2015年08月01日

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第34話「崖の下の呪い家2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第34話「崖の下の呪い家2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第34話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」に登場。

和也:蛍の弟。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第33話「崖の下の呪い家」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

圭一の死の謎を突き止めるべく、彼が調べていた展望台(19話「消える人々」参照)を訪れた蛍たち。
圭一は展望台から消える人々について調べていたのだが、蛍は彼らが展望台から突き落とされたと推理し展望台下の廃屋に目を付けた。
早速、廃屋へ向かった圭一だが、何が起こったのか戻って来なくなってしまう。
不安になった蛍は事情は隠した上で楓の協力を仰ぎ、廃屋内へ立ち入ったのだが……。
廃屋内の壁には圭一の姿を模した奇妙な染みが!!
さらに背後には霊が多数押し寄せていたのである。

大挙する霊の存在に気付いた蛍だが時既に遅し。
周囲は既に包囲されていた。

見渡す限り逃げ場がない。
恐怖する蛍の前で奇妙な染みが動き出した。

「逃げるんだ蛍!!」
浮き出た染みの正体はやはり圭一であった。
圭一によれば、この家は展望台で殺害された人々の霊の影響を受け何時しか霊を吸収するようになっていたらしい。
だから、圭一も壁に閉じ込められていたのだ。
しかも、それどころか生きた人をも霊にして取り込もうとしているのである。
蛍と楓も狙われているのだ。

パニック状態に陥った楓を気絶させた蛍は、妹を想い最期の力を振り絞り血路を切り開いた圭一を残し脱出することに。

とはいえ、気にかかるのは圭一のことである。
何とか、彼を助け出さなければならない。
一方、楓の身に異常が迫っていた……。

翌朝、登校途中に楓と合流した蛍は彼女の変貌に驚く。
なんと、あの家にもう1度戻る必要があると繰り返していたのだ。

蛍のブローチが輝いたそのとき、楓の背後に霊を見出す蛍。
どうやら、霊が楓をその気にさせているらしい。
つまり、逃げた獲物を戻って来るように操っているのだ。
明らかな罠である。

困り果てた蛍、其処に桃園が通りかかった。
彼女は楓を一瞥するなり、その肩に手を置いた。
途端、楓の背後の霊が消滅した。
消えたのではない、桃園に消されたのだ!!

この光景、何処かで見たような……と訝しむ蛍。
それもその筈、桃園は此の力で蛍を1度救っているのだ。
だが、時空改変の影響で蛍にその記憶はない。

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第31話「謎の桃園2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

とはいえ、蛍は桃園の力ならばあの家に勝てると気付いた。
こうなれば、することは1つだ。
何としても桃園を廃屋に連れて行く必要がある。

楓のときと同様にそれとなく誘う蛍であったが、桃園にあっさりと断られてしまう。
果たして蛍はどうするのか―――次話に続く。

ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻に続き、早くも3巻が発売予定!!

さて、その34話。
サブタイは「崖の下の呪い家2」。

「崖の上」には「ポニョ」が居ましたが「崖の下」には「呪い家」というワケで蛍が大ピンチに!!
やはり、あの家は展望台から降って来た人々を呑み込んでいました。
しかも、害意まで育むとのおまけつき。
これは大変な事態です。

そんな中、蛍の前に起死回生の一手が登場。
それこそ、桃園霧子でした。
なるほど、だからこそ31話に桃園が登場したワケだったのか!!
確かに桃園霧子ならば神クラスの守護霊を抱えているからなぁ。

31話の描写によれば桃園霧子自身もその力を把握しているようなので、今回断ったのも力があるから故なのかもしれません。
その力はまさに切り札、乱用すれば世界のバランスを崩しかねない。
それだけに使用するべき範囲を彼女の中で限定しているのでしょう。
例えば「聖マルス関係者」のみに限るとか。

こうなると、そんな桃園霧子のルールを如何に上手くルール外で使用させるかがポイントか。
だとすれば、もちろん桃園霧子自身に火の粉が降りかかればこの限りでは無い筈で……。
すなわち、如何に桃園霧子をあの場所に連れ出すかが争点となりそうです。
こうなると、奇しくも蛍と桃園霧子の知恵比べの様相を見せて来ましたね。
また、家の持ち主とされる鏡二郎も気になります。

次回にも注目です!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第30話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?

死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」に登場。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」に登場。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。

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