2015年07月19日

【解答編第5話】「吸血桜殺人事件」最終話、第12話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【解答編第5話】「吸血桜殺人事件」最終話、第12話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

「金田一少年の事件簿R」第6弾は「吸血桜殺人事件」!!
舞台は「夜桜亭」、其処には吸血桜があるとのことだが……


【「吸血桜殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。

藍染吉乃:「夜桜亭」のオーナー。
葉崎栞:「夜桜亭」のアルバイト。
敷島大悟:「夜桜亭」のアルバイト。
北屋敷剛三:「夜桜亭」の料理人。
絵東ちなつ:客の1人、医師。
冬部蒼介:客の1人、弁護士。
斧田鏡一郎:客の1人、社長。
虎元勝男:客の1人、マスクをしている。
三夜沢渉子:客の1人、画家。

鬼方桜柳:30年前の連続猟奇殺人犯人とされる人物。

青桐岳人:15年前にちなつ、冬部、斧田に突き落とされ殺害された少年。
青桐岳彦:岳人の父。墓石には早苗、夏美と同日に死亡したと刻まれている。
青桐早苗:岳人の母。墓石には岳彦、夏美と同日に死亡したと刻まれている。
青桐夏美:岳人の妹。墓石には岳彦、早苗と同日に死亡したと刻まれている。

剣持:美雪と並ぶ金田一の偉大なる相棒。
佐木竜二:久しぶりの登場。金田一の後輩。
真壁:金田一たちの先輩。

<あらすじ>

・前回はこちら。
【解答編第4話】「吸血桜殺人事件」第11話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

金田一は虎元が鬼方の同僚医師であったと指摘。
さらに、虎元が「鬼方の亡霊の犯行」と呟いていたことから「鬼方が既に死亡している」と判断。
それを知っている以上、鬼方の死に虎元が関与している可能性は高い。
しかも、虎元がちなつ殺害時に桜の木の前で渉子に目撃されながら否定したことから、其処にこそ鬼方の遺体が埋まっていると断じた。

これを聞いていた藍染は遂に鬼方桜柳についてすべてを語り始める。

当時、藍染はサナトリウムの患者であり虎元は金田一の指摘通り医師であった。
2人は互いに好意を寄せていたのだが、ある日のこと鬼方は藍染を血吸桜の生贄にしようと襲い掛かった。
これを助けようとした虎元であったが、鬼方の反撃を受け危機に陥る。
其処で見かねた藍染が鬼方を殺害してしまったのだ。
藍染を殺人犯にしたくない虎元は鬼方の遺体を彼が望む通り血吸桜の完成に捧げた。

しかし、藍染は常に犯行露見の恐怖に怯えるようになった。
遂にはサナトリウムを購入すると「夜桜亭」として管理するようになったのだそうだ。
そんな藍染をそっと支えるべく共犯者の虎元が毎年訪れていたのである。

それは罪を忘れない儀式でもあった。
冬部たちと同様に虎元と藍染も罪に苦しんでいたのだ……。
事実を知った金田一は敢えて告発しない道を選ぶ。

数日後、逮捕された栞を訪ねた金田一は冬部の真実を伝えることに。
あれほど冬部が栞を庇い続けたことには理由があったのだ。

実は冬部の一家もまた青桐家と同じく心中の憂き目に遭っていたのである。
加害者家族として世の非難を集めたことが原因らしい。

結果、1人残された冬部は罪と後悔を抱えて生きて行くこととなった。
冬部は新聞配達をしながら苦学し弁護士となったのだ。
しかも、冬部は新聞配達中に栞を目撃し彼女の生存を確かめていた。
さらに、栞こそ知らなかったが影ながら金銭的な援助を葉崎家に行っていたのだ。
そして、弁護士となってからは同じような境遇の者を生み出さないように活動を続けていたのだそうだ。
常に罪と向き合っていた冬部だからこそ、栞を庇った末に刃をその身に受けたのである。

これを聞かされた栞は後悔の涙を流す。
彼女もまた罪と向き合わなければならないのである。

こうして、悲しき「吸血桜の事件」は終わりを告げたのであった―――「吸血桜殺人事件」エンド。

<感想&推理>

「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第6弾は「吸血桜殺人事件」です!!

そんな「吸血桜殺人事件」の最終話(第12話)。

本エピソードのテーマは「罪と罰」だったんですね。

罪により加害者家族として一家心中に追い込まれるとの裁きを受け、罪と向き合い償いを続けていた冬部。
罪を忘れないように「夜桜亭」に集まっていたちなつ。
同じく罪を忘れないようにしていた筈が何時しか形骸化してしまっていた斧田。
罪の露見を怖れるあまり、罪に縛られ監視を続けることとなった藍染。
そんな藍染を支えるべく共に罪を分かち合った虎元。
思わぬ罪から逃れたものの、それ故に新たな罪を犯すこととなった栞。
罪を重ね続け一向に反省せず、遂には皮肉にも自身で「血吸桜」の完成を果たすこととなった鬼方。

まとめると次のようになりますね。

命を以て過ちを償うこととなった冬部、ちなつ、斧田、鬼方。
一生を縛られることで償うこととなった藍染、虎元。
冬部の贖罪を知らされることで罪の重さを突き付けられた栞。

どの罰も熾烈なものと言えるでしょう。

そして「吸血桜」の力は本物だったのでしょう。
かくも、罪を背負った人々を呼び集め魅了し続けたことがそれを証明しています。
そもそも「夜桜亭」に栞が居なかったら、あるいは「血吸桜」に記憶を呼び起こされなければ……それとも、冬部たちが「夜桜亭」に集まらなければ事件は起こらなかった筈です。
彼らをあの場に集め、金田一が居合わせたことさえも「血吸桜」の魔力なのでしょう。
もしかすると、渉子と北屋敷も何らかの罪を背負っているのかもしれませんね。

さて、此処で大ニュース。
なんと、アニメ「金田一少年の事件簿R」が帰って来るとのこと。
「吸血桜殺人事件」もアニメ化になったり……するのかな!?

そして、「金田一少年の事件簿R」を題材とする体験型謎解きゲーム第3弾「魍邪ノ館殺人事件」の開催も明らかに。
こちらは東京、大阪、名古屋、福岡での公演が予定されており、東京での公演は8月29日、30日を予定とのこと。
興味のある方はチェックすべし!!

【2015年10月】アニメ「金田一少年の事件簿R」が「RETURNS」の名の通り帰還を果たす!!さらに「魍邪ノ館殺人事件」とは!?

ちなみに、高遠とカフェふくろうのマスターに何らかの関係があるのではないかとの謎。
新シリーズ「金田一少年の事件簿R」になって以来、カフェふくろうのマスターが登場するエピソードには高遠も必ず登場している(「亡霊校舎の殺人」「蟻地獄壕殺人事件」)。
例として挙げるには2作と些か心許なくはあるが、これは新シリーズになってからの高遠の登場自体が上記2作に限られている為。
つまり、今のところ100%となっている。
どうも、この登場には何か意味があるのではなかろうか。
マスター自身が高遠の変装なのか……それとも高遠のルーツがマスターに関わって来るのか。
今後もこの法則が守られるのかどうかに注目したい。

ちなみに、此処で大ニュース。
「ファイアーエムブレム」シリーズ最新作「ファイアーエムブレムif」開発に「金田一少年の事件簿」原作者である樹林伸先生が参加されるとのこと。

そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!

綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?

◆「吸血桜殺人事件」関連過去記事
【新エピソード開幕】「吸血桜殺人事件」1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【第1の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【密室殺人!?】「吸血桜殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【第二の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【謎また謎!?】「吸血桜殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【第3の殺人発生】「吸血桜殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【謎は解けた!?】「吸血桜殺人事件」第7話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【解答編第1話】「吸血桜殺人事件」第8話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【解答編第2話】「吸血桜殺人事件」第9話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【解答編第3話】「吸血桜殺人事件」第10話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【解答編第4話】「吸血桜殺人事件」第11話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「蟻地獄壕殺人事件」のまとめはこちら。
「蟻地獄壕殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
「亡霊校舎の殺人」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)

【ドラマ版】
ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ

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金田一少年の事件簿R(6): 週刊少年マガジン





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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。


◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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