「金田一少年の事件簿R」第6弾は「吸血桜殺人事件」!!
舞台は「夜桜亭」、其処には吸血桜があるとのことだが……
【「吸血桜殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。
藍染吉乃:「夜桜亭」のオーナー。
葉崎栞:「夜桜亭」のアルバイト。
敷島大悟:「夜桜亭」のアルバイト。
北屋敷剛三:「夜桜亭」の料理人。
絵東ちなつ:客の1人、医師。
冬部蒼介:客の1人、弁護士。
斧田鏡一郎:客の1人、社長。
虎元勝男:客の1人、マスクをしている。
三夜沢渉子:客の1人、画家。
鬼方桜柳:30年前の連続猟奇殺人犯人とされる人物。
青桐岳人:15年前にちなつ、冬部、斧田に突き落とされ殺害された少年。
青桐岳彦:岳人の父。墓石には早苗、夏美と同日に死亡したと刻まれている。
青桐早苗:岳人の母。墓石には岳彦、夏美と同日に死亡したと刻まれている。
青桐夏美:岳人の妹。墓石には岳彦、早苗と同日に死亡したと刻まれている。
剣持:美雪と並ぶ金田一の偉大なる相棒。
佐木竜二:久しぶりの登場。金田一の後輩。
真壁:金田一たちの先輩。
<あらすじ>
・前回はこちら。
【解答編第1話】「吸血桜殺人事件」第8話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
犯人を被害者である冬部が庇っていたことが明らかになった。
では、肝心の犯人は誰なのか!?
まず、金田一はマスターキーを所持する藍染と北屋敷には密室を作るメリットはないことからこれを除外。
続けて、鬼方桜柳も既に死亡しているに違いないとして除外。
残った栞、敷島、虎元、渉子の中に犯人が居ると指摘する。
そして、次に金田一が取り上げたのは「夕食時に話題となった出席番号順」のこと。
此処で1人奇妙なことを口にしている人物が居るのだそうだ。
その人物こそ、栞であった。
栞は出席番号順を「21番」と断言した。
何故、それが断言出来たのか?
それが印象的な数字だったからに違いない。
1クラスを40人と仮定し、男女別名簿とすれば、これが満たされるのは「あ行」の人間のみ。
すなわち、栞は青桐姓だったことがあるのだ。
調べたところ、青桐岳彦は妻・早苗と娘・夏美を連れて無理心中を行っていた。
だが、夏美の遺体だけは発見されていないのだ。
生きていた夏美はショックから記憶を失い葉崎家に保護され、その娘となっていたのである。
すなわち、栞こそ青桐夏美。
夏美は何かのショックで記憶を取り戻し、復讐を果たしたのだろう。
だから、出席番号も鮮明に覚えていたのだ。
そもそも、ちなつには「夜桜亭」から帰宅する為の交通手段が無かった。
では、彼女はどうしようとしたか。
フロントに依頼しタクシーを呼ぼうとした筈だ。
栞はこれを引き受けたように見せかけ、血吸桜付近までちなつを誘導し殺害したのだ。
これを冬部が目撃し、ちなつを血吸桜の根本に移動させた。
その後、冬部は斧田とちなつが殺害されたことで次の標的に気付いた。
栞に本懐を果たさせるべく、秘密裏にフロントに連絡を入れ部屋移動を申し出て栞に襲撃されるよう仕組んだのだ。
此処まで聞いていた栞だが、金田一の推理を否定する。
しかし、金田一は様々な物証を調べた結果、動かしがたい真実が出たと宣言する―――10話に続く。
<感想&推理>
「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第6弾は「吸血桜殺人事件」です!!
そんな「吸血桜殺人事件」の第9話。
遂に犯人が明らかに。
その正体は「葉崎栞」でした。
また、今回によりちなつ殺害に触れられましたが、やはり虎元と渉子の証言の食い違いは解決されず。
とすれば、金田一が鬼方桜柳が既に死亡していると確信していることから見ても、藍染、虎元、渉子の3人はこちらの関係者か。
おそらく、藍染と虎元が鬼方を殺害し血吸桜の下に埋め、渉子は鬼方の親族で行方を追っているとかかなぁ……。
でないと、渉子の存在意義が危うくなってしまう……。
そして、次回に明かされるであろう金田一が栞の犯行と断定出来た根拠。
これは調べた2つの指紋から導き出されるロジックのことか。
可能性が高そうなのは「アレから栞の指紋が出た」が「アレから栞の指紋が出なかった」矛盾だろう。
つまり、「西棟の冬部殺害現場のドアノブ(あるいは西棟自体のドア)から栞の指紋が検出」されながらも「肝心の部屋の鍵から指紋が検出されなかった」ことで「栞が部屋の前まで行きながら中に入らなかったこと」また「部屋の鍵を所持せずに現場に赴いたのは何故か」ということを証明するのではないだろうか。
とはいえ、これだと現場に行ったことは証明できるが犯人である確たる証拠には些か遠いか。
だとすると、何だろう……気になるなぁ。
ちなみに、この「吸血桜殺人事件」は全体として勿体ない気がしますね。
どちらかと言えば葉崎栞が犯人であることの「フーダニット」は別のロジックで導いて、出席番号順はその後で必要となる「ホワイダニット」に用いるべきだったかも。
具体的には現在の「出席番号順の違和感→犯人は栞→さらに根拠」の流れではなく「犯人は栞→何故、栞が冬部たちを?→出席番号順の違和感→実は青桐姓だった」的な展開の方が頷けたかなぁ。
それにしても冬部が罪深いかなぁ。
意図して栞に罪を重ねさせるなんてねぇ……。
自身らが岳人を殺害したことで苦しんだと語っていたのに、その3倍もの殺害を栞にさせてしまうとは……。
例え、冬部が一時的には庇おうとも栞に罪の意識があれば苦しむだろうに。
それとも、後々にこれについても理由が明かされるのでしょうか……次回以降に注目です!!
ちなみに、高遠とカフェふくろうのマスターに何らかの関係があるのではないかとの謎。
新シリーズ「金田一少年の事件簿R」になって以来、カフェふくろうのマスターが登場するエピソードには高遠も必ず登場している(「亡霊校舎の殺人」「蟻地獄壕殺人事件」)。
例として挙げるには2作と些か心許なくはあるが、これは新シリーズになってからの高遠の登場自体が上記2作に限られている為。
つまり、今のところ100%となっている。
どうも、この登場には何か意味があるのではなかろうか。
マスター自身が高遠の変装なのか……それとも高遠のルーツがマスターに関わって来るのか。
今後もこの法則が守られるのかどうかに注目したい。
ちなみに、此処で大ニュース。
「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作「ファイアーエムブレムif」開発に「金田一少年の事件簿」原作者である樹林伸先生が参加されるとのこと。
そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!
・綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?
◆「吸血桜殺人事件」関連過去記事
・【新エピソード開幕】「吸血桜殺人事件」1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第1の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【密室殺人!?】「吸血桜殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第二の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【謎また謎!?】「吸血桜殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第3の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【謎は解けた!?】「吸血桜殺人事件」第7話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【解答編第1話】「吸血桜殺人事件」第8話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「蟻地獄壕殺人事件」のまとめはこちら。
「蟻地獄壕殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
「亡霊校舎の殺人」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
【ドラマ版】
・ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件 マレーシアのジャングルで合宿中の生徒達が次々と消えた…太陽と月が交わる時暴かれる驚愕のトリック!謎はすべて解けた!」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ
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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。
◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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杉○がいたら、正義の実現として栞を追い込むんでしょうね。
自称名探偵も三人も殺した栞を徹底的に追い込む。
三人はすでにみそぎは済んでいるとか。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
冬部の決意は悲壮な物でしたね。
それだけ罪の意識が大きかったのでしょうか。
そして、それぞれの主人公にそれぞれの立場があり、それぞれの信念があるのかもしれません。難しいですね……。
例えば「魔犬の森の殺人」です。被害者たちの悪行が暴かれ「患者を実験台にして殺した」、「間違ったかばい方をした親」といったことを書き立てられ、それがもとで被害者の家族だけでなく、被害者とは全く関係のない親族たちもそのトラブルに巻き込まれるというケースはありうると思えます。
「銀幕の殺人鬼」もそうです。「人殺し映画監督」、「不動芸術高校映画研究部が隠し続けた旧悪」など今までの事件で殺された被害者たちの親兄弟、いとこ、遠縁の親戚、そういった人たちがどうなってしまったか…。
特に被害者の人物像に問題があるほど、その人たちの親族のその後は、いろいろなトラブルに巻き込まれてしまうのではないかと思ってしまいます。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
加害者と被害者、双方の人間関係を描くのも「金田一少年の事件簿」の大きな魅力の1つでしょう。それだけに事後に考えさせられる余地が残される事件も多いですね。
此の点で、ご指摘の「魔犬の森」や「銀幕」がまさにそうです。それぞれ「意外な犯人」と「トリック」に加え「犯人の深い動機」が印象的な作品でした。
さらに、罪に対する罰……それが何処まで波及するのかも難しい問題なのかもしれませんね。