「金田一少年の事件簿R」第8弾は「人形島殺人事件」!!
「火吐潟島」を舞台に発生する新たなる殺人事件に金田一少年が挑む!!
【「人形島殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。
朱鷺田忍:不動高校の日本史教師。
漢田切裏子:3人組の覆面作家「ペルソナドール」の1人。道化師姿。
紅小路巴:3人組の覆面作家「ペルソナドール」の1人。日本人形姿。
鈴丘魔矢子:3人組の覆面作家「ペルソナドール」の1人。アンティークドール姿。
星坂花梨:ミステリー雑誌の編集者。
雨野影近:金田一が出会った青年。
詩村瞳:金田一が出会った少女。
赤神双一郎:眼帯姿の男性。
田中豪:ポニーテールが印象的な男性。
林堂みずほ:「人形荘」の女将。
林堂まこと:幼馴染のまことちゃん、実は男性であった。
林堂まゆみ:まことの妹、故人。
蟻塚至:「人形荘」の番頭。
首代胴玄:村長人形のモデル。
いつき陽介:ご存知、ルポライター。
剣持警部:金田一のもう1人のベストパートナー。
<あらすじ>
切裏子と思しき道化師の切断された胴体が発見され、赤神らは切裏子が殺害されたと主張。
一方、蟻塚は「12年前と同じ首代胴玄の祟りだ」と騒ぎ出した。
金田一たちは祟り説に疑惑を抱くが、赤神は「ソレは実在する」と語る。
何でも、赤神が人形供養の為に持参した一刀彫人形にも謂れがあるそうなのだ。
その人形の後頭部を破損した作業員が直後に後頭部を負傷していたのだ。
そんな赤神の言葉に頷く田中。
彼にも思い当たる節があるのだそうだ。
何でも田中の母を殺害した犯人の家族が不慮の死を遂げ、犯人自身も死亡しているらしい。
さらに何かを口にしようとする田中だが……其処に花梨がやって来た為に話が途切れてしまう。
続いて雨野も自身の想い出を語り出した。
雨野によれば想い出の人形が人知れず涙を流していたのだそうだ。
ところが、花梨は「何かの拍子に水分が付着したのだろう」と一笑に付す。
ムッとした表情を見せる雨野。
慌てて2人の間を執成すいつき。
そんな様子を眺めつつ、金田一は「12年前の祟り」の内容を気にし始める。
其処で金田一はまことから事情を聞くことに。
まことも「幼い時分のことなので詳しくは分からないが」と前置きしつつも語り出した。
「火吐潟島」では「島の出身者は島を離れた者でも1年に1度行われる人形供養に参加しなければならない」との掟があった。
これに背けば首代胴玄の祟りに見舞われるらしい。
ところが、まことの父はそんば因習を嫌って島を飛び出した。
其処で母・みずほと出会い、まこととまゆみをもうけることに。
此の間、まことの父は島へ戻ることはなかった。
しかし12年前のこと、まゆみが車に引かれ死亡した。
その遺体は胴体が無惨に潰れたものであった。
さらに同じ頃、同様に頭部を失った島出身者と下半身を失った島出身者が居たのだ。
共に死亡することとなり、3人とも島へ戻ったことが無かった為に「首代胴玄の祟り」として恐れられたのだ。
まことの父はこれが原因で心を病み、まことをまゆみとして女装させた。
まことを既に死亡したまゆみとすることで首代の祟りを避けようとしたようだ。
だが、これをみずほに理解されず家庭は分裂。
みずほは残されたまことを連れて「火吐潟島」へ戻ったのである。
金田一は何やら考え込むが……。
少しして、アンティークドールこと魔矢子の部屋へ何者かにより手紙が届けられた。
これを目にした魔矢子は衣装を脱ぐと窓から密かに脱出することに。
入替るように室内へと入って来た黒い影は魔矢子の人形の上半身と下半身を断ち切るのであった―――5話へ続く。
<感想&推理>
「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第8弾は「人形島殺人事件」です!!
今回はその第4話でした。
今回、あらすじのボリュームを見てもお分かりの通りポイントになりそうな描写が多々見られることに。
まずは「人形供養に訪れた各人のエピソード」が語られたこと。
それぞれ……。
赤神:一刀彫人形に傷を付けた男が同じ箇所を負傷した。
田中:母親殺しの犯人と家族が不慮の死を遂げた。
雨野:人形が泣いた。
思わせぶりなのは田中だがミスリードか!?
残る瞳のエピソードも気になりますが……。
そして「12年前の首代胴玄の祟り」の内容。
「1年に1度必ず参加しなければならない筈」がまことの父は数年参加せずとも何ともなく、また「島出身者であるまことの父ではなく島外出身のまゆみに危害が及んだ点」を考えても……これは「結果から逆算された出来事」ですね。
つまり「多数ある事故の中から条件に沿う内容の物がピックアップされて作り出された虚像」の可能性が高いか。
ただ「首代胴玄の祟り」は本編とは絡まずとも「実在するんですよラスト」はあり得るかもしれないなぁ……。
それと、肝心のまことの父の姿が見えないのも気にかかるところ。
でもって、此処からが重要ポイント。
ラストにて「黒い影」が2つ描写されました。
1つは魔矢子の変装を解き、窓から密かに抜け出す「黒い影」。
2つは入替るように同じ部屋に入り人形を切断した「黒い影」。
これが何を意味するのか!?
考えられるのは魔矢子の正体が今後の展開に影響を与えかねないこと。
つまり「1人2役」や「2人1役」の可能性に加え、遺体の「1体2役」や「2体1役」の可能性が公式に示唆されたに他ならないでしょう。
すなわち、今回のトリックは其処にある……筈。
ただし、此処で気を付けたいのは「あくまで2つの影が共謀しているかどうかは不明」ということ。
もちろん「2人1役」の場合は、魔矢子の中身と犯人が共謀している可能性もあります。
ですが、魔矢子の場合「正体不明のペルソナドールの1人」であり「今後、魔矢子として頭部の遺体が発見された際に、遺体が本物の魔矢子ではない(あるいは別の遺体として魔矢子の中身が用いられている)ことを隠さなければならない=作中必要性による描写」の可能性も依然として残ることに。
また、本エピソードに限り冒頭の容疑者リストが登場しないこともこれを裏付けるのではないでしょうか。
そう言えば、急に欠席した朱鷺田忍も気になるなぁ……。
シンプルに考えれば「ペルソナドール」の中に忍が居ても不思議ではない。
果たして、忍の安否は如何に!?
そして、気になる「カフェふくろうのマスターが高遠と連動している説」の真偽は!?
ちなみに「カフェふくろうのマスターが高遠と連動している説」とは次の通り。
高遠とカフェふくろうのマスターに何らかの関係があるのではないかとの謎。
新シリーズ「金田一少年の事件簿R」になって以来、カフェふくろうのマスターが登場するエピソードには高遠も必ず登場している(「亡霊校舎の殺人」「蟻地獄壕殺人事件」)。
例として挙げるには2作と些か心許なくはあるが、これは新シリーズになってからの高遠の登場自体が上記2作に限られている為。
つまり、今のところ100%となっている。
どうも、この登場には何か意味があるのではなかろうか。
マスター自身が高遠の変装なのか……それとも高遠のルーツがマスターに関わって来るのか。
今後もこの法則が守られるのかどうかに注目したい。
果たして、この法則は守られるのか!?
さて、既にご存知のことと思われますが2015年10月よりアニメ「金田一少年の事件簿R」が日本テレビ系にて放送中。
次回のエピソードは「血溜之間殺人事件」とのこと。
・【2015年10月】アニメ「金田一少年の事件簿R」が「RETURNS」の名の通り帰還を果たす!!さらに「魍邪ノ館殺人事件」とは!?
そう言えば『小説 野性時代』(角川書店刊)でも樹林伸先生『ドクター・ホワイト』が2014年11月号から連載開始されています。
こちらも注目すべし!!
・綾辻行人先生「Another」シリーズ続編『Another 2001』が『小説野性時代132号(11月号)』にて連載開始!?
◆「人形島殺人事件」関連過去記事
・【新章開幕】「人形島殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【舞台整う!!】「人形島殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【第一の殺人発生】「人形島殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「なぜ暖炉は燃えていたか?」のまとめはこちら。
「なぜ暖炉は燃えていたか?」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「吸血桜殺人事件」のまとめはこちら。
「吸血桜殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「蟻地獄壕殺人事件」のまとめはこちら。
「蟻地獄壕殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「学生明智健吾の事件簿」のまとめはこちら。
「学生明智健吾の事件簿」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「狐火流し殺人事件」のまとめはこちら。
「狐火流し殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿R」より「亡霊校舎の殺人」のまとめはこちら。
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・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
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・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
【ドラマ版】
・ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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・「金田一少年の事件簿N」(日本テレビ系、2014年)まとめ
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