2015年08月30日

「実は私は」第125話「紫々戸獅穂@」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第125話「紫々戸獅穂@」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

獅穂の未来の夫が嶋であることが孫である結香から判明した。
これに獅穂は激しく動揺することに。
遂には夢にまで嶋を見るようになってしまう。

嶋の良いところを思い浮かべようとするも全く浮かばず、何が何でも結婚を避けようと考える獅穂。
結香によれば「2人の馴れ初めは高校3年生の花火大会」らしい。
それが終わるまで嶋には関わらないと心に固く誓うのだが……。

選りにも選ってその日の日直が嶋と2人での担当になってしまう。
ショックを受ける獅穂だが、さらに次々と衝撃が襲う。

黒板に書かれた日直が相合傘になっていれば動揺し、嶋の顔を見れば動悸が高まる始末。
冷静になるべく服を脱ぐが、これが逆に嶋を喜ばせてしまう。

嶋を意識しないようにすればするほど意識してしまう。
もはや、嶋スパイラルだ。

そんな獅穂の様子を誤解した嶋はここぞとばかりに迫る。
当然、獅穂はその場を逃げ出すことに。

衣服をはだけ逃げる獅穂、そんな獅穂を目を血走らせ追走する嶋。
傍から見れば事件である。

案の定、みかん、結香、渚らが獅穂の加勢に回る。
だが、誰も嶋を気味悪がって止められない。

そんな中、遂に嶋の手が獅穂にかかった。
これを見ていた結香が「変わり身の術」を発動し、獅穂と結香の位置を入替えるが……。

「やっぱ無理っ!!」
叫ぶや否や渚と位置を入替る。

つまり、嶋の矢面に立たされたのは……渚だ。
渚は軍隊格闘の粋を尽くして嶋をもてなす。

身体ごと飛ばされた嶋はみかんと獅穂の居る方向へ。

「ひょへぇぇぇぇぇぇ」
みかんは普段の気丈さは何処へやら、素っ頓狂な悲鳴を上げつつフクちゃんに手助けを依頼。
久しぶりに助力を求められたフクちゃんは此処ぞとばかりに光り輝く。

その背後で、結香が「死ね!!」とばかりに焙烙玉を嶋へ投擲する。
おい……お前は本当に嶋の孫なのか?

フクちゃんの光によりバナナの皮を踏んだみかんは体勢を崩し嶋を回避。
焙烙玉を顔面に受けた嶋はそれでも獅穂へと飛んで行く……。

ふと気付けば獅穂の唇と嶋の唇はすぐ其処に迫っていた。
マズイ……焦る獅穂の前で嶋がさらに飛ぶ。
焙烙玉が破裂し、爆風に舞い上げられたのだ。

ドサリと地面に落下した嶋らしき物体。
それを背後に「良かったぁ〜〜〜」と胸を撫で下ろす獅穂。
みかんはフクちゃんを素直に褒め称えている。

嶋の心配をする者は……誰もいない。

そんな中、空から1枚の写真がヒラヒラと舞い落ちて来た。
何気なく目にした獅穂の背中に戦慄が走る。

それは月の写真であった。
すなわち、獅狼へと変身するスイッチである。

獅穂の脳裏に過去に級友の面前で変身したトラウマが甦る。
あの時は獅狼が批難の嵐に曝されたのだ。

(ごめん、獅狼)
謝罪する獅穂の言葉を最後に、其処には入替った獅狼が現れた―――126話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻、11巻、12巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、13巻も発売予定。
そして、本作かなり面白い!!

そんな「実は私は」が遂にアニメ化。
テレビ東京系列にて2015年7月6日から放送開始とのこと見逃すなかれ!!
ちなみに、登場人物に黄龍院凛らの名前が無いことを見ると序盤をアニメ化する予定なのかな。
さらに、アニメ版は早くもブルーレイ、DVD化が発表されています。

【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!

その125話。
サブタイは「紫々戸獅穂@」。

遂に125話目にして「!」なしのサブタイが登場。
まさに新シリーズ「未来を変えよう」編の幕開けと言えるでしょう。

今回のラストから考えると、獅狼を見ても朝陽と同じように特に態度を変えなかったことで獅穂から嶋が見直される展開か。
これにより、獅穂も嶋へ心を許すワケですね。

どうやら、それだけ獅穂にとって獅狼の姿を曝すことはトラウマとなっていた様子。
だからこそ、その姿を曝け出しても人格を認めてくれる存在が大切なのでしょう。
こりゃ、未来の獅穂が結香に夫について聞かれて黙っていたのも単に照れ臭かっただけの可能性もあるような気がするなぁ……。
もともと獅穂はそう言ったところがあるし。

そして、嶋。
ある意味、嶋はこれまでに涼や弓と「実は中身が男性」と知らずに交際を重ねて来たワケで。
自然にではありますが「外見も中身も別人格」に属する「獅穂と獅狼」をすんなり受け入れられる下地は整っていたと言うべきでしょうか。

そして、嶋と獅穂の交際にとってポイントが「高校3年生の花火大会」と判明。
嶋の場合だと「獅穂と交際出来るなら大丈夫」と当初は軽く考えていそうな気もします。
これが将来的に結婚に結び付くからには花火大会の時には、心から獅穂と獅狼を受け入れられる状態になるのでしょう。
だとすれば、これから嶋の成長が見られそうです。

嶋と獅穂がカップリング成立すれば、サクラと明里、岡とみかんもそれぞれのエピソードを紡いで行きそうな予感。
そして、各々が固まった後に朝陽と葉子の種族の壁問題が浮上する感じだろうか。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス12巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子、11巻は獅穂と凛コンビ、12巻は緑苑坂弓と桐子の夫婦コンビ。
そして、13巻は桃地結香!!
となれば、次回は登場順で水奈川咲かな?

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第120話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第121話「流しそうめんを食べよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第122話「カブトムシを採りに行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第123話「気を引こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第124話「未来を変えよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。124話にてフルネームが「嶋田結太」と判明。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。
箱入り娘:114話終盤に登場した謎の人物!?

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posted by 俺 at 12:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
実は私は(笑)、今回のお話が以前、みかんに委ねられた未来の選択肢だと思いました。嶋が絶賛気絶中なら、獅穂が獅郎に変身するところを見てしまったのがみかんな訳で、ここから芋蔓式に渚ちゃんが「何奴!?」とか言いながらまたネジの中から小さい体を見せそうだし、同時に、みかんが葉子さんの牙のことを思い出してアナザル、じゃなかった朝陽からバレて、みかんがこの三人の秘密を守るかバラすかの選択に迫られるのではないかなと。どっちが今の凛ちゃん結花ちゃんコンビの未来に繋がるのかは分かりませんけどね。


ちなみに個人的には朝陽の嫁は、未来で朝陽と葉子さんが一緒になっていないままなら、みかんであってほしいと思う自分であります。やっぱ一番最初に告白した訳ですし、何と言っても主要キャラの中で幼馴染ってことで誰よりも朝陽の事を知っている訳ですし、誰よりも朝陽の幸せを望んでいるのですから、そんな一途なヒロインが幸せになれないのはどこか残念なんですわ。初登場時の外道キャラのままなら別に岡くんでも良いと思う(酷っ!)んですけど、このみかんだと朝陽と一緒になれないなら一生独身を選びそうな気もしないでもないですし。ただ、この場合だと凛ちゃんがみかんの孫じゃなくて近所の子になっちゃうわけですけど、それはそれで残念なような……難しいところです。
みかんが朝陽以外の相手と(物理的に)結ばれるなら、個人的には獅郎であってほしいと思います。メインキャストで普通の人間で、もし私が予想した通り、これから朝陽に次いで秘密を守る道を選ぶなら、なんだか可哀想な役割が多い獅郎くんを時に叱咤しながら時に優しく面倒見てくれそうな人、となるとみかんの出番だと思う訳です。岡くんには悪いけど。獅郎くんならみかんは結婚しなくても子供を授かるし、凛ちゃんがみかんの孫、という未来もできるし、それになにより、50年後のみかんが67歳になっても朝陽の嫁の座を狙っている(9巻参照)ってことは結婚しない道を選んだか、結婚しても別れたか、になるわけだけどみかんの性格上、結婚して別れたよりも結婚しなかった方を選ぶ気がして、それだと該当するのは獅郎くんかなと。

とれあえず、獅穂×嶋回からみかんの選択に話が飛んだんじゃないかと予想した私でした。
Posted by らいらっく at 2015年08月30日 21:03
Re:らいらっくさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

なるほど、此処でみかんの選択に委ねられる展開……確かにアリです!!
だとすれば、みかんの選択が登場キャラクターたちにとって如何なる影響を与えるかも気になるところ。

気になると言えば、みかんの運命の相手も気になります。
何と言っても一途なみかんだけに報われて欲しい!!

そして、実は管理人のイチオシキャラの1人がみかんだったりするのでみかんのクローズアップは嬉しいところだったりします。
嗚呼、早く次回が読みたい!!
Posted by 俺 at 2015年09月01日 22:36
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