2016年01月11日

『アルゴリズム・キル』8話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2016年1月号』掲載)

『アルゴリズム・キル』8話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2016年1月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

私は今、県警本部の捜査に必要とされていない――大人気警察小説シリーズ、再始動!
(光文社公式HPより)


<感想>

遂にクロハシリーズ最新作が『小説宝石 2015年6月号』より連載開始されました。
そのタイトルは『アルゴリズム・キル』。
『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』に続く長編です。

『アルゴリズム・キル』、直訳すると「殺しの手法(解法)」か。
なかなかに意味深長。

そして、『プラ・バロック』では姉と、『エコイック・メモリ』では姉の忘れ形見・アイと、それぞれ形は違えど大切な存在と離れることとなったクロハ。
そんな彼女はそのショックの後遺症から所轄署の警務係に異動。
此の状態で埋もれることも考えていたクロハ。
だが、周囲はともかく事件が彼女を捨て置かなかった。
またも、事件と関わることに。

今回はそんな『アルゴリズム・キル』の第8話。

意外にも上層部の不正事件は今話で決着を見ることに。
残るは「Kiru」による連続殺人事件のみ。
どうやら、完全に別々の事件だったようです。

とはいえ、不正事件の余波でクロハが県警本部に復帰。
いよいよ連続殺人事件に真正面から挑むことに。
ところが、クロハが此処でイマイへの報告について悩みを。
再度、浮上したイマイの名ですが……これはやはり裏があるのか?

そして、クロハが思い起こすのはアイのこと。
アイは実父のもとですくすくと育っているようです。
これも本編の関わって来るのか?
だとすれば、クロハとアイが再び共に生活する日もやって来るのか?
次話も注目です!!

ちなみに、ネタバレあらすじはかなり改変を加えているので注意!!
あらすじを読んで興味を持たれたら本作にチャレンジすべし!!

<ネタバレあらすじ>

◆前回までのあらすじ

『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』と2つの事件により所轄署の警務課へ異動となったクロハ。
続けて大切な者を失ったことで半ば自暴自棄の状態であった。

矢先、イベントの警護に駆り出されたクロハは女性の遺体を発見する。
その遺体は激しい暴行を加えられ、全ての歯を折られた無惨なものであった。
とはいえ、クロハが捜査に携わることは無い―――少なくとも此の時点ではその筈であった。

そんなある日、警務課に出動要請がもたらされた。
児童相談所から児童虐待の現場に同行する人手を出すように依頼されたのだ。
これに応じたクロハは区役所職員のイマイやタカシロと出会う。
イマイから「戸籍上存在が確認出来ないが実社会で存在が確認出来ている児童」の保護を求めらたクロハ。

同じ頃、シイナから「バーチャル陣取りゲーム」こと「侵×抗」に関与している「Kiru」なる人物の情報がもたらされる。

調べを続けたクロハはイマイの依頼と「Kiru」が重なり合うことに気付く。
どうやら「Kiru」はクロハが探す少年たちが所属するグループらしい。

一方、何者かの監視に気付いたクロハに会計課員のニシが接近。
クロハに正義を行う為に必要な品を手渡そうとするのだが射殺されてしまう。

・前回はこちら。
『アルゴリズム・キル』7話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年12月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

◆8話あらすじ

ニシがクロハに託そうとした品の正体は「上層部の不正を示すデータが入ったUSB」であった。
署長やナツメたちは架空の協力者を創出し、その謝礼金を計上しプール金を作っていたのである。

会計課であったニシはこのカラクリを知り告発しようとしていた。
其処でクロハを頼ったのだ。
だが、この動きに気付かれた為に上層部に雇われたサカイに殺害されたのである。
しかも、肝心のUSBはシオサキに持ち去られてしまった。

困り果てたクロハだが、迷惑メールの中にUSBと同じデータが含まれていることに気付く。
どうやら、ニシは念の為に別ルートでの受け渡しも考えていたようだ。

こうして「不正の証拠」を手に入れたクロハは後輩のミズノを通じナツメに接触。
ナツメに罪を認めさせることに。

所轄署に居場所を無くしたクロハは県警本部に戻ることとなった。
改めて、クロハは連続殺人事件と向き合うことに。

この被害者について新情報が浮上。
被害者自体も戸籍の存在しない児童であったが、加害者もまた同じ立場の児童だったのだ。

どうやら、イマイに依頼された児童も同じく加害者の1人のようである。
これをどうイマイに伝えるべきか……クロハは頭を抱えることに―――9話に続く。

◆関連過去記事
『アルゴリズム・キル』1話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年6月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』2話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年7月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』3話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年8月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』5話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年10月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』6話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年11月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『アルゴリズム・キル』7話(結城充考著、光文社刊『小説宝石 2015年12月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

『プラ・バロック』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『エコイック・メモリ』(結城充考著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

ドラマスペシャル「クロハ 機捜の女性捜査官 連続殺人と集団自殺…2つの捜査本部8日間の激闘!!悪意に立ち向かう家族の絆!!真相にたどり着いた女刑事が交わす涙の約束とは!?冒頭20分…この中に犯人がいる」(2月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

8話が掲載された「小説宝石 2016年 01 月号 [雑誌]」です!!
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7話が掲載された「小説宝石 2015年 12 月号 [雑誌]」です!!
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