2015年10月21日

「相棒season14」第2話「或る相棒の死」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season14」第2話「或る相棒の死」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season14」第2話「或る相棒の死」(10月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

<ネタバレあらすじ>

霧が立ち込める森の中を眼鏡をかけた男性が踏み込んで行く。
男性は一本の木の前に立つと何やらロープを手に取った。
そしておもむろにロープを木に吊るし始めた。
この奇妙な行動の主、その正体はなんと冠城(反町隆史)であった。
何故、冠城が眼鏡を着用しているのか……それにはある秘密が!?

同じ頃、右京(水谷豊)は甲斐峯秋(石坂浩二)と大河内(神保悟志)に呼び出されていた。
大河内によれば冠城が上位のアクセス権限を求めて来て対処に困っているらしい。
大河内は冠城を警戒しているようだ。
右京はそれに答えずはぐらかしてしまう。
峯秋はと言えば、そんな右京を「君らしい」と笑いつつお茶を奨める。
ところが……。

「カフェインは1杯分と決まっていますので」
右京はにべもなく断ってしまう。
流石に憮然とする峯秋だが、右京は気にせずに退出してしまう。
何しろ、この後に右京はスリランカの良質なセカンドフラッシュの茶葉を飲むつもりなのだ。

数時間後、特命係では冠城が角田課長たちにコーヒーを振る舞っていた。
どうやら、冠城はコーヒーに拘りがあるらしい。
ドリップコーヒーについて熱く語りだす冠城、其処へ右京が戻って来た。
右京は冠城の靴に付着していた土に目を留めると「おや?」と片眉を上げる。
その反応に驚いたのか「公園の土ですよ」と慌てて口にする冠城。
だが、右京はそれを信用せず密かにこれを採取する。

早速、米沢に土の鑑定を依頼した右京。
すると、その土は公園の物とは似ても似つかぬことが分かった。
嘘を吐かれたと察した右京は何やら調べ始める。

その夜、冠城はフルフェイスのヘルメットを被った2人組の男から襲撃を受ける。
冠城の様子に不審を抱き尾行していた右京が助けに入り、冠城は命拾いすることに。

事情を尋ねる右京に冠城はある人物を引き合わせる。
やって来たのは埼玉中央署捜査一課・早田刑事(宅間孝行)と千原麻衣なる女子学生。
麻衣は元刑事でフリージャーナリストに転身した千原順司(関戸将志)の娘、早田は千原の元相棒であった。

実は、当の千原が不審な死を遂げていたのだ。
これを担当した埼玉中央署が自殺と処理してしまったらしい。
麻衣によれば順司と漫画家・山猫先生と引き合わせて貰える約束をした矢先の出来事。
到底、自殺は考えられないと言う。

冠城と千原は中学の同級生、冠城は千原にある借りがあった。
其処で冠城が密かに調べていたのである。
麻衣によると、早田と冠城は千原の信頼する人物なのだそうだ。

冠城は千原の遺品となった手帳を所持していた。
どうも、襲撃犯の狙いはこの手帳だったようである。
手帳の中には数字が羅列されていた。

右京は手帳を解読するべく冠城から取り上げてしまう。
一方で、早田が所持する万年筆に興味を示し始めた。
それは千原と早田が事件解決し本部長賞を貰った記念だそうだ。
その万年筆には女性らしき名が刻まれていた。

千原の遺体発見現場へ向かった右京たち。
其処は冠城が立ち行っていた森の中であった。
冠城は遺体発見現場を独自に調べていたのである。

千原は森の中にあった大木で首を吊っていたのだそうだ。
また、千原の頭部には損傷があり、縊死時にロープをかけた枝が折れて出来た物とされていた。
だが、折れたとされる断面を右京が見たところ、切断面が綺麗過ぎることに気付いた。
どうも「頭部の損傷が折れた木によるもの」との所見は偽装のようだ。

続いて、千原の死を担当した埼玉中央署の刑事に話を聞くことに。
すると、署長の浦上は警視庁副総監・坂之上の名を出し牽制する。
どうやら調べられては困ることがあるようだ。

担当刑事の2人組・松木と清水に話を聞いた右京。
会話の中に「ごーえい」、「ものいか」と出たことに興味を抱く。
担当によれば「ごーえい」は「えいごー」、「ものいか」は「いかもの」のことらしい。
つまり、「えいごー」は「前歴照会」、「いかもの」は「前歴者」を指すことになる。

此処から右京は千原の手帳に書かれた数字が暗号となっていることに気付く。
数字はアルファベットと50音を示していたのだ。
解読したところ、先の言葉以外にも「たいじら」こと「じらたい(自動車警邏隊)」や「ふらてん」こと「てんぷら」などの言葉が浮かんで来た。

どうやら、部署名と個人名、担当案件と協力者への謝礼金が記されたメモのようだ。
さらに謝礼金のキックバックについても触れられていた。
埼玉中央署では領収書の残らない謝礼金で裏金を作っていたのだ。
右京は手帳はあくまでメモに過ぎず、より詳細なデータが何処かにある筈と見込む。

その頃、峯秋に坂之上が声をかけていた。
坂之上は峯秋を侮る様子を見せるが……。

右京と冠城は千原宅を調べることに。
PCにはロックがかかっており、中身は確認出来ない。
さらにプレゼント用に包装された箱を見つける右京、中身は大人用のアンクレットであった。

千原が風俗店に出入りしていたことを知った右京は、このアンクレットが千原が通い詰めていた店の従業員への贈り物だと突き止める。
従業員によれば、千原はかなりの上客だったのだそうだが……。
冠城は千原の行動に幻滅しショックを受けてしまう。

右京はそんな冠城の様子をしげしげと観察。
特命係に戻っても、彼が鞄を置いて立ち去ったことを確認するや何処かへ連絡を入れる。

連絡相手は大河内であった。
右京は冠城が埼玉中央署の不正疑惑を調べていることを教える。
さらに、冠城の鞄に目をやりつつ「彼は帰宅しました」と告げ、自身もその場を去ることに。
残された大河内の目は自然と冠城の鞄へ……。

同じ頃、冠城は早田と密会していた。
其処に麻衣から助けを求める電話が入った。
どうやら、例の2人組に狙われているらしい。
結局、特に何事もなく麻衣は帰宅出来たようだが……。

一方、右京は千原宅のPCに挑み、ロック解除し中身を確認することに成功していた。

その夜、早田と共に歩いていた冠城。
其処へ例のフルフェイス2人組が立ちはだかる。
これに「うちの署の者か?」と問いかける早田、2人組は頷くとある取引を持ちかける。

特命係に戻った右京は冠城の鞄が消えて居ることに気付いた。
角田に確認したところ、戻って来た冠城が持って行ったらしい。
何やら頷く右京に、米沢が鑑定結果を告げにやって来る。

数時間後、当の冠城は早田と共に浦上たちと密会していた。
例のフルフェイス2人組の正体は松木と清水だったのだ、浦上の命令で動いていたらしい。
浦上はまたも坂之上の名を出すと「悪いようにはしないから」と捜査から手を引くように持ちかける。

だが、これを聞いていた冠城が突然笑い出した。
冠城は所持していた鞄をかざす。
其処には盗聴器が仕掛けられていた。
右京の連絡を受けた大河内が仕掛けた物だ。

同時に、右京が大河内や伊丹たちを連れ、その場へ乱入する。
動揺する浦上を告発する大河内、さらに松木や清水は傷害罪で逮捕されることに。
これに松木たちは「証拠がない」と訴えるが……。

証拠は存在していた。
それこそ冠城が着用していた眼鏡だ。
なんと眼鏡には録音機能が備わっていたのだ、音声データは冠城襲撃の動かぬ証拠である。

追い込まれた浦上は何度となく坂之上の名を口にするが、右京たちには無意味であった。
しかし、まだ告発すべき相手が残されていたのである。

右京は早田の万年筆に刻まれた名前について触れる。
そして、千原の万年筆にも名前が刻まれていたことを明かした。

それぞれの万年筆に刻まれた名は「岩崎玲奈」と「白石綾子」。
それは千原と早田が本部長賞を受賞した際の連続殺人事件の被害者である。
早期解決出来なかったことで被害者となってしまった2人を悼んだものであった。
この名前が千原が使用していたパソコンのIDとパスワードに使用されていたのだ。

中身を確認した右京だが、裏金のデータは既に消去されていた。
千原殺害犯が消去したのだろう。

さて、此処で問題がある。
IDとパスワードに気付きうる人物はたった1人。
千原と共に名前を刻んだ早田しか居ない。
すなわち、千原殺害犯は早田だったのだ。

逮捕された早田は千原殺害の真相を語り出した。

千原が退職した理由は早田が先に昇進した為であった。
だが、退職したは良いがフリージャーナリストとしても行き詰まりを覚えていた。
其処で古巣の不正を追及し金に変えることにしたのだ。
千原は元上司や同僚を恐喝していたのだ。
其処で、浦上らに請われた元相棒の早田が交渉に及んだ。
だが、決裂し殺害してしまったのだ。

元相棒を殺害してしまった早田。
千原については後悔しておらず「上司の命令でたまたま組まされていただけ」と述べる。

冠城は麻衣にすべてを包み隠さず打ち明けた。
もちろん、千原の本当の姿も含めてである。
これに「ありがとうございます」と礼を述べる麻衣。

その翌日、峯秋と大河内に招かれた右京と冠城。
峯秋は冠城にお茶を奨めるが……またも「1日に摂取出来るカフェインはコーヒー1杯分なので」と断られてしまう。

「僕の出したコーヒーを飲まなかったのは君で2人目だ」と苦笑いする峯秋。
「誰の事か分かりますけどね」と右京を眺めつつ肩を竦める冠城。

右京と冠城が退出し、残された峯秋と大河内。
大河内は坂之上が失脚したことを口にしつつ「あの2人を利用したんですか?」と問う。
これに静かに微笑む峯秋。

一方、退出した右京と冠城。
右京は冠城に「千原への借り」について尋ねてみた。
冠城は昔を懐かしみつつ事情を明かす。

中学時代、冠城はお洩らしをしてしまったが千原がこれを見逃したのだ。
冠城は「自分にとって良い人間でも他人にとっては酷い人間であることもある」と寂しそうに振り返る。

そんな冠城に「最初から利用するつもりだったんですか?」と重ねる右京。

眼鏡、靴についた土、鞄まで全て冠城の狙い通りだったのだそうだ。
冠城は直接相手に伝えることなく、それとなく手掛かりを出すことで右京の介入を誘導したのである。
冠城は右京を試したのだ。

「相棒を逮捕した男」と右京を呼ぶ冠城。
「スリランカの良質なセカンドフラッシュの茶葉を飲まなければ」と呟く右京。

其処には奇妙な信頼関係が生じつつあるのかもしれない―――2話了。

<感想>

シーズン14第2話。
脚本は真野勝成さん。

サブタイトルは「或る相棒の死」。
主に冠城版「裏切者(season5の15話)」で、この一部に「ライフライン(season10の4話)」が加えられたとの印象。
テーマ的には「相棒関係」が扱われており「右京と冠城」、「千原と早田」2組の相棒を対比していましたね。

まずは、急造相棒である右京と冠城。
こちらは結成期間も短くかなり歪な相棒ではありますが、奇妙な信頼関係がある。
冠城は右京の正義と能力を評価し、右京もまた冠城の正義と能力を評価している。
だからこそ、冠城は右京へ手掛かりを残した。
右京もまた冠城の真意に薄々気付きつつも、それに応えた。
油断ならない相棒関係と言えるでしょう。

一方、千原と早田。
こちらは長きに渡る相棒ながら信頼関係を喪失し憎悪に彩られていました。
結果、いがみ合い殺人にまで発展することに。
過去には共に手柄を分かち合い、共に万年筆に名を刻む間柄だったにも関わらず。
そう言えば、千原は自身が使用するPCのIDとパスを悔しい想いをした事件の被害者の名を使うほどの男だったのにその過去の苦汁を共にした仲間たち相手に恐喝者になってしまったのか……。

それ以外にも右京と冠城自体の対比も行われていましたね。
例えば、分かり易いところだと「紅茶とコーヒー」。
一方で、峯秋のお茶を共に断ったように共通点もある。
同時に峯秋にとって2人が共に危険人物であることも示していました。

とはいえ、当の峯秋も健在。
曲者ぶりを強調されていましたね。
きっと、峯秋からお茶を出された人々は「テストされている」と戦々恐々するのでしょう。

それにしても、今回はいろいろと想定外の展開でした。

まず「浦上たちの不正が殺害動機と思わせて、早田の個人的な事情による犯行」だとばかり思っていました。
てっきり、万年筆の女性の名前で痴情のもつれが犯行動機だと。
でもって、フルフェイスの2人を利用して浦上たちへ容疑を向けて攪乱しているのだと。
何しろ、フルフェイスの2人はわざわざ麻衣を脅してるし、冠城の前で刑事であることを暴露していたし。
あれもこれも早田の誘導だと終盤まで疑っていませんでした。

それと冠城の鞄の件は「冠城が仕掛けた罠で中にビデオカメラが仕掛けられており覗こうとした人物を撮影している」だと思ってました。
冠城は「それにより信頼出来る人間を見極めようとしているのだ」とばかり。
だから「これを看破した右京は大河内を使って確認しようとした」的なオチで「油断ならない相棒間の信頼」を表現すると思ってたんだけどなぁ……これまた想定外。

前回の「右京=鬼、冠城=仏」に続き「右京=紅茶、冠城=コーヒー」と印象的な対比が続いています。
少しずつ定着しつつある冠城、次回にも期待です!!

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