2015年07月26日

土曜ワイド劇場「おかしな刑事 居眠り刑事とエリート女警視の父娘捜査 美しき死体〜ゴミ屋敷殺人事件・幻の将棋の駒と消えた数億円の財産の謎!」(7月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「おかしな刑事 居眠り刑事とエリート女警視の父娘捜査 美しき死体〜ゴミ屋敷殺人事件・幻の将棋の駒と消えた数億円の財産の謎!」(7月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

鴨志田新一(伊東四朗)は、警視庁東王子署の警部補。別れた妻との間にもうけた娘・岡崎真実(羽田美智子)は警察庁刑事局のエリート警視だが、鴨志田と真実が実の親子だということは、2人の職場の人間は誰も知らない…。
ある朝、ゴミ屋敷の住人・金子千里(姿晴香)が頭部を鈍器のようなもので殴られて死んでいるのが見つかった。民生委員の藤原弘子(鷲尾真知子)によると、千里は独居で、1年前からゴミが散乱していたという。また、息子らしき男が時折出入りしているのを近隣住民が目撃しており、弘子も千里から息子の写真を見せられたことがあると証言する。だが千里の息子は3年前、アメリカで事故死していた事実が判明。目撃された息子は一体誰なのか!? 鴨志田は捜査の糸口を求め、ゴミの中から必死に“ニセ息子”の写真を探す。
そんな中、鴨志田と真実の同居人、姉小路行人(石井正則)が所属する法律事務所の代表・武井昭一(正名僕蔵)が、署に現れた。武井は千里から遺言作成の依頼を受けていたと話し、被害者は死後、土地、家屋、現金500万円の全財産を寄付する意向だったと明かす。犯人はゴミ屋敷に隠されていた500万円を狙ったのだろうか…!?
やがてニセ息子の正体は、千里が通っていたパソコン教室の講師・安田晴男(山中崇史)とわかる。安田の本業はデイトレーダーで、最近、為替取引で1000万円近い損失を出していた…。刑事課の面々は、姿をくらましている安田の行方を追う。
一方、真実は警視庁刑事局長・田中孝典(上杉祥三)から、千里殺害事件の背景を探るよう命じられる。実は、ホステスだった千里は長年、大物政治家・河合敏夫(小川ガオ)と深い関係にあったらしい。河合は7年前に他界したが、現在、旧河合派の議員たちに不正献金疑惑が持ち上がっており、東京地検特捜部が動いているという。真実はさっそく千里宅を探り、河合の元秘書で政治評論家の篠原康正(佐藤B作)の名刺を発見!篠原の写真を見た鴨志田は驚く。前夜、現場の前で通行人を装った篠原と遭遇していたのだ。鴨志田は篠原の存在が気になって…!?
やがて、ゴミに埋もれた小さな手がかりを見つけた鴨志田と真実。その謎を探るべく、2人は千里の故郷、福島県猪苗代町へ。鴨志田たちが現地で捜査を進めるにつれ、ゴミ屋敷の主がたどった悲哀の人生と衝撃の真相が浮かび上がっていき…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

鴨志田新一は警視庁東王子署の警部補である。
そして、彼と別れた妻との間に出来た娘・岡崎真実は警察庁刑事局のエリート警視。
だが、鴨志田と真実が実の親子だということは一部を除き職場では秘密となっている。
そんな鴨志田と真実親娘が手掛ける次なる事件とは……。

ある朝、弁護士になる夢を叶えた姉小路行人と真美が出勤すべく足早に歩いていた。
なんでも、姉小路は所属する法律事務所の代表・武井昭一から遂に仕事を貰ったそうである。
それはある夫婦の離婚調停であった。
ところが、これがなかなかに難航しているらしい。
どうやら、姉小路自身が夫婦双方に思い入れを抱き離婚を防ぎたいと思っているようだ。

これを聞きクスリと笑う真実。
如何にも姉小路らしいと思ったのだ。

ワイワイと喋りながら歩く2人。
それは最後まで微笑ましい出勤風景になるかと思われたのだが……此処から事態が急変する。
とある騒動に遭遇したのだ。
なんと、出勤途中にあるゴミ屋敷の住人・金子千里が撲殺されていたのである。

こうして事件が発生し、鴨志田が捜査に乗り出すことに。

千里に日頃から接していた民生委員の藤原弘子によると、千里は1人暮らしで1年程前からゴミが散乱するようになっていたらしい。
弘子は「ああ見えて箪笥預金を500万円もしてたらしいわねぇ……」と千里について評する。

一方、近隣住民によれば千里のもとに息子らしき男性が出入りしていたことも明らかに。
だが、千里の息子は3年前にアメリカで事故死を遂げていた。
どうやら、この傷心から千里はゴミ収集に奔ったようだ。
では、目撃された男性は一体誰なのか?

そんな中、武井から新たな情報が寄せられた。
なんでも、千里が武井に遺言作成を依頼していたらしい。
それによると、千里は土地、家屋、現金500万円などを寄付するつもりだったようだ。
しかも、この事実は武井しか知らなかったのである。
ところが、当の500万円は千里宅から消えていた。

矢先、息子と思われる男性の正体が判明。
彼は千里が通っていたパソコン教室の講師・安田晴男であった。
安田の本業はデイトレーダーで、最近になって1000万円近い損失を出していたことから最有力容疑者として取調を行うことに。
だが、安田は犯行を否認する。

同じ頃、真実は上司である田中孝典から千里殺害について調べるよう指示を受ける。
実は千里は7年前に死亡した大物代議士・河合敏夫と内縁関係にあったらしい。
3年前に死亡した千里の息子も河合との間の子供だったのだ。
もしかすると、生前の河合の行動が千里の死に関連しているかもしれないと考えたようだ。

こうして、真実も捜査に合流。
早速、千里宅を調べたところ、河合の元秘書で今は政治評論家となっている篠原康正の名詞を発見する。
鴨志田は篠原に注目することに。

さらに、千里宅から将棋の桂馬の駒が発見された。
だが、桂馬以外の駒は見つからない。

鴨志田と真実は千里の故郷である福島県猪苗代町へ。
すると、篠原と千里が幼馴染だったことが判明する。

しかも、桂馬の駒が将棋の名人として知られる11代大橋宗桂作の逸品であると判明。
売却すれば相当な価値があるようだ。
どうやら、亡き河合が千里にセットで贈った品のようである。
では、桂馬以外の駒は何処に消えたのか!?

なおさら篠原に注目した鴨志田は彼が河合と千里の恋について暴露本を出版させようとしていたことを突き止めた。
そのタイトルは「秘めた恋 河合俊雄との20年」。
これが原因でトラブルになり、篠原が千里を殺害したと考える鴨志田は篠原を取調べようとする。

だが、篠原は「証拠がない」と主張。
鴨志田はその場は引き下がることに。

しかし、それからすぐに篠原の姿が取調室にあった。
鴨志田は篠原に罠を仕掛けていたのだ。
ネット上で「11代大橋宗桂作の桂馬を所持している、欲しければ電話をくれ」と書き込みを行い、これに引っかかった篠原が指定の電話番号に声を吹き込んでしまった。
これを声紋鑑定したことで篠原の声と特定、さらに篠原宅から残る駒が発見された。
つまり、篠原が千里宅から桂馬を除く駒を持ち去ったことが明らかになったのだ。

此処に篠原は真相を語り始めた。

篠原はずっと昔から千里に恋心を抱いていた。
だが、千里は河合を愛してしまう。
仕方なく身を退いていたのだが、篠原は千里の生活を見守っており最近の彼女を見るに忍びなくなっていた。
其処であの晩に一緒に故郷に帰ろうと誘ったのだ。

ところが、千里はこれを拒否した。
其処で河合の遺品であった駒を腹いせに持ち去ったのだ。
その後、駒の価値を知ったことでセットを揃えようと思い立ち、鴨志田の罠にかかったのだそうだ。
もちろん、千里を殺害してはいないと主張する。

そんな篠原の言葉を鴨志田は信じた。
だとすれば、真犯人は別に居る。
やはり、現金500万円が殺害動機ではないかと思い至った鴨志田はある人物を思い出す。

逮捕されたのは弘子であった。

千里が寄付するつもりだったことはもちろん、千里が現金500万円を所持していたことも武井しか知らない事実だったのだ。
だが、弘子は「ああ見えて箪笥預金を500万円もしてたらしいわねぇ……」と千里が500万円を所持していたことを知っていた。
何故、知っていたのか?
弘子が千里を殺害し500万円を奪ったからである。

弘子は罪を認め、事件は解決した。

残るは、姉小路の離婚調停である。
こちらは過去の鴨志田夫妻が愛し合いながらも別れざるを得なかったエピソードを引用したことで夫婦が互いを見つめ合う機会が生じ離婚が取り止めとなったようである。
姉小路は上手く行ったと大喜びであった―――エンド。

<感想>

「おかしな刑事」シリーズ12作目。
ちなみに、前作が2014年6月7日放送なので約1年ぶりの新作となります。
シリーズ過去作のネタバレ批評(レビュー)ありますね。
興味のある方は過去記事をどうぞ!!

では、ドラマの感想を。

良かったですね。
シリーズの雰囲気も受け継がれていたように思います。

千里宅の物の多さが捜査を困難にし、また証拠の山であった点が面白かったですね。
その物の多さを生み出したのは「河合と息子の死」。
また、その物の多さが弘子の介入を生み、結果として千里の死の遠因となったことは皮肉でした。
「河合と息子の死」が「千里の死」に繋がったと言えなくもない。

そして、鴨志田と武井が出会ったのは「1年前の事件」だそうです。
つまり、前作第11弾から本作第12弾までの間に1年が経過したことに。
姉小路君、1年ほど武井から単独での案件を任せられてはいなかったようです。

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ちなみに対篠原において鴨志田さんの老獪さが際立っていた点も興味深かったですね。
流石はベテランです!!

でもって、10時57分まで対篠原に費やされ、そこから残り10分ほどを以て弘子犯人を突き止めるとの怒涛の展開でした。
ただ、個人的には最初から「弘子が犯人だ」と思って視ていたから巡り巡って元に戻った印象かなぁ。
むしろ、篠原が犯人の方が意外性があったかもしれないかな。
とはいえ、本作は「事件そのもの」よりも鴨志田と真実の親娘関係を愛でるドラマだと思っているのでアリだと思います。

今回も全体的にのんびり視聴出来ました。
シリーズ次回にも期待出来そうです!!

◆関連過去記事
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<キャスト>

鴨志田新一:伊東四朗
岡崎真実:羽田美智子
姉小路行人:石井正則
篠原康正:佐藤B作
金子千里:姿 晴香
三浦由紀子:田島令子
坂下純次:小倉久寛
武井昭一:正名僕蔵
星田耕介:佐渡 稔
田中孝典:上杉祥三
工藤 潔:飯田基祐
大崎通夫:伊東孝明
藤原弘子:鷲尾真知子 ほか
(公式HPより、敬称略)


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この記事へのコメント
妻子と一緒に過ごせなかった日々への妻と娘の寂しさと妻を失った悲しみと後ろめたさに似た感情を真実と鴨志田さんが互いに今まで以上に意識した、というよりできたという感じがしました。

今回は珍しく殺害されたのが一人だったから余計に鷲尾真知子さんの悪い人に見えないけど怪しすぎる雰囲気が目立ってたように思えました。

将棋の駒が関わる話では再捜査刑事片岡悠介の一番最初の回で石井正則さんが関わっていたのを思い出しました。

あまり触れられなかった部分を掘り下げたエピソードでしたが、今までのスタイルが崩れることなくとても微笑ましい終わり方だった思います。


Posted by リック at 2015年07月27日 01:24
Re:リックさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

確かに、今回は物語それ自体よりも鴨志田と真実の親娘関係がメインのような印象でしたね。
「鴨志田とその妻の離婚事情」から「真実が鴨志田を父と呼ぶ」展開まで……かなり印象的でした。

そして、言われて気付いた「再捜査刑事」。
これまた初回では石井さんが意外な役を演じられていました。

いろいろと見所も多かった「おかしな刑事12」でしたが、是非次回にも繋げて欲しいところです!!
Posted by 俺 at 2015年07月28日 22:32
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