ネタバレあります、注意!!
<21話あらすじ>
四国にやってきたマイケルたち。旅の目的は香川名物の「うどん」…ではなく日本の調味料の代名詞ともいえる「しょうゆ」だった。立派な武家屋敷の老舗しょうゆ蔵で一家を出迎えてくれたのは、武士の末えいだという男。こだわりの製法や新商品の説明をしていたが…。
(公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)
瀬戸大橋を渡ったマイケル、リスン、アスガー、エミルたち、向かった先は香川県だ。
其処は「うどん」の国である、立ち並ぶのは「うどん」店の数々。
此処で「うどん」について説明しよう!!
「うどん」とは小麦粉にうどん粉を練って混ぜ……って、ちょ〜〜〜っと待った!!
実は今回のテーマはうどんではないのだ。
では、何かと言うと……「醤油」なのだ!!
「醤油」とは大豆、小麦、塩、麹箘などを用いて作られる調味料である。
マイケルによればルイ14世の隠し味にも用いられたとまで噂されているらしい。
また、醤油蔵は日本国内でワイナリーの如く存在し、1500軒もあるのだそうだ。
そして今回、マイケルたちが取材に訪れた醤油蔵はもともとは武家屋敷で300年の歴史があるらしい。
しかも、侍の末裔が経営しているのだ。
強面の侍を思い浮かべ緊張するアスガー。
ところが……。
「いらっしゃ〜〜〜い!!」
出迎えたのは緊張感を感じさせない当主の幸田菊之進であった。
強面よりもどちらかと言えば中性的な雰囲気の持ち主である。
拍子抜けするアスガーをよそに幸田は説明を開始する。
醤油には薄口と濃口があり、関西では薄口、関東では濃口が人気らしい。
また、幸田の醤油蔵では1本1万円の「侍プレミアム」が自信作なのだそうだ。
麹造りこそ醤油の要と語り、醸造蔵を「生きている」と評する幸田。
蔵内の微生物が働きかけることで味の深い醤油が出来るようだ。
その為に200年も前の樽を今も使用しているのだ。
これに驚くマイケル。
とはいえ、幸田によれば「伝統を重視しつつ、ぐいぐい攻めても居る」らしい。
その1つがアイスクリームに合う醤油であった。
これにはアスガーもエミルも大満足だ!!
柔和な幸田に「侍には見えない」と断言するアスガーであったが。
一般の見物客の横を通り過ぎた幸田の顔色が一瞬で変化する。
それはアスガーの想像した侍そのもの。
侍モードとなった幸田は見物客の1人に近付くと鞄を強引に奪い取る。
その中には厳重に梱包されてはいたが納豆が入っていた。
納豆菌は麹菌よりも強い。
もしも、蔵内に持ち込まれれば醤油への影響は免れない。
どうやら、商売敵が紛れ込んでいたようだ。
「醤油作りは戦」と宣言する幸田にアスガーは侍の姿を見た。
その後、幸田から「侍プレミアム」を美味しく食べる方法として卵かけごはんを勧められたマイケル。
生卵は苦手と逃げ出そうとするのだが、侍モードの幸田に押し切られ口にすることに。
すると……マイケルはあまりの美味しさに宙を舞う!!
気付けばマイケルは1万円する「侍プレミアム」を2本も購入していた。
幸田は侍の血を引いた凄腕の商人だったのである―――エンド。
<感想>
原作はマイケル・ブース著『英国一家、日本を食べる』と『英国一家、ますます日本を食べる』(共に亜紀書房刊)。
NHKさんにて毎週木曜日0時40分から1時まで放送中、全24話予定。
前半はマイケル一家を中心としたカートゥーンパート、後半はトシ視点のドキュメンタリーパートからなる。
この21話のテーマは「醤油」について。
そんな今回ですが、具体的にはカートゥーンパートでは「300年続く醤油蔵」を中心に、実写パートでは「醤油の意外な使い方として煎餅」が取り上げられました。
まずはカートゥーンパート。
エミルの「うどん」連呼がキュート!!
あれ、最後までやって欲しかったなぁ。
さらに「TKG」も登場、美味しそうでした!!
幸田自身のギャップもなかなかに良かった。
そして実写パート。
米に醤油と言えば「醤油煎餅」ということで新潟市にある煎餅工場が取り上げられました。
この工場では1日3000リットルも醤油が消費。
担当の村田さんの案内で工場内へと向かいますが「埃取り」に「エアシャワー」に「複数の扉」と安全管理に余念がない。
そして入った工場内では「伸ばした生地を半月状にする煎餅」が生産中。
この煎餅は1秒間に1500粒も生産されるのだそうで、出来上がったのは「柿の種」でした。
また「新潟」にあって「柿の種」と「まがりせんべい」なので工場は「亀田製菓」のもののようです。
ちなみに本作「英国一家、日本を食べる」の旨味も此の点にあるような気がします。
「カートゥーンパート」と「実写パート」とのギャップが肝要なのです。
これにより深い味わいの作品が出来上がる。
この「素材を活かすこと」が視聴者の心を動かすのでしょう……面白いワケです。
次回も楽しみな作品です。
◆関連過去記事
・「英国一家、日本を食べる」1話「新宿・思い出横丁」(4月16日)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」2話「最高の天ぷら」(4月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」3話「日本料理の神髄」(4月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」4話「力士サイズになる料理」(5月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」5話「第五の味覚」(5月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」6話「世界一硬い魚」(5月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」7話「魚屋の魚屋」(5月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」8話「本物のワサビ」(6月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」9話「道具の楽園かっぱ橋」(6月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」10話「箸の流儀」(6月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」11話「カニ、カニ、北海道」(6月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」12話「北の海藻キング」(7月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」13話「ラーメンキング」(7月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」14話「京の魔法・豆腐」(7月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」15話「KAISEKI」(8月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」16話「日本酒の危機」(8月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」17話「すしの源に」(9月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」18話「世界最速のファストフード・大阪」(9月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」19話「発酵マニアがつくるミソ」(9月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「英国一家、日本を食べる」20話「マイケルの妄想」(10月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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