2016年01月30日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第103話「混信」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2016年2月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第103話「混信」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2016年2月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

ヨシヒロ:少年
タカオ:ヨシヒロが無線で出会った顔も知らない相手
アニキ:タカオの兄貴分

<103話あらすじ>

ヨシヒロ少年は不満を抱えていた。
周囲の友達は携帯電話を持っているのに、自分だけ携帯電話を持っていないのだ。

一念発起したヨシヒロ少年はクリスマスを利用してサンタさんに携帯電話をお願いすることに。
ところが、届いた品は携帯電話ではなくトランシーバーであった。

些かガッカリしつつも公園にて弟とトランシーバーで交信していたヨシヒロ。
すると、ノイズと共に聞いたことのない声が混ざって来た。
どうやら混信したようだ。

その内容はタカオとアニキの会話だ。
会話の端々には「クスリ」との言葉も含まれており、どうにも不穏当な空気が漂っている。

やがてアニキが消え、タカオが残った。
ヨシヒロは思い切ってタカオに話しかけてみることに。
するとタカオは最初こそ驚いていたが打ち解けた様子を見せる。

それから数日が過ぎた。
ヨシヒロはトランシーバー越しにタカオと会話するのが楽しみになっていた。
いつしか、その話題はサッカーチーム「ストロベリーズ」の勝敗など多岐に及ぶようになっていた。

すっかり心を許したヨシヒロ。
だが、タカオは友達面して近付く悪い人間も居るから気を付けろと諭す。
どうやら、タカオ自身がそうした悪い仲間に引っかかっているようだ。

そんなある日のこと、ヨシヒロは今日もタカオと会話していた。
ところが、タカオが現場をアニキに抑えられてしまった。
トランシーバー越しのアニキはタカオに対し激怒し何やら暴力を奮い始める。
タカオの悲鳴が聞こえたかと思うと、長い沈黙が訪れた。

恐怖に駆られたヨシヒロ。
そんなヨシヒロにアニキが名前を問いかける。

身の危険を察知したヨシヒロは救いを求めようと周囲を見回し、近くに居た男女に助けを求めた。
その相手こそ森羅と立樹であった。

ヨシヒロから事情を聞いた森羅はタカオとアニキが薬物の取引を行っていたと推測。
その連絡を取り合う為に無線を使用しており、これがヨシヒロのトランシーバーと混信したと考える。
だとすれば、タカオはかなり危険な状況にあると思われた。

急ぐ森羅はトランシーバーの受信範囲からタカオとアニキの居場所と思われるビルを突き止めた。
早速、警部を伴いビルへ突入した森羅。
すると、エレベーターの天井の上に隠れていた不審なグループを摘発することに成功する。
やはり、タカオとアニキはグループのメンバーだったのだ。
ところが、肝心のタカオが見つからない。

数分後、駐車場に停められていた車のトランクから重傷を負った男性が発見され病院へ搬送された。
男は自身をタカオだと名乗っていると言う。
これに疑問を抱いた森羅は、それとなく見舞うと「ストロベリーズ」について話題に出してみた。
しかし、男は何のことやら分からない様子。

それを確認した森羅は男こそがタカオではなくアニキであると断定する。
アニキはタカオの振りをしてやり過ごそうとしたのだ。

こうしてアニキは逮捕された。
本物のタカオは後に遺体で発見されることに。

さらに数日後、トランシーバーを手に遊びに出かけたヨシヒロ。
それとなくタカオに呼びかけてみるが返事は無いのであった―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン」2016年2月号掲載「103話 混信」です。

サブタイ「混信」は日向を歩くヨシヒロと日陰を歩くタカオの人生が交錯したことを示すものか。

ヨシヒロにとって辛い結末となりました。
彼はタカオがアニキに殺害されてしまったことを知らされていないのでしょう。
だから、姿も知らぬタカオからの返事を待っている。

一方、タカオは友達面したアニキたちに騙されなし崩しで協力を余儀なくされていたのでしょう。
そんな生活に嫌気がさしていたところをヨシヒロと出会った。
純粋に日向を生きるヨシヒロにタカオは憧れ、彼と友達となりたいと願ったのかもしれません。
それはアニキたちから抜け出したいとのタカオの悲痛な叫びでもありました。

ですが、彼には救いの手が間に合わなかった。
結果、儚く命を落とすことに……切ない結末です。
ただ、森羅と立樹が居たことでヨシヒロが救われたのが救いと言えるでしょうか。

かなり重々しいテーマでありながら、軽やかにかつ過不足なく描き切った今回はかなりの良エピソードだと思います。
100話を超えるシリーズ中でもベスト10に入ると思うほど。
もちろん、次回にも期待!!

ちなみに、あらすじでは良さを伝え切れてません。
本作自体を読むべし!!

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