2015年09月17日

水曜ミステリー9「奥多摩駐在刑事3 渓谷殺人連鎖!山林王狙う2人の脅迫者…ホタルが照らす変死体の謎と30年前刑事銃撃の闇!」(9月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「奥多摩駐在刑事3 渓谷殺人連鎖!山林王狙う2人の脅迫者…ホタルが照らす変死体の謎と30年前刑事銃撃の闇!」(9月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

元警視庁捜査一課の刑事・江波敦史(寺島進)が、左遷で奥多摩・水根の駐在所勤務となって早2年。地元の人々から“駐在さん”と呼ばれ、江波は充実した日々を過ごしていた。

ある日、江波に地元の有力者で国会議員でもある神木省一郎の孫・日名子(西澤愛菜)が行方不明になったと連絡が入る。ほどなくして日名子は発見され、母親の神木春美(大路恵美)、父親の神木省吾(山田純大)、神木高志(遠藤要)らは安堵する。省吾は省一郎の跡を継ぎ、次の選挙に出るため財務省を辞め今年から水根に戻ってきたのだという。高志は省吾と幼なじみだったが神木家の養子に入り、神木林業の副社長を務めている。

そんな中、今度は奥多摩湖畔で変死体が発見され、江波は現場へ急行する。現場には警視庁捜査一課の面々もやって来る。事件の担当として現れた管理官はまたも江波の天敵、加倉井国広(北村有起哉)だった。

その後、江波は森で迷った日名子を助けた三上秋彦(不破万作)へお礼を言いに出向く。そこで、江波は師匠と慕う元刑事の岩城修一(中原丈雄)と偶然、再会する。刑事を退職後、最近になって水根に移り住んだという岩城と昔を懐かしむように酒を酌み交わす江波…。

翌日、湖畔の変死体は強盗致傷罪で服役し、一カ月前に出所したばかりの矢板英樹(國本鍾建)と判明。頭部を殴打されての死亡と見られた。所持品はなくポケットにはゲンジボタルの死骸が入っていた。さらに捜査一課の刑事・南村陽平(中尾明慶)は、数日前、省吾が矢板の車にぶつかり口論していたという事実を突き止める。江波と南村で神木家へ話を聞きに行くと、省吾は口論ではなく示談の話をしていたと言い、矢板が殺された件とは無関係だと主張する。

江波は旅館の女将・池原美也子(市毛良枝)の話で、昔は奥多摩の山林はほとんど神木家のものだったことを知る。二代にわたり国会議員を務めていて省吾が当選すれば三代目だが、実は省吾は過去に事件を起こしていたという。

それは15年前、大学生だった省吾、高志らがキャンプをした夜、省吾の恋人だった三上小百合(松長ゆり子)が行方不明になり、翌朝、河原で遺体となって発見されたという事件だった。当時の捜査では崖からの転落事故とされていた。捜査資料を見た江波は転落事故の現場へ。するとそこにはある人物の姿があった…。
(あらすじ・写真共に公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)。

江波敦史は元警視庁捜査一課の刑事、現在は奥多摩・水根の駐在所に勤務している。
江波は過去の事件について責任を取らされる形で異動となっていた。
異動当初こそ不満を抱いていた江波だが、2年が経過した今では此の土地と其処に住む人々を気に入り喜んでいる。
地元の人々も江波をすっかり信頼し、名物駐在として知られるほどであった。

そんなある日、江波は神木日名子なる少女と知り合う。
日名子は地元選出の代議士である神木省一郎の孫で、父・省吾と母・春美からも愛情を注がれていた。
何かに苦しんでいる様子の春美を気に掛ける江波だが……。

直後、奥多摩湖畔で変死体が発見される。
被害者となったのは矢板英樹なる男性、死体のポケットにはゲンジボタルの死骸が入っていた。

そんな中、江波は先輩刑事で今は退官した岩城修一と再会を果たす。

矢先、第二の殺人事件が発生。
被害者は黒崎なる男性であった。

矢板が黒崎の弟分であったことが判明。
さらに、黒崎は15年前に岩城に逮捕されていたことも明らかに。

こうして岩城の犯行が疑われることとなった。
しかも、岩城にはアリバイが無かったのである。
その反面で、省吾と春美には矢板殺害時にも黒崎殺害時にもアリバイが存在していた。

尊敬する岩城を疑うことに苦しむ江波だが、ゲンジボタルの死骸から死体発見現場と殺害現場が異なることに気付いた。
さらに、15年前の黒崎逮捕の顛末と、30年前に岩城と相棒であった本郷武彦が捜査中に殉職した事件を調べ、ある確証を得る。

江波が犯人として指摘したのは岩城と春美であった。

実は春美は30年前に岩城の相棒であった本郷武彦の娘であった。
15年前、春美は黒崎と同棲しており事件に巻き込まれていた。
これを岩城が助け、隠蔽したのだ。

その後、春美は省吾と結婚し日名子をもうけた。

一方、逮捕された黒崎は春美が裏切ったと恨んでいた。
其処で15年が経過した今になって矢板を送り込んで来た。
矢板は春美と黒崎の関係について脅迫して来た。

追い込まれた春美は矢板を殺害してしまう。
春美を心配し密かに見守っていた岩城は彼女を助けるべく、春美にアリバイを作らせた。
その上で矢板の遺体を別の場所に運び込んだのだ。

しかし、肝心の黒崎が残っている。
岩城は春美と共に、黒崎へ必死に脅迫を止めるよう懇願した。
だが、黒崎はこれを拒否し破滅させてやると宣言してしまった。
切羽詰まった岩城は黒崎を殺害することに。

それもこれも全ては岩城の春美への贖罪であった。
30年前に起こった本郷武彦の死には岩城が関わっていたのだ。
そう、岩城が本郷を誤射し殺害してしまったのである。
これを隠蔽したことで、岩城は罪の意識に苦しんでいたのだ。

春美と岩城は逮捕された。
こうして事件は解決し、江波は今日も奥多摩に立っている―――エンド。

<感想>

ドラマ版『駐在刑事』シリーズ第3弾。
第2弾から「奥多摩駐在刑事」にタイトル変更が施されています。
前作は過去にネタバレ批評(レビュー)してますね。

そんな原作は笹本稜平先生『尾根を渡る風 駐在刑事』(講談社刊)。
第1弾『駐在刑事』に続く「駐在刑事シリーズ」の第2作目です。
あらすじは次の通り。

<あらすじ>

捜査一課から駐在所長へ。奥多摩の自然と温かき人々が不遇の元刑事を変えていく……異色の「山岳+警察」小説!
「駐在刑事」ドラマ化決定! 「水曜ミステリー9」(テレビ東京系)にて

警視庁捜査一課の敏腕刑事だった江波淳史(えなみあつし)は、取り調べ中に容疑者が自殺したことで青梅警察署水根(みずね)駐在所所長へと左遷された。亡くなった女性への自責の念から、江波が望んだ異動でもあった。駐在所の仕事と暮らしにも馴れ、山歩きを趣味とする江波は徐々に自らを取り戻していく。ある日、御前山(ごぜんやま)でペットの犬がいなくなったという連絡があり、山に入った江波の見つけたトラバサミが山梨で起きた殺人事件とつながっていく――。

花曇りの朝
仙人の消息
冬の序章
尾根を渡る風
十年後のメール
(講談社公式HPより)


原作の「駐在刑事シリーズ」はこれまでに2作の既刊が存在している(第1弾が『駐在刑事』、第2弾が『尾根を渡る風 駐在刑事』)。

ちなみに、ドラマ版の主演である寺島さんは同じ笹本先生原作のドラマ版「越境捜査」にも出演されています。

ちなみにちなみに、同じ講談社からは「駐在刑事」繋がりで同様にドラマ化された濱嘉之先生『世田谷駐在刑事』もある。
さらに、奇しくもこちらの「駐在刑事」も2015年8月10日に第3弾が放送されています。

月曜ゴールデン「世田谷駐在刑事3 狙われた警察官 セレブな街の凶悪殺人 復讐するから金をくれ 男が忘れた過去の罪!!人生を狂わされた姉弟 悲しい歌声の真相は」(8月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)

さらにちなみにちなみに、同じ笹本稜平先生原作『所轄魂』(徳間書店刊)がテレビ朝日系にて2015年9月20日にドラマ放送予定。
こちらもお見逃しなく。

『所轄魂』(笹本稜平著、徳間書店刊)ネタバレ批評(レビュー)

では、そんなドラマ版の感想を!!

30年前の事件以来、何時の間にか岩城は春美の父親代わりになっていたんですね。
江波にとっては苦い結末になりました。

ちなみに「水曜ミステリー9」は2015年10月から「水曜エンタ」枠となるそうです。
それに伴い、実は本作こそが「水曜ミステリー9」枠での最後の作品(正確には異なることが判明。詳細は追記参照)となりました。
2015年9月23日は特番、同9月30日は松本清張原作ドラマ「共犯者」が放送予定とのこと。
ドラマ原作『共犯者』については過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。

『共犯者』(松本清張著、新潮社刊『共犯者』収録)ネタバレ書評(レビュー)

また「水曜エンタ」枠について詳しくはこちら。

【2015年10月】テレビ東京系列「水曜ミステリー9」が放送終了、「水曜エンタ」に改編とのこと。

2015年10月1日追記

「水曜エンタ」導入も「水曜ミステリー9」は2015年10月以降も続くことが判明しました。
その詳細については下記記事を参照のこと。

【2015年10月】「水曜ミステリー9」最後の作品は「奥多摩駐在刑事3」ではなかった!?其処には意外な真相が!!

追記終わり


◆関連過去記事
【笹本稜平先生著作関連】
「挑発 越境捜査2」(笹本稜平著、双葉社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『所轄魂』(笹本稜平著、徳間書店刊)ネタバレ批評(レビュー)

【駐在刑事シリーズ】
水曜ミステリー9「駐在刑事 奥多摩渓谷・殺意の夜想曲 偽装の転落死!?岩壁に残る謎の白い粉と青い羽根…罪を被って死んだ女の無念を晴らす元刑事の執念」(4月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「奥多摩駐在刑事2 山小屋に潜む未解決事件の真相を追え!遺留品に刻まれた謎の文字AとK!?3倍速で下山?驚愕の移動トリックを暴け!」(4月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【越境捜査シリーズ】
土曜ワイド劇場「越境捜査・警視庁vs神奈川県警、エリアの死角に消えた連続殺人犯!監視カメラには映らない暴走車…疑惑の警察ミステリー」(5月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

ドラマスペシャル「越境捜査 警視庁vs神奈川県警、暴走車を炎上させた空飛ぶ刑事!?あのキケンな2人が帰ってきた…本格警察ミステリー!!」(12月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

江波敦史:寺島 進
加倉井国広:北村有起哉
池原美也子:市毛良枝
岩城修一:中原丈雄
内田遼子:笛木優子
南村陽平:中尾明慶
三上秋彦:不破万作
金沢公之:梨本謙次郎
神木省吾:山田純大
神木春美:大路恵美
池原孝夫: 鈴之助
沢井真紀:小林星蘭
神木高志:遠藤 要
安本:斎藤洋介
タクシー運転手:ラッシャー板前 ほか
(公式HPより、敬称略)


ドラマ原作にしてシリーズ第2弾「尾根を渡る風 駐在刑事」です!!
尾根を渡る風 駐在刑事





こちらはキンドル版「尾根を渡る風 駐在刑事」です!!
尾根を渡る風 駐在刑事





シリーズ第1弾「駐在刑事 (講談社文庫)」です!!
駐在刑事 (講談社文庫)





「越境捜査3 破断」です!!
越境捜査3 破断





「越境捜査2 挑発」です!!
越境捜査2 挑発





前作「越境捜査」(ハードカバー版)です!!
越境捜査





同じく「越境捜査 (FUTABA・NOVELS)」です!!
越境捜査 (FUTABA・NOVELS)



【関連する記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック