2016年01月14日

『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』(城山真一著、宝島社刊)

『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』(城山真一著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

2016年 第14回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作

株取引の天才が人の心理を読み解く新たな経済サスペンス

依頼人のもっとも大切なものを報酬に、大金をもたらす株取引の天才「黒女神」。
助手を務めるのはメガバンクに失望した元銀行員。
やがて二人は壮絶な経済バトルに巻き込まれていく。

銀行に失望してメガバンクを退職した百瀬良太は、県が管轄する「いしかわ金融調査部」で、金融関係の相談員として再就職した。その頃、良太の兄が経営する会社の経営が危うく、兄が頼ったのは、地方で噂になっている株取引の天才「黒女神」だった。黒女神こと二礼茜は、大金と引き換えに、“依頼人のもっとも大切なもの”を要求するという。大金を用意した茜は、良太を助手にすることに。良太は依頼人に応えていく茜を見守るが、一方で、良太の職場の上司が茜の存在を調べているらしいことを知り、良太は言い知れぬ不安を覚え――。やがて壮絶な経済バトルに巻き込まれていく!
(宝島社公式HPより)


<感想>

第14回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。
タイトル『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』は受賞時タイトル『ザ・ブラック・ヴィーナス』を改題したもの。

第14回「このミステリーがすごい!」大賞が決定!!栄冠は『神の値段』&『ザ・ブラック・ヴィーナス』の2作に輝く!!

なお、同回は他に一色さゆり先生『神の値段』が大賞を、大津光央先生『たまらなくグッドバイ』(応募時筆名は大津ミツオ名義)が優秀賞を受賞している。

さて、本作について。

金融業界を舞台に、現状に疑問を抱いている百瀬良太と彼が出会った「黒女神」こと二礼茜の活躍を描いた作品。
華やかな舞台の裏で行われる壮絶な暗闘や、何と言っても茜の良太への「ツンデレぶり」が見所です。

ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変しています。
また、かな〜〜〜りバッサリ省略したり改変していて、あくまで雰囲気を伝えるに留まってます。
正確なところは本作をお読み頂きたく思います。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
百瀬良太:相談員をしている男性
二礼茜:「黒女神」と呼ばれる女性
絹脇:大臣在任中の代議士


百瀬良太は元銀行員。
ひょんなことから「黒女神」との異名を持つ二礼茜と出会い、その助手となった。

茜は株取引の天才。
依頼を受けると大金と引き換えに「依頼者の大切な物」を報酬として要求していた。

良太はそんな茜から「人として大切な物を持っている」と評価されることに。

矢先、茜は一代にして立身出世を果たした伝説の人物を父に持つ現職大臣・絹脇から依頼を受けることに。
どうやら、対立候補が現れ代議士生命の危機に瀕しているらしい。

こうして絹脇の危機に茜が参戦、対立候補の不倫スキャンダルを透っ破抜くことで彼を救うこととなった。

実は茜は絹脇の異母妹であった。
茜の才覚は伝説と呼ばれた父譲りの物だったのだ。

茜の才覚を自身の為に用いようとする絹脇は彼女を監視下に置こうとする。
其処で絹脇の要望で茜の所属する新設部署が設立された。

絹脇は茜を新設部署の責任者にしたい。
だが、周囲の目があり憚られた為に、便宜上とは言え別の人物を責任者にせねばならない。
一方、茜は良太の弱者を思う気持ちを高く評価し信頼を抱くようになっていた。

こうして、絹脇と茜の計らいで良太を上司とし、茜を部下とした新設部署が設立された。
その活躍についてはまた次の機会を待つしかない―――エンド。

◆「このミステリーがすごい!」関連過去記事
【第13回】
『女王はかえらない』(降田天著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『いなくなった私へ』(辻堂ゆめ著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【第12回】
『一千兆円の身代金』(八木圭一著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【第11回】
『生存者ゼロ』(安生正著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【第10回】
『弁護士探偵物語 天使の分け前』(法坂一広著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『僕はお父さんを訴えます』(友井羊著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』(矢樹純著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『保健室の先生は迷探偵!?』(篠原昌裕著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』(岡崎琢磨著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『公開処刑人 森のくまさん』(堀内公太郎著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【第9回】
「完全なる首長竜の日」(乾緑郎著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「ラブ・ケミストリー」(喜多喜久著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「ある少女にまつわる殺人の告白」(佐藤青南著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【第8回】
「さよならドビュッシー」(中山七里著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『死亡フラグが立ちました!』(七尾与史著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【第7回】
「臨床真理」(柚月裕子著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【第3回】
『果てしなき渇き』(深町秋生著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【その他】
第14回「このミステリーがすごい!」大賞が決定!!栄冠は『神の値段』&『ザ・ブラック・ヴィーナス』の2作に輝く!!

第13回「このミステリーがすごい!」大賞が決定!!栄冠は『女王はかえらない』に輝く!!

第12回「このミステリーがすごい!」大賞が決定!!栄冠は『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官(仮)』と『一千兆円の身代金(仮)』の2作に!!

第11回「このミステリーがすごい!」大賞が決定!!栄冠は『生存者ゼロ(仮)』に!!

第10回「このミステリーがすごい!」大賞が決定!!栄冠は「懲戒弁護士」に

第9回「このミステリーがすごい!」大賞が決定!!栄冠は「完全なる首長竜の日」に

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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