2015年12月10日

「無痛 診える眼」9話「正義としての殺人」(12月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「無痛 診える眼」9話「正義としての殺人」(12月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<9話あらすじ>

為頼英介(西島秀俊)、早瀬順一郎(伊藤淳史)、高島菜見子(石橋杏奈)、白神陽児(伊藤英明)らが院長室に会す。警察から逃走中のイバラ(中村蒼)が、一度白神を訪ね、再び姿を消していた。また、南サトミ(浜辺美波)も病室に血の付いた携帯電話を残していなくなっている。早瀬は、イバラがサトミを誘拐したものと判断し、付近の緊急封鎖を要請。為頼と菜見子は、もう一度病院を探すが、2人の姿はない。

その夜、1人院長室に残った白神は、デスクに付着したイバラの血液に気づく。デスクの引き出しを開けると、保存していたUSBメモリーが消えていた。イバラは一家殺害現場で自分を見たというサトミに何を見たのか教えて欲しかった。イバラ自身に記憶がないからだ。2人はトラックの荷台に身を隠し、逃走して行く。

翌朝、為頼が菜見子と診療所にいると早瀬から連絡が入る。サトミの携帯電話に残された血液がイバラのものと判明したのだ。為頼と井上和枝(浅田美代子)は、やはりイバラがサトミを誘拐したのだろうと話すが菜見子は疑う。サトミが描く一家殺害の絵と曖昧な記憶に、イバラが関係しているのではないかと菜見子。サトミは記憶を求め、自らイバラに同行したのでは? と。

為頼は白神がなぜ無痛治療にこだわっているのかが気になり、早瀬を警察署に訪ねる。だが、早瀬は白神に呼び出されたためにすれ違ってしまった。その頃、白神はイバラに強い犯因症が見えたと早瀬に告げていた。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
為頼英介:主人公、様々な病気を見抜く眼を持つ医師。
早瀬順一郎:熱血漢の刑事。
高島菜見子:臨床心理士。
白神陽児:クリニックの経営者。実は……。
イバラ:白神のもとで働く男。実は……。
南サトミ:菜見子の担当患者。
久留米実:元医師、為頼の師。
井上和枝:為頼の義姉。
佐田要造:菜見子のストーカー。


医師の為頼英介は外観から患者の状態を診断する眼を持っている。
それは遂に、将来的に犯罪を犯すであろう「犯因症」を見抜くことまで可能にしていた。

この能力は為頼を他者と一線を画す存在としたが、同時に彼に限界を報せることにもなった。
皮肉なことに、為頼が幾ら相手の状態を見抜いたとしても現在の医療水準に頼る以上、治療法が確立されていない病気の場合に為す術がないのは他の医師と同じなのである。
むしろ、より正確に不可能を知るだけに虚無感に支配されていた。

そんな為頼にクリニックの経営者である白神院長が接触を図って来た。
実は白神もまた為頼と同じ眼を持っており、それ故に為頼の能力を認めていたのだ。
白神は患者に苦痛を与えない「無痛治療」を提唱し、為頼にスカウト話を持ちかける。
しかも、白神はこれを実現させる為に「先天性無痛症」を患うイバラを研究していたのである。
具体性を伴うプランに揺らいだ為頼は白神へ協力を申し出る……のだが。

当のイバラが佐田殺害犯として逮捕されてしまったことで揺らぎ始める。
また、イバラ自身に佐田殺害についての記憶が存在していないことも為頼の不審を助長することに。
為頼はイバラについて調べるうちに白神への疑惑を深めて行く。

そんな中、イバラがサトミを連れ姿を消すことに。
実はイバラこそが一家4人殺人事件の犯人だったのだ。
だが、それは白神から処方された薬により操られた結果であった。
イバラにその記憶はない。

一方、白神は早瀬にイバラを殺すことが正義だと吹き込んでいた。
これに影響を受けた早瀬はイバラを追う。

矢先、イバラとサトミが為頼のもとへ訪れた。
為頼は2人を保護すると共に、事件の背後に白神が存在すると確信を抱く。

ところが、此処に早瀬が乱入。
「犯因症」を浮かべた早瀬はイバラへ発砲してしまう。
被弾したイバラは橋から落下する―――10話へ続く。

<感想>

ドラマ原作は久坂部羊先生による同名作品。
シリーズ続編として『第五番 無痛2』も存在している。
過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。

『無痛』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

『第五番 無痛2』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

タイトルにもなっている「無痛」の意味は登場人物の1人・イバラが「無痛症」を患っていることを示しています。
また、登場する「他者の痛みを理解しようとしない人々」のことをも指すのでしょう。

さて、人は白神が主張するように「無痛」に生きるべきなのか?
それはドラマ最終回にて答えが明かされることでしょう。

では、ドラマ版9話の感想を。

やはり、白神の狙いは早瀬を利用したイバラの口封じか。
とはいえ、今回の描写だとイバラは重傷を負いつつも生存していそう。
これはもしかして『第五番』のラストが再現されるのかも!?

「痛みを肯定する者」と「痛みを否定する者」とに分かれた本作。
いよいよ次回は最終回、注目せよ!!

◆関連過去記事
【久坂部羊先生著作関連】
『無痛』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

『第五番 無痛2』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

『破裂』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

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