<あらすじ>
財宝から軍事機密まで、金になるありとあらゆる“美しいもの"を盗み出す謎の女怪盗・黒蜥蜴(真矢ミキ)。その完璧な犯行の数々は、世界中から大きな注目を集めていたーー。 クリスマスを間近に控えたある日、海で女の遺体が発見される。首筋に黒蜥蜴の刻印が残されていたことから、警察は黒蜥蜴の犯行だと断定するが、捜査の指揮を執る警視庁副総監の明智小五郎(渡部篤郎)だけは、その説に異を唱える。なぜなら、黒蜥蜴は決して、自らの目的のために人を殺めたりしないからだ。 その矢先、黒蜥蜴から警察に犯行予告が届く。狙われたのは、殺された女と関係があった、巨大グループ企業の会長・岩瀬正一郎(升毅)が所有する時価120億円の宝石「聖夜の涙」。黒蜥蜴はクリスマスを迎えた瞬間に、それを盗み出すという。黒蜥蜴の挑戦を受けた明智は、まだ見ぬ強敵との対決に身を震わせ、部下である捜査一課刑事の小林芳雄(竜星涼)は、そんな明智の様子を不安げに見つめる。 クリスマスイブ、捜査一課係長の浪越善四郎(山下真司)はじめ、警察が厳重な警備体制で待ち構えるなか、明智はお披露目パーティーの会場でマジシャンの緑川京子と挨拶を交わす。京子は岩瀬と十年来の付き合いで、この日はイリュージョンを披露するというが、実はこの京子こそが黒蜥蜴だった! さらに、岩瀬の娘・早苗(剛力彩芽)も何やら不穏な動きを見せて……。
(公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……
世に知られる女怪盗・黒蜥蜴、彼女に付き従うは老侍従の雨宮だ。
2人はこれまでに「ありとあらゆる美しい物」を狙い、次々と手に入れて来た。
そんな黒蜥蜴の次のターゲットは大富豪・岩瀬正一郎である。
岩瀬は「2つの宝」を所持しているとされていた。
それぞれ、愛娘・早苗と時価120億円の宝石「聖夜の涙」であったが……。
矢先、浜辺にて岩瀬正一郎の恋人である松村里緒奈の他殺体が発見される。
首筋に黒蜥蜴の刻印が残されていたことから、黒蜥蜴の犯行と思われた。
これに当の黒蜥蜴は激怒していた。
全く身に覚えのない犯行だったのだ。
黒蜥蜴は岩瀬が名を騙ったと考え、報復を心に期すことに。
もう1人、この犯行が黒蜥蜴のものではないと確信している人物が居た。
数々の手柄により前代未聞の昇進を遂げ警視庁副総監の座に就任した明智小五郎だ。
名コンビの小林刑事と共に数多くの事件を解決して来た明智は、黒蜥蜴の手口を知り尽くし思考法をも把握した上で黒蜥蜴を真似た別人の犯行であると推理する。
そんな明智たちの前に超小型ドローンが!!
ドローンはメッセージをその場に残すと逃走する。
残されたのは「聖夜の涙」を頂戴するとの黒蜥蜴からのメッセージであった。
黒蜥蜴からの挑戦状と判断した明智は受けて立つことを決意する。
予告当日、岩瀬がお披露目パーティーを開催していた。
明智や捜査陣が警備する中、岩瀬と十年来の交流を持つ凄腕マジシャン・緑川京子がやって来た。
パーティーでイリュージョンを披露すると語る京子だが、彼女こそ黒蜥蜴だったのである。
一方、「聖夜の涙」と並ぶ岩瀬の至宝・早苗であったが、不審な行動を繰り返していた。
仲間と連絡を取り合うと密かに「聖夜の涙」奪取を目論んでいたのだ。
この動きを察知した黒蜥蜴は早苗を利用しようと企む。
その夜、京子のイリュージョンが開始。
神出鬼没な京子に沸く会場の面々。
そんな中、京子が「聖夜の涙」を手にすると消えてしまった。
……と、数瞬後に客席に京子が現れた。
もちろん、その手には「聖夜の涙」が握られている。
京子は「聖夜の涙」を返却すると、引き続きステージに立ち続ける。
何故、「聖夜の涙」を奪う絶好のチャンスを捨ててしまったのか!?
それは此の後に明かされることに。
同じ頃、早苗は閃光弾のスイッチを入れようと手をかけていた。
これを合図に仲間が会場に乱入し「聖夜の涙」を奪う手筈である。
ところが、突如として会場内にガスが散布され始めた。
これを吸った者はバタバタと倒れ始める。
騒ぎが起こり呆然とする早苗、そんな早苗に駆け寄る何者かの姿……。
騒動が収まり、混乱から回復した面々。
すると、早苗が消えていることに気付く。
代わりに残されていたのは黒蜥蜴からの犯行声明。
其処には「聖夜の涙が偽物だった為に、もう1つの宝である早苗を連れて行く」と記されていた。
これを目にした明智はホテル内の捜索を命じる。
あの短時間に外へと出られる筈が無い。
だとすれば、黒蜥蜴は早苗をホテル内に隠していることになる。
ホテルと言えば旅行者、旅行者と言えばトランクケースだ。
明智はホテル内のトランクケースを調べるように指示。
すると、ロビーで発見されたトランクケースから早苗が救出された。
早苗を救出した明智は京子こそが黒蜥蜴であると告発する。
「聖夜の涙」が偽物かどうか判別出来るのは、所有者である岩瀬以外にはそれを手に取った京子以外に居ないからだ。
正体が露見した黒蜥蜴はその場を逃亡。
ただ1人、これに対応した明智が追跡する。
「捕まえてごらんなさ〜〜〜い」
「わははは……待て〜〜〜」
浜辺の恋人同士のように追いかけっこを続ける明智と黒蜥蜴。
と、其処に拳銃を構えた巡査が行き会った。
発砲してでも黒蜥蜴を止めようとする巡査。
すると、ちょうどパーティー参加者の子供が通りがかってしまう。
これを庇う黒蜥蜴。
そんな黒蜥蜴を庇う明智。
結局、明智は足に被弾し負傷してしまう。
追跡を断念した明智に黒蜥蜴は賭けを申し出る。
もしも、明智が黒蜥蜴を捕まえられたら黒蜥蜴の財産を全て手に入れる。
もしも、黒蜥蜴が捕まらなかったら明智が職を辞すとのものだ。
これを受けて立つ明智。
黒蜥蜴は満足そうに微笑むと姿を消した。
そんな黒蜥蜴の様子に不安を洩らす雨宮、これまでにないことだったからである。
黒蜥蜴は幼少時に両親を殺害されていた。
しかも、殺害された両親は情報流出の罪を着せられてしまったのだ。
以来、黒蜥蜴は必死に生き抜いて来たのだ。
そして、黒蜥蜴を幼少時から支えて来たのが雨宮だったのである。
一旦は「聖夜の涙」と「早苗」を守り抜いた明智。
とはいえ、彼に油断は無い。
密かに抜け出そうとしていた早苗を捕まえることに。
実は、早苗は岩瀬に一家心中に追いやられた親友の復讐をしようとしていたのだ。
其処で、今度は黒蜥蜴に誘拐されたフリをして騒ぎを大きくしようと目論んだのだ。
早苗の狙いは後に狂言であることを明かし、自身が逮捕されることで岩瀬を追いこむことにあった。
早苗の仲間たち―――田辺、黒岩、白崎も同じ目的である。
これを阻止した明智であったが、清掃員に化けた黒蜥蜴が乱入。
早苗は黒蜥蜴に連れ去られてしまう。
黒蜥蜴は岩瀬と早苗の親子の愛情を確かめると宣言。
いよいよ本当の計画に向けて動き出す。
岩瀬宅の様子を窺うべく、再び超小型ドローンを飛ばす黒蜥蜴。
だが、其処には明智が待ち構えていた。
黒蜥蜴の狙いを予測していたのである。
明智は超小型ドローンからメモを受け取る。
其処には「早苗と引き換えに、岩瀬が秘密裏に開発していた超軽量金属の開発データを渡す」よう記されていた。
超軽量金属は水に浮く金属、軍事用に展開すれば多大な富を生む代物であった。
明智は岩瀬が此の為に里緒奈を殺害したと指摘する。
里緒奈はこのデータをライバル社に持ち出そうとしていた為に殺害されたのだ。
さらに、早苗に岩瀬の不正をバラすとまで脅迫していたらしい。
取引に応ずるべきか悩む岩瀬。
明智は岩瀬がこの取引に応じねば早苗も岩瀬も黒蜥蜴に殺されると予言する。
黒蜥蜴は10年間も京子として岩瀬と接しつつも犯行に及ばなかった。
その理由は岩瀬が曲がりなりにも早苗を愛していたかららしい。
岩瀬は里緒奈殺害を認め、明智に早苗の救出を依頼する。
取引現場を包囲する捜査陣。
すると、一斉に黒蜥蜴と思われる女性が4人出現。
それぞれがそれぞれに行動し、捜査員を攪乱し始める。
刑事たちは黒蜥蜴と思しき4人を追うが、小林刑事が岩瀬と共にその場に残った……。
数分後4人の黒蜥蜴が拘束されていた。
ところが、その正体が雇われた劇団員と判明。
同時刻、小林刑事は雨宮が運転する車に乗っていた。
その手には岩瀬から奪い取ったデータが握られていた。
そう、この小林刑事は黒蜥蜴の変装だったのだ。
本物の小林刑事は別の場所で気絶していた。
雨宮と共にクルーザーへと戻った黒蜥蜴。
ところが、其処には明智が先回りしていた。
全て明智の掌の上だったのだ。
似た者同士だと語り合う明智と黒蜥蜴。
明智は黒蜥蜴に投降を願うが、黒蜥蜴はこれを拒否。
遂に明智は「引き分けにしよう」とまで譲歩する。
それほど、互いに互いを稀有な存在を見做したのである。
惹かれ合う2人。
と、突如として銃声が響く。
雨宮が明智を銃撃したのだ。
胸を抑えた明智は海へと転落する。
黒蜥蜴と雨宮は明智を殺害したことでアジトへと戻る。
翌朝、雨宮は黒蜥蜴が黒蜥蜴である為には明智と早苗が邪魔だと主張。
黒蜥蜴に早苗を殺害するように諭す。
早苗の監禁先を訪れた黒蜥蜴と雨宮。
すると、遅れてもう1人の雨宮がやって来た。
後から現れた雨宮は先行していた雨宮を「明智の変装だ」と罵る。
そう、明智は雨宮にわざと銃撃させておき密かに尾行していたのである。
銃撃は防弾チョッキで防がれていた。
今や、黒蜥蜴のアジト周辺は警官隊に包囲されているのだ。
ところが、此処で黒蜥蜴が高笑いを始める。
黒蜥蜴は明智の正体を見抜きつつも泳がせていたのだ。
足に被弾した際の傷が癒えて居らず、見抜かれてしまったらしい。
「あなたは何もかも私から奪おうとする。でも、心だけは私のものよ」
アジトを突き止められ全てが瓦解しようとしている中で叫ぶ黒蜥蜴。
これに雨宮は「黒蜥蜴が明智を愛してしまった」と語るや剣での一騎打ちを挑む。
それに応じつつも「黒蜥蜴が愛を知る人物だ」と語り出す明智。
超軽量金属は軍事転用の危険を秘めていた、これを岩瀬から盗むことで救われる人々は多い。
また、黒蜥蜴が盗んで来た品々は全て大勢を救う為の物であった。
黒蜥蜴は世の中にバランスをもたらすべく行動していたのだ。
「すべては愛の為せる業だ」と評する明智に動揺する黒蜥蜴。
黒蜥蜴は何処までも強いられて生まれた存在だったのだ。
そんな2人の様子を見かねた雨宮が明智に発砲。
これを黒蜥蜴が庇って被弾してしまう。
倒れ込む黒蜥蜴を抱きかかえる明智。
黒蜥蜴は「明智を愛してしまったことが敗因」と告白するや眠るように目を閉じた。
と思いきや、黒蜥蜴が消えた。
もちろん、雨宮も其処には居ない。
全て黒蜥蜴と雨宮の芝居だったのだ。
取り残された明智と早苗。
明智は「してやられた」と笑い出す。
数日後、岩瀬は里緒奈殺害の罪で逮捕された。
新たに不正などの余罪も明らかとなった。
早苗は死に追いやられた友人を悼んでいるそうだ。
黒蜥蜴は公式記録上、死亡したこととされた。
明智は副総監の職を辞した。
小林刑事も明智をサポートすべくその職を辞した。
これからは黒蜥蜴を追い続けると宣言する明智。
その頃、黒蜥蜴は雨宮と共に海外に居た。
果たして、その胸中や如何に―――エンド。
<感想>
原作は江戸川乱歩先生『黒蜥蜴』(東京創元社刊)。
・『黒蜥蜴』(江戸川乱歩著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
では、ドラマの感想を。
原作をアレンジし大胆な解釈を加えつつも、全体的に一本筋が通った作品だったように思います。
特に明智と黒蜥蜴の関係性の描き方は特筆すべきでしょう。
「追う者」と「追われる者」、それが明智と黒蜥蜴の関係。
同時に彼らは互いの胸に互いを刻み込んだ。
ラスト、明智の掌に残る黒蜥蜴のマークは彼にとって黒蜥蜴が特別な存在であることを示している。
とすると、この世界では文代さんは出て来ないのかもしれませんね。
ちなみに、あの黒蜥蜴の死亡偽装。
もともと黒蜥蜴一味は殺人は犯さないとの明智の分析通り。
この辺り、既にヒントは出されていた。
だから、明智が岩瀬に対し「取引に応じなければ早苗と岩瀬の命が危ない」と脅迫していたが、あれは明智なりの嘘でしょう。
また、よくよく視ていると分かるのですが、黒蜥蜴は早苗が犯行に手を染める前に悉く止めています。
「聖夜の涙」窃盗も阻止しているし、早苗の狂言誘拐も阻止している。
一見、黒蜥蜴自身のプライドを守る動きにも見えるけど、どちらかと言えば早苗が罪を犯すことを止めているのでしょう。
此の点も、ラストの黒蜥蜴の動機に説得力をもたらしていたように思います。
それにしても、浜辺を走る恋人たちのように「キャッキャッウフフ」する明智と黒蜥蜴。
今後は世界を舞台に繰り広げることとなるのでしょう。
また、あれを見ていたから「世界平和」の理念のもとに明智と黒蜥蜴が実は陰で共謀していた……とのラストだったらどうしようとか思っちゃいました。
とはいえ、明智と黒蜥蜴は意図せずと言えどそれに近い関係にあるように見えますね。
そして、序盤の明智、黒蜥蜴、早苗の三つ巴状態がとても良かった。
もう少し、三者で競い合っても面白かったかも。
いっそのこと、最後まで三竦みで丁々発止を繰り広げても楽しめたかもしれない。
そう言えば、終盤で山下真司さんがラグビーボールを手にされていましたが「スクールウォーズ」のパロディなのかな。
また、早苗役を演じられた剛力彩芽さんは以前にも明智小五郎が登場するドラマに出演されています。
それが「金田一耕助VS明智小五郎ふたたび」だったりします。
・「金田一耕助VS明智小五郎ふたたび 名探偵金田一と明智の推理対決再び!村の入り口に垂れ下がる首つり死体…柳條家に隠された宝と謎…それを狙う怪人二十面相!名家を襲った怪事件!驚愕の結末とは!?」(9月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
【江戸川乱歩著作関連】
・『妻に失恋した男』(江戸川乱歩著、春陽堂書店刊『ペテン師と空気男』収録)ネタバレ書評(レビュー)
・『黒蜥蜴』(江戸川乱歩著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【アレンジ作品】
・「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」(2008年、日本)ネタバレ批評(レビュー)
・「三代目明智小五郎〜今日も明智が殺される〜」(MBS制作&TBS系にて放送、2010年)
【その他】
・江戸川乱歩作「妻に失恋した男」が映画化!!「失恋殺人」は4月24日より公開!!
・映画「失恋殺人」、モントリオール世界映画祭へ!!
・映画「失恋殺人」の衝撃再び!!今度の映画は「D坂の殺人事件」だ!!
・土曜ワイド劇場の名作「江戸川乱歩の美女シリーズ」が遂にBlu-ray BOXになった!!「江戸川乱歩の美女シリーズ Blu-ray BOX」は2015年6月24日に発売予定とのこと!!
・2015年7月19日(日)13時50分より「NHKアーカイブス すべては乱歩から始まった〜日本ミステリーの父 没後50年」放送とのこと!!
・NHKにて江戸川乱歩関連番組が続々放送予定!!「NHKアーカイブス」に続き「シリーズ・妖しい文学館」と「ETV特集」も!!
・「ETV特集 二十の顔を持つ男〜没後50年・知られざる江戸川乱歩〜」(8月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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古い話で申し訳ありませんが、前回のコメントは俺さんの思った通り、車田正美先生です。
聖闘士星矢からのファンで、それ以前の作品のコミックを集めるくらい大好きな先生です。
未完だった男坂がの続編がコミックで出て、嬉しかったりします。
今回の黒蜥蜴…江戸川乱歩先生の作品は読んではいないのですが、子供の頃…漫画で読んでました。
なんとなくおどろおどろしいイメージ…黒蜥蜴は美しい人間を集めて蝋人形にしてた…という記憶だったのですが、今回はそんな流れではなく…。
ホテルの廊下を走って逃げる黒蜥蜴に、それに追い付けない明智副総監…とか、警察官としてそれはどうなの…と、思わずツッコんでしまうくらい、ギャグっぽく感じてしまうシーンがチラホラと。
180cmある小林刑事に黒蜥蜴が変装するとか無理があるような気がしました(笑)
ストーリー的には綺麗というか、良い話に纏まっていたように思いましたが…すみません、私の印象はコメディでした。
こちらこそ、お久しぶりです!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
良かった〜〜〜車田先生だったんですね。
同士に巡り合えて嬉しいです!!
『男坂』続編の報については恥ずかしながら知りませんでした。
教えて頂けて感謝!!
それにしても『男坂』続編に加えて『週刊少年チャンピオン』本誌でも「冥王神話」の連載が再開されていますしファンとしては本当に嬉しい限り(^O^)/!!
ドラマ版「黒蜥蜴」になりますが、確かに原作とは異なる独特な世界観を構築する作品となっていましたね。
原作はご指摘の通り「黒蜥蜴が抱く固有の価値観(美を永久保存するとのスタンス)」や「明智との関係性」などが大きな見所になっていました。
その点、ドラマ版は「明智との関係性」に重きを置きつつも、確かに原作よりポップに寄っていた印象ではありますね。
真矢さんの起用は、恐らくですが、過去の京マチ子さんや小川真由美さんの黒蜥蜴を意識してのことだったのではないか……と、勝手に推測しています。男装が無理なく板に付いて美しく、非現実と現実の狭間を巧みに往来出来る、しかも独特の中性的な魅力に溢れる女優さんとして、この『黒蜥蜴』には適役であったと思います。
今回のドラマは、原作の持つ退廃的で淫靡で凄惨な美学を、極力、幻想的で華麗で痛快な魅力に置き換えてあって、何だか『CAT'S EYE』でも見ているような気分になりました。そう言えば、里見さん演じる忠実な老執事のような雨宮は、まるで来生姉妹を支える永石さんを思わせる人物でしたね。
もしかしたら、平成27年に出現した黒蜥蜴は、両親の非業の死を目の当たりにして、緑川家の血を受け継ぐ子孫としての贖罪の思いから、戦前(76年前)に曽祖母が犯した罪を秘かに償い続ける為に、世界平和に貢献するような大義賊になったのではないか……何て想像も楽しみました。そうなると、明智さんも小林くんも浪越警部も、皆、戦前に黒蜥蜴に翻弄された人々の子孫なのかも知れません。
これはもう「明智小五郎シリーズ」ではなく、「明智VS黒蜥蜴シリーズ」として、完全オリジナル路線で行くのかも知れない……という気がして来ています。
追伸 ラグビーボール、私も「を!?」と思いました。局は違いますけれど、さりげなく嫌味のないファンサービスだったと思います。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
確かに原作とは異なる新しい「黒蜥蜴」と呼べる世界観の作品でしたね。
そして「キャッツ・アイ」との共通点、ご指摘を受けて見ればそうとしか見えない!!
また、平成の「黒蜥蜴」が原作の「黒蜥蜴」の子孫かも……というのもアリですね!!
此の点も含めて、本作は独自の世界観を構築しており、まさに「明智VS黒蜥蜴シリーズ」と呼ぶに相応しいドラマではないでしょうか。
あのシーンでラグビーボールが出て来たのは驚きでしたよね。