2015年08月25日

「ドラゴン・フォー3 秘密の特殊捜査官/最後の戦い」(2014年、中国)

「ドラゴン・フォー3 秘密の特殊捜査官/最後の戦い」(2014年、中国)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

車椅子の超能力者無情(リウ・イーフェイ)、鍛冶屋の鉄手(コリン・チョウ)、脚力自慢の追命(ロナルド・チェン)、剣の使い手の冷血(ダン・チャオ)らは、皇帝直々の特務機関である神候府の秘密捜査官だった。彼らは四大名捕として活躍していたが、ある理由により無情が抜けてしまう。そんな折、皇帝(アレック・スー)はひそかに城下を訪れる。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:

【神候府(皇帝直属の特務機関)】
諸葛正我:神候府の頭目、メンバーを集めた。
冷血:神候府が誇る「四大名捕」の1人。狼男。無情を愛し彼女の為に「六扇門」を捨てていたが……。
無情:神候府が誇る「四大名捕」の1人。車椅子の女性。
鉄手:神候府が誇る「四大名捕」の1人。筋肉隆々の大男。
追命:神候府が誇る「四大名捕」の1人。足技の達人で元賞金稼ぎ。

【六扇門(首都警察)】
柳:六扇門の総帥「捕神」と呼ばれる。諸葛正我を敵視していたが第2作で安雲山に殺害される。
姫遥花:柳が死亡し六扇門の総帥に。実は安世耿の情婦にして部下。

【朝廷】
皇帝:宋王朝の当代皇帝。親王の甥。
親王:皇帝の叔父。皇帝に忠実で政治的野心はない。
蔡丞相:朝廷の重臣。安雲山の支配下にある。
ディー将軍:辺境を担当する重鎮。

【安氏一派】
安雲山:安世耿の父親にして全ての黒幕、蓬莱の魔術を使う。
安世耿:豪商にして第1作の事件の黒幕、魔術を使う。第1作で死亡するも第2作で樹木と同化し復活する。
如煙:安雲山の部下。変身と毒を自在に操る能力を持つ。


時は宋王朝末期。

第1作にて安世耿の陰謀を打ち破った「神侯府」と「四大名捕」。
だが、第2作にて「四大名捕」の1人・無情の一族を当代皇帝が誅殺していたことが判明。
しかも、この実行に諸葛正我と鉄手が関わっていたことから無情は「神侯府」を離脱してしまう。
さらに、無情が「神侯府」を離れたことで冷血も「六扇門」へ戻ってしまった。

一方、「六扇門」にも異変が起こっていた。
第2作にて総帥であり「捕神」とまで称された柳が殺害されてしまったのだ。
この下手人とされた如煙は「神侯府」の活躍で捕縛されることに。

これに伴い新たに総帥となったのは新参の姫遥花であった。
生え抜きの幹部たちは反発し、組織はボロボロに。
しかも、拘束されていた筈の如煙が脱走してしまう。
もちろん、実は安氏に仕える姫遥花の手引きであることは言うまでもない。
このように厳しい状況下であったが、冷血が戻ったことで辛うじて組織立て直しに向け進みつつあった。

そんな中、当代皇帝が城下町へ祭見物に赴くことに。
この警護を「六扇門」が担当することになり、姫遥花や冷血は名誉挽回に乗り出そうと意気込む。

ところが、舟遊び中の皇帝が襲撃を受けて行方不明になってしまう。
この襲撃犯こそ、脱走した如煙であった。
さらに安雲山と繋がっている蔡丞相がここぞとばかりに追っ手を繰り出す。

全ては安雲山の計画だったのだ。
安雲山は現皇帝を廃し、息子・安世耿を新皇帝に据えるつもりなのだ。

追われる身となった皇帝。
彼が頼れるのは諸葛正我率いる「神侯府」のみであった。

その頃、「神侯府」では2人となった「四大名捕」を先頭に諸葛正我が皇帝捜索の陣頭指揮を執っていた。
メンバー総掛かりである。

ところが、当の皇帝は空となった「神侯府」に居た。
そして、これを迎え入れたのは皇帝の居所を逸早く察知した無情だったのだ。

無情にとって皇帝は一族の仇。
無情は皇帝を拘束し連れ去ってしまった。
この事情を知らず捜索が徒労に終わった諸葛正我たちは「神侯府」に帰還する。

一方、無情と同じ考え方をしていた人物が居た―――蔡丞相である。
蔡丞相は「神侯府」とそれに関わりの深い場所へ刺客集団を送り込む。

まずは「神侯府」である。
諸葛正我と追命、「六扇門」から連携の為に訪れていた冷血も加わり刺客集団と対決することに。
奇襲をかけた刺客集団だが、精鋭の前にあっさりと撃退される。

同時刻、無情と皇帝のもとにも刺客集団が現れた。
贖罪の為に影ながら無情を見守っていた鉄手も加わり、こちらも応戦。
途中、諸葛正我や冷血らも駆け付け撃退に成功する。

こうして合流した「神侯府」の面々。
未だ蟠りの残る無情だが諸葛正我に「民の為」と説かれ皇帝に協力を約束することに。

皇帝は現状から逆転する為に辺境に駐屯しているディー将軍に自ら助けを求めることに決めた。
其処で冷血と追命たちと共に都を脱出することとなった。

一方、都に残った諸葛正我、無情、鉄手を姫遥花が訪れる。
姫遥花はディー将軍が蔡丞相に寝返っていると伝え、冷血たちを止めるように訴える。
罠を疑う無情たちだが結局皇帝たちの後を追う。

「神侯府」に残ったのは鉄手と一部のメンバーのみであった。
ところが、直後に「六扇門」が奇襲をかけ「神侯府」が焼き討ちされてしまう。

その頃、先行する皇帝と冷血、追命たち一行を丞相の刺客たちが襲撃していた。
追い付いた諸葛正我、無情も加わり切り抜けるのだが……。

其処に安雲山が大軍を引き連れ追撃して来る。
諸葛正我が殿を引き受け皇帝たちを逃走させるが、正我自身は安雲山に敗れ捕虜となってしまう。

諸葛正我を失いながらも逃亡の旅を続ける皇帝一行。
だが、ディー将軍の駐屯地まであと少しのところでまたも大軍に包囲されてしまうのであった。

皇帝殺害の報を受けた安雲山はいよいよ「大望なれり」と大喜び。
安世耿に禅譲を受けるよう命じるのだが……当の安世耿は「この世にいない者が地位を極めても仕方がない」とこれを拒否し自ら命を絶ってしまう。
息子の思わぬ行動に激怒する安雲山は息子に代わって自身が皇帝となると決意する。

その翌日、宮廷では蔡丞相に召集された文武百官が並んでいた。
其処に皇帝と彼を保護したとして安雲山がやって来た。
戸惑いつつも迎え入れた百官たち、ところが彼らを驚愕させる出来事が起こる。

なんと、皇帝が安雲山に譲位すると宣言したのだ。
しかも、蔡丞相もこれを支持した。
もちろん、全て安雲山の手配であった。

ニヤリと笑う安雲山は「譲位を受ける前に行うべきことがある」と主張。
その場で奸臣として蔡丞相を処刑してしまった。
初めから使い捨てにするつもりだったのだ。
こうして、遂に皇帝の座に就こうとする安雲山であったが……。

「もう1人奸臣が居るぞ!!」
叫ぶや否や姫遥花とその部下たちが皇帝に向けて粉を投げかけた。
粉を浴びた皇帝はたちまち、その本性を現した。
すなわち、如煙である。
譲位を宣言した皇帝は如煙の変身だったのだ。

さらに、玉座に本物の皇帝と親王らが多数の兵と共に現れた。
左右からは冷血、無情、鉄手、追命らが安雲山らを囲む。
そう、姫遥花は安氏を裏切り皇帝に与したのだ。
その傍らには助け出された諸葛正我の姿も見える。

ディー将軍の駐屯地付近で大軍に包囲された皇帝であったが、その軍勢こそ当のディー将軍たちであった。
こうして皇帝は保護され、内通した姫遥花らの協力を得て都で安雲山たちを待ち受けていたのである。

皇帝により安雲山らが逆賊と任じられたことで形勢が逆転。
安氏の部下からも裏切り者が続出し、たちまち混戦に陥った。

安氏側に与するのは安雲山本人と如煙、さらに手練れが数人である。
これを皇帝、親王、ディー将軍、諸葛正我、冷血、無情、鉄手、追命、姫遥花らが追い詰める。

だが、安氏側の面々もまた精鋭揃いであった。

姫遥花は如煙と対決するも、相手の動きに翻弄され苦戦する。
冷血、無情、鉄手、追命は手練れたちと対峙しほぼ互角の戦いを繰り広げていた。

暫く膠着状態が続く中、ようやく戦況に変化が。
鉄手が負傷しながらも相手を倒した。
追命も連続技から相手を下す。
冷血は敵2人を相手に防戦一方だ。

そんな中、無情は終始相手を圧倒。
如煙に押される姫遥花の援護に回る。

2対1となったことで如煙は遂に討たれた。
しかし、最期の力で姫遥花を道連れにしてしまう。

冷血を無情に託し息絶える姫遥花。
その死を目にした冷血は逆上し狼の本性を発揮、敵2人を噛み殺す。

姫遥花が犠牲になったが、残るは安雲山1人である。
これに皇帝、親王、ディー将軍と多数の兵たちが挑みかかる。
だが、安雲山の掛け声1つで彼らは吹き飛ばされてしまった。

皇帝を救うべく安雲山の目前に立ち塞がる冷血、無情、鉄手、追命。
だが、彼らが繰り出す攻撃は次々と安雲山に吸収され彼の力にされてしまった。
なんと、安雲山は相手の功力を吸い取る力を持っていたのだ。
柳や諸葛正我が敗れたのも此の力だったのだ。

たった1人に追い込まれた冷血たちは4人の力を乗せた最終奥義を繰り出す。
しかし、それさえも安雲山の技と相殺されてしまう。

もはや、打つ手なし……誰もがそう思ったそのとき。

「私が相手になろう!!」
安雲山を呼び止める者が居た、諸葛正我だ。

「ふん、お前の力は全て奪った筈だがな」
既に1度敗った相手だけに余裕を見せる安雲山はすかさず障壁を張り、諸葛正我を葬ろうとする。

ところが、驚くべき事態が起こった。
諸葛正我は障壁をモノともせず安雲山に近付いて行くではないか。

「我は無だ!!」
安雲山に功力を吸われた諸葛正我は無と一体化していたのだ。
ゆえにどのような攻撃も無意味であった。
諸葛正我は唖然とする安雲山に悠々と歩み寄ると簪を突き立てた。

途端、張りつめていた風船から空気が抜けるように安雲山から功力が溢れ出した。
悲鳴を上げる安雲山に冷血たちが一撃を浴びせる。
さらに、皇帝がこれに止めを刺した。
此処に逆臣・安雲山は討伐されたのだ。

安雲山の死により王朝の脅威は消滅した。
皇帝は「神侯府」の功を評価し、四大名捕を褒め称えた。

冷血は相次ぐ総帥の死により揺らいだ「六扇門」の新たな総帥に任じられることとなった。
無情は皇帝から正式な謝罪を受けた、無情の一族の誅殺が蔡丞相の陰謀であったことが明らかにされたのだ。
鉄手は無情と和解した。
追命は皇帝から名酒を賜り満足そうである。
諸葛正我は皇帝の師として再び政治に携わることとなった。

こうして「神侯府」は栄えたとのことである―――エンド。

<感想>

人気武侠小説の映画化で、原題は「四大名捕3 The Four3」。

そんな「ドラゴン・フォー3 秘密の特殊捜査官/最後の戦い」は「ドラゴン・フォー」三部作の最終作。
シリーズには一作目「ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官/隠密」と二作目「ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官/陰謀」がある。

これによりシリーズが完結したワケですが、全体を通じて姫遥花と無情の物語だったとの印象がありますね。
彼女たち2人こそがまさにシリーズのキーマンだったと言えるでしょう。

ちなみに、無情と冷血は互いの愛を深めて行く様子。
そして、姫遥花は安世耿の支配下から抜け出そうとして彼を謀殺したものの、その考え方に影響を受け安氏を裏切ったものか。
ある意味、安世耿に殉じたと言えなくもない。

それにしても今回は安雲山、諸葛正我、無情の3人が凄かった!!

前作に引き続き大活躍の無情。
相変わらず縦回転に横回転を加えつつ縦横無尽に手裏剣を乱舞させる様は必見。
ちなみに、仇と言いつつ割とあっさり皇帝に協力します。

そして、安雲山。
どんな攻撃も吸収する様はラスボスの貫録十分、圧巻です。
ちなみに、最終決戦では部下を助けるでもなく1人になるまで傍観者に徹していました。
あれだけ強かったのだから、部下を助けてやれよ。
そうそう、蔡丞相を殺す必要があったのかどうかも気になったなぁ。

でもって、諸葛正我。
最後の最後に美味しいところを持って行きました。
ちなみに、この人も安雲山同様に出番が来るまで冷血たちが吐血しても傍観者に徹していました。
あの技があるのなら、もっと早く助けようよ!!

そして、冷血はまだしも鉄手と追命は影が薄いのも相変わらずでした。

そんな中、かなりのインパクトがあったのは蔡丞相。
何と言っても中川家・礼二さんにソックリ。
話し方も礼二さんがモノマネしたものに似てる。
これだけでも一見の価値はあるでしょう。

興味を持たれた方は是非、本作にチャレンジされたし!!
ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変を加えているので、詳しくは本作をご覧頂きたい。

◆関連過去記事
「ドラゴン・フォー 秘密の特殊捜査官/隠密」(2012年、中国)ネタバレ批評(レビュー)

「ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官/陰謀」(2013年、中国)ネタバレ批評(レビュー)

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