2015年11月05日

「英国一家、日本を食べる」最終話(24話)「日本を食べる」(11月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「英国一家、日本を食べる」最終話(24話)「日本を食べる」(11月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<最終話(24話)あらすじ>

マイケルは、日本での最後の1日を、子どもたちの願いを聞き入れてテーマパークで過ごすことにした。アスガーとエミルは大はしゃぎだったが、マイケルは全く楽しくない。そして、あろうことか子どもたちとの約束をほごにしてアンコウ料理を食べに行こうと言い出してしまう…果たして感動のフィナーレを迎えることができるのか?そして英国一家は、最後に何を食べるのか?
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)

いよいよ、日本滞在最終日となったマイケル、リスン、アスガー、エミル。
明日には帰国の途に就くワケだが、旅館の朝食を前にマイケルは元気一杯である。

一方、何故か食欲を失った様子のリスン、アスガー、エミル。
それもその筈、前夜に食べた食事がまだ残っているようだ。

そんな家族の姿に「これが米を食べる最後になるかもしれないんだぞ!!」と諭すマイケル。

「米」とは「イネ科に属する植物の実のこと。その種類は300を超える日本人の主食である」。

とはいえ、入らない物は入らない。
首を振り続けるリスンたちに、勿体ないと思ったマイケルは彼女たちの朝食も平らげてしまう。
結果、旅館を出て東京へと向かう電車の中で食べ過ぎたマイケルは苦しむこととなった。

その最中も思い出されるのは前夜のトシとの電話だ。
「会おう」
「会うって、東京でか!?」
トシの言葉に驚くマイケルだが、当の本人は当たり前のように応じる。
何でも、トシによれば忘れ物を届けに来るのだそうだが……。

果たして「忘れ物」とは何だろう。
そもそも、この3ヶ月でどのくらい日本料理を理解出来るようになったのか……。

その間にも、アスガー要望の某テーマパークに到着。
もちろんアスガーは大はしゃぎ、普段はクールなエミルも彼なりに満喫しているようだ。

「ピザも良いかなぁ、ハンバーガーも良いなぁ……」
何を食べるか悩み始めたアスガー。

「好きな物を食べるのは帰ってからにしないか」
どうしても「忘れ物」が気になるマイケルは恐る恐る提案してみるが。

これにアスガーがキレた。
こうなると、アスガーは動かない。

なんとか彼の興味を惹こうと「アンコウを食べに行こう」と誘うマイケル。
「アンコウは海のフォアグラなんだぞ」と興味を惹けそうな言葉を並べるが。

「だったらフォアグラで良いじゃん、フレンチにしよう」
あっさりとアスガーに一蹴されてしまった。
それどころか、何時の間にやらリスンたちも「そうしよう」と乗り気だ。

「約束を破るのは感心しませんなぁ」
切羽詰まったマイケル、その背中に声がかけられた。
声の主は鬼塚である。

鬼塚によれば、このテーマパーク内に彼が経営する店を出すので雰囲気を知る為に遊んでいたらしい。
そう説明する鬼塚の頭部には「可愛い飾り物(耳を模した例のアレ)」が輝いていた。

こうして、鬼塚の店に誘われたマイケル一家。
其処は「フレンチレストラン」であった。
鬼塚と言えば和食と思い込んでいたマイケルは驚きつつも、料理を口にし流石と頷くことに。

「シェフが優秀なんですね」
褒め称えるマイケルに「ふふふ」と薄く笑う鬼塚。
それもその筈、シェフはマイケルも良く知るジャンであった。

この間も、鬼塚の頭部には例の飾り物が閃いている。
マイケルは直視しないよう努力するのが精一杯であった。

そんなマイケルの気も知らず、フレンチを口にしたアスガーは大喜びしている。
と、エミルが「ご飯が食べたい」と言い出した。
すると、つられてアスガーまでもが「ご飯が食べたい」と言うではないか。

しかし、ここはフレンチの店だ。
ご飯は扱っていない。

これを聞いていた鬼塚は「美味しい料理を食べるとご飯が欲しくなる」と語る。
そもそも、どんな料理の傍にもご飯があったのだ。
それは日本古来の料理以外にも西洋から入って来た料理にも同じである。
もちろん、日本で生まれたオムライスにハヤシライスなどもそうだ。
食の多様化が進み、米の消費量は確かに減った。
しかし、それでもなお米は日本人の食事に根付いている。
米は日本人の精神なのだ。

鬼塚は例として「ご飯」という言葉を挙げる。
米を炊いたものもご飯と呼ぶが、食事も含めてご飯と呼ぶ。
朝食がパンでも朝ごはん、昼食がパスタでも昼ごはんだ。
それほど、日本人の食事は米に根差している。

マイケルはリュックを膝に抱えると、其処からそっと握り飯を取り出した。
朝、旅館を出る前に余ったご飯で握った物だ。
それをアスガーやエミルたちに配って行く。

「ナイス!!」
フレンチと共にご飯を頬張りつつ叫ぶアスガー。

「こういうことは余り感心しませんな」
そう言いつつも、握り飯を受け取った鬼塚の顔は綻んでいた。
もちろん、その頭部にはあの飾り物が揺れている。
それは最後まで揺れ続けていた……。

テーマパークからの帰路、口についた米粒に「忘れ物」の意味を問うマイケル。

「ど〜〜〜ゆ〜〜〜ことだ〜〜〜!!」
翌日、空港でマイケルはトシ相手に怒鳴っていた。
いや、正確には電話越しのトシだ。
落ち合う予定であったにも関わらず、トシがドタキャンしたのだ。

「忘れ物はどうなった!?」
「会う必要が無くなった。お前はそれを自分で見つけたろ」
問い詰めるマイケルに当たり前のように応じるトシ。
何でも、ジャンがメニューに握り飯を捻じ込んだことをトシに愚痴ったらしい。
では、忘れ物とはソレだったのか!?

「この旅の張本人に会えると思ってたんだぞ、ようやく文句の1つも言えると思ったのに!!」
マイケルからスマホを奪ったアスガーがトシに叫ぶ。

そんなアスガーに「見せたい物がある」と告げたトシ。
続いて、スマホに映し出されたのは満開の桜であった。

「トシ、お前何処に居る……!?」
それに何やら答えるトシだが……我々視聴者には分からない。

だが、1つだけ言えることがある。
トシが今居る土地にも日本の文化が伝わっていると言うことだ。
きっと、日本料理も伝播していることだろう。
いや、伝わって居なくともトシが伝えるに違いない。

数分後、マイケルは機上の人となっていた。
さて、此処でマイケルに日本について締めの言葉を貰おう。

「締めの言葉?勘弁してくれよ……いや、1つだけあった。そうそう、仏教から生まれた日本語なんだけど」

そして続けるマイケル。

「ごちそうさま」

こうして、一家は日本を去った。
その眼下には稲が実った壮大な水田が何処までも続いていた―――エンド。

……と思いきや、まだまだマイケル一家の旅は終わらないのです。
2016年、英国一家が帰って来る!!
正月特番放送決定「英国一家、正月を食べる(仮)」2016年1月1日放送予定とのこと。

<感想>

原作はマイケル・ブース著『英国一家、日本を食べる』と『英国一家、ますます日本を食べる』(共に亜紀書房刊)。
NHKさんにて毎週木曜日0時40分から1時まで放送中、全24話。

前半はマイケル一家を中心としたカートゥーンパート、後半はトシ視点のドキュメンタリーパートからなる。

今回、いよいよ最終話(第24話)。
そのテーマは「米」について。
今回、実写パートなしでした。

いや、本当に壮大な物語でした。
「食文化」の切り口から「日本文化」を評する本作が最終話で取り上げたのは「米」。
確かに日本人の精神は米と共に在ったと言っても過言ではない。

例えば、日本の中世では国の生産力を計る目安に石高が用いられていたが、これは米の生産量を示していた。
つまり、米が1つの単位だったのだ。
また、江戸幕府下での旗本たちへの俸禄は米で支給されていた。
これは、米が通貨だったことになる。
他にも、各地で行われる祭は「豊穣の祭」の意味が強く、これまた米の収穫を祈願したもの。
これは、米が信仰であったとも言える。
かくも古来から米は生活の基盤だったのだ。
その意志は今も続いている。

3ヶ月、日本で「日本の食文化」を追い続けたマイケルたちは、その間に知らず知らずのうちに米と触れ、その精神にも触れていた。
そして、その影響を受けた。
だから、アスガーやエミルはフレンチを口にしつつも米を欲した。
それはマイケル一家が「日本の食文化」をある水準まで正しく理解したことに他ならない。

トシの「忘れ物」とはこれだったのではないか。
ある意味、トシはマイケルに集大成を求め、マイケルはこれに応えた。
だから、トシは彼に会う必要が無くなったのだ。
もう、マイケルはそれを理解しているから。

そして、トシは新たな土地で新たなマイケルを探しているのかもしれない。
その土地にはソメイヨシノが咲き誇っている。
きっと、日本食についてもある程度伝わっているのだろう。
だが、トシと出会う前のマイケルのようにその真価まで理解されているかは怪しい。
だから、トシはマイケルと出会ったときのように、其処でも正しい日本食を伝えるのだ。
こうなると、トシは「日本の食文化の妖精」とでも言うべき存在だなぁ……。
いや、「日本の食文化に携わった人々の総体」の方が相応しいか。

さらに、マイケル一家もまたトシのように「正しい日本の食文化」を伝えて行くのだろう。
こうして、伝統のように「日本の食文化」とその精神も受け継がれて行くに違いない。

ちなみに本作「英国一家、日本を食べる」の旨味も此の点にあるような気がします。
マイケルにとってトシがそうであったように、我々視聴者にとって本作が導き手となる。
いや、受け手により様々な解釈が可能な以上は「導き手」は相応しくないか。
そもそも、フレンチと握り飯の組み合わせが美味しいように、これに正しい答えはきっとない。
あくまで本作が視聴者にとって「考える契機」となれば良いだろう。
それこそが本作の真価であり、精神であり、神髄なのだから……。
我々視聴者はこれからも「日本の食文化」や「日本文化」について自身で考えを深めて行く必要があるのだ。
それが本作からのメッセージなのだ。

と言った傍から2016年に英国一家が帰って来るとのこと。
なんと、正月特番放送決定「英国一家、正月を食べる(仮)」2016年1月1日放送予定だそう!!
ひゃっほ〜〜〜い、いろいろ述べたけど、本作が終わるのは寂しかったんだよ〜〜〜。
それだけにコレは嬉しいサプライズ!!
また1つ楽しみが増えた!!

また本作のDVD化が決定とのこと、興味のある方は本記事下部のアマゾンさんリンクをチェックすべし!!

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