2015年06月14日

土曜ワイド劇場「京都美食タクシー殺人レシピ 元料理人ドライバーと女刑事夫婦!!高級料亭の秘密が呼ぶ連続殺人!?若狭の箸に塗り込められた過去」(6月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「京都美食タクシー殺人レシピ 元料理人ドライバーと女刑事夫婦!!高級料亭の秘密が呼ぶ連続殺人!?若狭の箸に塗り込められた過去」(6月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

北山修一郎(中村梅雀)は観光スポットをめぐり、おいしい食事処へ案内する“京都美食タクシー”のドライバー。実は元料理人で、フランスで修業した経験も持っている。妻は京都府警捜査一課のエリート係長・北山さとみ(賀来千香子)で、おばんざいの店を切り盛りする修一郎の母・鈴乃(草村礼子)と共に暮らしている。ひとり娘の香奈(岡本玲)は神戸の大学に通っており、時々帰ってくる。

その日、京都の老舗料亭“佐々山楼”では“食と文化の交流会”に提供する料理の品評会が行われていた。多くの文化人が揃った審査員の中には、曽根原健二(湯江健幸)、浅野美和子(石野真子)ら料理評論家の姿があった。
若き経営者の佐々山清彦(石垣佑磨)、女将・佐々山絹代(朝加真由美)らが見守る中、曽根原は料理を絶賛するが、なんと美和子が異を唱えた。「この程度のものが、京を代表する料理と思われるのは心外です。佐々山楼に任せるべきではない」――。美和子の発言を機に佐々山楼の評価は落ち、結局、交流会の料理担当からは外されてしまった。品評会が終わった後、店では、女将、清彦、経理責任者の木内康弘(比留間由哲)らが互いに責任をなすりつけあっていた。ネットニュースには、京都新報の記者・谷弘美(大路恵美)が書いた“佐々山楼が凋落”という記事が早くも掲載されていた…。

その夜、曽根原が自宅マンションから転落死する。臨場したさとみはテーブルの上の料理に気づく。レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』のメニューと同じものだった。曽根原は死を前に最後の晩餐を口にしたのだろうか…!? だが、修一郎は同僚のドライバーから、曽根原が転落死する前の晩、彼をタクシーに乗せたという話を聞く。曽根原は上機嫌で“鰆(さわら)”を食べたと話していたという。自殺する人間が出世魚である鰆を食べるだろうかと、修一郎は疑問を抱く。
そんな中、美食タクシーの予約が入った。鈴木明美と名乗る都内在住の女性からの予約で、観光はどこでも構わないが、料理は必ず“佐々山楼”のコースを予約してほしいという。修一郎が食べ物のアレルギーはないか尋ねると、女性はアレルギーを持っていると話した。

そして翌日。美食タクシーを待っていたのは、なんと京都新報記者の弘美だった。弘美は出入り禁止になっている佐々山楼に偽名を使い、美食タクシーを利用して入り込もうとしたのだ。ところが、弘美が食事中に突然苦悶し、息絶えてしまう。弘美が苦しみだしたのは、蕎麦の実を使った特製コロッケを食べた後で、彼女の死因は食物アレルギーによるショック死だった。それを聞いた修一郎は、引っかかる。事前に調べたコースの品書きにはコロッケはなく、修一郎が電話で予約を入れた際、客には蕎麦アレルギーがあることを佐々山楼に伝えていたからだ。
にもかかわらず、蕎麦の実を使ったコロッケが供されていたとはどういうことなのか!? 仲居に確かめると、修一郎が予約をした後、再び美食タクシーを名乗る電話が入り、「アレルギーは勘違いだったためコロッケを出してほしい」という連絡を受けたという。犯人は、美食タクシーを利用して弘美を殺害したのだ…! 自らの仕事を悪用され、大切な客が命を落としたことに強い憤りを覚えた修一郎は、さとみが止めるのも聞かず、調査を開始。元シェフである修一郎は豊富な料理の知識と、誰よりも京都の街を知り尽くしたタクシードライバーとしての視点から、さとみら警察では解明できない謎を解き明かし、意外な真犯人を暴いていく…!
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

北山修一郎は「京都美食タクシー」のドライバーである。
「京都美食タクシー」とは京都内の観光スポットから美味しい食事処を案内するタクシーのこと。
北山が元料理人であることもあって、その案内には定評がある。

さらに北山の妻・さとみは京都府警捜査一課のエリート係長。
北山はさくらや母・鈴乃、1人娘・香奈に囲まれ暮らしている。

そんな中、京都の老舗料亭「佐々山楼」にて若き経営者・佐々山清彦主導のもと「食と文化の交流会」に提供する料理の品評会が行われた。
参加した審査員は曽根原健二や浅野美和子ら有名な料理評論家たちなど錚々たるメンバーであった。

此処で曽根原は大絶賛するが、美和子が「佐々山楼」を批判することに。
美和子の影響力は大変に大きく「佐々山楼」の評判は地に落ちた。
結果、交流会の料理担当から外されてしまった。

これに追い打ちをかけるように「京都新報」の記者・谷弘美もバッシング記事を寄せた。
「佐々山楼」はさらに追い込まれることに。

清彦や女将・佐々山絹代、経理責任者の木内康弘らはこの事態に頭を抱える。

同日夜、曽根原が自宅マンションから謎の転落死を遂げた。
現場にはレオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」と同じメニューが残されていた。
覚悟の自殺かと思われたのだが……。

北山は同僚ドライバーから曽根原が「鰆を食べていた」との話を小耳にする。
鰆は出世魚である、自殺する人間が食べる筈はない―――そう考えた北山は他殺を疑う。

直後、北山の美食タクシーに予約が入った。
予約を入れたのは鈴木明美なる都内在住の女性で、「佐々山楼」での食事を楽しみにしているらしい。

早速、女性のアレルギーの有無を確認した北山。
すると、女性客には命に関わりかねないアレルギーがあることが分かった。
北山は「佐々山楼」へ予約を入れると共に「アレルギー注意」の旨を伝えるのだが。

翌日、鈴木明美の正体が判明。
実は弘美の偽名であった。
弘美はバッシング記事により「佐々山楼」を出入り禁止になっており、「美食タクシー」を利用して上り込もうとしていたのだ。

この計画は成功したのだが、食事を口にした弘美がアレルギーで死亡してしまう。
なんと、蕎麦の実を用いたコロッケが並んでいたのである。

北山は確かに「アレルギー注意」と伝えた筈であった。
ところが、何者かが北山の名を騙り「アレルギーは無かった」と改めて連絡を入れていたのである。
明らかな殺人であった。

「美食タクシー」の名を穢されたと憤った北山は犯人を突き止めるべく調査を開始した。

彼が疑ったのは元「佐々山楼」の料理人・石井順平。
石井は何かを探っていたようなのだが……。

矢先、当の石井が何者かに殺害されてしまう。
この犯人として清彦に疑惑が向かう。

実は清彦は弘美と恋人同士。
弘美の過剰と思われるバッシング記事も「佐々山楼」を想えばの率直な批判だったのだ。
清彦は北山を騙った電話の主が石井だと考えていた。
その復讐が疑われたのだ。

さらに、清彦が「佐々山楼」の養子であると明らかに。
27年前に引き取られたのだそうだ。

そんな中、北山は香奈を連れて神宮寺の店へ。
神宮司は謎の料理人、過去も知れないが情報通なのだ。
神宮寺によれば美和子は35年前までは料理人であった。
当時、天才料理人と交際していたそうだ。
さらに、その相手が急逝すると27年前から料理を封印し評論家となったらしい。

27年前と言えば清彦が「佐々山楼」に引き取られた時期と合致する。
何かを感じ取る北山。

さらに、北山は曽根原殺害時に現場に置かれていた晩餐を目にしオレンジスライスに注目する。
それにはある料理人の特徴が込められていたのだ。

其処からその人物が犯人だと目星を付けた北山は石井殺害もその人物の犯行だと考える。
だが、さとみによればその人物は鉄壁のアリバイがあった。

困った北山だが、同僚の会話を盗み聞き「地下鉄を使えばアリバイなんてなかったんだ」ということに気付く。

こうして、関係者を呼び集めた北山が犯人として指摘したのは木内康弘であった。
実は木内は元料理人であり、曽根原殺害現場のオレンジスライスは彼独自のアレンジが施されていたのである。
木内は経理担当の立場を利用し産地偽装を行っていたのだ。
それを曽根原に脅迫され殺害したのであった。

そして、もう1人。
石井殺害も木内の犯行であった。

石井もまた木内の産地偽装に気付き、これを脅迫していた。
同時に、弘美もこれに肉薄して来た。

木内は石井に弘美殺害を依頼。
石井は北山の名を騙り「佐々山楼」に連絡を入れアレルギーの罠で殺害した。

しかし、木内は石井を生かしておくつもりはなかった。
清彦と石井を密会させ揉めさせた後に、石井を殺害したのであった。
もちろん、石井殺害に際して主張されていたアリバイは地下鉄を使えば「そんなものはそもそも無かった」。
それどころか地下鉄の防犯カメラ映像が動かぬ証拠となり、木内は逮捕されることに。

続いて美和子の真意が北山により暴露された。
実は美和子の批判もまた弘美同様に「佐々山楼」を励ます為の厳しさであった。
美和子は清彦の生き別れた実母だったのだ。

親子も名乗りを上げ、物語は完結した―――エンド。

<感想>

新シリーズ「京都美食タクシー殺人レシピ」第1弾。
原作なし、オリジナル作品です。

では、ドラマの感想を。

2時間サスペンス界に新たな職業の組み合わせが誕生しました。
これまでにも2時間サスペンス界にはさまざまな職業を経験した主人公が存在していました。

例えば……

「医師と検事」と言えば土曜ワイド劇場「検事・朝日奈耀子シリーズ」。
「芸者と弁護士」と言えば月曜ゴールデン「芸者弁護士シリーズ」。
「元検事と弁護士」と言えば土曜ワイド劇場「ヤメ検シリーズ」。
「裁判官と清掃員」と言えば月曜ゴールデン「ヤメ判 新堂謙介シリーズ」。
「元刑事とペンションオーナー」と言えば月曜ゴールデン「釣り刑事シリーズ」。
「元刑事とタクシー運転手」と言えば土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌シリーズ」。

などなど……このようにさまざまな組み合わせがありましたが、今回のコレはかなり新しい。
なんと「タクシー運転手と料理人」の組み合わせに。

これだけで既にエポックメイキングな出来事に。
なかなかに衝撃的です。

そんな本作でしたが、設定などから分かるようにセオリー打破を狙っていたように思えるのですが何故かセオリー通りに。
もちろん、シリーズによってはセオリーを突き詰めた方が面白いのですが……なんなのだろう?
そもそも、ところどころはなかなかに新しいのですが、全体を通じてみると何処かで見たような気がするシーンの連続となっていました。
何故なんだろう!?

ちなみに例のアリバイトリックが1番脱力ものでした。
あれを知らされた途端にガックリと肩が……。
確かに「北山がタクシー運転手だったからこそ車に拘り鉄道が盲点となった」とは言えそうなのですが、あれはさとみが「鉄壁のアリバイ」と言うようなものなのか?
北山だけならば「意外な盲点」と言える筈なのに、さとみに「アリバイが鉄壁だと主張させた」ことで何とも虚しい構図に。
公共交通機関は真っ先に調べておくべきルートではないでしょうか。
此の点、十津川警部は偉大だと改めて感じました。
彼の警部ならば真っ先に潰して来たルートでしょう。
なんともモヤモヤします……「鉄壁のアリバイ」が北山だけの主張だったならば納得できた筈なのに!!

そして、ヒントおじさんとなっている神宮寺。
正体不明とは言え、あまりに情報通過ぎるぞ。
本当に何者なのだ!?

とはいえ、弘美殺害のアレルギートリックや、ついつい普段の癖を出してしまったオレンジスライスなどはなかなか良かったと思います。
それと、作品全体を覆う雰囲気も決して悪くは無かったと思うので、強くは望みませんが「シリーズ続編があっても良いかなぁ」とは思います。

ただ、アリバイトリック。あれをさとみから鉄壁と主張させたことだけは納得出来ん!!

<キャスト>

北山修一郎:中村梅雀
北山さとみ:賀来千香子
浅野美和子:石野真子
北山香奈:岡本 玲
橋本 暁:竹財輝之助
佐々山清彦:石垣佑磨
谷 弘美:大路恵美
佐々山絹代:朝加真由美
北山鈴乃:草村礼子
神宮寺幸造:勝野 洋 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


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この記事へのコメント
こんにちは。いつも楽しく拝読しております。
『京都美食タクシー』ですが、こちらは実在するものでブログも本当にあります。
ご本人も一瞬だけドラマ内にご出演なさったとのことで、かなりドラマ化にはご協力的な様子。
続編、あるかもしれませんね。
個人的には脇の方々がいい味を出していてよかったです。
Posted by 通りすがり at 2015年06月14日 01:34
Re:通りすがりさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

「京都美食タクシー」実在していたんですね。驚きました。

早速、ブログを拝見したところドラマと同様に「元フランス料理シェフ」兼「観光ドライバー」の方だそうで二度ビックリ。

そして、モデルとなられたご本人もドラマに出演されていたと知り三度ビックリすることに。

まさにサプライズ尽くしとなりました。
教えて頂き感謝です(^O^)/!!

こういった背景を知ると本作が俄然面白くなった印象です。
もっと早く知っていれば、もっともっと楽しめたのかもと思うと惜しいなぁ……。

こうなると続編欲しいですね(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2015年06月16日 00:08
こんにちは。

詳しいあらすじ、独創的な感想、そしてコメントでも、いろんな方からちょっとした情報が聞けるのも、ここを訪れる楽しみです。

美食タクシーの実在、知りませんでした。

実際の方は、アレルギーのあるお客さんの場合は、料亭の中まで入ってしつこいほど確認しておられるだろうと思います。

ストーリー上仕方ないとはいえ、このトリックはちょっと嫌だったのではないでしょうか?

それとも、やはりいいPRになったと、喜んでおられるかな。

中村梅雀さん、お父さんの梅之助さんでしたっけ、似てこられましたね。どのドラマでも、いい味を出しておられますね。
Posted by あおによし at 2015年06月17日 16:19
Re:あおによしさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

ありがとうございます。
管理人も多くの方から感想や情報を教えて頂けるので勉強させて貰っています!!
何より、こうして同じ趣味を持つ方からお話を伺えることは凄く嬉しいです(^O^)/!!

そして「美食タクシー」の件は本当に驚きました。
これを知ることが出来たのは大きな収穫だったと思います。

モデルになられた方はやはり安全面には相当な気を配られているようです。
それと、撮影にはかなり好意的だったようでカメオ出演もされていらっしゃいます。

やはり、その背景を知るとドラマに対してかなり興味が深まりますね。

中村梅雀さん、役にかっちり嵌まると物凄く良い味がある印象です。
今後もドラマに欠かせない役者さんと言えそうです。
Posted by 俺 at 2015年06月20日 00:13
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