2015年12月23日

【2015速報】「2016 本格ミステリ・ベスト10」発表!!

「2016 本格ミステリ・ベスト10」が発表されました!!

果たして気になる結果は?

◆「本格ミステリ・ベスト10 2015」(原書房、探偵小説研究会著 2015年12月2日発売)

注意:各タイトルのリンクは「ネタバレ書評(レビュー)」に繋がっています。

順位国内海外
ミステリー・アリーナそして医師も死す
片桐大三郎とXYZの悲劇あなたは誰?
王とサーカス薔薇の輪
オルゴーリェンヌ髑髏の檻
その可能性はすでに考えたリモート・コントロール
赤い博物館犬はまだ吠えている
鍵のかかった男悲しみのイレーヌ
東京結合人間曲がり角の死体
死と砂時計水の葬送
10星読島に星は流れたチェスプレイヤーの密室



国内編1位は深水黎一郎先生『ミステリー・アリーナ』(原書房刊)がランクイン。

深水先生、おめでとうございます!!

管理人が一読後にランクインを確信した作品。
多重推理ものの傑作です、読むべし!!

『ミステリー・アリーナ』は『早ミス』3位、『文春』4位、そして『本ミス』で1位に。
残る『このミス』ではどうなるか!?

2位には倉知淳先生『片桐大三郎とXYZの悲劇』(文藝春秋社刊)。

これまた管理人が一読後にランクインを確信した作品。
本歌取りの傑作です、読むべし!!

3位には米澤穂信先生『王とサーカス』(東京創元社刊)。

「ベルーフシリーズ」の長編が3位にランクイン。
『早ミス』1位、『文春』1位も『本ミス』での3冠は逃すことに。
とはいえ、『このミス』本命の座は譲れないか。

4位には北山猛邦先生『オルゴーリェンヌ』(東京創元社刊)。
『早ミス』6位『文春』10位。

5位には井上真偽先生『その可能性はすでに考えた』(講談社刊)。
『早ミス』5位。

6位には大山誠一郎先生『赤い博物館』(文藝春秋社刊)。

7位には有栖川有栖先生『鍵の掛かった男』(幻冬舎刊)。
「作家アリスシリーズ」最新作がランクイン。
「作家アリスシリーズ」は2016年1月から日本テレビ系にて連続ドラマ化が発表されています。

8位には白井智之先生『東京結合人間』(角川書店刊)。
9位には鳥飼否宇先生『死と砂時計』(東京創元社刊)。
10位には久住四季先生『星読島に星は流れた』(東京創元社刊)。

ちなみに本誌に掲載された作者近況から耳寄りな情報を挙げて行くと……。

まず、芦辺拓先生から『金田一耕助、パノラマ島へ行く』の刊行予定が明らかに。

『金田一耕助、パノラマ島へ行く(前篇)』(芦辺拓著、角川書店刊『小説野性時代 2015年3月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『金田一耕助、パノラマ島へ行く(後篇)』(芦辺拓著、角川書店刊『小説野性時代 2015年4月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『明智小五郎、獄門島へ行く(前篇)』(芦辺拓著、角川書店刊『小説野性時代 2015年9月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『明智小五郎、獄門島へ行く(後篇)』(芦辺拓著、角川書店刊『小説野性時代 2015年10月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

そして、天祢涼先生が『キョウカンカク』の前日譚ことエピソード0を2016年に刊行予定と表明。
これは2014年にも予告されていた作品ですが、タイトルは『ニュクス(仮)』だそうです。

天祢涼先生、『キョウカンカク』の前日譚を執筆中とのこと!!

次いで、大山誠一郎先生が『密室収集家』の続編を予定していることが明らかに。

『密室蒐集家』(大山誠一郎著、原書房刊)ネタバレ書評(レビュー)

法月綸太郎先生も以前に発表された「読者への挑戦」により成立する短編『挑戦者たち』を長編化する旨を記されています。

『挑戦者たち』(法月綸太郎著、新潮社刊『小説新潮 2014年5月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

では、此処で「本格ミステリ・ベスト10」時点での国内総評。

とりあえず今後の注目は次の2点。

1.残る1冠(『このミス』)を巡り『王とサーカス』(『早ミス』『文春』制覇)と『ミステリー・アリーナ』(『本ミス』制覇)のいずれが勝つか?
あるいは第3の作品が登場するのか!?

2.この時点での10位以内皆勤作品が『このミス』でも10位以内になるか?

現時点での対象作品はわずかに3作品。

『王とサーカス』(『早ミス』1位『文春』1位『本ミス』3位)
『ミステリー・アリーナ』(『早ミス』3位『文春』4位『本ミス』1位)
『オルゴーリェンヌ』(『早ミス』6位『文春』10位『本ミス』4位)

敢えて『本ミス』の縛りを外すと次の4作もこれに加わります。

『戦場のコックたち』(『早ミス』2位『文春』3位)
『流』(『早ミス』4位『文春』2位)
『キャプテン・サンダーボルト』(『早ミス』8位『文春』9位)
『さよならの手口』(『早ミス』10位『文春』10位)

では、海外。

1位には『そして医師も死す』がランクイン。
早くも「本格縛り」の影響か、驚くべきことに本作はこれまでのどのランキングにも名が挙がっていません。
これこそ『本ミス』の味ですね、2位にも同様の影響が見受けられます。

また、これにより海外は4つのランキング1位を『悲しみのイレーヌ(文春1位)』『ありふれた祈り(早ミス1位)』『判決破棄 リンカーン弁護士(IN★POCKET1位)』『そして医師も死す(本ミス1位)』の4作で分け合う形に。
いずれが残る『このミス』で2冠なるか、あるいは新たな作品が登場するかに注目が集まります。

そして『文春』1位の『悲しみのイレーヌ』は7位に。
他に『髑髏の檻』(『IN★POCKET』3位『早ミス』7位『文春』圏外『本ミス』4位)と『薔薇の輪』(『IN★POCKET』8位『早ミス』圏外『文春』圏外『本ミス』3位)の3作が他ランキングでも名が挙がった作品。
それ以外は初出です。
つまり、4つのランキングが発表された現時点で10位皆勤作品は「なし」との結果に。

どうも海外では本格系以外の作品が多く、その絶対数の差から本格系作品が「本ミス」以外では10位以内に入りづらくなっているような印象を受けますね。
一転、国内では本格系作品が他ランキングでも上位を占めることもあり、なかなかに面白い現象と言えそうです。

では、海外編の注目点を2つ。

1.残る1冠を巡り『悲しみのイレーヌ』(『IN★POCKET』圏外『早ミス』圏外『文春』1位『本ミス』7位)『ありふれた祈り』(『IN★POCKET』圏外『早ミス』1位『文春』3位『本ミス』圏外)『判決破棄 リンカーン弁護士』(『IN★POCKET』1位『早ミス』圏外『文春』圏外『本ミス』圏外)『そして医師も死す』(『IN★POCKET』圏外『早ミス』圏外『文春』圏外『本ミス』1位)のいずれが勝つか?
あるいは新たな作品が登場するのか?

2.この時点での10位以内皆勤作品が『このミス』でも10位以内になるか?
ところが、先に述べた通り対象作品は「なし」。

と言うワケで4ランキング中3ランキングでの皆勤に対象を拡大してみると……次の4作が該当。

『もう過去はいらない』(『IN★POCKET』2位『早ミス』4位『文春』7位『本ミス』圏外)
『悪魔の羽根』(『IN★POCKET』5位『早ミス』3位『文春』8位『本ミス』圏外)
『偽りの楽園』(『IN★POCKET』10位『早ミス』9位『文春』5位『本ミス』圏外)
『髑髏の檻』(『IN★POCKET』3位『早ミス』7位『文春』圏外『本ミス』4位)

この4作が『このミス』でも名を連ねるかに注目。

大体、こんな感じでしょうか。

他ランキングに比べ独自色が強く見られた『本格ミステリ・ベスト10』。
管理人とっては「本格ミステリ」とは次の2条件を満たすかどうか。

・作中にロジックを用いているか?
・そこにサプライズはあるか?

どちらか一方でも構いません。
勿論、両方兼ね備えていればより本格純度の高いミステリと考えます。

その意味で、今回のランキングに入った作品はいずれかの条件を満たしており、さらに上位作品に関しては両方をクリア。
満足いくランキングとなりました。

◆【2015速報】現在までのランキング
【2015速報】「IN★POCKET 文庫翻訳ミステリー・ベスト10 2015」発表!!

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2015年(2014年発売)ミステリ書籍ランキングまとめ!!

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2013年(2012年発売)ミステリ書籍ランキングまとめ!!

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2011年ミステリ書籍ランキングまとめ!!

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【2014速報】「2015 本格ミステリ・ベスト10」発表!!

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【2012速報】「2013 本格ミステリ・ベスト10」発表!!

【2011速報】「2012 本格ミステリ・ベスト10」発表!!

【速報】「2011 本格ミステリ・ベスト10」発表!!

上記、ランキング中で気になる本がある方はこちら。


「2016本格ミステリ・ベスト10」です!!
2016本格ミステリ・ベスト10

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリランキング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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