2015年09月04日

「英国一家、日本を食べる」17話「すしの源に」(9月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「英国一家、日本を食べる」17話「すしの源に」(9月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<17話あらすじ>

一家で京都の寺を訪れていたマイケルは、日本料理界の重鎮・鬼塚とばったり再会。昼食にすしを食べようと誘われ、ついていくと出てきたのは京都名物の鯖(さば)ずしだった。握りずしを期待していたアスガーは不満げ。一方、マイケルは、得意になって鯖ずしのなんたるかを解説し出す。すると鬼塚は、すしの源流とも言われる滋賀の鮒(ふな)ずしをマイケルたちの前に出してきた。初の鮒ずしを前にマイケルは…。
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)

マイケル、リスン、アスガー、エミルたちは精神修養すべく寺院を訪れていた。

ところが、今日もエミルが大暴走。
ちょっと目を離した隙に、美しい白砂であつらえられた石庭の中心に座り込んでいたのである。

石庭への立ち入りは禁止されている。
驚き慌てるマイケルたちは必死にエミルに呼びかけるのだが……。

驚くべきことにエミルは座禅を組むや無我の境地に達していた。
幾らマイケルたちがその名を呼ぼうとも聞こえていない様子である。

仕方なくマイケルもまた立入を試みる。
石から石へと渡り歩けば物理的には崩すことは無い……筈であった。
ところが、マイケルは一歩目から石を踏み外して転んでしまう。

前のめりに倒れ込んだマイケル、其処を見知った黒服に助け上げられる。
まさか……恐る恐る背後を振り返ったマイケルは鬼塚の姿を目撃する。

鬼塚と言えば日本料理界のドン(3話「日本料理の神髄」参照)である。
どうやら、例の料理大会の全国コンテストが開催される為に京都を訪れていたらしい。

「英国一家、日本を食べる」3話「日本料理の神髄」(4月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

緊張しつつも鬼塚との再会を喜ぶマイケル。
そんなマイケルに鬼塚は取材の進捗について尋ねる。

「やっぱり、日本料理は寿司ってイメージがあるじゃないですか。其処で本のタイトルなんですが『寿司だけじゃない日本料理』とか『日本人は寿司だけでは生きていない』にしようかと思うんです」

活き活きと語るマイケルに「ほう」と頷いていた鬼塚。
しかし、マイケルが調子に乗って続けた次の言葉に表情が凍り付いた。

「もしかして、鬼塚さんの著作よりも素晴らしい物になるかも」

聞くなり無表情へと変じた鬼塚に、周囲の黒服は慌てふためくばかりだ。
一方、マイケルはそれに気付いていない。

と、際どい空気の中で鬼塚が用意した寿司が運ばれて来た。
これを見るなり「知ってるのと違う」と驚くアスガー。
それもその筈、運ばれて来たのは「鯖寿司」だったのである。
アスガーの反応に気を良くした鬼塚は説明を始めようとするのだが……。

「実はこの寿司はね、握るのではなく……」
「ぎゅっと押し固めて作るんだよ」

意識していないのか鬼塚の台詞を奪ったマイケルはさらに作り方まで説明をし始めてしまった。
これに再び鬼塚の表情が凍り付く。
当然、周囲の黒服たちの顔は真っ青だ。
服装と顔色のコントラストが美しくさえある。

そんな中「鯖寿司こそが寿司の源流」と説明しているマイケル。
これに鬼塚が満を持して「否や」を唱えた。

握り寿司や鯖寿司のように飯を酢で味付けしたのは近代からのことなのだそうだ。
それ以前には「鮒寿司」こと「熟れ(なれ)寿司」が存在しており、これこそ「でんぷんの自然発酵により魚が腐ることを防いだ寿司の源流」らしい。

さらに畳みかける鬼塚は「琵琶湖から取り寄せた鮒寿司」を取り出す。
これにマイケル一家は仰天することとなった。
匂いが特徴的過ぎるのだ。

アスガーは匂いを嗅ぐなり痙攣して倒れ込んでしまった。
それほどインパクトのある匂いだったのだ。
それもその筈、鬼塚によれば鮒寿司は1年寝かしているのだそうだ。

その匂いに恐れ戦くマイケル一家。
そんなマイケルに鮒寿司を口にするよう奨める鬼塚。
その表情には挑戦的な微笑みが浮かんでいる。

「こんなの僕たちの知っている寿司じゃないよ」
思わず叫ぶアスガーに、我が意を得たりと鬼塚が説明を開始する。

江戸前寿司は江戸時代に生まれた。
だが、鮒寿司は1000年の歴史を誇るらしい。
さらに、寿司は火を用いない料理として生まれたもので、握り寿司は歴史の浅いファーストフードなのだそうだ。

未だ鮒寿司を前に硬直しているマイケル。
そんなマイケルの前で鬼塚は鮒寿司に箸を付ける。

「これぞ選ばれた者のみが楽しめる至福の味。これが食べられなければ私の勝ちですよ、あ〜〜〜っはっはっは!!」
宣言するや勝ち名乗りを上げ始めた。
どうやら、先に2回ほどマイケルにしてやられたことを根に持っていたようである。

挑もうとするも未だに踏ん切りのつかないマイケル。
しかし、マイケルは1人では無い。
マイケルの背中を押すようエミル、アスガー、リスンが鮒寿司を口にし悶絶する。
そんな家族の姿にマイケルも遂に意を決し鮒寿司を頬張った。

「濃厚な匂いの爆発だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
叫び声を上げるや意識を失うマイケル……。

次にマイケルが目覚めた時、其処は先程の寺であった。
隣の部屋から笑い声が聞こえる……ふと、マイケルが覗き込むと笑顔の鬼塚がアスガーやエミルをあやしていた。
負けず嫌いな鬼塚だが本質は気の良い人なのだ。

鬼塚と挨拶を交わすマイケルは「家族」を「共同執筆者」だと語る。
家族全員で取材しているのだ、と。
これを聞いた鬼塚は「4対1じゃ分が悪い」と笑うのであった。

一方、マイケルの胸中には出版予定の本のタイトルが浮かんでいた。
そのタイトルこそ「SUSHI&BEYOND」である―――エンド。

<感想>

原作はマイケル・ブース著『英国一家、日本を食べる』と『英国一家、ますます日本を食べる』(共に亜紀書房刊)。
NHKさんにて毎週木曜日0時40分から1時まで放送中、全24話予定。

前半はマイケル一家を中心としたカートゥーンパート、後半はトシ視点のドキュメンタリーパートからなる。

この17話のテーマは「寿司&鬼塚」について。
「寿司の歴史」と「鬼塚の人柄」が語られました。

ちなみに、ラストにマイケルが口にした『SUSHI&BEYOND』との書名。
これこそ『英国一家、日本を食べる』の原題だったりします。

そんな今回ですが、具体的にはカートゥーンパートでは「鮒寿司」を中心に、実写パートでは「まさかの江戸前寿司ヒップホップ」が取り上げられました。

まずはカートゥーンパート。

今回もエミルの魅力が爆発。
まさかの石庭で無我の境地に達するとは……。
でもって、おそらく今回のお寺は「龍安寺」がモチーフなのかな。

同時に、鬼塚の魅力も大爆発。
いや〜〜〜鬼塚は渋い良いキャラです。

続いて実写パート。

ヒップホップ調の「今日も道の途上、OH勘定!!」にはやられた。
他には「江戸の民たち、寿司の価値」もツボだったね。
でもって「時価っていくら?」で締めるんだもんなぁ。
「江戸前LOVE、江戸前LOVE、江戸前LOVE」の連呼も良かった、インパクト大です。

ちなみに本作「英国一家、日本を食べる」の旨味も此の点にあるような気がします。
「熟れ寿司」のような熟成した描写がある一方で「ヒップホップ」のようなリズミカルな描写もある。
この「緩急自在ぶり」が視聴者の心を動かすのでしょう……面白いワケです。
次回も楽しみな作品です。

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