2015年07月23日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第97話「ピーター氏の遺産」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年8月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第97話「ピーター氏の遺産」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年8月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

マウ・スガール:「ブラック・マーケットの魔女」と呼ばれる少女。
ピーター・シモン:資産家。射殺される。
カティア・シモン:ピーターの妻。
リディア・シモン:ピーターとカティアの娘。
エンゾ・シモン:ピーターとカティアの息子。

<97話あらすじ>

「ブラック・マーケットの魔女」と呼ばれるマウ・スガールに連れられ森羅が訪れたのは資産家のシモン家。
其処で森羅はカティア・シモンとその子供たち、娘・リディアと息子・エンゾに迎え入れられる。

シモン家ではカティアの夫であったピーターが急死。
その莫大な遺産が彼らが住む屋敷の何処かに隠されているとされていた。
しかし、カティアはそれが何処にあるのか分からない。
其処でマウを通じて森羅たちを招いたのだ。

しかし、カティアは何かを隠している様子。
森羅がマウを問い質したところ、驚愕の事実が判明する。

なんと、カティアはピーター殺害の罪で起訴されていたのだ。
だが、正当防衛で無罪となっていた。

マウから語られた経緯は次の通りである。

その日、カティアとピーターは庭に植えた花が原因で揉めた。
このとき、カティアは怒りのあまりピーターへ植木鉢を投げつけ彼を負傷させた。
その夜、ピーターは猟銃を手にカティアの部屋へ乱入。
室内に居たカティアが護身用の銃で射殺したとされていたのである。

この様子は廊下に仕掛けられた防犯カメラの映像でもある程度確認されていた。
慌てるように自室を出たピーターは猟銃を手にカティアの部屋の扉を開けたのである。
其処で猟銃を構えたところを銃撃され廊下で倒れた。
少しして、部屋の中からカティアが現れピーターに駆け寄り事件を通報したのだ。

カティアの部屋の中が見えないことと、音声が録音されていないことを除けばカティアの供述通りである。

と、森羅はピーターの部屋の様子に違和感を覚えた。
其処にはピーターの趣味が作りかけの状態で放置されていたのだが……。

森羅はピーターの遺産の在処を明かすと共に事件の真相を明らかにする。

まず、森羅はピーターにカティア殺害の意図は無かったと断定。
何故なら、ピーターに殺意があれば趣味を放置して猟銃を持ち出さないからだ。
少なくとも完成させるか、片付けてから事に及ぶだろう。

つまり、ピーターはカティアの部屋から聞こえた何かに驚いて駆け付けたのだ。
そして、射殺された。

だが、これはカティアの犯行ではない。
部屋から飛び出したのはカティアだが、もう1人部屋に居たのだ。
それがエンゾであった。

エンゾはピーターとカティアの喧嘩の現場を目撃し、植木鉢を父に投げつけたカティアに激怒した。
其処で深夜に部屋に押しかけ詰問したのだ。

しかし、カティアは全く後悔する様子を見せない。
逆上したエンゾはカティアの護身用の銃を持ち出し、彼女に突き付けた。
この騒動を聞き付けたピーターが誤って射殺されてしまったのだ。

ピーターを介抱しようとしたカティアは彼がエンゾを庇うように言い残した為に、彼を庇ったのであった。

一方、ピーターの遺産は屋敷には存在していなかった。
ピーターは家族との想い出の城を家族に黙って購入し、其処に高価なコレクションの形で遺産を残していたのである。

全てを暴かれたエンゾは両親に守られていたことを改めて確認し、罪を償う道を選ぶことに―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン」2015年8月号掲載「97話 ピーター氏の遺産」です。

トリッキーさには欠けるものの、全体の構図がなかなかの一編。
主に家族間における人間関係を描いています。

それにしてもシモン家は男女ではっきりと分かれていたのでしょうか?

例えば、ピーターと彼の行動を理解出来ないながらも支持していたエンゾ。
そんなピーターの行動を同じく理解出来ず、それ故に批判的であったカティアとリディア。

結局、ピーターはカティアには内緒で城を買っており、これをカティアが全く気付かず(その必要がない買い物なので気付くことは難しい)にいたワケですが、これも俗に言う「夢を追う男性と現実を追う女性」の差異だったのかもしれません。

そしてまた、俗に「夫婦のことは夫婦にしか分からない」と言われるように、日頃、息子であるエンゾの目から見て仲が悪そうに見えた夫妻が息子のことで一致団結し共に身を犠牲にして守ろうとした点は重要でしょう。
確かに、エンゾからすれば不仲に見えた夫妻も実際はそれほどでも無かったのかもしれません。

此処で冒頭の問いに戻りますが、分かたれていたように見えた家族ですが実は根底で繋がっていたのでしょう。
それを証明するように夫妻が息子を庇い、息子もまた父母を想った。
つまり、家族自身も理解していなかったが彼らは確かに家族であった。
其処がこの物語のポイントなのではないでしょうか。

次回にも期待!!

ちなみに、あらすじでは良さを伝え切れてません。
本作自体を読むべし!!

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