2015年11月21日

金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画「視覚探偵 日暮旅人 音・匂い・感情…が目で視える探し物探偵!瞳が青く輝き事件解決!!」(11月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画「視覚探偵 日暮旅人 音・匂い・感情…が目で視える探し物探偵!瞳が青く輝き事件解決!!」(11月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

日暮旅人(松坂桃李)は、五感のうちの四つ、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を失い、残された視覚だけを頼りに調査をする探し物探偵。相棒兼マネージャーの雪路(濱田岳)と血のつながらない娘の灯衣(住田萌乃)とともに探し物探偵事務所に同居している。どんな探し物でも見つけ出す旅人の調査方法は少々変わっている。旅人の目には、普通の人間には見えない「何か」が視えているらしい……。

保育士の陽子(多部未華子)は遅番の日に、なかなか迎えのこない園児の灯衣のお世話をする。一人で黙々と折り紙を折り、妙に大人びた発言をする灯衣に陽子はタジタジ。

そのうちに灯衣は「待ちきれないので帰ります」と一人で家へ帰ろうとし、陽子は慌てて灯衣の後を追いかけていく。そのとき、陽子は腰につけた大切なキーホルダーの飾りを落としてしまう。灯衣が向かったのは錦糸町の繁華街にある雑居ビルの一室。陽子が中に入ると、ソファーに転がって眠りこけている男がいる。その男こそ旅人だった。灯衣は「それ、パパ。起こさないで」と言い、一人でハードロックを聴きながらレンチンの食事を始める。灯衣から母親はいないと聞いていた陽子はあまりの放任ぶりに腹を立て、無理矢理旅人を起こそうとする。目覚めた旅人だったが、早口でまくしたてる陽子の話にまったくついてこられない。だが旅人は陽子の腰にフックだけが残ったキーホルダーがあることには気づいていた。

翌日、陽子が灯衣に呼ばれてついていくと、旅人と雪路がなぜか道路にしゃがみ込んでいる。旅人は「すぐにキーホルダーを見つけますから」と言う。「なぜ、私がキーホルダーをなくしたことを知っているんですか?」と驚く陽子に、旅人は続ける。「僕には“感情の模様”が視えるんです」――いったい何のことなのか?

旅人は陽子の問いかけには答えず、ずんずん歩いて行く。「聞こえてないのかな?」とつぶやく陽子に、雪路は言う。「そりゃそうだよ、アニキは耳が聞こえないんだから」――。陽子は雪路から、旅人が匂いも、味も、触られた感覚もわからない状態であること、すべての感覚を目で見ているのだと教えられる。果たして旅人は公園の池から、陽子のキーホルダーの飾りを探し出した。

だが雪路は「仕事以外での探し物はやめてくれ」と、旅人に釘を刺す。

旅人の能力を信じられない陽子だったが、灯衣と旅人たちのことが気がかりで、事務所に押しかけて世話を焼こうとする。その中で続々と旅人の目の驚くべき能力を目の当たりにするのだった。

しかし、旅人は目を酷使しすぎた結果、倒れてしまう。
主治医の榎木(北大路欣也)からも「あまり目を使いすぎないように」と忠告されていたのだが……。

眠り続ける旅人を見ながら、雪路は陽子に言う。
「アニキはアンタのために探偵の仕事以外でも目を使っちまう。悪いけど、少し距離を置いてくれないか」
陽子はうなだれて事務所を後にする。
が、その後、一人でお使いに出かけた灯衣が、いなくなってしまう……。

目を覚ました旅人は、すぐに灯衣がいなくなったことに気づく。
目を使おうとする旅人に榎木は告げる。「お前はこのままでは失明する」――。
灯衣の行方は!?
旅人はたったひとつ残された視覚も失ってしまうのか!?
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)。

保育士の陽子は大人びた発言を繰り返す園児の灯衣にきりきり舞いさせられていた。
その生活環境に興味を抱いた陽子は、灯衣の親に抜き打ちでの家庭訪問を行うことに。

すると、其処に現れたのは日暮旅人なる男性であった。
日暮は父とは言えど、灯衣とは血の繋がりが無いらしい。
そんな日暮は五感の内、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を失い、残された視覚を活かして探偵業を行っていた。
しかも、その視覚は人の感情を捉えることが出来るのだ。
さらに驚くべきことに、その範囲は人だけに限らずその人が触れた物にまで及ぶのだ。
日暮によれば、それは感情の模様として目にすることが出来るらしい。

日暮の力が信じられない陽子は彼を嘘吐きと軽蔑するが……。
数日後、陽子は失くした大切なキーホルダーの飾りを必死に探していた。
そのキーホルダーの飾りは陽子が幼い頃に通っていた幼稚園の同級生・たー君から盗んだ物。
返却しようとしたのだが、何故か返却出来なかったのだ。

これを率先して日暮が探し出したことから「目の力」を信用することに。

だが、その力は「諸刃の剣」であった。
日暮が目の力を行使すればするほど、その視力は失われて行くのだ。
だからこそ、主治医の榎木からは「多用は控えるべき」と諭されていた。

しかし、日暮は困っている人が居ればこれを用いるに躊躇しなかった。
母親に虐待を受ける灯衣の同級生・セイジ君を助ける為にも用いて、無事に親子の和解に導いた。
だが、これが祟って倒れ込んでしまう。

多用すれば失明の危機だ。
これ以上は日暮に目の力を使わせてはならないと考える陽子たちだが……。

矢先、灯衣が何者かに誘拐されてしまった。
灯衣を実の娘以上に愛する日暮は失明の危険があるにも関わらず目の力を使用する。

痕跡を目で追い、灯衣が連れ去られた先らしき場所を突き止めた日暮。
陽子たちと突入するも、其処は既にもぬけの空であった。

直後、陽子の携帯が鳴り出した。
相手は陽子の先輩保育士・小野智子だ。

智子によれば彼女がフッた交際相手でテレビ局スタッフの浅井が爆弾を付けられた灯衣を連れて番組をジャックしているらしい。
早速、テレビ局へと向かうことに。

同じ頃、番組ジャックを果たした浅井は上司である太田チーフの不正を告発していた。
なんでも出演タレントの接待費を領収書の不正で落としていたのだが、それが露見するや浅井に罪を着せて逃げ延びたらしい。
結果、左遷された浅井は智子にフラれたのだ。
其処で自暴自棄になった浅井は関係者全員の罪を問う為に、灯衣に爆弾を付けて番組を乗っ取ったのだそうだ。

警察と共に日暮と陽子たちもその場に到着。
灯衣を解放するよう訴える日暮だが浅井は応じない。

そんな中、日暮は「宍戸錠という名の猫を想像してください」と周囲に呼びかける。
一瞬、呆気に取られる一同の前で、同行していた彼のマネージャー・雪路に飛び掛かるように叫ぶ日暮。

雪路の奇襲に転倒する浅井から、日暮は爆弾のスイッチを奪う。
爆弾は浅井のフェイクだった。

日暮は「宍戸錠という名の猫」で周囲の殺意を紛らわせ、その隙に朝井の殺意を確認。
彼に殺意が無いことを見抜くと、爆弾が偽物だと気付いたのだ。

こうして事件は解決。

「皆さん、笑顔ですよ」
陽子が日暮に語りかける。
だが、日暮は「それは浅井さんへの侮蔑の笑いです」と口にするのであった。
陽子と日暮では見えている世界に大きな差異があったのだ。

日暮が孤独な世界に生きていると知り肩を落とす陽子。
そんな陽子に榎木が日暮の過去を語り出す。

それによると、日暮は5歳の折に誘拐された為に視覚以外を失ったのだそうだ。
とはいえ、榎木によれば日暮の五感は正常に機能しており、心がそれを拒否しているらしい。
つまり、日暮の心が回復すれば五感も機能するのである。
榎木は日暮の心を開くよう陽子に協力を求める。

その夜、陽子はたー君のことを思い出した。
陽子はたー君にキーホルダーの飾りを返却しようとしたが、先生は何故かつらそうな顔をして話を打ち切ってしまったのだ。
以来、たー君はタブーとなってしまった。
だから、返却出来なかったのである。

此処で陽子は気付いた。
日暮こそがたー君であることに。
そして、日暮も陽子に何処か懐かしさを覚えているからこそ心を許していることに。
陽子は日暮を支えようと心に決めるのであった。

その頃、目覚めた日暮は古いスクラップブックに目を留める。
其処には日暮の誘拐事件についての記載があった。
犯人は未だ捕まっていない―――エンド。

<感想>

ドラマ原作は山口幸三郎先生「探偵・日暮旅人シリーズ」の1作『探偵・日暮旅人の探し物』(角川書店刊)。
ちなみに管理人は原作未読です。

早速、ドラマ感想を!!

どうやら、パイロット版だった様子。
今回の評判次第では連続ドラマ化もありそうな印象。
いや、もしかすると既に連続ドラマ化も動いているのかもしれない。

そんな中、ポイントは2つ。

1.雪路が関わっているらしい灯衣の出自。
2.日暮が5歳の折に誘拐された事件。

日暮誘拐事件についてキーになるのは文字通りキーホルダーの飾りか。
あれが原因で日暮は5歳時に誘拐されたものか。
キーホルダーの飾りに何か秘密が隠されているのかも……と考えるのは穿ち過ぎ?

なかなか興味深い謎が提示されており、連続ドラマ化にも耐えられそうだし期待大ですね!!

そう言えば、本作を視聴していて2013年に放送された「リバース〜警視庁捜査一課チームZ」を思い出しました。
「金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画」で「松坂桃李さん主演」で「テレビ局の番組が爆弾犯にジャック」と共通点がちらほら。
あちらも伏線が幾つかあったので、連続ドラマ化期待しています。

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そして、日暮の能力は「共感覚」に近いのかな。
ただ、その人が触れた物に残された感情まで見えるのはサイコメトリーに近いか。

「不可視の物が色で視える」と聞いて思い出したのが「音宮美夜シリーズ」。
こちらは「音を見た」り「痛みを見た」りする物語。
かなり面白いので興味のある方は是非!!

『キョウカンカク』(天祢涼著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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また「診える眼」と言えばドラマ「無痛」が放送中。
こちらは日暮に比べると限定的ですが、いよいよ佳境に突入しています。
見逃すな!!

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