2015年06月29日

「実は私は」第117話「先生になろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第117話「先生になろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

檀上に立ち、英語で教鞭を取る朝陽。
その眼前にはセーラー服姿の明里、茜、葉子、渚、獅穂が座って授業を受けていた。

さて、この状況の理由はと言うと……華恋の仕業である。
朝陽と葉子が教師志望であることを聞き付けた華恋が「応援したい」と朝陽の為にセッティングした模擬授業だったのだ。

とはいえ、この面子である。
既に授業はしっちゃかめっちゃかになっていた。

明里はレディース時代の経験を活かし、木刀を手に自席で凄味を利かせている。
茜は分身しつつ、執拗に朝陽に向けて消しゴムを投げかける。
葉子は授業をクイズに見立て「良しっ、1ポイント!!」などと喜んでいる。
渚は朝陽の授業の進め具合を秒単位で計り、プレッシャーをかけて来る。
そして、獅穂は寝ていた。

何をどうするべきか狼狽する朝陽。
そんな朝陽に明里が声をかけた。

「ほら、おかしな点があるならきちんと注意しろ!!」

どうやら、朝陽が教師として指導出来るかどうかを試しているようだ。

「えっと……じゃぁ、なんで紅本先生はセーラー服なんですか?」
「おまっ、何で木刀を注意しない!!」

セーラー服であることに違和感を覚えた朝陽の指摘に、ツッコミ返す明里。
とはいえ、これで朝陽は緊張がほぐれたのか順調に1人ずつに指導を施して行く。
そして、それを素直に受け入れて行く面々。

これなら何とかなりそうだ……ほっとする朝陽に、明里が次の指摘を。
それは「彼女たちが特別な存在」であることだ。
明里によればいろいろと授業に気遣う必要があるようだ。

そんなことってあるのかなぁ……と不審に思いながら英文を板書して行く朝陽。
その傍から葉子が何故か朝陽を睨みつけている。

なんだろうと不安がる朝陽に、明里が説明する。
葉子は朝陽を睨んでいるのではない。
朝陽が板書した「t」に反応しているのだ。
どうやら、十字架のように見えるらしい。
これには自分も最初は戸惑ったと明かす明里。

一方、そんな自身の癖を知らなかった葉子はこれを聞かされ恥ずかしさのあまり悶絶する。

同様に気を付けるべき点について述べる明里。
例えば、黄色で丸を書くことも禁止。
何故なら、獅穂が変身してしまうからだ。

知らないだけでそんな苦労があったのかと納得する朝陽。

その間にも、次なる問題が。
こんな時に暗躍するのは茜である。

茜は葉子に向けて手鏡で日光を浴びせたのだ。
日光に弱い葉子は驚き、羽根が飛び出た。

背後に居た獅穂にこれが直撃。
獅穂は「いたい〜〜〜」と甘えた声で朝陽にしなだれかかる。

これに葉子がジェラシーを抱いた。
葉子は用意していた月の写真を持ち出す。
途端に、周囲に光が溢れ獅穂が獅狼に変身してしまう。

この光を目にした渚。
獅穂の正体を知らない渚は変身の光を敵襲と誤認。
迎え撃つべく武器を構える。

こうして大混乱に陥った教室を慌てて制止する朝陽、教師の苦労を身を以て知ったのであった。

事の原因となった茜?
もちろん、明里が鉄拳制裁しましたとさ。

模擬授業を終え、貴重な経験を積んだ朝陽は葉子と共に華恋に礼を述べる。
その姿を目にした華恋は朝陽と葉子の姿に源二郎と桐子を見た。

源二郎たちの果たせなかった夢を果たして欲しい……。
そう、胸の中で祈る華恋であった―――118話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻、11巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、12巻も発売予定。
そして、本作かなり面白い!!

ちなみに遂に「実は私は」がアニメ化されるとのこと。2015年7月から放送開始だそうです。
これについては制作会社や監督さん、キャストなどが判明。
登場人物に黄龍院凛らの名前が無いことを見ると、序盤をアニメ化する予定なのかな。

【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!

その117話。
サブタイは「先生になろう!」。

どうやら朝陽は英語教師を目指すようです。
ただし、明里によれば朝陽の英語の発音はカタカナ英語なのだそうですが……。

そして、今回の描写により公式にも源二郎と桐子が教師を目指していたことが確定。
だが、源二郎の事情(吸血鬼であることがバレた)で諦めた様子。
これは葉子の場合も同様で、特に吸血衝動は大きな壁になりそう。
これを朝陽と葉子がどう乗り越えて行くのかに注目です。

ちなみに、茜も悪戯しつつコレを応援しているようです。
茜は自身が担任でありながら源二郎と葉子を守れなかったことを後悔しているのかもしれません。
ただ、今回は1度苦い経験をした茜に加えて、明里や当の源二郎たちも居る。
何らかの形でこれを乗り越えて行くことになる筈です。

また、今回も中盤にあった「茜の悪戯→葉子が羽根を出す→獅穂が被害を受ける→獅穂が朝陽に甘える→葉子がやきもちを焼く→獅穂を変身させる→これを見ていた渚が誤解から暴走」と怒涛の流れが面白かった。
このスピード感とピタゴラスイッチ的な展開こそが本作の魅力でしょう。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス12巻が発売予定。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子、11巻は獅穂と凛コンビ。
そして、12巻は―――遂に緑苑坂弓こと源二郎に、その傍らには桐子も!!
となれば、次回は登場順で桃地結香か。
もしかして、凛や閃と共に未来人組で登場かな?
その次が水奈川咲になるのかな?

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
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登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。
箱入り娘:114話終盤に登場した謎の人物!?

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