2015年12月17日

「無痛 診える眼」最終話(10話)「痛みとは」(12月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「無痛 診える眼」最終話(10話)「痛みとは」(12月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<最終話あらすじ>

診療所に戻った為頼英介(西島秀俊)は、早瀬順一郎(伊藤淳史)がイバラ(中村蒼)に拳銃で発砲したことを高島菜見子(石橋杏奈)、井上和枝(浅田美代子)に話す。イバラは川に転落したまま行方がわからない。和枝は発砲を焦った早瀬の方が危険ではないかと危惧。寝ていたはずの南サトミ(浜辺美波)が話を聞いてしまい、玄関から飛び出そうとするのを和枝が必死に抑えた。

翌日も警察はイバラの捜索を続ける。一方、信用を失った『白神メディカルクリニック』は患者の転院などの整理が進められていた。秘書の横井清美(宮本真希)は今後の相談をしようと院長室へ行くが、白神陽児(伊藤英明)姿はなく、携帯電話も繋がらない。

為頼の診療所には早瀬が姿を現す。イバラを撃ったことを責める為頼に、早瀬は彼を殺害するしかないと口走る。為頼は早瀬に白神から言われたのではないかと問う。為頼は、白神が早瀬にイバラを殺すようそそのかしたと続けた。そして、為頼はイバラの治験データを早瀬に見せる。データはイバラが白神に処方された薬の影響で一家殺害時の記憶の喪失、薬による強暴性の増加を語っていた。早瀬は一家殺害に白神の関与がありそうなことに気づかされる。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
為頼英介:主人公、様々な病気を見抜く眼を持つ医師。
早瀬順一郎:熱血漢の刑事。
高島菜見子:臨床心理士。
白神陽児:クリニックの経営者。実は……。
イバラ:白神のもとで働く男。実は……。
南サトミ:菜見子の担当患者。
久留米実:元医師、為頼の師。
井上和枝:為頼の義姉。
佐田要造:菜見子のストーカー。


医師の為頼英介は外観から患者の状態を診断する眼を持っている。
それは遂に、将来的に犯罪を犯すであろう「犯因症」を見抜くことまで可能にしていた。

この能力は為頼を他者と一線を画す存在としたが、同時に彼に限界を報せることにもなった。
皮肉なことに、為頼が幾ら相手の状態を見抜いたとしても現在の医療水準に頼る以上、治療法が確立されていない病気の場合に為す術がないのは他の医師と同じなのである。
むしろ、より正確に不可能を知るだけに虚無感に支配されていた。

そんな為頼にクリニックの経営者である白神院長が接触を図って来た。
実は白神もまた為頼と同じ眼を持っており、それ故に為頼の能力を認めていたのだ。
白神は患者に苦痛を与えない「無痛治療」を提唱し、為頼にスカウト話を持ちかける。
しかも、白神はこれを実現させる為に「先天性無痛症」を患うイバラを研究していたのである。
具体性を伴うプランに揺らいだ為頼は白神へ協力を申し出る……のだが。

当のイバラが佐田殺害犯として逮捕されてしまったことで揺らぎ始める。
さらに、イバラが一家4人殺人事件の犯人だったことも明らかに。

実はイバラは白神に操られ、意図せず犯行に及んでいた。
これを知った為頼はイバラを救おうとするが、これまた白神に利用された早瀬に銃撃されてしまう。
イバラは水路に転落し姿を消した。

此処で為頼は早瀬にイバラの真実を明かす。
利用されたと知った早瀬は白神へとその怒りの矛先を向ける。

一方、秘書の横井は白神を追い詰めようとする為頼たちに危機感を募らせる。
遂にコレを襲撃するが捕まることに。

そんな中、早瀬が白神と惨殺された一家4人の思わぬ繋がりを突き止めた。
4人の被害者の1人・石川秋子は白神の弟・礼二の元恋人だったのだ。
だが、秋子は礼二を捨て石川を選んでいた。
捨てられた礼二はショックを受け自殺し、その心臓を白神が移植されていた。
すべては白神による弟の復讐だったのだ。

これを知った為頼は白神と「白神メディカルクリニック」で対決する。
弟の死を「理不尽」と呼ぶ白神、同じ「理不尽」を味合わせる為にイバラを利用し復讐したらしい。

為頼は白神が「無痛治療」に拘ったのは「弟を失った痛みに耐えられなかったからだ」と指摘。
白神は激しく動揺する。

其処へ早瀬が駆け付けた。
悪を憎む早瀬は為頼の制止も聞かず白神へ発砲。
だが、戸惑いからか弾丸は白神の背後の窓へ命中する。

其処でイバラも駆け付けた。
イバラは「白神が素晴らしい医師だ」と語りつつ、彼へと特攻。
窓を突き破ると白神を道連れに転落死を遂げる。

こうして、白神とイバラは落命した。

事件は解決し、為頼は旅に出ることにした。

為頼は早瀬の犯因症が不治の病であることを告げる。
つまり、早瀬はソレを抱えて衝動と抗い続けなけれなならないのだ。
それは長く苦しい戦いとなるだろう。
さらに、為頼は早瀬が悪を憎むあまり、悪に強硬手段で挑む彼自身をも憎んでいると指摘。
その根深さを明確にする。
だが、早瀬はそれでも戦い続けると宣言する。

旅に出た為頼、彼は何処へ向かうのか?
そんな為頼の視線が母親に抱かれ無邪気に笑う赤ん坊に注がれる。
その笑顔には一転の曇りもない―――エンド。

<感想>

ドラマ原作は久坂部羊先生による同名作品。
シリーズ続編として『第五番 無痛2』も存在している。
過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。

『無痛』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

『第五番 無痛2』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

では、ドラマ版最終話の感想を。

「痛み」を肯定する為頼、「痛み」を否定する白神。
だが、白神も「痛み」を感じており、それに耐え兼ねたからこその否定であった。
これに対し、為頼は人の営みに「痛み」は伴うものであり、不可欠であるとしました。
それはおそらく「痛み」を感じることで「人は生の実感を得るから」か。
そんな本作の結論は「痛みとは抱えて生きるもの」ということなのでしょう。

ただ、出来ればもう少し為頼と白神で「痛み」についての議論を深めて欲しかった気はしますね。
とはいえ、本作はテーマ性が強調された作品だったような印象です。

また、本作では「犯因症」を「誰しもが何かの折に抱く強い殺意」と定義していたように思います。
例えば、横井なども急に発症したようですし。
つまり、それは誰もが患う可能性があるのかもしれません。
これと戦うべきは早瀬だけではないのかも……。

それにしても、ラストで赤ん坊がクローズアップされたシーンで「為頼が赤ん坊に犯因症を見てしまったらどうしよう」とかドキッとしてしまいました。
あれは「唯一、犯因症を抱くことがない存在」としていたんでしょうね。
ただ、あそこで為頼が「犯因症」を見出していれば……「殺意」もまた「痛み」と並ぶ人の原初の感情であり、抗うべき情動であるとのさらなるアプローチを果たせていたかもしれません。

◆関連過去記事
【久坂部羊先生著作関連】
『無痛』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

『第五番 無痛2』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

『破裂』(久坂部羊著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

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