<あらすじ>
元刑事の沢田耕作(小林稔侍)は10年前のある出来事により、今は駐在所警部として日々、奥軽井沢を守っている。飼い犬のピースは、事件が起き要請があると、耕作と共に出動する長野県警の嘱託警察犬だ。
ある日、耕作の妻・美紀子(中田喜子)が川辺を歩いていると、一緒にいたピースが急に走り出し、男性の刺殺体を発見する。駆けつけた耕作が規制線を張り立ち番をしているところへ、かつての後輩である奥軽井沢署管理官・秋山恭介(永島敏行)らが現れる。調べによると被害者は「井岡木材」の人事部長・設楽文彦(川井つと)。会社が進めるリストラ事業の先頭に立っていたという。百人もの従業員を解雇したことから、恨みによる犯行とみて捜査を進めることに。
谷川一朗太(小須田康人)ら刑事が「井岡木材」を訪ねると、元従業員の前で、弁護士の美濃部絵里子(東風万智子)が“リストラは不当である”と声をあげていた。元社員で委員長の時田洋介(松澤一之)も裁判を視野に入れて闘うと訴える。会長の井岡宗一(山本圭)は、彼らにも警察にも強気の態度を取り続けるが、宗一が向かったのは設楽が発見された場所。耕作の横で「人に恨まれる仕事をさせた」と花を手向け、手を合わせるのだった。
そんな宗一が、翌日、別荘から駐在所に駆け込んでくる。飼い犬のスキップが行方不明だという。犬小屋にも鍵を掛けていたのに一体誰が…?宗一の愛犬への愛情を知った耕作は、迷い犬の貼り紙をするなどスキップ探しを始める。
絵里子の事務所にも貼ってもらおうと訪ねるが、そこには抗議に来た「井岡木材」専務の益山(佐戸井けん太)の姿も。そこで絵里子の親が小さな工場を営んでいたことを知る。しかし借金を苦に工場に火を放ち、生き残ったのは絵里子ただひとり。「いつも一番弱い人間が犠牲になる」…その思いと共に弁護士を目指したという。
捜査本部では、谷川が時田を重要参考人として聴取したいと言い出す。殺害前日、設楽のマンションで設楽の胸ぐらをつかむ時田が防犯カメラに映っていたのだ。その頃、時田は重い病を患っている娘・由真(江良陽彩)の病室にいた。そこへ由真の友達・美咲(岩崎百合)が見舞いにやってくるが、実は美咲は宗一の孫。時田は複雑な表情を浮かべる。その時、病院に警察がやってきて…。
一方、宗一の別荘には一通の手紙が届いていた。――『スキップを返して欲しければ一億円用意しろ』―― 中身は宗一への脅迫状だった。殺人事件と何らかの関係があるかもしれないと、耕一は谷川に捜査を要請するが、犬の誘拐と一緒にするなと一蹴。しかしこの誘拐は、やがて大きな事件へと発展する…。
(水曜ミステリー9公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。
駐在に勤務する沢田耕作。
沢田は10年前に上層部の意向に反し有力者の息子を逮捕したことで今の部署に異動となった。
だが、正義を貫徹した彼に後悔はない。
今の沢田は妻・美紀子ら家族や飼い犬であり嘱託警察犬でもあるピースと穏やかに暮らしている。
ところが、そんな平穏を打ち破る事件が!!
ある日のこと、美紀子が川辺を歩いていると男性の刺殺体を発見したのだ。
被害者は「井岡木材」の人事部長・設楽文彦であった。
「井岡木材」ではリストラを推進しており設楽がこれを主導していたことから、恨みによる犯行と思われた。
同じ頃、「井岡木材」では大規模ストライキが発生。
過去に心中事件で両親を失い、自身もまた片手を失った弁護士・美濃部絵里子を先頭に元社員の時田洋介らが反対運動を繰り広げていたのだ。
これに「井岡木材」を率いる井岡宗一会長や益山専務らは対決姿勢を示す。
矢先、井岡の孫である翔真が誘拐されてしまった。
犯人は身代金として一億円を要求する。
この誘拐犯として浮上したのは時田に恩義がある丸亀なる男性であった。
時田には病気で入院中の由真なる娘があり、多額の治療費が必要としていた。
どうも、この治療費の為に誘拐事件を起こしたらしい。
誘拐犯は身代金の引き渡しに沢田を指定。
沢田はピースと共に身代金を犯人に引き渡す。
その翌日、翔真が解放されその付近で瀕死の丸亀が発見された。
身代金が忽然と消えていたことから、犯人同士の仲間割れが疑われるが……。
瀕死の丸亀が病院に運ばれたその夜、何者かが侵入し生命維持装置を破壊してしまう。
だが、不審者の侵入が通報された為に、沢田とピースが現場に駆け付ける。
犯人に飛びついたピースはその小指を噛むが逃がしてしまう。
だが、これは大きな手掛かりとなった。
ピースの口から「ある物」が検出されたのだ。
その翌日、井岡と益山、絵里子と時田が集まり労使交渉が行われようとしていた。
良く見れば、益山が小指を負傷しているようだが……。
其処に沢田がやって来た。
沢田は犯人を告発する、それは絵里子であった。
ピースの口から検出された物とは「シリコン樹脂」だったのだ。
絵里子は腕を失いシリコン義肢となっていた。
これに罪を認めた絵里子は全てを語り出す。
絵里子は時田へ恩を返そうとしていた丸亀を抱き込み、誘拐事件を目論んだ。
ところが、これを設楽に知られ口封じで殺害。
その後、利用した丸亀を襲撃し身代金を奪ったのであった。
絵里子が逮捕され事件は解決した。
沢田は今日もピースと走る―――エンド。
<感想>
新シリーズ「軽井沢駐在犬日誌」第1弾。
原作なし、オリジナル作品です。
なお2015年10月に廃止が発表されていた「水曜ミステリー9」ですが、あくまで放送枠としての廃止とのこと。
枠を「水曜エンタ」に変えつつ「2時間サスペンス」があれば「水曜ミステリー9」として放送され続けることが明らかになっています。
一安心。
・【2015年10月】「水曜ミステリー9」最後の作品は「奥多摩駐在刑事3」ではなかった!?其処には意外な真相が!!
では、ドラマ版の感想を!!
何と言っても本作の特徴はピース。
これが全てと言っても過言ではない。
そして、リアル路線かと思いきやピースが喋る!!
これに何より驚いた。
そのピースの声がなぎら健壱さん(追記参照)なのもポイントを抑えていましたね。
これはなかなかに良い。
内容自体は割とありふれているのだけど、此の点でかなり特徴的となっています。
続編あっても良いかも。
2015年11月5日追記:
コメントにてご指摘頂き「感想」の記載を訂正しました。
訂正前:ピースの声が小倉久寛さんなのも〜〜〜
訂正後:ピースの声がなぎら健壱さんなのも〜〜〜
てっきり、聞く者を和ませる声で小倉久寛さんだと思っていたのですが、ピースを演じたなぎら健壱さんの声も聞く者を和ませるソレでした。
教えて頂き感謝です(^O^)/!!
追記終わり
<キャスト>
沢田耕作:小林稔侍
秋山恭介:永島敏行
美濃部絵里子:東風万智子
丸亀:見栄晴
時田洋介:松澤一之
井岡瑠璃:原久美子
谷川刑事:小須田康人
大林刑事:一條 俊
沢田きらら:伊藤優衣
野沢義純:堀口文宏
井岡裕二:石井英明
岩崎洋介:鶴田 忍
益山:佐戸井けん太
井岡宗一:山本 圭
沢田美紀子:中田喜子 ほか
(公式HPより、敬称略、順不同)
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こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
ピースの声、てっきり小倉久寛さんだと思っていたのですがなぎら健壱さんだったんですね。
早速、訂正したく思います。
もしも教えて頂けなければ誤りに気付けないところでした。
ご指摘頂き、感謝です(^O^)/!!
主要人物の設定・配役にも何だか安心して見ていられるものがあり、主演の稔侍さんの、神保徳之助とも窓辺太郎とも違う、しかし持ち味をきちんと生かした役柄も気に入ってしまいました。
真犯人が、配役的(?)にも一番怪しいと思われた佐戸井さんではなかった辺りや、松澤さんが誘拐の共犯かと思わせられた辺り、巧くミスリードして貰えた感じで楽しめました。見栄晴くん(もう「くん付け」するお年頃でもありませんが (^_^;))を死なせなかったのも良かったです。
会長一族の諍いも、よくある露骨過ぎる血族の対立とまでは行かない辺りが、返って見る側の抱く疑惑の思いをうまく引き出して、自然な怪しさ、みたいな雰囲気を作り出すと共に、骨肉が醜く争う一歩手前で踏み留まらせ、根底にあるべき家族・血族の持つ大切な部分をさりげなく描こうとしていたようで、何か、ほっと出来るものがありました。
個人的には、真犯人の動機を「もう一押し」して貰いたかった気もするのと、争議の解決自体が何となくあやふやな気がしたのと、会長の山本さんと孫たちの関係を更に深く描いて欲しかった(スキップ誘拐事件の真相が判明した時点で、少女にはもっとお祖父ちゃんに「ごめんなさい」を言って欲しかったし、そこで変化した孫らに対するお祖父ちゃんの心情が、少年誘拐事件に移行してからの展開に、より深く関わる形に持って行かれるかと想像していましたので)のと、少女の髪型が到底小学生には見えなかったこと(もしかして、最近ってあんな感じなのでしょうか?)――辺りが気になりましたが、全体的には満足出来るお話でした。
最初、ピースの声のトーンがどこか稔侍さんに似ているように聞こえて、二役(?)されているのかなと思いながら聞いていたのですが、違ってたんですね (^_^;)
あと、誘拐された少年の洞察力も素晴らしかったですし、ここは是非、稔侍さん一家やピースと更に関係を強めて(管轄内の住人ですし、スキップがうまく仲立ちしてくれるでしょうし)、毎回の事件解決に一役買う少年探偵的な脇役として、推理作家の中田さんと共に活躍して欲しいなと思います。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
なるほど、本作には第1弾ながら確かに安定感がありましたね。
また、益山が指を怪我していたり、時田が思わせぶりな台詞を口にしたりとミスリードも充実していた印象。
そして本作、井岡一家の家族の繋がりも描いていたんですね。
此の点、ご指摘を頂き気付きました。
その観点で見ると、沢田一家も丁寧に描かれており、かなり味わい深い作品のように思います。
また、ピースも要所要所を押さえる活躍ぶり。
同じく要所に挟まれるピースのモノローグも物語を盛り上げました。
翔真くんも大活躍でしたね。
確かに、本作は主人公・沢田と美紀子やピース、翔真君らその周辺が一致団結して事に当たる点も特徴的だったのかも。
次回も此の点は大切にして欲しいですね。