2015年08月24日

『墓標なき街』第11話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)

『墓標なき街』第11話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)です!!

ネタバレあります!!注意!!

<あらすじ>

「百舌シリーズ」新連載!巨悪を追う、迫真のサスペンス。
(集英社公式HPより)


<感想>

「百舌シリーズ」2015年時点での最新作が『小説すばる』にて連載開始されました。

「百舌シリーズ」は次の6作が既刊。
『裏切りの日々』、『百舌が叫ぶ夜』、『幻の翼』、『砕かれた鍵』、『よみがえる百舌』、『鵟の巣』。
そして、これに新たに加わるのが意外な導入から始まった2015年時点でのシリーズ最新作『墓標なき街』。

今回はその第11話ネタバレ批評(レビュー)です。

物語は怒涛の展開を迎えています。
なんと、まほろが『鵟の巣』に登場した洲走かりほの妹であることが判明!!
これにより、前回の感想で述べた「新百舌の正体」もまほろかタミの可能性がさらに高くなったか。

そして、黒頭巾の正体。
紋屋でないことは確かだと思われます。
加えて大角の死に意味があるとすれば……彼と関わりのあった人物の可能性が。
まほろがかりほの妹であることも考えると、まさかの事態もあり得るのか。

そして、ラストで美希が語った方法とは強硬手段なんだろうなぁ……。
いよいよ、まほろらが潜む三重島の別邸に仕掛ける気なのかも。
「大杉&美希VSまほろ&タミ」との構図か。

内田が仕立てた情報提供者の正体も気になりますね。
こちらは、やけに内部を調べていた御室が筆頭候補、次いで伊沢かなぁ。
いずれにしろ、美希と大杉の協力者となりそう。

さて、11話までのまとめ。

物語の発端は三重島と茂田井との抗争にあるようです。
これに、石島による武器輸出事件の告発が絡む。

まず、茂田井派であった田丸は三重島派を攻撃するべく百舌について記事にしようとしていた。
其処で、先手を打って三重島派が田丸を殺害した。
だとすれば、新たなる百舌は三重島派に属する人物となる。

でもって、石島から武器輸出事件について情報を貰っていた為永が殺害された。
これも犯行手口から新百舌と思われる。
つまり、三重島派に属する新百舌が手を下したことから武器輸出事件も三重島派によるものとなる。
これは今回に明かされた関係者たちからも正しいと思われる。

さらに、黒頭巾の正体を知った大角がこれも新百舌と思われる手口で殺害された。
つまり、新百舌は「屋敷内に居る誰か」となる。

そして、黒頭巾、まほろ、タミは「三重島派の人間」であり「屋敷内に居た」。
同じ条件ならば御室や伊沢も居るが、彼らは三重島派に雇われていはいるが第三者の立場のようだ。
すなわち「黒頭巾、まほろ、タミの誰かが新百舌」と考えて問題はないだろう。
もちろん、単独だけではなく「2人1役の可能性」もあり得る。

ただ気になるのは、為永が殺害されながら肝心の石島が狙われていないこと。
これには理由があるのか?
また、為永が殺害されたことで同じように石島から情報を提供されていた残間も危ないかも……。

いよいよ物語が盛り上がって来ました。
どんどん加速するストーリー、次回が早く読みたいぞ!!
これは『小説すばる』掲載の第12話をチェックすべし。

<ネタバレあらすじ>

【前回までのあらすじ】

初代・百舌との戦いから長い月日が過ぎ、大杉は警察を退職し探偵業を営んでいた。
娘・めぐみは警察官になり、倉木を失った美希とは大人の男女として関係を続けている。

そんな大杉のもとに旧知の残間から田丸が「百舌について」記事にしようとしていることを聞かされる。
今更のことに、意外に思う大杉。
また一方で、不正な「武器輸出」が行われているとの情報を入手する。
その告発者は三京鋼材の石島であった。

さらに、千枚通しを用いる殺し屋が新たに登場し美希が狙われてしまう。
これは大杉により事無きを得たのだが……。

その翌日、石島を監視していた大杉と村瀬であったが、めぐみとその同僚・車田聖士郎に見咎められてしまう。
大杉たちは何とかめぐみたちの裏をかき、石島が接触していた雑誌記者・為永に辿り着く。

矢先、田丸が何者かに殺害されてしまう。
これにより、大杉たちは「新たなる百舌の登場」と「三重島と茂田井の暗闘」に気付くことに。

一方、大角は部下の御室三四郎と共に謎の人物・黒頭巾の警護をしていた。
黒頭巾は田丸殺害に興味があるようだが……。
この際、大角は御室の口から紋屋の名前を聞くことに。

そんな中、為永までもが新百舌に殺害。
さらに、大角もまた黒頭巾の正体を知ったが為に殺害されてしまう。

・前回はこちら。
『墓標なき街』第10話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)

【今回のあらすじ】

為永が殺害された。
これを尾行して現場にいた大杉、村瀬、さらに石島を尾行していた筈のめぐみ、車田の4人は取調を受けることに。

無事に取調を終えた大杉は石島を尾行していた筈のめぐみが「何故、あの場に居たのか」事情を聴く。

これにめぐみは為永から情報提供について話をしたいと持ちかけられたのだと明かす。
調べたところ、為永は武器輸出の関係者として「三京鋼材」と取引のある坂東重行と引き合わせようとしていたらしい。
さらに、坂東以外にも関係者が居るようだが……。

残間と合流した大杉。
かなり疲弊した様子の残間、どうやら彼も為永について取調を受けていたようだ。
そんな残間を労う大杉は新たな情報を得る。

なんと、稲垣の片腕とされていた大角が殺害されたのだ。
しかも、大角の遺体からは羽根が発見されており、これまた百舌の犯行と思われた。
大杉は新百舌が一晩に二件もの犯行に及ばざるを得なかったことに注目する。

その夜、美希と事件について情報を共有する大杉。
美希には内田が協力しており、彼からかなりの情報を入手していた。
その情報によれば、三重島が事件の影に居ると言う。
どうやら、三重島が自身に仇を為そうとした田丸を百舌を使って殺害したと考えられているらしい。
さらに、大角が三重田の別邸の警護責任者であったことも聞かされることに。

中でも一際、大杉の目を引く情報があった。
それは三重島の別邸で暮らしているまほろという女性の情報。
なんと、まほろはあの洲走かりほの妹だと言うのだ。
だとすれば……大杉は一筋縄ではいかない強敵の登場を予感する。

それにしても、どうしてこれほど詳細な情報が入手出来たのか?
疑問に思う大杉に美希は事情を説明する。
もちろん、すべて内田からの情報なのだが、どうやら内田は稲垣の部下を情報提供者として仕立てているそうだ。
なるほど、内通者から情報を得ていたのである。

疑問と言えば、もう1つ大きな謎がある。
百舌が三重島側の人間だとすれば、どうして警護責任者である大角を殺したのだろうか?

其処にめぐみから坂東重行以外の関係者について情報がもたらされた。
その名は北本則雄、武器輸出に関する機関の局長を勤めるキャリア官僚であった。
しかも、その北本の背後にはまほろが居るらしいのだ。

つまり、武器不正輸出事件は「三京鋼材」→坂東重行→北本則雄のラインで動いていたのである。
そして、黒幕としてまほろと三重島の存在が透けて見える。

こうして、大きな動きを掴んだ大杉。
どうやら、キーは三重島の別邸にこそあるようだ。

「こうなったら、あの手段しかないわね」
美希が妖艶に微笑み、大杉が彼女の狙いを察して困惑の表情を浮かべる―――12話に続く。

◆関連過去記事
『墓標なき街』第1話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『墓標なき街』第2話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『墓標なき街』第3話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『墓標なき街』第4話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『墓標なき街』第5話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『墓標なき街』第6話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『墓標なき街』第7話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)

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『墓標なき街』第10話(逢坂剛著、集英社刊『小説すばる』連載)ネタバレ書評(レビュー)

『百舌シリーズ(百舌の叫ぶ夜、幻の翼)』(逢坂剛著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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