<あらすじ>
小樽の大企業・柏木グループ傘下のガラス工芸社社長・水野真利江(多岐川華子)が、店で刺殺体となって発見された。現場は割れたガラスの欠片があたかも死体を飾るように置かれ、謎めいていた。捜査を開始した北海道警の五条聖子(若村麻由美)、片桐事務官(益岡徹)、八田公平(川野直輝)らは、柏木グループ社長の柏木修一(川口力哉)、会長の柏木源三(大和田伸也)、事件当日に真利江と会っていた社長夫人の柏木れい(中山エミリ)から話を聞く。土産物関連の店舗担当だった真利江を、2年前ガラス工芸社の社長に抜擢したのは修一で、二人の仲を疑う声もあったが、修一は否定する。するとそこへ、札幌の不動産会社社長・三上健一(片岡鶴太郎)が修一と源三に挨拶したいと現れるが、修一らは柏木グループの株を買いあさるなど妙な動きをしている三上を良く思わず冷淡な態度。それにも動じない三上を見て、聖子は以前、三上と出会っていたことを思い出す。
真利江の携帯電話の着信履歴から、最後に連絡を取ったのは柏木グループの後ろ盾で当選した市議会議員の羽生田徹(四方堂亘)と判明。聖子の上司・高見沢丈太郎(山崎銀之丞)らが事情をきくと事件当時のアリバイを主張するも、その口ぶりはどこかぎこちない。同じ日の夜、聖子は恋人の芳村大地(石黒賢)と共に、れいの実家である老舗旅館・野本屋へ。旅館は2年前に食中毒で客が死亡する事件を起こし、破たん寸前まで追い込まれていた。しかもれいの父親は、多額の借金などに苦しみ猟銃自殺。母親も後を追うように病気で亡くなっていた。そんな窮地の野本屋を買い取って救ったのが、柏木グループだった。
そんな中、真利江の店の従業員・瀬戸卓也(青柳尊哉)が真利江へストーカー行為をしていたがことがわかる。真利江の死亡推定時間内も店の近辺をうろついていた瀬戸は、犯行は否定するも、なんと店の近くから慌てて走り去る三上の写真を撮っていた。買収をめぐるトラブルを疑い、聖子と八田は三上のもとを訪れるが、夜9時半だったにも関わらず“観光をしていた”の一点張り。
翌日、修一が森の中で遺体となって発見される。銃口を腹に当て、まるで自殺のような状況だったが、鑑識の結果、他殺と断定。しかも修一の携帯電話には、羽生田から送られてきた「あなたの脅しには屈しない」というメールが残されていて…!
(水曜ミステリー9公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
五条聖子は北海道警の刑事である。
恋人の芳村大地とは結婚を前提に交際しているが、聖子の仕事の関係から足踏み状態を余儀なくされている。
そんなある日、デートと洒落こんでいた聖子と芳村は襲撃されていたサングラスの男性を助ける。
男は此処数年間で頭角を現して来た不動産会社の社長・三上健一であった。
三上はオレンジ色のサングラスを外すと、助けられた礼を聖子に述べる。
その数日後、地元有数の大企業として知られる柏木グループ傘下のガラス工芸会社社長・水野真利江が刺殺体で発見された。
現場には割れたガラスがあたかも死体を飾るかのように散乱しており、何者かの意図を感じさせていた。
早速、捜査を開始した聖子。
まず、注目したのは一社員に過ぎなかった真利江が2年ほど前に社長に抜擢されていたこと。
それは周囲が首を傾げるような大胆な人事だったのだ。
柏木グループ社長である柏木修一や会長の源三を訪れた聖子だが、彼らはその理由について口を濁す。
一方、修一の妻である柏木れいは硝子職人として真利江と親しくしていたらしくその死を悼む素振りを見せる。
其処にある男が柏木を訪ねてやって来た。
男の顔を目にした聖子は驚く。
なんと、男は三上だったのだ。
ところが、修一たちはそんな三上に冷淡な様子。
どうやら、三上が柏木グループに対し敵対的買収を仕掛けており対立関係にあるようだ。
そんな中、真利江の携帯に残された着信履歴から市議会議員の羽生田徹の名前が浮かぶ。
だが、羽生田は柏木グループの支援で活動しており、真利江とも仕事で連絡を取り合っていただけらしい。
その夜、聖子は芳村と共に老舗旅館として知られる野本屋へ。
野本屋はれいの実家であったが、2年前に食中毒を起こし宿泊客を死亡させてしまったことで倒産寸前まで追い込まれ、れいの父親は猟銃で自殺、れいの母親も病死していた。
そんな失意のれいを救ったのが、夫である修一だったのである。
修一は柏木グループで野本屋を買取り立て直したのだ。
その為に、れいも従業員も修一と源三には頭が上がらないらしい。
一方、捜査線上に真利江の部下であった瀬戸卓也が浮上。
瀬戸は真利江にストーカー行為を繰り返していたのだ。
ところが、瀬戸は犯行を否定するや逆に三上が犯人だと告発する。
なんと、現場から逃げ去る三上の姿を撮影していたのだ。
聖子たちは買収トラブルによる犯行を疑うのだが……。
そんな疑惑を後押しするように真利江の遺体付近に散乱していたガラス片から三上のサングラスの破片が検出された。
此処から聖子は「三上が割ってしまったサングラス片を隠す為に他のガラスを散乱させたのではないか」と考える。
しかし、現場からは三上のサングラス片以外にも正体不明のガラス片が検出されていた。
これは一体何を意味するのか!?
その翌日、修一が森の中で射殺体となって発見された。
その携帯電話には羽生田から「あなたの脅しには屈しない」と書かれたメールが残されていた。
此処で羽生田に容疑が向かうが、当の羽生田は姿を消してしまう。
その間にも聖子は三上の犯行を疑っていた。
修一殺害現場から積丹竹が発見されたのだ。
積丹は三上の故郷であった。
矢先、れいが工房で作業中に何者かから狙撃されてしまう。
弾痕から、これも三上の犯行が疑われることに。
三上について調べ始めた聖子。
すると、三上が30年前に野本屋で働いていたことが判明。
しかし、窃盗事件の犯人として疑われ店を追い出されていた。
だが、当時を知る人物によると三上は犯人ではなかったらしい。
三上は野本屋を恨んでいても不思議では無かったのである。
その証拠に、2年前に窮地に陥った野本屋を三上が買収しようとし先代に断られていたとの証言も飛び出した。
一方で、三上がれいと歳の離れた兄妹のようだったとの証言も得られる。
その夜、聖子は野本屋の食中毒事件について疑いの目を向けていた。
あまりに作為的に過ぎたのである。
調べたところ、野本屋の板長・酒井が意図的に仕組んだ事件であることが判明。
さらに、2年前に酒井が真利江から金を受け取っていたことも明らかになった。
姿を消していた羽生田が確保された。
羽生田は愛人宅に潜んでいたのだ。
どうやら、修一と源三から周辺の観光拠点の独占に力を貸すよう脅されており、これに抵抗していたようだ。
真利江が社長になれた理由が、酒井を買収したことにあったとすれば……野本屋の買収も初めから修一と源三の狙い通りだったのだ。
そんな中、三上が瀬戸に襲撃されてしまう。
どうやら、瀬戸は三上が真利江を殺害したと考え復讐しようとしたようだ。
直後に、源三とれいが姿を消した。
これを追うように三上も姿を消す。
聖子たちは彼らを追跡することに。
その頃、三上は源三とれいに猟銃を突き付けていた。
「お前が犯人だったのか!?」
詰問する源三、そんな源三の背中に隠れるれい。
と、其処に聖子たちが駆け付ける。
そして、聖子が真利江と修一殺害犯人として名を挙げたのは……れいであった。
三上は妹のように想うれいを庇っていたのだ。
2年前、柏木グループの力で窮地から救われたれいは修一に恩義を感じていた。
其処に修一からプロポーズされ、れいはこれを受け入れようと決めていた。
ところが、そんな折に酒井から全てを打ち明けられた。
真相を知ったれいは両親を死に追いやった修一たちを激しく憎んだ。
修一の妻となりつつ、様子を窺っていたのだ。
あの日、れいは真利江を刺殺した。
凶器はれいが作った硝子製のペーパーナイフである。
犯行後に凶器を溶かしてしまえば証拠隠滅も完璧である。
ところが、犯行時に刃が欠けてしまった。
このガラス片を隠す為に、れいの犯行を悟った三上がガラスを散乱させたのだ。
確かに真利江殺害の証拠は無い。
だが、修一殺害現場の土がれいの靴から検出されていた。
現場に落ちていた積丹竹も三上から30年前に贈られた品であった。
この証拠を突き付けられたれいは罪を認めるや、源三にガラス製のペーパーナイフを突き付ける。
凶器は未だに破棄されていなかったのだ。
源三を殺害しようとするれい。
そんなれいを止めたのは三上であった。
三上はれいを守ろうと囮になっていたのである。
真利江殺害現場に凶器に繋がる証拠を発見した三上はこれを隠蔽しようとガラス片を撒いた。
同時に自身のサングラス片を紛れ込ませたのだ。
30年前、三上は先代の手で野本屋を追放された。
ところが2年前、れいの父親から謝罪の電話があったのだと言う。
以来、三上は野本屋とれいを守ろうとしていたのだ。
れいの工房を狙撃したのも三上であった。
別の犯人を印象付けると共に、警護目的でれいへの監視を増やす為だったのだ。
こうして、れいと三上は共に逮捕された。
源三もまた食中毒事件の首謀者として逮捕されることに。
数日後、芳村は聖子にプロポーズするのだが……。
聖子は芳村の母のことを考えると即答を避けるのであった―――エンド。
<感想>
「警部補五条聖子」シリーズ第4弾。
原作はなし、オリジナルです。
ちなみに第1弾から第2弾の際に、シリーズタイトルの一部が「北海道警の女」から「北海道警事件ファイル」に変更されています。
過去にネタバレ批評(レビュー)していますね、興味のある方は過去記事をどうぞ!!
では、ドラマの感想をば。
このシリーズ、今回もキャストが豪華。
と言うか、この第4弾ではさらにキャストが豪華に。
ところが、物語が一向に面白く感じない。
あらすじで見た限り「隠滅可能な凶器の件」や「ガラス片のロジック」とか、ストーリーとしてはいろいろと凝ってる筈なんだけど通してみると何故か面白くない。
なんでだろうねぇ「三上の登場の仕方」など「2サス」の基本にも忠実なのに……不思議だ。
これについて強いて理由を挙げればゴテゴテとし過ぎているからかなぁ……。
実際のところ、本作は1時間向けのストーリーだったような気がするし。
真利江の役割を修一に負わせて殺人は1件のみ、真利江、羽生田、瀬戸を省略して1時間にまとめた方が面白くなったと思うなぁ。
逆にキャストが豪華すぎて過剰だったと言えるのかもしれない。
まぁ、面白いかどうかは主観によるところが大きいと思うので、楽しめた者勝ちと言うことでしょう。
そう言えば、丼が美味しそうでしたね。
お腹減ったなぁ……。
そうそう、景色も良かった。
此の点は本作の特徴だと思います。
◆関連過去記事
・水曜ミステリー9「北海道警の女・警部補五条聖子 花嫁は仮面の悪女!?巨額遺産殺人疑惑と謎の暗号!家族引き裂く過去からの脅迫者!!(見知らぬ脅迫者〜やっと家族と幸せを掴んだ女を悲しい過去が追いかける!)」(10月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・水曜ミステリー9「北海道警事件ファイル 警部補五条聖子2 函館殺人迷宮〜新幹線開発に揺れる港町!奇妙な死斑と水芭蕉が暴く巧妙なトリック(北海道警の女・警部補五条聖子2)」(5月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・水曜ミステリー9「北海道警事件ファイル 警部補五条聖子3 登別室蘭殺人事件 23年ぶりの再会が悲劇に変わる!鬼花火祭りに隠された真実…湯の華が暴く死の経路」(2月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
五条聖子:若村麻由美
三上健一:片岡鶴太郎
柏木れい:中山エミリ
芳村大地:石黒 賢
片桐陽一郎:益岡 徹
柏木源三:大和田伸也
高見沢丈太郎:山崎銀之丞
水野真利江:多岐川華子
柏木修一:川口力哉
八田公平:川野直輝
中村耕二:小須田康人
羽生田徹:四方堂 亘
牛島 実:外波山文明
瀬戸卓也:青柳尊哉
田中みどり:村田 唯
宇治原 悟:山本栄司 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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