万智も含めて4人の宿泊客が滞在していた。
中でも同じ日本人で僧侶として現地で暮らしている八津田は万智の抱える懸念を見抜き彼女を励ました。
万智は独立したことで先行きに不安を感じていたのである。

これにより、少し自信を取り戻した万智は現地の少年・サガルをガイドに雇って街を散策する。
何でも、サガルの兄は絨毯工場に勤めていたのだが工場の環境が不適切だと外国メディアに報じられ閉鎖。
その後、廃品回収の仕事に転じたが缶で怪我をし、それが原因で破傷風となって死亡したらしい。
以来、サガルは1人で生計を立てていた。

逞しく生きるサガルを眩しく思う万智。
そんな万智にサガルは人懐こい笑顔を浮かべると街のあちこちを案内して回った。
さらに万智に大スクープを提供するとまで口にする。

そんな中、本当に大事件が勃発した。
なんと、王宮内で射殺事件が発生したのだ。
しかも、射殺されたのは国民からも信頼が厚い王、射殺したのは皇太子であった。
さらに、皇太子は他の王族も殺害しているらしい。

あまりにもセンセーショナルな事件は様々な憶測を呼ぶ。
有象無象の情報の中で、確かな真実を掴む為に万智は調査を開始する。

そんな中、宿の女将経由で王宮警備に加わっていたラジェスワル准尉に伝手を得た万智は取材を申し込んだ。
すると、取材は了承されたものの、何故か事件の内容については語って貰えない。
それが軍人の誇りだと拒否されてしまう。

すごすごと引き下がる万智。
ところが、その矢先にラジェスワルが何者かに殺害され路上で曝されてしまう。
その死因は射殺。
しかも、その遺体には「インフォーマー(密告屋)」と書かれていた。

もしかして、取材をしたことが露見しそれ故にラジェスワルが密告屋として殺害されたのではないか。
だとすれば、王殺害事件には更なる陰謀が隠されているのではないか?
妄想を逞しくすることを禁じ得ない万智。

だが、彼女は知っていた。
例え、記事にする中で主観が紛れ込むことがあろうとも、そもそも主観を持って取材をすべきではないことを。

万智は正確性を期すべくさらなる調査を開始する。
一方で、ラジェスワル殺害の捜査担当となった刑事から取調を受けることに。

その中で万智はラジェスワル殺害に用いられた凶器が同じトーキョー・ロッジの宿泊客から盗まれた物と気付く。
さらに、ラジェスワルに麻薬取引の疑いがあったと知り真相を看破した。

万智はラジェスワル殺害が王宮内の事件と無関係と結論付けた。
そして日本へ初仕事を送信した。

翌朝、万智は犯人と対峙する。

犯人とされる条件は2つ。
凶器を盗み出すことが出来た。
そして、ラジェスワルを射殺することが出来た。
この両方が可能なのは八津田だけだった。

実はラジェスワルは麻薬取引に手を染めており、だからこそ万智を気に掛け取材に応じたのだ。
もしも、万智が取引の件に言及すれば口封じするつもりだった。
だが、万智は王宮での事件について調べていただけであった。
其処で拍子抜けし取材を拒否したのである。

そして、八津田はラジェスワルの仲間だった。
トーキョー・ロッジで観光客に声をかけ、仏像に忍ばせたソレをそれと知らずに日本に運び込ませていたのだ。

八津田がラジェスワルを殺害した動機は仲間割れ。
八津田はゆったりとした僧衣で相手を油断させ、密会場所のクラブで射殺したのだ。
事が露見した八津田は逃亡する。

だが、万智にはもう1人確認するべき相手が残されていた。
それはサガルであった。

ラジェスワルはクラブで射殺された。
にも関わらず、どうして路上で曝されていたのか?
あまりにもタイミングが良過ぎた。
誰かが万智が記事にするようにラジェスワルの遺体を運んだのだ。

サガルは笑いながら答える。
「だから、大スクープを用意してやると言っただろ」と。

しかし、その笑いには明らかに暗い何かが含まれていた。
万智が納得していないことを察したサガルは真の理由を語り出す。
それは万智を誤報により破滅させる為であった。

ラジェスワルの遺体を目にしたときに、万智が抱いた大スクープへの誘惑。
それがサガルの狙いだったのだ。

だが、正確には彼の狙いは万智ではない。
ジャーナリストそれ自体に復讐するつもりだったのである。

過去、ネパールの子供たちの生存率が取り沙汰された。
これが海外メディアに取り上げられたことから、子供たちの生存率は格段に上がった。
反面、仕事が限られた状態だった為に苛烈な生存競争に曝されることとなった。
そんな中、サガルの兄が勤める絨毯工場がメディアで取り上げられ環境が不適切として閉鎖されてしまった。
唯一の収入が断たれたサガルの兄は慣れない仕事に手を出し死亡することとなった。
つまり「兄を殺したのはお前らだ!!」とサガルは憎悪を滾らせていたのだ。

「インフォーマー」と記したのもサガルであった。
ラジャスワルこそ絨毯工場の環境問題をメディアに案内し報酬を得た張本人だったのだ。

サガルは叫ぶ。
そもそも、実情を良く知りもせず勝手な憶測で都合の良い事実を真実として伝える。
それにより伝えられた側がどうなるかなど考えもしない。
それがお前らだ、と。

さらに、サガルは「まるでサーカスだ!!」と吐き捨てる。
伝えられた側は一方的な好奇心に蹂躙され、満足すれば放置されたのだ。

「なんで罠にかからなかったんだよ……」
半分、泣きそうに訴えるサガル。
サガルにとってジャーナリストとは好奇心で都合よく事実を解釈する人々であった。
だが、万智はあくまで真実に拘った。

「今後もルポライターとして生きる」と宣言する万智にサガルは背中を向けて去って行く。
残された万智を苦い物が満たしていた。

万智は日本へ帰国した。
あの記事が日本で高く評価され、万智の初仕事は上々の滑り出しである。
万智は今も彼の地の人々をことにつけ思い出す。

彼らが特別なのではない。
人間には誰しもそのような面が存在するのだ。
そして、それは他ならぬ万智自身にも―――エンド。

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posted by 俺 at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まだ読んでる最中(遅すぎ(笑))なんで、記事もネタバレ部分は読んでません

ダ・ヴィンチ最新号の米澤穂信特集、かなり力入ってますよ
「王とサーカス」についての記事、辻村深月さんとの対談、ヨネザワグルメ、ロングインタビューと全18ページに渡ります
(けっこうよねぽの写真も多いけど)
そして、「真実の10メートル手前」というタイトルで(今度ミステリーズに載る短編と同じタイトルですね)〈ベルーフ〉シリーズ短編集が年内刊行予定と発表されました!
\(^o^)/
本当に年内に出ることに期待しましょう(笑)

では、「王とサーカス」を読み終わったら、また感想を書きに伺います
m(_ _)m
Posted by パンプキン at 2015年08月08日 08:33
読み終わりました〜
このシリーズは相変わらず「重い」ですねぇ
設定や世界観が現実的な上に扱う内容が深刻なんですよね
古典部や小市民は現実的だけど扱う内容が学生でも対処出来る範囲
インシテミル、羊などは非現実的な設定(これはこれで悪いわけじゃないけど)

全体的な感想は……こちらでほぼ言いたいこと書かれてますね(笑)

この事件(出来事)で太刀洗がジャーナリストとしての方向性を定めて「天職」としたから、このシリーズはベルーフ(天職)というシリーズタイトルなんでしょうね
「さよなら妖精」で守屋に「あなたちょっと私のことを冷たく見積もりすぎよ」みたいに抗議していた太刀洗が「あなたは冷ややかな素振りの内側に、純粋な思いを秘めている。しかしさらにその奥底には、ひとごろしの私もおののくほど冷たい心がある」なんて言われてしまうところが……

今年中に発刊予定(ホントでしょうか?)というベルーフ短編集にはぜひとも書き下ろしボーナストラックを入れて欲しいものです

では、またの機会に
m(_ _)m
Posted by パンプキン at 2015年08月10日 19:36
Re:パンプキンさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

『ダ・ヴィンチ』の米澤穂信先生特集、かなり力が入っているようですね。
実と言うとまだ読めていないのですが「満天の星のような、数多な魅力に迫る」との見出しにかなり心が動かされています。
中でも「読んで聞いて美味しい ヨネザワグルメ」にはかなり興味が……。

そして、米澤先生は懐の深い作家さんですね。
その作品は軽重自在でテーマも多岐に渡る。
テーマも舞台も上手く活用し仕上げることが出来るからこそ、本作『王とサーカス』も生まれたのではないでしょうか。

引用された台詞は八津田のモノですね。
あれは、かなり意味深長でした。
サガルだけでなく、あの台詞が後の太刀洗万智を決定付けたような気がします。

それと遂に「ベルーフシリーズ」の連作短編集が出るんですね!!
これは……早くも楽しみ(^O^)/!!
もちろん、書下ろしもあると嬉しい!!
Posted by 俺 at 2015年08月12日 23:48
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