2016年01月12日

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第54話「赤木蛍裁判」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第54話「赤木蛍裁判」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第54話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」「オバケの出る公園」に登場。
青葉真琴:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
黄多川礼:「聖マルス学園」の女子生徒。実は武闘派。

東条春道:霧子の幼馴染、人気者。
黄多川達也:礼の伯父で武術師範。原因不明の体調不良により入院中。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。

これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。

・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第53話「十二人委員の糸口」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

黄多川礼の伯父・達也に「十二人委員」の糸口を見出した蛍と圭一。
これを密かに監視していた蛍は「十二人委員」のメンバーと思われるフード男と遭遇する。
フード男を追跡するも逆に待ち伏せされ危機に陥る蛍。
其処に礼が駆け付けフード男と対峙するも敗北してしまう。
フード男にある人物の面影を見出す蛍だが……。

翌朝、今日も今日とて圭一と共に登校する蛍。
蛍から事情を聞かされた圭一は、達也を見張るべく席を外していた隙に蛍がフード男と遭遇したことに驚きを隠せない。

「そもそも達也とフード男に接触の形跡が無かったのに」と訴える圭一。
何しろトイレ以外は四六時中、達也に張り付いていたのである。
これを聞いた蛍は「そのトイレで連絡を取り合ったのだろう」と指摘。
監視を失敗したことに圭一はがっくりと項垂れてしまう。
とりあえず、監視を続けるべく圭一は達也のもとへ。

1人で登校した蛍。
すると、そんな蛍を礼が呼ぶではないか。
蛍は礼の誘いに応じて教室を後にすることに。
一方、楓はと言えばそんな2人を目にして……。

礼は蛍を空き教室へと連れて来る。
何やら普段と異なる雰囲気の礼に嫌な予感を抱く蛍であったが、その予感は的中。

礼は自身を敗ったフード男に興味津々、その正体を蛍に問い質す。
咄嗟に誤魔化そうとする蛍だが尾行の現場を目撃されており、それも叶わない。

何とか言い繕おうと思考を巡らせる蛍。
と、その前に楓が現れた。
どうやら、蛍たちの後を追って来たようだ。

「私も聞きたいな」

蛍たちの話題がフード男にあると知った楓は自身がフード男に助けられた経緯(43話「緑川楓の冒険」参照)があり、礼と共に蛍に詰め寄る。

何とか辻褄を合わせた言い訳を必死に考える蛍。
ところが、其処へ桃園霧子までもがやって来た。
霧子は病院へやって来るように蛍に誘導されたこと(52話「黄多川達也を救え!」参照)を勘付いており、この理由を問い詰めようとしていた。
横で聞いていた礼はその病院が達也の入院先であることに気付き、尚更のこと蛍への追及を続けて行く。

いつしか、その場は蛍に対する楓、礼、霧子からの詰問場となっていた。
たじろぐ蛍だが、3人は追及の手を緩めない。

追い詰められて行く蛍。
ところがそのとき、空き教室の物陰から人が現れる。
どうやら寝ていたらしく頭部をボリボリとかき続ける女性。

「真琴!!」
驚く霧子。
それもその筈、その人物は学園一の天才と呼ばれる青葉真琴であった。
その名を創さんが口にしていたことを思い出す蛍(40話「フックマン」参照)。
当の真琴はと言えば、無造作に伸びた髪を整えることも無く未だに頭をかき続けている。

真琴はこれまでの蛍たちの遣り取りをずっと聞いていたらしい。
楓たちの気持ちも分かるが詰問状態となっていることを指摘し、冷静に話し合うべきと提案する。

聞き役を勤めてそれぞれの疑問点をまとめる真琴。

楓は蛍が何かを隠しているのかが知りたい。
霧子は蛍が東条にちょっかいを出しているのを止めたい。
礼は好敵手となりそうなフード男の正体を知りたい。

これがそれぞれの主張であった。
その上で真琴は3人の話した内容から、蛍が悪人ではなく寧ろ善人と思われること。
蛍がこれらを隠すのは後ろめたいところがあるからではなく危険から皆を遠ざける為ではないかと指摘する。

では、この理由は何か?
此処で真琴は蛍が霧子に話した内容について注目する。
それは35話「崖の下の呪い家3」でのことだ。
囚われた圭一を救うべく、蛍は霧子の協力を求めて真実を口にしたことがあった。
だが、霧子に一笑に付されてしまい終わっていたのだ。

真琴はこれが事実ではないかと主張する。
少なくとも蛍の中ではそれが事実なのだ。
ここまで推論を進めた真琴は蛍に真実を問う。

真琴の手腕に感心しつつも、どうこの場を切り抜けるか考えていた蛍。
だが、真琴の言葉に心が弾けた。
もともと蛍1人で抱え込むにはあまりにも大きな問題だったのだ。

気付けば蛍は涙ながらに滔々と事実を語っていた。
そして最後まで語り終えた蛍の前には4人の心強い新たな仲間が生まれていたのである―――次話に続く。

ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻、3巻、4巻に続き、早くも5巻が発売!!

さて、その54話。
サブタイは「赤木蛍裁判」。

今回、熱い展開でした。
あらすじをご覧頂ければお分かりの通りこれまでの物語の積み重ねに、名こそ語られていたものの遂に登場した新キャラ・青葉真琴の分析力を以て結ばれた5人の仲間たち。
グッと来ました!!

此処に予想していた5人の仲間たちが集結。
赤木蛍、緑川楓、桃園霧子、黄多川礼、青葉真琴、それぞれの名に色を抱える5人の仲間です。
そして、いよいよ「十二人委員」との対決に突入か!?
あるいは、もちろんこの5人でさらに絆を深めるべく事件を解決して行くのもアリですね。

そして、今回も触れられていたフード男の正体。
おそらく蛍がフード男に抱いた戸惑いの正体は「フード男が圭一に似ていたこと」でしょう。
もしかすると「恐喝王」の見場創太のように、圭一も霊体とフード男とに分かれている可能性がありますね。
「蛍を心配する心」が霊体となり「悪を憎む心」がフード男となったものか?

「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第7話「恐喝王4」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

だとすると、どういった経緯で「十二人委員」に参加したかがポイントか。
また、礼は達也から格闘の手ほどきを受けたようですが、圭一も同門の兄弟子になるのだろうか?
蛍の初恋の少年も圭一だろうし、圭一自身の謎もどんどんと深まっているような気がしますね。

やっぱり、本作は面白い!!
次回にも注目です!!

木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。

木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!

さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。

「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。

衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。

既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。

◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第50話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第53話「十二人委員の糸口」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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これまでの登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。

獣を連れた男(10人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
十二人委員会:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。

死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」「母の父」に登場。

【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。

紀理香:真知恵の姉、長女。
陽香:真知恵の姉、次女。
おじいちゃん:真知恵の父、蛍にとっては母方の祖父。44話で死去。

謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。

【聖マルス学園関係者】
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」「オバケの出る公園」に登場。
青葉真琴:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
黄多川礼:「聖マルス学園」の女子生徒。実は武闘派。

志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
東条春道:霧子の幼馴染、人気者。
創さん:「聖マルス学園」の成績優秀者。
野間:「聖マルス学園」の成績優秀者。
郷里良子:「聖マルス学園」の女子生徒。「ザ・ボディーガード」に登場。
垣木:「聖マルス学園」の女子生徒。柔道部の猛者だが……。「ザ・ボディーガード」に登場。
清水宗徳:「聖マルス学園」の男子生徒。霊能力者を名乗る。

【警察関係者】
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。
黄多川達也:礼の伯父で武術師範。原因不明の体調不良により入院中。

【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
逸見:楓の知人の刑事。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。
円卓:「占いの館」の占い師の1人、「ジュエル」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
蝶野:「占いの館」の占い師の1人、「カラスアゲハ」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。「騙された死神」に登場。
真利奈:七郎の姪。「騙された死神」に登場。
能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。
三橋:能美一郎と親しかった男性。
赤沼茂樹:工学部の院生、ミステリーマニア。
広重将美:赤沼の同期、テレビで一躍大ブレイクを遂げた著名人。
奥宮サキ:墓地で殺害された被害女性。
荒井忠良:サキと交際していた男性、姿を消している。
君近良雄:サキと交際していた男性、姿を消している。

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