2015年09月05日

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第38話「騙された死神」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第38話「騙された死神」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第38話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」に登場。

丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。
真利奈:七郎の姪。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第37話「緑川楓の誤算2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

圭一と共に街を歩いていた蛍。
ところが、携帯ショップ前で思わぬ人物(神)に出会うことに。
そう、あの死神である。

「まさか、本当に契約を!?」
驚く蛍に死神はニヤリと笑う。
どうやら、プライベートではなく仕事らしい。
つまり、誰かが死ぬのだ。

そんな死神が狙うのは携帯ショップの店員・丹下七郎35歳、本日12時までの命だと言う。
反感を抱く蛍だが「それが自然の摂理」と圭一に諭されその場は引き下がることに。
こうして死神は丹下七郎に接触するのだが……。

数日後、登校途中の蛍の前に再び死神が現れた。
何でも困っているらしい。

あの後、死神は丹下七郎に接触し彼に死を告げた。
これに丹下はショックを受けて大粒の涙を流した。
そして、女性と付き合ったこともないのに……と嘆いた。
どうも、丹下七郎には女性経験が無かったらしい。
これを不憫に思った死神は「せめて初体験を済ませてから命を奪ってやる」と温情を見せた。
その日はこうして帰還した死神だったのだが……。

ところが、これは裏を返せば「丹下七郎が初体験をしない限り、命を奪えない」ことになる。
こうして、死神は丹下の命を奪えなくなってしまったのだ。

困り果てた死神は蛍に丹下の初体験の協力をするように依頼する。
これに圭一が激怒した。
問答無用で銃を撃つ圭一、怒りの力で格を上げた圭一の銃弾は傷を負わすまでに至っていた。
消滅までは至らないが痛い物は痛い。
事を構えることを避けた死神はその場を逃げ去ることに。

その晩のこと、難を逃れた丹下は姪の真利奈とゲームを楽しんでいた。
すると、急に真利奈が苦しみ出した。
見れば、その背後には死神が控えていた。
丹下に対し、死神は「12時までにお前の命が奪えないならば代わりにこの娘の命を奪う」と宣言しその場を去ってしまう。

病院に搬送された真利奈。
実は真利奈は丹下の兄夫婦が長年望んでようやく授かった一粒種。
性格も良く、丹下自身も大変可愛がっていた。
身代わりには出来ないと悩む丹下は初体験を済ませようと焦るのだが都合よく出来るものでもない。
ハラハラと涙を流し困り果てていたところに蛍がやって来た。
蛍は圭一に死神を尾行させ、事情を把握していたのだ。
追い詰められた丹下に蛍はある方法を教えることに。

そして、12時が近付く中、真利奈の病室前に死神が現れた。
立ち塞がる丹下、通常ならば万事休すだ。
しかし、此処で丹下は蛍から教えられた方法を実行に移す。

丹下は携帯ショップの店員であるキャリアを活かし、死神が手にしたスマホに目を留めると「ご利用をご検討ですか?」と問うや熱く営業を始めた。
普段の利用量から最適な契約プランについて提案し、よりお得な使い方や各種割引プラン、果ては家族の有無による家族割引に至るまでも次々と述べて行く。
遂にはネットとのセットを提案しつつ、手続き方法として必要な本人確認書類にまで言及していた。

その余りの情報量に圧倒される死神。
同時に彼自身もスマホに興味があったことでフムフムと聞き入ってしまう。

そうこうしている内に12時を過ぎてしまった。
丹下が初体験を済ませない限り命を奪えないように、死神とって約束は重大事である。
真利奈の場合は「12時までに」と指定してしまった。
つまり、裏を返せば12時を過ぎた時点で丹下の命も真利奈の命も奪えないのだ。
蛍の方法とは「12時過ぎまで死ぬ気で営業すること」であった。

こうして、死神は丹下にも真利奈にも手出しが出来なくなってしまった。
一杯喰わされたと察した死神は蛍のことを思い出しつつ、致し方が無いと諦めることに。
ちなみに、どうやらスマホについては本気で検討中のようで「此処まで聞いたからには」とばかりに端末契約の仕方についてきちんと確認して行く姿があった―――次話に続く。

ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻。3巻に続き、早くも4巻が発売予定!!

さて、その38話。
サブタイは「騙された死神」。

「桐島静香の秘密」「謎の桃園」に続き、3度目の死神登場。
彼とスマホの関係はまさに定番となりつつありますね。

同時に、携帯の契約手続きの煩雑さを揶揄する回でした。
確かに携帯契約はプラン決定から始まり実際の契約に至るまでかなり時間がかかるからなぁ。
新規契約なら尚更でしょう。
もっとも、その分利便性も高いし、知れば知るほど更にお得で便利なワケなのですが。

いよいよ本格的に死神がスマホを利用することが出来るのか?
とはいえ、今回の様子だと本人確認書類を揃えることに苦戦しそうだなぁ。

それにしても、彼は静香に続き丹下も見逃したことで立場が危うくなるのでは……。
もしかすると、次は上司登場で蛍に助けを求めて来たりして。
丹下も良いキャラだったし再登場を期待したいところ。

次回にも注目です!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第30話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第31話「謎の桃園2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第32話「節の反抗期」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第33話「崖の下の呪い家」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第34話「崖の下の呪い家2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第35話「崖の下の呪い家3」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第36話「緑川楓の誤算1」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第37話「緑川楓の誤算2」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆関連過去記事
「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)

「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)

「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)

「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)

「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)

これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
十二人委員会:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。

死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」に登場。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」に登場。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。
円卓:「占いの館」の占い師の1人、「ジュエル」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
蝶野:「占いの館」の占い師の1人、「カラスアゲハ」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。「騙された死神」に登場。
真利奈:七郎の姪。「騙された死神」に登場。

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