2015年11月23日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第101話「第27回探偵推理会議」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年12月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第101話「第27回探偵推理会議」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2015年12月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

黒津:17回転職を繰り返しているフリーター。
山田:有名マジシャン。
一番弟子:山田の一番弟子。
二番弟子:山田の二番弟子。

<101話あらすじ>

黒津は17回転職を繰り返しているフリーター。
これまで誰にも認められなかったが何時か誰かに認められる筈と信じて生きている。

そんな黒津のもとに1通の手紙が届いた。
中身は「第27回探偵推理会議」の招待状、もしも謎を解き明かせれば100万円と記載されていた。
これぞチャンスと考えた黒津は一も二も無く参加することに。

一方、同じ招待状は森羅のもとにも届いていた。
賞金に釣られた森羅と立樹もまた参加することとなった。

「第27回探偵推理会議」当日、一同に会した参加者たち。
もちろん、その中には黒津や森羅たちも居る。

そんな中、仮面で顔を隠した主催者から出題が開始される。
主催者によれば実在の事件をもとにした問題らしい。

被害者は有名マジシャンの山田。
彼には娘と2人の弟子が居た。

山田は近頃になって引退を考えるようになり、その名跡を2人の弟子のいずれかに継がせようとしていた。
冷静ながらも大胆さに欠ける一番弟子、大胆ながらも冷静さに欠ける二番弟子だ。
弟子たちも互いが後継者であると主張し譲らない状態であった。
だが、山田の後継者はどちらか1人なのである。

そんなある日、山田は最後の公演を迎えた。
それは水中脱出のマジックだ。
山田が逆さ吊りの状態で水槽に入り、天井に据えられた照明の中から脱出するのだ。

山田は娘に対し最後の公演の前に後継者を明かすと打ち明けていた。
ところが、その日は何も口にせず二番弟子の手で静かに水槽へと入った。

いざ、公演が開始されたのだが山田の様子がおかしい。
見れば照明が明滅している。
確認したところ、山田は既に絶命していた。
照明が漏電しており感電死したものと思われた。

此の間、傍に居たのは一番弟子。
二番弟子は買い出しに出かけており、不在であった。
一番弟子には犯行機会があるが、二番弟子には完璧なアリバイがある。

さて、山田の死は自殺か他殺か?
他殺ならば誰が彼を殺したのか?

この問いに参加者たちが挑むことに。

参加者たちは様々な推理を述べて行く。
その中で、黒津は一貫して一番弟子の犯行を主張し続けた。
何しろ、犯行可能なのは彼なのだから。

ところが、此処で森羅が語り出す。
彼はこれまでの内容から犯人を突き止めたらしい。
そして、この会議の本当の意図も。

まず、山田の死は自殺か他殺か。
これは山田がマジシャンであったことを考えれば自殺はあり得ない。
わざわざ最後の公演中を選ぶ筈が無いからだ。
何しろ、失敗したと疑われてしまう。

同時に事故もあり得ない。
最後の公演ならば管理はしっかりしていただろう。

残るは他殺だ。
確かに犯行可能なのは一番弟子だ。
だが、気になるのは山田が娘に伝えていた公演前の後継者指名を行わなかったことだ。

そもそも、指名を行えなかったとしたら!?
すなわち、その時点で既に山田が殺害されていたとしたら!?
犯行が可能なのは、山田を水槽に運んだ二番弟子しか居なくなる。

そして、森羅は二番弟子の名を明かす。
すなわち、黒津である。

黒津は会議中、一番弟子の犯行に固執した。
何故か?
簡単だ、彼は自身の犯行を暴きたくなかったのだ。

そもそも、この会議の真の目的な黒津の犯行を参加者たちに証明させることにあった。
指摘を受けた主催者が仮面を取ると出て来たのは……山田の娘であった。
さらに、参加者の1人こそが一番弟子であると分かる。

犯行を暴かれた黒津は「あいつが後継者に指名しないから!!」と動機を語り出した。
ところが、これは一番弟子に否定されてしまう。

山田は黒津を後継者に選ぶつもりだったのだ。
何でも若い頃の山田に黒津が似ていたらしい。
しかし、黒津はそんな山田の真意を知らず早合点して殺害してしまったのである。

「そんな、そんな……そんなぁぁぁぁぁぁぁ」
真実を知った黒津が叫ぶ―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン」2015年12月号掲載「101話 第27回探偵推理会議」です。

今回は「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」100話「動き回る死体」や「Q.E.D.証明終了iff」4話「三人の刺客」に続き特別企画「あなたを殺します。」が行われました。
この「あなたを殺します。」は応募者の中から抽選で「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」や「Q.E.D.証明終了iff」作品中に登場する権利が得られる企画。
詳しくは下記記事をご覧ください。

【2015年】あなたが「Q.E.D.iff ―証明終了―」と「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」に登場する!?記念イベントに参加せよ!!

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では、今回の内容について。

何時か誰かに認めさせたいと願っていた黒津。
しかし、既に彼は認められていた。
そして、そんな認めてくれていた相手を殺してしまった。
なかなかに衝撃的です。

きっと、これまでにも黒津を認めた相手は居た。
にも関わらず、黒津がそれを見ようともせず否定してしまった。
結局、黒津は自身が認められようとすることに執着する余り、相手の気持ちを推し量ることを忘れてしまったのでしょう。

「自身が相手に認められる為には、自身も相手を認める必要がある」と言ったところでしょうか。

それにしても、冒頭で語られた黒津の17回の転職の中に山田の二番弟子もあったとの展開もサプライズでした。

とはいえ、探偵役が森羅であることは読者ならば既に承知のこと。
これが黒津を主人公と思わせておいての仕掛けならば……と思うとかなり惜しい。
きっと、相当なサプライズだっただろうに。
むしろ、読切で行うべきストーリーだったかも。
あるいは読切と思わせておいて、最後の最後に森羅がゲストで登場し探偵役を担うとか。

かなり楽しめただけに此の点が惜しい。
次回にも期待!!

ちなみに、あらすじでは良さを伝え切れてません。
本作自体を読むべし!!

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