2015年11月16日

「美女缶」ネタバレ批評(レビュー)

「美女缶」ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<ネタバレあらすじ>

主人公は独身男性、同棲中の恋人が居るが些か倦怠気味だ。
そんなある日、隣室の男性宅から出て来る美女を目撃し興味を抱く。

とはいえ「出て来た美女に」ではない。
「隣室から美女が出て来たことに」だ。

何故なら、主人公は以前から隣室を出入りする美女を目撃していたのだ。
それはただの1度も同一人物では無かった。
つまり、隣室の住人は複数の女性を部屋に出入りさせているのだ。

この謎に興味を持った主人公は隣室を調べ、その秘密を突き止める。
その秘密とは「美女缶」にあった。
そう、それはインスタントに美女を製造する缶詰だったのだ。
隣室の住人はこれで好きな美女を手に入れたのだろう。

今の彼女と上手く行っていない主人公はこれをこっそりくすねてしまう。
彼女が出張に出た間に、自室で美女を製造することに。

出来上がった美女に満足した主人公は、彼女と交際を始めるが……。
実は「美女缶」の美女には「品質保持期限」が設定されていた。
これを過ぎると作られた美女は跡形もなく消えてしまうのだ。

もちろん、当の美女にその認識はない。
それどころか、彼女は自身が美女缶によって作られた存在であることも知らないのだ。

ところが、ふとした拍子にこの事実を知られてしまう。
作られた存在だと知った美女は家を飛び出してしまった。

残された主人公は今の彼女を取るか、飛び出した美女を取るかの決断を迫られることに。

しかし、主人公にとって短い間であっても美女との月日は大切な物となっていた。
主人公は美女を追うことに。

だが、主人公は知らないのだ。
そんな主人公の背中にも「品質保持期限」の記載があることに―――エンド。

<感想>

つまり、主人公もまた美女缶と同じ作られた存在だったというワケですね。
まさに、作られた存在であることの悲哀を描いた作品です。

主人公が2重の意味で立場を転ずる構図が見事。

まず、交際相手(恋人と美女缶)を選ぶ側から選ばれる側へ。
また、運命を選択する側から与えられる側(期限が区切られている)へ。

これにより、主人公は与えられた運命を余儀なくされることに。
そして、何より主人公が美女缶に感じた愛情が同じ立場故に感じた憐憫の情だったかもしれないとすると切ない。

同時に、これは実際の恋愛にも言えること。
相手を選んだつもりが、相手にも選ばれていることを忘れてはならないのだ。

◆「世にも奇妙な物語」関連過去記事
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【ドラマ化原作】
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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 放送終了ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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