ネタバレあります、注意!!
<2話あらすじ>
赤ちゃんを誘拐した犯人の岸田(淵上泰史)が、身代金の運び役に指名したのは須佐見医師(渡部篤郎)だった。だが指定された時刻を過ぎても、取引現場に岸田は現れない。捜査責任者の与那国(松下由樹)は非番の速水(黒木メイサ)を呼び出し、彼女の推理力に期待する。相棒の土橋(渡辺大知)と周辺捜査を続ける中、岸田を見つける速水。しかし、妊娠8か月の速水は思うように追いかけることができず、取り逃がしてしまう。
(公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
速水悠里:妊娠中の刑事。夫・浩介との間には彼の連れ子・悠介が居る。
近森優子:新、望の母親。
近森新:優子の長男。
近森望:優子の長女、誘拐被害者。
岸田裕也:トモの夫。
岸田トモ:岸田の妻。優子の赤ん坊を誘拐した。
崎山典彦:優子の担当医。不妊治療に新たな手法を持ち込もうとしている。
須佐見誠二郎:産婦人科の教授、崎山とは対立している様子。
〜〜〜前回のあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
近森優子が出産したばかりの娘・望が岸田夫妻に誘拐された。
岸田夫妻は長年の間、不妊治療を続けようやく子宝を授かっていた。
ところが、須佐見医師が担当した直後に流産していた。
これに対し感情的な行き違いから、岸田夫妻は望を誘拐したのである。
この捜査に妊娠中の速水悠里刑事が加わることに。
何やら病院側の様子を不審に思いながらも捜査を続ける悠里であったが、追い詰められた岸田夫妻は優子に身代金を要求する。
・「デザイナーベイビー」1話「ノゾミ」(9月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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岸田の要求に伴い、身代金の受け渡しが行われることとなった。
ところが、岸田は受渡し場所から逃走。
これを追う悠里であったが、包囲された岸田は橋から身投げしてしまう。
手掛かりを失い呆然とする悠里たちだが……。
その夜、悠里は崎山からトモの出産について話を聞く。
本来、トモの出産は些か危険が伴うものの不可能ではなかった。
特に須佐見の技術ならば容易にクリア出来たものらしい。
ところが、須佐見が施術した結果、流産に繋がったのである。
これに疑惑を差し挟む崎山であったが……。
そんな中、泣き続ける赤ん坊に精神的な負荷を覚えたトモが城南大学病院へ電話を入れて来た。
「あんなことをしたからバチが当たった」
赤ん坊の泣き声を背景に叫ぶトモ。
そんなトモを悠里が安心させるべく話しかける。
同時に、逆探知によりトモの潜伏先を突き止めた捜査官たちは急行する。
こうしてトモは未成年略取誘拐の現行犯で逮捕された。
赤ん坊は保護され、事件は解決したかに思われたが……。
保護された赤ん坊を抱き上げた優子は泣き叫び出す。
「私の子はこの子じゃない!!」と―――3話へ続く。
<感想>
ドラマ原作は岡井崇先生による同名作品。
過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。
とはいえ、ドラマ版はほぼオリジナル展開を見せています。
・『デザイナーベイビー』(岡井崇著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)
タイトルにもなっている「デザイナーベイビー」の意味は「生まれて来る前に遺伝子に調整を施し両親が望む子供を手に入れる方法」のこと。
此処での調整は「健康」であったり「身体能力の向上」であったりします。
この方法ならば両親が望む子供が得られることに。
この手法は既にSF世界やアニメなどでは一般的となっており、例えば森岡浩之先生「星界シリーズ」(早川書房刊)に登場するアーヴや「機動戦士ガンダムSEED」のコーディネーターなどが挙げられます。
・「機動戦士ガンダムSEED」(2002年、日本)
・ディスティニープラン発動!!
ちなみに出産を取り扱ったサスペンス系ドラマでは同じNHK系火曜22時枠にて海堂尊先生原作ドラマ「マドンナ・ヴェルデ」も放送されています。
・『マドンナ・ヴェルデ』(海堂尊著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・NHKドラマ10「マドンナ・ヴェルデ」第1話(第1回)「希望の卵」(4月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)
では、ドラマ版2話の感想を。
まさかまさかの急展開でしたね。
優子が敢えて虚偽の事実を述べている可能性もありますが、次回予告を目にした限りでは「DNA鑑定上、保護された赤ん坊は近森夫妻の子供ではない」様子。
この謎について、とりあえず2話時点では「望は確かに優子から生まれたが、そもそも受精卵を着床させた段階で別の両親の受精卵に摩り替えられており近森と優子の子供では無かった」なのではないかと推理中。
この仮説について順を追って説明して行きましょう。
「保護された赤ん坊がDNA情報の上で近森夫妻と異なるパターン」はいろいろ考えられます。
まず「本当に優子が生んだ子供を誘拐したのはトモだったのか」がポイント。
これが事実か否かで次の展開が変わって来る。
これを事実だと仮定すれば、次に考えられる可能性は2つ。
1.そもそも誘拐された時点から赤ん坊は優子たちの子供では無かった。
2.誘拐後、保護されるまでの間に摩り替えが行われた。
1の場合、考えられるのは「優子が確かに赤ん坊を出産したが、保護された赤ん坊は遺伝子上では彼女の子供ではない」パターン。
此の場合も次の2つの仮説が考えられる。
1つ目、優子の子供は死産であった為に何者かが別の赤ん坊を用意した。
2つ目、そもそも受精卵を着床させた段階で別の受精卵に摩り替えられており近森と優子の子供では無かった。
これはいずれも「城南病院側に立つ崎山」あるいは「城南病院側に反発する須佐見」の犯行が考えられる。
2話により、須佐見が故意にトモの子供を流産させた可能性も浮上している。
トモの子供も崎山らが介入して出来た子供らしい。
だとすれば、須佐見は崎山たちの行動に対し反発しているのではないか。
須佐見は生まれて来る赤ん坊を遺伝子調整することに抵抗を抱いているのだろう。
だから、遺伝子調整された子供が世に出ないように動いているのではないか。
これに対し、崎山は海外に売り込むべく確かな成果を欲している。
つまり、摩り替えは「成功例を欲した崎山らによるもの」とも考えられるし、逆に「崎山らのやり方を妨害しようとする須佐見によるもの」とも考えられる。
いずれにしろ、これでDNA鑑定の結果が異なる点はクリア出来る。
次いで「2 誘拐後、保護されるまでの間に摩り替えが行われた」の場合だが、これは些か苦しい。
誘拐後は岸田とトモが四六時中、赤ん坊と共に居た筈で摩り替えは不可能と思われる。
とはいえ、これを何らかの方法でクリアした可能性もゼロでは無い。
仮に望を摩り替えたとすればトモたちの潜伏先を突き止めていた院長の息子・峠則孝が疑わしいだろう。
では、「優子の子供を誘拐したのがトモではない」とすればどうなるか。
例えば「城南病院にて同日に2人の赤ん坊が誘拐され、一方の誘拐は発覚しているがもう一方が発覚していない」場合。
つまり、優子が被害者でありトモが加害者と思われているが、もう1組別の被害者と加害者が居たパターンだ。
これならば、トモが誘拐した赤ん坊は別の被害者の子供だから保護された子供がDNA上で優子たちと異なっても当然となる。
ただ、個人的にはこちらはほぼ無いと思っている。
というワケで、2話時点では「望は確かに優子から生まれたが、そもそも受精卵を着床させた段階で別の両親の受精卵に摩り替えられており近森と優子の子供では無かった」のではないかと考える。
この仮説がもっとも原作に近い形になっているのも大きい(原作でもある人物のDNA鑑定結果により驚愕の事実が判明する)。
ただ、これだと優子の台詞に反する点(本当に赤ん坊を見分けているのだとすれば誘拐前後でも同じ子供の筈)があるのが難なのだが……。
果たして、管理人の推理は正しいのか!?
答えは3話にある……筈!!
そして、もう1つ。
望が優子にとって新のスペアとして用意された存在ではないかとの疑惑もある。
これは「新」が何か病気を患っており「望」がその臓器のドナーとして生まれた存在であることを指すのかも……。
果たして、こちらも如何に!?
さらに、悠里と夫の連れ子・悠介の関係。
望誘拐事件を通じ、生さぬ仲から悠里のお腹の子供も含めて家族を構築する様子を描くのではないかと思われる以上、此処もポイントでしょう。
それにしても、どうして名前に同じ「悠」が入っているのでしょうか……これも意味があるのか。
3話にも注目ですね!!
◆関連過去記事
・『デザイナーベイビー』(岡井崇著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「デザイナーベイビー」1話「ノゾミ」(9月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・『マドンナ・ヴェルデ』(海堂尊著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・NHKドラマ10「マドンナ・ヴェルデ」第1話(第1回)「希望の卵」(4月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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