2015年12月04日

『アルゴリズム・キル』6話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年11月号』掲載)

『アルゴリズム・キル』6話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年11月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

私は今、県警本部の捜査に必要とされていない――大人気警察小説シリーズ、再始動!
(光文社公式HPより)


<感想>

遂にクロハシリーズ最新作が『小説宝石 2015年6月号』より連載開始されました。
そのタイトルは『アルゴリズム・キル』。
『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』に続く長編です。

『アルゴリズム・キル』、直訳すると「殺しの手法(解法)」か。
なかなかに意味深長。

そして、『プラ・バロック』では姉と、『エコイック・メモリ』では姉の忘れ形見・アイと、それぞれ形は違えど大切な存在と離れることとなったクロハ。
そんな彼女はそのショックの後遺症から所轄署の警務係に異動。
此の状態で埋もれることも考えていたクロハ。
だが、周囲はともかく事件が彼女を捨て置かなかった。
またも、事件と関わることに。

今回はそんな『アルゴリズム・キル』の第6話。

クロハ自身への監視騒動が持ち上がる一方で会計課員のニシが狙撃されることに。
どうやらクロハの上司を含め上層部に闇が蔓延っており、これと対抗して行くことになりそうか。
クロハがニシから託されようとした品がポイントになりそうです。

上記展開により物語は大きく4つの軸で進行中。

1.イマイが探している「戸籍の無い少年」。
2.クロハが遭遇したイベント会場での女性殺害事件(「Kiru」はこちらに関係しているらしい)。
3.何者かに監視されるクロハ。
4.ニシが告発しようとしている不正。

どうやら、2の犯人である「Kiru」は1の少年たちである様子。
また、此処に来て3と4が重なり合う。

そして、クロハが思い起こすのはアイのこと。
アイは実父のもとですくすくと育っているようです。
これも本編の関わって来るのか?
だとすれば、クロハとアイが再び共に生活する日もやって来るのか?
次話も注目です!!

ちなみに、ネタバレあらすじはかなり改変を加えているので注意!!
あらすじを読んで興味を持たれたら本作にチャレンジすべし!!

<ネタバレあらすじ>

◆前回までのあらすじ

『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』と2つの事件により所轄署の警務課へ異動となったクロハ。
続けて大切な者を失ったことで半ば自暴自棄の状態であった。

矢先、イベントの警護に駆り出されたクロハは女性の遺体を発見する。
その遺体は激しい暴行を加えられ、全ての歯を折られた無惨なものであった。
とはいえ、クロハが捜査に携わることは無い―――少なくとも此の時点ではその筈であった。

そんなある日、警務課に出動要請がもたらされた。
児童相談所から児童虐待の現場に同行する人手を出すように依頼されたのだ。
これに応じたクロハは区役所職員のイマイと出会う。

保護対象は「戸籍上存在が確認されていながらも実社会で存在が確認出来ない児童」であった。
イマイと連携し無事に虐待児童と見られる少年を保護したクロハ。

その数日後、イマイから今度は「戸籍上存在が確認出来ないが実社会で存在が確認出来ている児童」の保護を求められる。
クロハは微力ながら児童の保護を約束することに。

一方、シイナから「バーチャル陣取りゲーム」こと「侵×抗」に関与している「Kiru」なる人物の情報がもたらされた。
どうやら、その人物には事件関係者の疑いが……。

・前回はこちら。
『アルゴリズム・キル』5話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年10月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

◆6話あらすじ

区役所職員であるイマイから「戸籍上存在が確認出来ないが実社会で存在が確認出来ている児童」の保護について協力を求められ、これを約束したクロハ。
ところが、当の少年は既に交通事故死していたことが判明。

調べたところ、死亡した少年にはもう1人仲間が居たことが明らかに。
どうやら、1人がもう1人を謀殺したようだが……。

さらに調べたところ、少年たちが未成年者により構成されたグループに所属していたらしいことも分かる。
その行動範囲は奇しくも「侵×抗」の「Kiru」と同じであった。
此処からはクロハは少年たちが「Kiru」ではないかと疑いを抱く。

並行して、何者かの視線を感じるようになるクロハ。
それもその筈、クロハは何者かから監視を受けていた。

そんなクロハに会計課員のニシが接触を図る。
さらに、ニシはクロハに「正義を行う為に必要なある品」を託そうとする。
それはクロハを監視する者達を怯えさせる品らしい。

直後、ニシが何者かから狙撃を受ける。
狼狽するクロハに監視者が接近し犯人を捕まえるように指示する。
何故かその声に反発出来なかったクロハは襲撃者を追い発砲する―――7話に続く。

◆関連過去記事
『アルゴリズム・キル』1話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年6月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』2話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年7月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』3話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年8月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』5話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年10月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『プラ・バロック』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『エコイック・メモリ』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

ドラマスペシャル「クロハ 機捜の女性捜査官 連続殺人と集団自殺…2つの捜査本部8日間の激闘!!悪意に立ち向かう家族の絆!!真相にたどり着いた女刑事が交わす涙の約束とは!?冒頭20分…この中に犯人がいる」(2月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

6話が掲載された「小説宝石 2015年 11 月号 [雑誌]」です!!
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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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